私、衛宮千冬の子供たちが3年生になった
「私、衛宮千冬の子供たちが3年生になった」
日本らしい武家屋敷、衛宮邸で私こと衛宮千冬、旧名織斑千冬は呟いた。一夏がIS学園を卒業してから10年ほどたった。あの頃はいろいろな事件があり今思い出すだけでも頭を抱えたくなることばかりだった。
特に親友である旧名篠ノ乃束が急に結婚しハネムーンと称して月へ新婚旅行に行ったことで悩みの種が減るかと思いきや何のそのすぐに戻っては悩み事ばかりを増やしていた。
ふと庭先を見れば私の息子たちとラウラが楽しそうに戦闘訓練をしているのも見慣れたものだ。ラウラは一夏に振られてからは私たちと共に住むようになり心の余裕を取り戻している。今ではあのように子供たちの師匠をしているくらいだ。
「千冬、お茶飲まないか?」
後ろから声をかけてきたのは中学から現在、そして未来まで私を支えてくれている、い、愛しの……。ゴホン、私の旦那である衛宮士郎がお茶をコップに入れて持ってきてくれた。私はコップを受け取ると、士郎は横に座った。
「うむ、いただく」
「おう。 おーい! そろそろ休憩しないかー?」
「む? ああ、そうだな。よし30分ほど休憩にしよう、水分補給は大切だからな、ちゃんと飲んでおくんだぞ」
「「はーい!」」
さすが私の旦那だな、人数分用意しているとはラウラと子供たちもこっちへ来て冷たいお茶を飲む、と士郎がタオルをラウラに1枚渡し、もう1枚で子供たちの汗を拭いてあげた。 ふふふ、一夏も小さいころは剣術に励んだり、外で遊んで泥んこになったりするたびに私が拭いてあげるんだが、そのたびに一夏は嫌がっていたが、子供たちは嫌がらずにむしろ嬉しがっている。
「ラウラ、2人はどうだ?」
「む? そうだな、流石教官とお前の子供だというところだな、なんでも吸収するし、覚えも早い。これならば今すぐ軍に入れても心配の種は無いというところだな」
「軍って、2人を入れるつもりはないぞ」
「わかっている、例えの話だ。このまま成長すれば全盛期の教官に匹敵するのではと私は思っている」
確かにラウラの言う通り、私の眼から見てもあの子たちはかなりの速度で成長し続けている。いずれは私を越すこともできるだろう。しかし実戦経験が無いのでは何度やっても私には勝てないだろうがな。
ようやく一夏が私の手から離れてから感じる体の衰え、まぁ日々鍛えなければ筋肉は衰えるもの、それは仕方がない。こうやって士郎と、子供たち、ラウラと共にこの家で過ごす日々に不満など一切ない。むしろ喜びしかないというところだな、あの天災である束も旦那によってコントロールされているみたいだし、このまま時が止まればいいのにと思っていいほどだ。ただ……。
「母さん! 昨日もすずかとアリサが絡んできてさ。なのはが悩んでるみたいだから熱を測っただけなのに」
「もー! 聞いてよお母さん! 兄ちゃんってばなのはちゃんにオデコとオデコを合わせて熱を測ったんだよ! むしろなのはちゃんの熱が上がるし、すずかちゃんとアリサちゃんは怖くなるんだよ!」
はぁ、冬士は士郎の変なところばかり受け継いだみたいだな。話を聞いていると一夏と同じ、いやそれ以上に鈍感みたいだ。2人して機械いじりが好きみたいだしな。 チラと秋菜をみると頬を膨らませているところはかわいいのだが、どうもお兄ちゃん好きなところがIS学園にいた一夏達を見ているようでこれから頭が痛くなりそうだ。
「なんでだよ。なのはのやつ頭抱えてただろ? だから熱がないか見るためだったんだぞ」
「女心がわかってないよ、兄ちゃん。とりあえず! 私以外の女の子にそういうことしちゃダメなの!」
「なぁ千冬なんで冬士があんなに怒られるんだ?」
「はぁ、お前ってやつは……」
私まで頭痛くなりそうだ。確実に受け継いだみたいだな冬士。頑張れよ、お前の未来は修羅場だらけだ。
「ハッハハハハハ! なんだか2人を見ていると学園にいたころの一夏を思い出すぞ!」
「え? 一兄に?」「一夏兄さんに?」
「ああ、秋菜はわかると思うが冬士の鈍感さは一夏そっくりだ。学園にいたころは私を含めて7人はいたからなぁ~」
「へぇ、一夏兄さんもそういうことがあったんですか……」
いやいや違うぞラウラ、本家本元は私の横にいる士郎だとは言えないな。なにしろあの頃は一夏をここに預けている時間が長かったからな、士郎に憧れていた一夏は変に鈍感になったのは懐かしい。
一時は預けるのをやめようと思ったからな。8人ほどのそれぞれ強力な力(フェチ)を持ったライバルがいたからな、一位に輝くには「モンド・グロッソ」での優勝が簡単に思える位に壮大で壮絶な戦いだった。
魔術を扱うツンデレ系赤い悪魔、大和撫子のようでヤンデレな黒の後輩、姉のようなロリ系白い小悪魔、格闘技では私並みのダメット、MでありS系のシスター、大人の魅力を引き出す蛇女、魔術を扱うお嬢様系黄色の悪魔、気品気質を揃えた騎士系バカ食い女。
ああ、今思うとよく勝てたな。特に赤い悪魔と黄色の悪魔と白い小悪魔が手を組んだ時は負けを覚悟したな。 よくバーサーカーに勝てたなと何度も思う。
だから思う。
「一夏の鈍感さの元は士郎からだ」と。
「え、そうなのですか!? 教官!」
「そうなの? お母さん」
「ああ、私とて何度やられたことか……」
だが、あの聖戦に勝ち抜いたのはこの私だ。士郎の隣は私が貰うがあとは知らん、と言ってもあいつらは聖戦を共に戦った強者(とも)だからな、今でも連絡を取るし、この家はたまり場になっているから年に5度は集まってバカ騒ぎをする。
そのたびに士郎を押そうとするバカもいるのだがなぁ!!
だが、そのたびに思う。 私は幸せなのだなと。
士郎と千冬の子供たち登場。
双子の兄弟で 兄 冬士くん 妹 秋菜ちゃんです。
二人の学校は少し遠いためバス通学です。
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