問題児たちと光暗の翼が異世界から来るそうですよ? 作:鴉紋to零
「あーもう!一体何処まで行っちゃったんですか!?」
十六夜を探しだして早半刻
手がかりらしい手がかりも見付けられず、僕らは森をさ迷い続けていた
ここまでヒントがないと、探すのは困難だね
「黒ウサギさん」
僕が黒ウサギさんの名前を読んだときに、呻き声が聞こえた
僕は黒ウサギにつられてその声に足を止めた
何かを発しているのは分かるが何を話しているかはわからない
だが、わかることもあった
なかなか、数が多いな
パッと区別するだけで十はいる
それほど、黒ウサギさんは珍しい人なのだろう
「あのー森の賢者様方。つかぬことをお聞きしますが、もしかしてこの道を通った方をご存じでしょうか?よかったらこの黒ウサギに道を示していただけますか?」
一斉に静まり返る声、誰も言葉を発しようとしない
そのなかで一頭のユニコーンが此方に歩を進めた
「こ、これはまた、ユニコーンとは珍しい御方が!゙一本角゙のコミュニティは南側のはずですけれども?」
少し機嫌の良さそうな嘶きを聞き、黒ウサギは
「うわお」
クラリと立ち眩み、負けたボクサーのように、膝を折り、地面に手をつけた
言葉は分からないけれど、相当酷い場所であったことはその動作から十二分に伝わってきた
「本当に………本当に………なんでこんな問題児をぅ………………!」
また、ユニコーンが嘶いた
どうやら、黒ウサギが返事をして跨がろうとしたところを見ると乗れと言われたようだ
だが、その動作は途中で中断された
大きな地響きと共に、西の方角を見ると水柱がいくつも立っていた
それを見た僕は、速度で黒ウサギに敵わないのは分かっていた為、即座に行動を開始した
ロープの先に鉤爪をつけたものをイメージ
イメージが固まり次第精製する
後はひたすらそれを木の太い枝に引っ掻けて移動していった
黒ウサギが先に跳んでいった光輝に追い付いたとき、黒ウサギは珍妙な光景を見たに違いない
その時の光景とは、正座で目の前の少年に説教されている問題児とその問題児に弓を構え、説教している少年である
二人のパワーバランスはいったいどうなっているのだと問いただしたくなるほどに先程までのキャラを破壊している問題児は怯えていた、顔面蒼白なるほどに
「あぁ、黒ウサギさん。追い付いたのか」
そういうと、僕は弓と矢を消して何事も無かったかのように湖の方を見た
十六夜も同じく、何事も無かったかのように正座を止めて今気づいたかのように黒ウサギに話しかけた
「あれ、お前黒ウサギか?どうしたんだその髪の色」
「………く、黒ウサギとしては、先程のことの方が………」
言いかけている黒ウサギに向かって唇の上で人差し指を立てる
十六夜からはこってり絞っておいたし、これ以上はよしたほうがいいだろう
「そ、それよりも!十六夜さん!一体何処まで来ているんですか!?」
「゙世界の果でまで来てるんですよ、っと。まあそんなに怒るなよ」
先程までの顔面蒼白は何処へ行ったのやら、小憎たらしく笑っている
ただ、黒ウサギの心配していたことについては手遅れだったが
「しかし良い脚だな。光輝なら
「むっ、当然です。黒ウサギば箱庭の貴族゙と謳われる優秀な貴種です。その黒ウサギが」
黒ウサギはその時、本人の主観で本当のこの事態の異常さに気付いてしまった
黒ウサギが………半刻以上もの時間、追いつけなかった………………?そして、
黒ウサギが焦燥に狩られるような気持ちになっているとき、事態は変化した