「痛た……いったいここはどこだ?」
俺は突然現れた闖入者……恐らくシンクロ次元の俺なのだろうが……はキョロキョロと辺りを見回している。
「エクシーズ次元…………にしちゃ綺麗だし、シンクロ次元でもなさそうだな……ってテメェ!!」
どうやら俺のことにも気づいたようでバイクを走らせて寄ってくる。
「……ってちょっと待てこんな道幅狭いところでそんなバイクをフルアクセルで向かってこられたらギャァァァァァァ!!」
遊矢が慌ててその場から逃げようとするが、余りの速さと道幅の狭さからあっという間に撥ね飛ばされる。それはもう綺麗に空中三回転しながら背中からドンだ。
シンクロ次元の俺が俺の目の前までやって来る。そして俺の襟首を掴むと
「テメェ!!漸く見つけたぜ!!さっさとリンの居場所を吐きやがれ!!」
もう何度目かという聞き飽きた言葉を放ってくる。
「ウグ!!」
当然、遊矢とのデュエルでかなりのダメージを受けてる俺はかなり痛い。というか勘違いなのだから手加減をして欲しいくらいだ。
「……って、テメェ、なんかすげぇボロボロになってねぇか?若干コートもボロボロだし……」
「そう思うなら襟首を掴まないでくれ……若干息が…………」
あぁダメだ…………ダメージが響いて意識が遠退いて…………。
「…………とりあえず、気道絞まってるから話した方が……」ガクッ!!
「あ、何を言って…………うぉ!!泡を吹いて!!って、こっちは気絶してやがるし!!なんだこりゃぁぁぁぁ!!」
全部お前のせいである(by 作者
とりあえず意識を取り戻した俺が居たのは、あの裏路地から少し離れた公園で、ベンチに横になって倒れていた。
「よう、気がついたか?」
目の前には何故か缶ジュースを啜る融合次元の手先「融合じゃねぇ!!ユーゴだ!!いい加減に覚えやがれ!!」…………ユーゴがそこにいた。さらに隣のベンチを見てみると、こちらもかなり傷だらけな遊矢が寝ている。
「お前、あんな狭い場所でアクセル全開とかふざけているのか?交通事故どころか普通に轢き逃げだろ」
「う…………仕方ねぇだろ、リンの仇が目の前にいて…………つい、よ」
「だからといって無抵抗の人間を轢き逃げしたうえに、俺の意識を飛ばすとはどういう了見だ」
「だから悪いって言ってんだろ!!……で、どうしてあんなにボロボロになってやがった?」
俺はとりあえずさっきの事を掻い摘んでユーゴに話す。ユーゴは聞いてて首を傾げていたが、とりあえず納得はしたようでこっちを見る。
「で、お前はこれからどうするんだ?言っちゃ悪いがさっきの場所からそれなりに遠くまで来ちまったぞ」
『それなら問題ない』
「な!!誰だ!!何処に居やがる!!」
突然聞いたことのある声に少しだけ俺はホッとするが、逆にユーゴは突然聞こえた声に驚き身構える。
「……何のようだ、『ナハト』」
俺がそう聞くと、ちょうど俺のいるベンチの後ろから一瞬で姿を現したのは、はやての精霊であり、何度か家で実体化して過ごしている『ナハトヴァール』が姿を現した。しかも精霊時の服装の為か露出が高いため、ユーゴは一目見た瞬間に鼻血を出してしまった。
「……なにをやっている」
「い、いや……いきなりナイスバディな女の人が目の前に現れたらこうなるって!!てかお前はなんねぇのかよ!!」
「馴れた」
「そんな馴れは要らねぇよ!!」
ユーゴの突っ込みに苦笑を浮かべたその瞬間だった。突然真横から溢れ出た殺気に、俺はすぐにその場を離れる。ナハトもすぐに察知し俺の横に現れるが、ただ一人、ユーゴだけは一瞬遅れたために、あまりの殺気に動けないでしまった。
殺気の主……遊矢はまるで何かに囚われるように立っていて、目や表情、雰囲気はさっきのデュエルの時よりも闇に飲み込まれていた。
「……遊矢」
「俺は……強くなる……俺は……俺はぁ!!」
「何だよ……これ!!体が……動かねぇ!!」
もう取り憑かれたいうレベルのそれに、俺は少し恐れを抱いた。
「…………ナハト、デュエルできるか」
「愚問だ。むしろこの場面、しなければ乗りきれないのは明白だな」
