問題児たちと光暗の翼が異世界から来るそうですよ?   作:鴉紋to零

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軽舌戦、後、微跳躍

小一時間程かけて山を下った僕たちは整備された石畳の公道を歩いている

 

遠くから見てもとても石造りの大きな門の下に緑色の髪をした少年が座っていた

 

「ジン坊っちゃーン!新しい方を連れてきましたよー!」

 

黒ウサギが大きな声でジンと呼ばれた少年に伝える

 

ジンと呼ばれた少年はパッと顔をあげた

 

「お帰り、黒ウサギ。そちらの女性二人と男性一人が?」

 

「はいな、こちらの御四名様がーーーー」

 

黒ウサギとジンの発言の食い違いを確認するために僕は後ろを振り向いた

 

………案の定、十六夜は居なかった

 

全く、十六夜は何処でもいつも通りだ

 

「………え、あれ?もう一人いませんでしたっけ?ちょっと目付きが悪くて、かなり口が悪くて、全身から゙俺問題児!゙ってオーラを放っている殿方が」

 

「ああ、十六夜君のこと?彼なら゙ちょっと世界の果てを見てくるぜ!゙と言って駆け出して行ったわ。あっちの方に」

 

飛鳥さんが指差した方向は何処から見てもあの膨大な崖だった

 

飛鳥さんの指差した方向を見てヒステリックに叫ぶ黒ウサギ

 

「な、何で止めてくれなかったんですか!」

 

「゙止めてくれるなよ゙と言われたんだもの」

 

「嘘だね」

 

ハイテンションな声と冷静な声の間にもっと冷静な声が割って入る

 

唐突に言われたことにきょとんとしている黒ウサギは置いておいて、さらに飛鳥さんに突き詰める

 

「い、いえ。本当のことよ?」

 

「何度も言わせないでほしいな。それは嘘だ」

 

「十六夜なら引き留めたら余計に行きたがる性格だ、そんな人物が゙止めてくれるなよ゙なんて、言うと思うかい?」

 

飛鳥さんの表情が一転、どんどん顔が青くなっている

 

さて、畳み掛けようか

 

「ここで、正直に話さなかった動機を教えてくれると何もせずにすむのだけれど。どうだい、()()()()()()

 

素知らぬ顔をしていたってバレるに決まっているのに

 

「最終通告だ、どうなんだい?」

 

「「面倒だったので言いませんでした、ごめんなさい」」

 

全く、こっちもこっちだな

 

「今回はその正直な態度に免じてなにもしないけれど、次はないと思った方がいい」

 

「「はい!」」

 

僕は少しの笑みを浮かべながら、二人にそう話した

 

顔を真っ青にして答えていたので多分、生涯忘れないだろう

 

さて、完全に蚊帳の外となっているジンと黒ウサギをこっちに引き戻そうか

 

「僕は十六夜を追いかけるけど、黒ウサギはどうするんだい?」

 

「へぇ?は、はい!行きます!」

 

そう言うと、黒ウサギはジンの元へ駆けて行く

 

「ジン坊っちゃん。申し訳ありませんが、御二人様のご案内をお任せしてもよろしいでしょうか?黒ウサギはあのお馬鹿様に゙箱庭の貴族゙と謳われるこのウサギを馬鹿にしたことを、骨の髄まで後悔させてきますので」

 

黒ウサギの髪が緋色を帯ながら、本人は気にすることもなくジンに頼み事を伝える

 

ジンもそれに頷き、了承した

 

僕は二人が話している間にフック付きの矢と弓を作る

 

「行きましょう、光輝さん!」

 

「ああ」

 

黒ウサギは壁についている彫像を蹴り上げて壁を登り

 

僕は黒ウサギと似たように、壁にある彫像にフック付きの矢を引っかけ、遠心力で壁を上っていった

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