ダンジョンに転生者達がいるのは間違っているだろうか   作:真庭猟犬

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ここから原作1巻へと入ります。


地上へ向けて

「まだまだ行けたのに~。暴れ足んないよ~」

 

「しつこいわよあんた。いい加減にしなさい」

 

「ティオネの言う通りだ。さっきの奴等がまたウジャウジャ湧いてくる可能性があるっての」

 

 

芋虫型モンスターの襲撃を凌いだ後、【ロキ・ファミリア】遠征を断念し、二隊に分かれて地上への帰還する事になった。17階層辺りでティオナが不満を露にしたが俺とティオネがバッサリと切る。

 

 

「うう~。悔しい~! 結局なんだったのあのモンスター!?」

 

「未確認のモンスターとしか言えないでしょ。(ゴソゴソ)(ブルン)…確かにおかしな点はあったけどね」

 

(ビクッ)

 

「クク…(ドス)グォッ!?」

 

 

ティオネが大きな母性の象徴の谷間に手を突っ込み、魔石を取り出す。取り出した際にティオナがショックを受けてるのを見て思わず忍び笑いしたが、容赦なしのブローを横っ腹に当てられた。

 

 

「グォォォォ……。よ、容赦ないな」

 

「人のコンプレックスを笑うからだよ!」

 

「そこはすまないな。で、ティオネが持ってるそれはあいつ等の魔石か?」

 

「まぁね」

 

「あいつら死ぬと爆発するか、腐食液で溶けて消えるかだったのに。どうやって見つけたの!?」

 

「ふふふ…。直接引きずりだしてやったわ」

 

「下手すりゃ死亡もありえるのに、大したもんだな。それと、こっちもあのデカブツから魔石を採取したが…」

 

 

ズボンのポケットから魔石を取り出して見せる。大きさに違いはあれど、共通点がある。

 

 

「わ。何これ変な色…」

 

「そう、どっちも普通とは違う。俺はさっきの奴等はダンジョンが生み出したか、人工的に造られたかのどちらかだと考えている」

 

「モンスターって人工的に造れるのかしら?」

 

「ウチのメンバーの一人が闇派閥への復讐のために生ける屍(リビングデット)を製作していたからな。生ける屍(リビングデット)を製作していた者がいるなら人工的にモンスターを造る組織か個人が存在する可能性はある。もっとも、その行動理念は現状ではサッパリだがな。そっちがホームに戻ったら主神(ロキ)に俺の考えを伝えてくれ。あの悪戯者(トリックスター)は飄々とした態度をとりながらも計算高いからな」

 

 

他にはギルドに所属する協力者を通してクロノスに伝えておくか。あとはファミリアにも。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ミノタウロスの群れか。数は200、だな」

 

「え? アーマンさんあんな遠くのもの見えるのですか?」

 

 

仮面に内臓されているレンズ越しにミノタウロスの群れ、もとい大群を見つけると、近くにいたエルフ―レミルが反応した。

 

 

「ああ。俺が着けている仮面の目の部分には遠くのものを見れるように配置されたレンズが搭載されているんだ。それはともかく、リヴェリアにこの事を伝えてくれ。あ、あとこの双眼鏡を持っていけば確認できるから」

 

「わかりました」

 

 

さて、準備としますかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

「アイズとベートは俺について来い! レックスとノア、ぺリルは6階層に残ったのを潰せ!」

 

 

カリスマスキル付与の指示を飛ばし、残り少ないミノタウロス共を追いかける。何故こうなったかを簡単にすると―――

 

 

リヴェリアが後学のためだとラウルを指揮官とさせる

       ↓

ラウルがベート、ティオネ、ティオナに「空気読んでください」と言うが、三人がステゴロでミノタウロスの3割をボッコボコ

       ↓

残ったミノタウロスがパニックへと陥り、逃走。その殆どが上層部へと

       ↓

5階層と6階層の階段で2チームへ分かれて追走中←今ここ

 

 

「5階層にいるのは5体。内1体は通常より素早さが高い。早めに殺すぞ!」

 

「わかった」「おうよ!」

 

 

魔法で空間内の情報を解析し、指示を出す。ベートも素直に従うあたり、発展ステイタスの影響が半端ないと思う。

 

 

「うわぁ! ミ、ミノタウロス!?」

 

「動くなよ! 宝具【妄想魔手(ザバーニーヤ)】!」

 

 

5階層に着いてまもなく見つけたミノタウロスと襲われている冒険者の間に入りつつ両手に収まっている魂を握りつぶす。すると、ミノタウロスの頭部と四肢が灰となり、残った胴体だけが地に落ちた。

 

 

「ふう。大丈夫だったか?」

 

「は、はい」

 

「あと、すまなかった『ほぁあああああ!!』!? これは詫びだ!」

 

 

遠くない距離で聞きなれた人物の悲鳴が聞こえたので、助けた冒険者に魔石(芋虫や、辺境のモンスター以外のやつが数十個)入りの袋を渡して走る。走った先にはミノタウロスがベルを追い詰めているところだったので、【妄想魔手(ザバーニーヤ)】で魔石ごと潰した。

 

 

「さてと、数ヶ月ぶりだなベル」

 

「お、お久しぶりです。アーマンさん」

 

 

振り向き、ベルと数ヶ月ぶりに会っての挨拶をする。普段から兎っぽいベルが更に兎っぽくなって震えている。俺は叱る時は怖い雰囲気の笑顔ばっかだとポルタが言ってたが、今のベルを見ているとおそらくそうだろう。

 

 

「ギルドの知り合いから聞いたが、お前半月前に冒険者になったばかりだったな。なんでここ(5階)にいるんだ?」

 

「え、えーと。その…すいません、順調にモンスターを倒して調子に乗ってました」

 

「ハァ…」

 

 

全く、あいつとは違って異性の憧れ故の行動が足を引っ張るんだよな。

 

 

「この件は後でシャロに通告「!?」できるだけ加減させるように言うからそんな目をするな。で、お前は立てるか?」

 

「あ、はい」

 

 

手を差し出すと、差し出した手を握って立つベル。

 

 

「アーマン。退治できた?」

 

「ほわぁぁぁぁぁあああ!!」

 

 

アイズが来た時に一瞬後ろを向いていたので、ベルの顔を見ていなかったが、叫び声が主に羞恥の感情が含まれていたので恥ずかしさ故に逃げたのだろう。

 

 

「ウェ!? ナズェニゲルンディスカヴェルザン!?」

 

 

俺は俺でオンドゥル語(団員に教えてもらった)を発していたが…。

 

 

「いや、お前の発言の方が驚くぞ」

 

 

後から来たベートのツッコミで落ち着いた。

 

 

「あ、ベート。いや、いきなり知り合いの男子が女性に情けないとこを見られて羞恥のあまり叫びながら逃げたから思わずオンドゥル語がでた」

 

「なんだそりゃ?」

 

「同じ眷属の一人の雑学みたいなもんだ。俺はさっき走っていったのを追いかけるから他の幹部に世話になったのを伝えてくれ」

 

 

ベルの後を追う形で走る。その時にアイズが「怖がってなかったんだ…」と呟いていたのを聞き逃すことなく、尚且つしっかりと記憶しておいた。あいつ等のいい土産話のなるだろう。




ベルは【インドラ・ファミリア】に姉貴分がいる設定です。
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