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ボク達はポルシェーミをボコったあと、山で話をしていた。
「なーところでよ、おれに一つ問題ができた。 おれは今までこのゴミ山に住んでたけど……今日を持っておれ達四人完全に海賊達に命を狙われる事になりそうだろ……。」
「なら、ダダンの所に来いよ! おれもアンもルフィもいるんだ!」
「あァ! サボも来いよ!」
「ボクもそれでいいと思う。」
「そうか! ならおれもダダンのところで世話んなることにするよ!」
◆
「どういうこったりゃあ~~~!!」
ボク達がダダンの家に帰り、一人増えたことを報告すると、ダダンが怒り狂った。
「お前ら!! そいつは誰だ!!? なんでガキがもう一匹増えてんだよ!!!」
「よう! ダダンだろ? おれはサボ。」
「サボ!? 知ってるよその名前! おめェもよっぽどのクソガキだと聞いてるよ!!」
「そうか……おれもダダンはクソババァだと聞いてるよ!!」
「余計な情報持ってんじゃねェよ!!」
こんな漫才じみた会話が終わり、サボはダダンの家で暮らすことになった。
そしてそれから数日後。 ここゴア王国に天竜人が来るというニュースが流れた。
◆
「ゴムゴムの~~~銃!!」
ルフィの伸びた手がボクの目の前まで迫ってくる。 ボクはそれを軽くかわすと腕を掴み、ルフィを引っ張って殴りつけた。
「一本だ。 アンの勝ち!!」
そう言ってサボは今回の戦績を木の板に書いた。 木の板には、ボクが全勝、エースとサボは26対24、ルフィとエースが24対26、そしてサボとルフィが25対25と書かれていた。
「くっそー! もっかいだ!!」
「だめだよ、一人一日百五十戦まで。 また明日ね。」
組手が終わると夕飯を調達し、ダダンの家で食べて寝る。 そんな日々を繰り返し、ボクらはどんどん強くなっていった。
◆
コルボ山の北にあるのがーー不確かな物の終着駅、通称”ゴミ山”。 そのさらに北には町があるのだが強固な石壁がありーー通れない。
”大門”と呼ばれる門が唯一の通路になっていて、一日に二度国中から集まった大量のゴミが運ばれてくる。
ゴミ山の人々は、時々町へ行き、再生物資を売って暮らしている。 しかし町に住もうとは思わない。
ーー惨めな思いなど、誰しもしたくないものだ。
大門をくぐると通行人を見渡せる歩道が広がり、まだ少し悪臭の届く”端町”へ出る。
”端町”は町の不良やチンピラたちが屯する場所。
もっと進むと……小綺麗な”中心街”、さらにその中心にまた高い石壁がそびえ、その中には「王族」と「貴族」の暮らす”高町”がある。
この国の名は「ゴア王国」。
ゴミ一つなく、”東の海”で最も美しい国だと言われている。 いらぬものを綺麗に排除したこの国は「隔離社会」の成功例ともいえる。
◆
ゴア王国の中心街で食い逃げをしている四人組がいた。 四人組は四階の窓ガラスを割って飛び降り、逃げ出した。
「ぷはーーーっ! うまかった!」
「言ったろだから!!」
「あれお金払って食べたら高いんだろうね」
というか、食い逃げはボク達だった。 食い逃げをしたボク達を、警備員のような人が追いかけてくる。
「またあの四人組か!! 常習犯だ。なぜ店に入れた!! 逃がすな! そこの子供四人を誰か取り押さえてくれー!!!」
警備員の人がそう叫ぶと、前にいたぽっちゃり貴族がこっちを向き驚いた顔をした。
「え・・・サボ!!? サボじゃないか! 待ちなさい!! 家へ帰るんだ!!」
それを聞いたエースがサボに言った。
「……!? おいサボ! お前のこと呼んでるぞ!!」