そういうと俺達は互いにデュエルディスクを構える。その時だった。
「ぐ、ぐぁぁぁぁ!!」
「ウォォォォォ!!」
「ユーゴ!!遊矢!!いったい」
突然ユーゴが苦しみの声をあげ、遊矢はそれに呼応するように雄叫びをあげる。そして次にはユーゴの目が青く輝き、遊矢と同じような表情を浮かべる。
「!!『ダーク・リベリオン』が叫んでいる……だと?」
突然の感覚に戸惑うものの、遊矢もユーゴ(バイクのディスクを使うようだが)もディスクを構える。そしてデュエルディスクに現れた表示を見て少し顔を引き攣らせる。
「(ルールはタッグデュエルか……仕方あるまい)デュエル!!」
ユート・ナハト LIFE8000
闇遊矢・ユーゴ LIFE8000
「先行は俺だ!!俺はスケール1『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』とスケール8『龍穴の魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング!!」
『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』 ◆1
『龍穴の魔術師』 ◆8
「これにより、レベル2~7のモンスターを同時に召喚可能!!さらに俺は永続魔法『補給部隊』を発動!!これにより、1ターンに1度、自分のモンスターが破壊されることにより一枚ドローできる!!そして俺はペンデュラム召喚!!現れろ、我が僕のモンスター達!!」
『EM ペンデュラム・マジシャン』 ☆4 A 1500
「モンスター1体だけ……だと?」
「違うぞナハト!!あのパターンは!!」
「『ペンデュラム・マジシャン』のモンスター効果発動!!このカードが特殊召喚に成功したとき、自分フィールドのカードを二枚破壊することで、デッキからこのカード以外の『EM』を手札に加える!!俺は『ペンデュラム・マジシャン』自身と『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』を破壊して、デッキから『EM ドクロバット・ジョーカー』と『EM オッドアイズ・ライトフェニックス』を手札に加える!!そして『補給部隊』の効果で一枚ドロー!!さらに俺は『EM ドクロバット・ジョーカー』を通常召喚!!」
『EM ドクロバット・ジョーカー』 ☆4 A 1800
「『ドクロバット・ジョーカー』の召喚時効果発動!!デッキから俺は『オッドアイズ・P・ドラゴン』を手札に加える!!俺はカードを二枚伏せてターンエンド!!」
闇遊矢・ユーゴ LIFE 8000 手札 闇遊矢:2 ユーゴ:5
フィールド
『EM ドクロバット・ジョーカー』
『龍穴の魔術師』 ◆8
『補給部隊』 永続魔法
伏せカード二枚
「ユート、ここは私から行かせて貰う!!私のターン、ドロー!!……手札より魔法カード、『手札抹殺』を発動!!プレイヤーは手札を全て捨てて同じ枚数ドローする。今回はタッグデュエルだから、手札を捨てるのは私と、私の前にプレイをした遊矢を対象にする」
「く……『オッドアイズ』を……」
ナハト 捨て札
『幻蝶の刺客 オオルリ』
『星因士 ベガ』
『フォトン・スラッシャー』
『二重召喚』
『手札断札』
「(よし、このカードなら)私は魔法カード『夜天の宝札』を発動!!自分フィールドにモンスターが存在しないとき、墓地の光または闇属性のモンスターを二枚除外することで三枚ドローする!!」
「(はやてと同じカードを……流石は主従ということか……)」
「私は墓地の『オオルリ』と『フォトン・スラッシャー』を除外して二枚ドロー!!……私はさらに手札から『増援』を発動!!デッキから『ゴブリンドバーグ』を手札に加え、召喚!!」
『ゴブリンドバーグ』 ☆4 A 1400
「『ゴブリンドバーグ』の効果発動!!私は手札から『星因士 アルタイル』を特殊召喚!!この効果を使ったとき、『ゴブリンドバーグ』は守備表示になる!!」
