問題児たちと光暗の翼が異世界から来るそうですよ?   作:鴉紋to零

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仮称問題児

「ま、まあ、それはともかく!十六夜さんが無事でよかったデス。水神のゲームに挑んだと聞いて肝を冷やしましたよ」

 

「水神?_________ああ、()()のことか?」

 

え?と黒ウサギは硬直

 

その方を僕も向いてみると、既に事後だったことがよく分かった

 

湖には水神である蛇神とおぼしき大蛇が川面に静かに浮かんでいた

 

すると、突然鎌首をもたげて

 

『まだ………まだ試練は終わっていないぞ、小僧ォ!!』

 

軽く100mはある大蛇が鎌首を上げる姿は壮大なものを感じた

 

「蛇神………!って、どうやったらこんなに怒らせられるんですか十六夜さん!?」

 

「どうせ十六夜のことだ。試練を選ぶ?お前が俺を試せるのかよってところだろう」

 

十六夜が答えるよりあらかたの検討を答えた僕は少し頭が痛かった

 

「光輝が言った通りだぜ!結果はまあ、残念な奴だったが」

 

「そんなに十六夜のお眼鏡にかかる輩がいたら、この世界はクレーターが大量にできそうだ」

 

「ああ。言われてみればそうか」

 

この会話を聞いていた大蛇はいったい何を勘違いしたのか

 

『貴様ら………………付け上がるな人間共!我がこの程度で倒れるか!!』

 

あれ?いつの間にか僕も対象になってるみたいだ、まあ、どうにかなるかな

 

巻き込まれる事には慣れてるしね

 

そんなことを考えている間に蛇神は吹き上がる風で水柱を五本程立てる

 

「十六夜さん!光輝さん!下がって!」

 

黒ウサギは二人を庇うために間に飛び込もうとする。しかし、

 

「何を言ってやがる」

 

「黒ウサギ、それはないよ」

 

二人は同時に黒ウサギを鋭く睨んだ

 

「下がるのはテメェだろうが黒ウサギ。これは俺が売って、奴が買った喧嘩だ。手を出せばお前から潰すぞ」

 

逆廻十六夜という人間は、自分の決めたポリシーに手出しされるのが嫌いな男だ、だから売られた喧嘩は必ず買う

 

そして、僕自身はあまり喧嘩を買ったりする方ではないし、売ることもない。だが、例外もある

 

「関係ない人間を巻き込むのだけは僕のポリシーに反するからね。だから………」

 

殺る

 

静かにだが、強い意思を込めて僕はこの言葉を使った

 

黒ウサギは参加できないことに歯噛みする

 

『心意気は買ってやる。それに免じ、この一撃を凌げば貴様の勝利を認めてやる』

 

「「寝言は寝て言え(言ってくれ)」」

 

日頃やることが真逆な二人、だからこそ、意外なところで共鳴しあう

 

「決闘は()()()()()()()()()()()()()()()

 

()()()()()()()()()()()()()()

 

ここまで大口を叩く僕らには、負ける可能性は微塵もなかった

 

蛇神は怒り半分、呆れ半分で叫んだ

 

『フン_____その戯言が貴様らの最期だ!』

 

新たに自身の身の丈を越えるほどの巨大な水柱を立てて、もう一つ、五本の水柱を纏めこれも同じく巨大な水柱を造り上げる

 

そして、それの一つが十六夜に向かって放たれた

 

水柱は野に放たれた飢えた獣のように十六夜に向かう

 

「十六夜さん!」

 

黒ウサギは不味いと思い、叫んだ

 

だが、もう間に合わない

 

「_____ハッ________しゃらくせえ!!」

 

しかし、間に合う必要は皆無だった

 

「嘘!?」

 

『馬鹿な!?』

 

ただの人では抗うことが出来るはずのない一撃を十六夜は、ただの腕の一振りで凪ぎ払った

 

僕からしてみれば、よくある話なので驚くことも何もなかったが他の二人には驚愕の種となるには十分な要素だったようだ

 

『ならば!貴様だぁ!』

 

今度は僕の方に矛先が向いたようだ

 

十六夜の時に比べて二倍ほどに大きくなっている水柱は、先程よりも明らかに早い速度でこちらに迫る

 

「なんだ、全力でもこの程度か」

 

僕は特に焦ることもなく、興奮することもなく、弓を造る

 

そして今度は双対する思いで矢を造った

 

イメージするのは孤独と仲間、絶望と希望、拒絶と許容

 

光と闇が混じり会う矢は朧気な様子で現界した

 

僕はその矢を弦にかけて一言、完成した矢の名を呟いた

 

矛盾(アノマリー)

 

相反する思いを抱えた矢は主人の手の元を離れ、水柱に突き刺さった

 

かと思いきや、その付加に矢が耐えられなかったのか、迫り来る水柱の二倍ほどの大きさで大爆発を起こした

 

「えっ!?」

 

『う、嘘だろう!?』

 

二発とも完璧に打ち負かされ、放心した隙を僕らが見逃す訳もなく

 

「ま、中々だったぜオマエ」

 

「でも、関係のない人への無差別攻撃は止めてね」

 

十六夜は蛇神の胸元へ蹴り込み、僕は光を纏った右腕で頭を殴り付けた

 

蛇神の体は中で円を描きながら、湖に着水した

 

あぁ。濡れずに済むと思ったんだけどなぁ

 

「くそ、今日はよく濡れる日だ。クリーニング代位は出るんだよな黒ウサギ」

 

「僕の分のクリーニング代は十六夜に全額負担して貰おうか」

 

「さっき謝ったのでチャラにしてくれると嬉しいんだが」

 

「まあ、さっきのは仕方がないか。いいよ、チャラでも」

 

「サンキュ」

 

鏑矢光輝はいくらストッパーなれども問題児であることに変わりはなかった

 

 

 

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