問題児たちと光暗の翼が異世界から来るそうですよ? 作:鴉紋to零
十六夜と光輝が蛇神を倒したとき、黒ウサギは驚嘆に包まれていた
その理由はいたって簡単であり
人程度では、神格を持つ蛇神を打倒することなど
絶対に起きるはずのない矛盾を見て、黒ウサギは彼らを召還した恩恵を与えた主催者ホストの言葉が頭を過った
ただの色付けであると思っていた言葉はまさにその通りであった
その驚嘆から解放された黒ウサギの心には新たな希望の光が射し込んでいた
だがしかし、希望だけを持つ等と言うそんなおとぎ話のような事態は存在しないのである
「おい、どうした?ボーっとしてると胸とか足とか揉むぞ?」
「十六夜君?」
「冗談です。お止めください」
黒ウサギの意識が変態の行動で此方に帰ってきたが、その変態は既に裁かれていた
「十六夜さんはお馬鹿ですか!?二百年守ってきた黒ウサギの貞操に傷をつけるつもりですか!?」
「二百年守ってきた貞操?うわ、超傷つけたい」
「お馬鹿!?いいえ、お馬鹿!!!」
黒ウサギの疑問系の返答から確定系の返答になったときに口を挟む
「はぁ。そろそろいいよね?」
諦めのついた疲れた表情で僕は弓を顕現させる
勿論、Fの矢も同じくだ
「いやちょっと、Fの矢は不味い。だからって光輝!?両方一緒に射る気か!?」
二種類の矢を持った僕に十六夜は焦りを隠せないようだ
そんな十六夜に至って簡単な話をする
「十六夜。原因は君にある」
「あっハイ」
「なので、僕が弓を射る。このプロセスが一番いいんだ」
「えっと、俺の意「答えは聞いてない」そうですか」
この後、十六夜が酸欠になりかけたのは言うまでもなかろう
「と、ところで十六夜さん、光輝さん。その蛇神様はどうされます?というか生きてます?」
黒ウサギは少し気遣うような瞳で話をそらす
「命までは取ってねぇよ戦うのは楽しかったけど、殺すのは別段面白くもないしな。゙世界の果でにある滝を拝んだら箱庭に戻るさ」
十六夜は上に大きく伸びをしてから答える
「無用な殺生をする必要はないよ。僕は副次的要因でこの蛇神様を倒しただけだし。そういえば、さっきの戦いもギフトゲームに入るのかい?」
先程、十六夜に刑を執行している時に思い付いた疑問を黒ウサギに尋ねる
「yes。なので蛇神様と話せる黒ウサギがギフトを戴いて来ますね。飛び入り参加で光輝さんが参加しましたが、主催者ホストが許可を出しましたから、御二人が勝者です。蛇神様も文句はないでしょうから」
放っておけば小躍りしそうな思いが少し表情に出ながら、黒ウサギは蛇神のもとへ駆け寄ろうとした
「もう一つ聞いていいかい?黒ウサギ」
「はい?何でしょうか?」
「
流れるような会話でいきなり重要なことを叩きつける
こうすることで人間ならば人によって大小はあれど、何か特殊なリアクションが返ってくる
特殊なリアクションが返ってくるのは黒ウサギも同じだったようだ
瞬きほどの刹那の時だが、体の筋肉が引きついた
僕がそんな小さいながらの大きな変化を見逃すわけがないのに
「多くを語るのは好きじゃないし、既に十六夜も気付いているだろうからある程度は省かせて貰うけど………」
僕は端的に考えを纏める
「黒ウサギがいるコミュニティは弱小、もしくは衰退しているコミュニティで兎に角強い戦力が欲しいんじゃないのかい?」
「理由は簡単。僕が十六夜に少し注意したとき、ほんの少しだが安堵したよね?何故だい?」
僕は耳がいい。といっても十六夜程ではないが一般人から考えると遥かにいいほうだ
こんな距離なら、心臓の音だって注意すれば聞こえる
「それは………」
「下手な嘘はやめた方がいい。
この発言を聞いて、黒ウサギの耳は萎れた