ジュニアユース5日目の朝、漸く三回戦になった私は少しだけため息を着きたくなった。
(原作通りなら、今日はバトルロワイヤル……そして……)
私はなにも言えない不安が過る。予想するにしても相手側の戦力が読めない。原作とは大きく離別してるし、何よりマテリアルズも居る。どこでどうなるかさっぱり分からない。
「……考えても仕方ない、か」
とりあえず今できる最大の手を考えるためにデッキを調整し始める。何一つとして後悔はしたくないから……
スタジアム内、三回戦まで勝ち上がったメンバー全員は中央大型フィールドに勢揃いしていて、遊矢は勿論、デニスや原作で梁山泊に敗北した刃の姿もある。ただやはりというべきか、北斗と真澄はここにはいない。
『……それでは三回戦のルールを発表する』
「来たか……」
零児の放送に、私たちは放送席の方へと視線を向ける。
『三回戦、今回は参加人数が多いこともあり、大会の長期化を防ぐために、バトルロイヤルを実施したいと思う』
「バトルロイヤルだと……どういうことだ、赤馬零児……」
隼はまるでわけが分からないというように私に聞いてくる。
『基本ルールとして、フィールドはこのスタジアムを中心に半径数キロの円形のアクションフィールドを展開させる。そのフィールドを東西南北に火山、ジャングル、古代遺跡、氷山の四つに別れている。参加者はそこでアクション魔法とは別に、我が
「ペンデュラムモンスターだと!!しかもアンティーデュエル……」
『掛けるのはフィールドにあるペンデュラムモンスターのみ、そのカードを手に入れなければデュエルには参加できない。また、手に入れたペンデュラムモンスターはデッキに入れるも良し、入れずに戦うも良し。あくまで各自の判断に任せてもらう』
(……やっぱり原作とは少し変わってるみたいやね……。まぁ私的には、ペンデュラムモンスターはあってもあまり意味無いから別に良いんやけど)
『ルール説明は以上だ。それではこれより五分後スタートとする。各選手は移動するエリアごとに別れてもらいたい』
『(…………全く、あの赤馬零児ってやつもかなりのキレ者だな)』
そう言い終える途端、私の精霊であるナハトがそんなことを言ってきた。
「(そうやね。多分零児はこれから襲撃が起こるって多分予想してるんやろな)」
『(まぁそれはあるだろうな。それよりはやて、お前のデッキでアカデミアと対等に戦えると思うか?)』
その質問に苦笑を浮かべる。
「(はっきり言えば完勝は厳しいやろうな。いくら私のデッキが融合の一番の敵であるバウンス主体といっても、数に押されたらどうにかできるかわからへん。ナハトの連続攻撃もあまり意味が無さそうやし)」
『(となると、今回は可能な限り目立たないようにするということか?お前にしては珍しいが)』
「(誰も動かないとは言っとらんやろ。それに、なんや今回は色々と胸騒ぎがするんや……)」
そうして私は古代遺跡側に通じるスタートラインに立ち、少しだけ深呼吸をする。そしてシュベルトクロイツを展開させて騎士服モードになると、同時に
『それではアクションフィールド、ワンダーカルテットを発動!!アクションデュエル…………スタート!!』
選手一同全員が駆け出した。
古代遺跡中ごろ辺りへと着いた私は、とりあえず手頃な遺跡の中に入ってペンデュラムモンスターを探す。
が、入ったは良いものの、中にはアクションカードすら見つからない。
「う~ん、さすがに遺跡を壊すのは憚られるけど、しゃあないか」
私はとりあえずナハトを召喚させて、妙に奥行きの狭い部屋を切り崩す。すると、ご丁寧にもペンデュラムモンスターが二枚も置かれていた部屋が見つかる。
「よし、これでデュエルに参加できる……っと」
とりあえずゲットしたカードをケースへと保管すると、後ろから妙な視線を感じた
「そこに隠れてるのは誰や!!」
そう叫ぶが、視線は消えないのに誰も出てこない。
「……あはは、やっぱり気づいちゃうよね」
と、真横の入り口から聞き覚えのない声が聞こえてきた。振り返ってみると、そこには見覚えのある顔の持ち主が姿を現した。
「……フェイトちゃん……やないよね」
そう、そこにいたのは背格好はそれなりに似てるが、髪をロングのストレートにし、少しタレ目の女の子……外見こそ私の親友、フェイト・テスタロッサことフェイトちゃんに似た顔の女の子がそこにいた。
「ふーん、やっぱりフェイトのことを知ってるよね」
「(フェイトちゃんを知ってる?いや、まさか)……一つ聞くけど、フェイトちゃんの事を
「変なことを聞くね、私はそれなりに知ってるよ、私は
「ッ!!やっぱりか……」
見た目で分かってはいた。本人からも少しは事情を聞いてはいた。けど、それならなぜ、
「どうしてここに居るんや?いや、どうして生きとるんや?
