「フェイトちゃん、子供を攫ってくるのは流石にあかんで?」
「違うよ!!?」
時空管理局機動六課、今フェイト・テスタロッサ・ハラオウンは正座中です。
「でもなぁ? なぁそこの子、キミにとって、フェイトちゃんはなんや?」
「おかあさん」
隣には銀髪のショートヘアー、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンと同じ赤い瞳を持つ子供がちょこんと正座していた。
そして、2人の前にいる上司である八神はやては1つため息を出す、ちなみにスターズ部隊長である高町なのはは事件処理を部下に教えているためこの場には居ない。
「で、でもこの子いきなり転送魔法で出て来たんだよ?」
「そういってもなぁ、コッチにはそんな転送魔法の魔力感知しとらんよ?」
2人が言い合っている中銀髪の子はフェイト・テスタロッサ・ハラオウンの服を恐る恐るくいくいと引っ張る。
「おかあさん、わたしのこと、要らないの……?」
今にも泣きそうな顔に慌てるフェイト・テスタロッサ・ハラオウンと、それを見ている八神はやてであった。
事は数時間前までに戻る。
スターズ部隊とライトニング部隊の初任務としてロストロギア:レリック回収するためにリニアモーターカーでレリックを狙う機械兵器:ガジェットと戦闘を繰り広げていた。各隊長は空にいるガジェットを破壊して行き、地上では部下4名のチームで対処させていた。
戦闘終了後、森の方で戦闘の様なものを見たフェイト・テスタロッサ・ハラオウンはスグに急行したのだ。森は木々が折れて円状に広場が出来ていたことから、かなりの戦闘が行われたことが推測される。
そして、戦闘を行っていたのは、前回見た白い鎧を着た騎士で兜を被っておらずその素顔を確認できた。白い騎士に対峙するかのように黒い馬に乗り込んだ槍を持った黒騎士がその場にいた。だが、それよりもフェイト・テスタロッサ・ハラオウンはもう1人見知った人物がいた事に驚愕した。
「なっ!? ユーノ!?」
「「!!?」」
「!」
「セイバー! 離脱するよ!」
「チッ、今回は俺の負けにしといてやるよ、だが覚えておきな、次は俺が勝つ!」
「ふん、ならばその次はありえないと言っておこう」
「しまった!」
その人物はユーノ・スクライア、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンとは友達と言える仲であり、頭が良いが攻撃系の魔法は不得意、しかし補助系に関しては天才とも言えるほどだ。現在では時空管理局無限書庫司書長をしている。
驚きのあまりに声が出てしまったことで、ユーノ・スクライアは白い騎士と共に転移で移動され、黒騎士にはいつの間にか消えてしまうという失態を犯した。
すぐさま上司の八神はやて部隊長に連絡を取りユーノ・スクライアが白い騎士と関係がある事を伝えると、その場で何があったのかを探るように命令されたのだ。
執務官としての実力を発揮しその場から3メートル先の森の奥に魔法陣の様なモノを確認したのだ。
「これは、ミッド式でもベルカ式でもない?」
そっと、魔法陣に触れると魔法陣はフェイト・テスタロッサ・ハラオウンの魔力を吸いみ始める。突然の事で体を動かそうと思うが、行動に移れない。しかし魔力がどんどんと失われていき、ついにはバリアジャケットを形成する魔力をも奪い取られた。
すでにフェイト・テスタロッサ・ハラオウンは嫌な予感しかしない。それに魔力が無い時点で様々な要素から逃げなければいけない。
どんどんと思考を重ねていく中で魔法陣が光りだす、その光はフェイト・テスタロッサ・ハラオウンの視界を奪っていく。
「こ、今度は一体!?」
目を開けると、そこには
黒い塊があった。
いや、黒い布が丸くなっているのだ。しかもモゾモゾと動く。
恐る恐る、布を取ると、少女がその場で眠り込んでいたのだった。
行き成りの出来事の多さに暫くボケーとしていると、少女はゆっくりと起きる。
「ふぁぁぁ、むぅぅぅ。あ、アナタがわたしたちのおかあさん(マスター)ですか?」
「え?」
と、言うところを現在目の前居る八神はやて部隊長に報告する、なぜか生暖かい瞳で見らているが、たぶん気のせいであろう。
「フェイトちゃん? 疲れておるんやろ? 明日はゆっくり休んでええから」
「疲れてないよ!?」
「そういってもなぁ」
「えーっと、おかあさん、聖杯戦争の事知らないの?」
おっと、ここで気になるキーワードが出て来た。八神はやては「せいはせんそう?」と目の前にいる少女に問いかけると、少女はこくりと頷いた。
「うん、聖杯戦争、わたしたちはそれに参加するの」
「えっと、なんで参加するの?」
「え? 聖杯戦争は、聖杯を手に入れるために参加するの、だからわたしたちサーヴァントはマスターの資格を持つ人と一緒に参加するの」
その言葉に八神はやては考える。
聖杯とはキリストの聖杯でいいのか? いやだとしてもココはミッドチルダ、地球じゃああらへん、ミッドチルダにも『聖杯』のがあって、それをめぐる『戦争』? 解らへん、この子が『サーヴァント』と呼ばれる存在は解ったけど、そもそも『サーヴァント』とは? この子から感じる魔力は低い、もし本当に戦いに参加しないと行けないのならば
と考えていると、ふと先ほどの言葉にあった『資格』についてまだ何も知らない事を思い出した。
「ちょいまち、つーことはや、フェイトちゃんにはそのせいはいせんそうっつーのに参加できるんやな? その資格は一体何なんや?」
「資格はサーヴァントを縛る『令呪』の事だよ」
「なるほどなぁ、で、フェイトちゃんはその令呪はどこにあるんや?」
「ん? じゃあ服脱いで? おかあさん」
突然の少女の言葉に2人の乙女は凍る、なぜ、いきなり脱がないといけないのか! しかもここで!?
「な、なんで脱がへんとあかんの?
「だって、令呪は体のどこかに赤い印で出来ているもん」
その言葉にふと2人は思い出す、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンの左手の甲にある包帯、身覚えない赤いタトゥーが入っていることを、隊長という事でタトゥーはマズイと言われ、今現在は包帯で隠している。
フェイト・テスタロッサ・ハラオウンはゆっくりと包帯を取る。そこにはやはり見覚えのないタトゥー。しかし、目の前の少女はそのタトゥーを見ると笑みを浮かべる。
「やっぱりおかあさんに参加の資格あるね!」
「これが、参加の資格なの?」
「うん!」
「はぁ、こんな時に面倒な事になってしもうたなぁ」
「ご、ゴメンね? はやて」
「まぁ仕方あらへん、キミ、なんていうや?」
「アサシンのサーヴァント、ジャック・ザ・リッパー!」
嬉しそうに名を語る少女、ジャック・ザ・リッパーに八神はやては口元を引きつかせ、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンはジャック・ザ・リッパーの頭を撫でて、自己紹介を行う。
こうして、聖杯戦争inミッドチルダに新たなチームが完成した。
『フェイトをよろしくね?』
「うん!」
ちょっと無理矢理?ぽいですかね?
流れ的にはこんな感じです、いいネタ思いついたらチョイチョイ修正します。
フェイト隊長のサーヴァントはアサシン。
ジャック・ザ・リッパーです。
フェイトの母性におかあさんを求めるジャック・ザ・リッパーをイメージ。
戦闘を外したので、次は書いていきたいです、ヘタだけど。
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