不正はなかった   作:生焼け

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皆さんの作品を読んでいて、自分でも投稿したくなりました。
投稿ペースも遅いうえ、いつまで続くかわかりませんが、よろしくお願いします。


プロローグもどき

スタンダードのある夫婦に一人の子供ができたときに、彼らはその子供の育て方について考えざるを得なかった。彼らは二人とも現役のプロデュエリスト、当然生まれてくる子供も将来はプロデュエリストになりたいと言うに違いない。

 しかし、デュエルを誰もがするこの世界において、プロデュエリストになることができるのはほんの一握り、しかもプロデュエリストになってからも五年持てば優秀なプロと言われるほどに選手の入れ替えも激しく、一度プロをやめてしまうと、できることはデュエル塾の講師くらいしかない。

 そこで二人は生まれてきた子に対して、徹底したデュエルの禁止を行った。普通の子供なら初等部に入った時に買って貰えるであろうデュエルディスクには触れることすら禁じ、連絡手段として持たせたデュエルパッドはわざわざデュエル機能を取り外した特注のものを用意し、夫婦が使用するデッキやカードは全て一部屋にまとめ、子供が入れないように厳重にカギをかけておいた。

 子供が頼めば、基本的にどんなものでも買ってあげたが、月のお小遣いは一切なし。さらには学校でデュエルが行えないようデュエルパッドに特殊な電波探知機を内蔵し、もしもデュエルをしようとした場合やカードを持ち歩いたりしていた場合は警告音とともに親に通報が入るようにした。

 これにより両親は、子供はデュエルにほとんど触れず、将来プロデュエリストになることもないし、たとえなろうとしても、早い段階で挫折しあきらめることになるだろう、と安堵していた。

 

 しかし、いくら規制しようとも、情報社会であるこのスタンダードにおいてある意味空気と同じレベルで浸透しているデュエルのことを全く知らずに生活させるのは、どこかに二十四時間監禁しておく以外にはほぼ不可能であり、当然彼も少しずつデュエルというものを知るようになった。

 そして彼は一冊の雑誌をとある友人から手に入れることに成功した。「デュエルモンスターズのすべて ~カードデータ全集~」という、要するにこれまでにI2社、KC社、そしてLDSで製造された、全てのカードのデータが一冊にまとめられた、デュエルはおろかカードにすら触れさせてもらえない彼にとっては、喉から手が出るほど欲しいものだった。幸いにも、両親は大会やイベント等に出席して家に一人になることが多かったため、彼は何度もページをめくり、カード同士で組めるであろうコンボやデッキを毎日考え続けた。

 その結果、彼はスタンダードにおいて信じられない戦略性や本来一部でしか身に着けられないような召喚法をすべてマスターした。さらには、両親が一度もプロデュエリストの試合を見せず、対戦相手がいなかったこともあり、彼の中でのプロデュエリストのデュエルの強さはどんどん上がっていった。

 こうして、このスタンダードに、自分の実力を極端に過小評価している、驚異的な強さのデュエリストが誕生した。そして時が流れて彼が十歳になり、彼はやっと初デュエルを体験することになる。

 




ちなみに、基本的なスタンダードの住人は、エクシーズやシンクロ、それに融合に関してはカード調達が難しく、例えデータがあったとしても、「よくわからないカード」程度にしか感じません。同様にチューナーやエクシーズ素材、融合素材という概念もないので、「攻撃力=強さ」と判断します。現実を知らなかったがゆえに、主人公は製糖できたのかもしれませんね(棒)
また、次回からは主人公の一人称で話を展開する予定です。さらに、使用するデッキやカードについての説明もその際します。(アニメオリカを除き、オリカは使いません)
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