アリシア・テスタロッサ……フェイトちゃんの実の姉であり、生物学上では
「う~ん、生きてる……っていうのは少し違うんだよね。正確には、転生したって言うべきなのかな?」
「……なんや、その微妙な答えは?」
「だって私自身も良くは分かってないからね。まぁ大体は理解してるけど」
「…………」
「私が今生きてるのは、私自身が
なるほど、理解はできるし納得はできる。現にあの日消滅したと思ったリインやナハトが復活したのも、カードの精霊としてだ。詰まる所同じようなものなんだろう。
「まぁ私のことは別に良いから……それよりも、気づいてるよね?」
「……そらね」
そう言うと私たちは互いに振り向きながら、背中合わせにデュエルディスクを構える。
「いい加減出てきや!!あんたらが私らを囲んでるのは分かっとるで!!」
そういうと、いかにも君の悪い仮面を被ってる男たち……オベリスクフォースの連中が姿を現れた。しかも四人もだ。
「ふん、スタンダード次元の奴等が我々に気付くとはな」
「生憎、私には頼れる精霊もおるからな、あんたらが私ら囲んでるのは筒抜けだったわ!!」
「ちっ、なら私たちが何をするのか、貴様には分かるよな?」
奴等はそう言うとデュエルディスクを構える。
「二対四のバトルロイヤルルールだ!!当然ルールは分かるな!!」
「当然!!」
バトルロイヤルルール、多人数対戦で自分以外は全て敵、または一対二等の特殊な状況でのデュエルだ。
原則全員が最初のターンを終えるまではバトルフェイズに入れない。最初にバトルできるのは一番最初にプレイした人間、という特殊すぎるルールなため、現実ではあまり行われる事はない。
「「「「「「デュエル!!」」」」」」
はやて LIFE4000(6)
アリシア LIFE4000(3)
オベリスクフォースA LIFE4000(1)
オベリスクフォースB LIFE4000(2)
オベリスクフォースC LIFE4000(4)
オベリスクフォースD LIFE4000(5)
「先行は俺だ!!俺は手札から『
『古代の機械猟犬』 ☆3 A 1000
「『古代の機械猟犬』の効果!!このカードがフィールドに存在するとき、相手に600ポイントのダメージを与える!!俺はそこの金髪にダメージを与える!!」
「金髪じゃない!!アリシアだよ!!うわぁぁ!!」
アリシア LIFE 4000 → 3400
「さらに俺は魔法カード『愚かな埋葬』を発動し、デッキから二枚目の『古代の機械猟犬』を墓地へ送る。俺はカードを一枚伏せてターンエンド!!」
オベリスクフォースA 手札二枚 LIFE4000
フィールド
『古代の機械猟犬』
伏せカード一枚
「俺のターン、ドロー!!……俺は手札から魔法カード『融合』を発動!!手札の『古代の機械猟犬』二枚を融合!!融合召喚!!現れろ『古代の機械
『古代の機械双頭猟犬』 ☆5 A 1400
「俺はカードを二枚伏せて、ターンエンド!!」
オベリスクフォースB 手札一枚 LIFE4000
フィールド
『古代の機械双頭猟犬』
伏せカード二枚
「いっくよ!!私のターン、ドロー!!……私は手札から永続魔法『六武の門』、『六武衆の結束』を発動!!」
「ブゥ!!ろ、『六武衆』!!アリシアのデッキって六武衆なんか!!」
「うん。まぁもっとも私自身も六武衆のカードになっちゃってるから……続けてフィールド魔法『六武院』を永続魔法扱いで発動!!そして相手フィールドにモンスターが存在して、自分フィールドにモンスターが存在しないとき、手札の『六武衆のご隠居』を特殊召喚!!」
『六武衆のご隠居』 ☆3 D 0
「この瞬間、『六武衆の結束』、『六武院』に武士道カウンターが一つずつ、『六武の門』に武士道カウンターが二つ乗る!!」
『六武の門』 武士道C 0→2
『六武衆の結束』 武士道C 0→1
『六武院』 武士道C 0→1
「そして『六武院』は武士道カウンターが置かれてる時、相手フィールドのモンスターの攻撃力はこのカードに置かれてる武士道カウンター一つに100下がる!!」
『古代の機械猟犬』 A 1000 → 900
『古代の機械双頭猟犬』 A 1400 → 1300
「さらにフィールドに『六武衆』モンスターが存在するとき、手札から『六武衆の師範』を特殊召喚!!」
『六武衆の師範』 ☆5 A 2100
『六武の門』 C 2→4
『六武衆の結束』 C 1→2
『六武院』 C 1→2