『星因士 アルタイル』 ☆4 A 1700
『ゴブリンドバーグ』 A 1400 → D 0
「そして『アルタイル』特殊召喚されたアルタイルの効果発動!!墓地から蘇れ、『星因士 ベガ』!!さらに特殊召喚された『ベガ』の効果により、手札から『デネブ』を特殊召喚!!『デネブ』の効果で、デッキから『アルタイル』を手札に加える!!」
『星因士 ベガ』 ☆4 D 1600
『星因士 デネブ』 ☆4 A 1500
「さらに私はフィールド魔法、『夜天の夢幻層』を発動!!」
ナハトが発動したそれにより、フィールドの地面は岩柱が立ち並ぶ海面と、空は万華鏡のように闇のなかに不可思議な紋様が刻まれた世界に変わった。
「『夜天の夢幻層』の効果発動!!自分フィールドのモンスター1体をリリースすることで、デッキからリリースしたモンスターと同レベルの『夜天』または『テラナイト』モンスターを手札に加える!!私は『ゴブリンドバーグ』をリリースして、デッキから『夜天の書』を手札に加え、ペンデュラムゾーンにセッティング!!」
『夜天の書』 ◆1
セッティングされたのは、まるでモンスターには一切見えない、正しく『本』のようなモンスターで、その姿ははやての持っているそれに良く似ていた。
「さらにセッティングされた『夜天の書』のP効果発動!!片方のペンデュラムゾーンが空いているとき、除外されているモンスターを1体デッキに戻し、デッキからペンデュラムモンスターを選択してセッティングできる!!私は『幻蝶の刺客 オオルリ』をデッキに戻し、スケール5の『闇の書』をセッティング!!」
『闇の書』 ◆5
これもまたモンスターには見えなかったが、さっきの『本』と違って何処か禍々しいオーラが浮かんでいる。
「『闇の書』のP効果により、フィールドの光属性モンスターを闇属性として、闇属性モンスターを光属性として扱う!!私は、闇属性となったモンスター3体でオーバーレイ!!狂いし闇よ、太古の時を超え、全てを砕く鉄鎚を与えよ!!エクシーズ召喚!!ランク4!!『夜天鎚騎士 アイゼンブルグ』!!」
『夜天鎚騎士 アイゼンブルグ』 ★4 A 2900
現れたのは、まるでゲートボールで使うようなそれの形をした大型のハンマーを持った紅い服を着た戦士のモンスターで、どういうわけか体の回りに数多くの鉄球が浮かんでいる。
「さぁ、『闇の書』改め『夜天の魔導書』の一部として、お前らの闇を喰らってやる!!」
オリカ紹介
『夜天の夢幻層』 フィールド魔法
『夜天の夢幻層』の①②の効果は1ターンに1度しか使えない。
①フィールドのモンスターをリリースすることで、デッキからリリースしたモンスターと同レベルの『夜天』または『テラナイト』モンスターを手札に加える事ができる。
②『夜天』Xモンスターが破壊され墓地へ送られるとき、墓地の『夜天』もしくは『テラナイト』モンスターを一枚除外することで、墓地ではなくエクストラデッキに戻す事ができる。
『夜天の書』
☆4/◆1/光属性/魔法使い族/A 0/D 0
P効果
ペンデュラムゾーンのもう片方にペンデュラムモンスターがセッティングされていない時、除外されているモンスター1体をデッキに戻し、デッキからペンデュラムモンスターをセッティングできる。
モンスター効果
バトルフェイズ時、このカードを手札から墓地へ送ることで、墓地のレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚できる。この効果は相手のバトルフェイズ時にも発動できる。
『闇の書』
☆8/◆5/闇属性/魔法使い族/A 0/D 0
P効果
自分フィールドの光属性モンスターを闇属性、闇属性モンスターを光属性として扱う事ができる。
モンスター効果
自分のライフが相手より少ないとき、このカードを手札から墓地へ送ることで、自分のライフを相手のライフポイント分回復する事ができる。
『夜天鎚騎士 アイゼンブルグ』は次回効果を説明したいと思います