「……!! 人違いだろ! 行くぞ!!」
サボはそう言って先を走っていった。
◆
「なんだよ何も隠してねェよ!!」
「あ……そうなのか?」
「そうなわけねェだろ!! 話せサボ!!」
警備員から無事に逃げ切ったあと、エースとルフィはサボに尋問をしていた。
「「おれ達の間に秘密があっていいのか? 話せ」」
「言いたくないのなら別にいと思うんだけど・・・」
「姉貴(アン)は黙ってろ!!」
ボクが言わなくてもいい言ってみるも、エースとルフィは止まらずに尋問を続けた。
「話せよてめェ!! ブッ飛ばすぞ!!!」
エースがサボの首を掴んでそう脅すと、サボはポツポツと話しだした。
「……本当は親は二人ともいるし孤児でもなければゴミ山で生まれたわけでもねぇ。 ……今日おれを呼び止めたのはおれの父親だ。 お前らにはウソをついてた。 ごめんな。」
サボがそう謝ると、ルフィは許すといい、エースはショックだと言った。 なんで貴族に生まれたのにわざわざゴミ山で住んでいるのか、と。 ボクは知ってたから普通に許した。
エースの答えを聞いたサボはボク達に続きを話した。
「あいつらが好きなのは”地位”と”財産”を守っていく”誰か”でおれじゃないんだ。 王族の女と結婚できなきゃおれはクズ。 そのために毎日勉強と習い事。 おれの出来の悪さに両親は毎日ケンカ。 あの家におれはジャマなんだ。 お前らには悪いけどーーおれは親がいても”一人”だった。 貴族の奴らはゴミ山を蔑むけど……あの息が詰まりそうな”高町”で何十年先まで決められた人生を送るよりいい……」
そういって終わったサボの話を、エースは呆然として聞いていた。
「……ーーそうだったのか……」
「みんな……! おれ達は必ず海へ出よう! この国を飛び出して自由になろう!! 広い世界を見ておれはそれを伝える本を書きたい!! 航海の勉強ならなんの苦でもないんだ!! もっと強くなって海賊になろう!!!」
サボがそう言うとエースは嬉しそうな顔になり、
「そんなもんお前に言われなくてもなるさ! おれは海賊になって勝って勝って勝ちまくって最高の”名声”を手に入れる!! それだけが俺の生きた証になる!! 世界中の奴らがおれの存在を認めなくてもどれほど嫌われても! 大海賊になって見返してやんのさ!!! おれは誰からも逃げねェ!! 誰にも負けねェ!! 恐怖でもなんでもいい! おれの名を世界に知らしめてやるんだ!!!」
そう、海に向かって叫んだ。
「ボクは強くなりたい! 誰にも負けないくらい強くなって、自由に生きるんだ!」
ボクがそう言うと、ルフィが前に出てきて言った。
「ししし……!! そうか、よーし! おれはなァ!!!ーーーーーー」
「「「は??」」」
「なっはっはっはっはっはっ」
「お前は……何を言い出すかと思えば……」
「あははは。 面白ぇなルフィは!! おれお前の未来が楽しみだ!!」
「うん。 ルフィらしくていいんじゃないかな?」
「でも、アン以外船長になりたいってマズくねェか?」
サボがそう言って話を始める。
「思わぬ落とし穴だ。 サボお前はてっきりうちの航海士かと。」
「お前らおれの船に乗れよー」
そんな話をしていると、エースが盃を四つと酒瓶を取り出した。
「ーー将来のことは将来決めよう」
「もしかしたらみんなバラバラの船出になるかもな!!」
「あ!! ダダンの酒盗んできたな!?」
エースは酒の蓋を開け、盃に注ぎながら……。
「お前ら知ってるか? 盃を交わすと”きょうだい”になれるんだ。」
「今日からおれ達は”きょうだい”だ!!」
ガシャァ・・ン、と盃がぶつかる音がした。