「そして『六武の門』の効果発動!!自分フィールドの武士道カウンターを四つ取り除いて、デッキまたは墓地から『六武衆』モンスターを手札に加える。私は『六武衆の門』、『六武衆の結束』から二つずつ取り除いて、デッキから『真六武衆―キザン』を手札に加え、自身の効果で特殊召喚!!」
『真六武衆―キザン』 ☆4 A 2100
『六武の門』 C 4→2→4
『六武衆の結束』 C 2→0→1
『六武院』 C 2→3
「さらに『六武の門』の効果!!このカードから四つ取り除き、デッキから二枚目の『真六武衆―キザン』を手札に加えて特殊召喚!!」
『真六武衆―キザン』 ☆4 A 2100
『六武の門』 C4→0→2
『六武衆の結束』 C1→2
『六武院』 C3→4
「再び『六武の門』の効果で、『門』と『結束』から二つずつ取り除き、デッキから『真六武衆―カゲキ』を手札に加える。そしてフィールドの『キザン』2体でオーバーレイ!!エクシーズ召喚!!現れろ『六武衆の影―紫炎』!!」
『六武衆の影―紫炎』 ★5 A 2500
『六武の門』 C2→0→2
『六武衆の結束』 C2→0→1
『六武院』 C4→5
「そして私は『紫炎』の効果発動!!ORUを一つ取り除いて、フィールドの攻撃力2000以下の六武衆モンスターの攻撃力を2000へと引き上げる!!私はこれにより『六武衆のご隠居』の攻撃力を2000へと引き上げる!!」
「莫迦か!!守備表示のモンスターの攻撃力を引き上げて何になる!!」
「これだからスタンダード次元のデュエリストは……」
(確かに、これじゃあ無駄打ちしただけじゃ……いや違う……もしかしてこのデッキは……)
「残念だけど、これも戦術の一つなんだよね。再び『六武の門』、『六武院』から二つずつカウンターを外して、墓地の『キザン』を手札に戻して特殊召喚!!」
『六武の門』 C2→0→2
『六武衆の結束』 C1→2
『六武院』 C5→3→4
「さらに『ご隠居』、『紫炎』、『師範』をリリース!!現れろ、三幻神が一角、『オシリスの天空竜』!!」
『オシリスの天空竜』 ☆10 A 0
「「「「オ、オシリスだと」」」」
「(あ、やっぱり、フィールド殲滅系デッキだったのか……)」
「お、俺はこの瞬間、『古代の機械双頭猟犬』の効果を「『オシリス』の召喚に対して相手はカード効果を発動できない!!」なんだと!!」
「さらに『六武衆の結束』の効果発動!!このカードをリリースして、このカードに置かれていたカウンター一つにつき一枚ドローする。置かれてるカウンターは二つ、よって二枚ドロー!!」
『オシリスの天空竜』 A 0 → 2000
「(来た!!)私は二枚目の『六武の門』を発動!!」
「なんだと!!」
「しかもあいつのフィールドにはカウンターが四つ以上貯まってる!!」
「私は『六武の門』と『六武院』から再びカウンターを二つ取り除いて、墓地から『キザン』を手札に加えて特殊召喚!!」
『六武の門』 C2→0→2
『六武の門』 C0→2
『六武院』 C4→2→3
「私は再びフィールドの『キザン』2体でオーバーレイ!!現れろ、『六武衆の影―紫炎』!!」
『六武衆の影―紫炎』 ★4 A 2500
『六武の門』×2 C2→4
『六武院』 C3→4
「そして『六武の門』二枚からカウンターを四つずつ取り除いて墓地の『キザン』と『師範』を手札に加える!!そして『キザン』を特殊召喚!!」
『真六武衆―キザン』 A 1800
『六武の門』×2 C4→0→2
『六武院』 C4→5
「そして『キザン』に対して『紫炎』の効果発動!!攻撃力を上昇!!」
『真六武衆―キザン』 A 1800 → 2000
「さらに手札の『師範』を特殊召喚!!そしてフィールドに『六武衆』が二体以上居るとき、『キザン』の攻撃力は300アップ!!」
『真六武衆―キザン』 A 2000 → 2300
『六武の門』×2 C2→4
『六武院』 C5→6
「そして『六武の門』からカウンターを4ずつ取り除いて、デッキから『真六武衆―カゲキ』、『六武衆の影武者』を手札に加え、カードを一枚伏せてターンエンド!!この瞬間、『紫炎』の効果は終了する。」
アリシア 手札二枚 LIFE3400
フィールド
『オシリスの天空竜』 A 2000
『真六武衆―キザン』 A 2100
『六武衆の影―紫炎』 A 2500
『六武衆の師範』 A 2100
『六武の門』×2 C0 永続魔法
『六武院』 C6 フィールド魔法(永続魔法扱い)
伏せカード一枚
うん、デュエル前半なのにやり過ぎた感が半端ないのは私だけですかね?