ゲート 魔導自衛官 彼の地にて斯く戦えり   作:庵パン

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ドーモ、庵パンです。
配信当日からブレスクを開始していますが、三日目にしてログインゲームになってしまいました。
要領があるにも関わらず、低スペックPCと化している某のパソでは一周クリアするのも儘なりません。
早くスマホ欲しい……。

アニメでは遂に炎龍討伐開始ですね。
ってか来週で炎龍再登場って、はやっ…!デリラの一件も起きそうではあるんですが……。

それはそうと、23話は早ければ水曜投稿出来そうですが、
ストックが無いと安心できない小心者なので、もう少し掛かってしまうかも……( ;´_ゝ`)


第二十二話 文曲

火威が考えなければならない事は多数ある。

クロエの所在の事もそうだし、タンスカからの離脱方法もそうだ。特戦群の潜入場所は、大まかに把握してあるから、彼らとの合流に付いては問題無い。

そして任務とは直接関係無いし、重くてかさ張るから持ってきてないが、対物ライフルの事もそうだ。

亜龍に遭遇した時、最初に狙撃しようとしたのは龍の心臓だった。

以前にアルヌスで解体したのは翼竜であって、亜龍とは違うが、同じ科の生物なので心臓の位置も余り変わらないハズ。

そう思って撃った弾は、狙った場所を大きく逸れ、翼に当たってしまった。

大きく照準が狂っているので、今更狙いを変えると亜龍にすら当たらないかも知れない。なので、そのまま残りの弾も撃ったが、それが怪我の功名で翼を破壊して亜龍の機動力を奪う事に成功したに過ぎない。

だが、アルヌスに戻ったらM95の照準を直さなくてはならないと思うのに十分な出来栄えだったし、専用スコープも秋葉原で探さなくてはならないと思えた。

なぜ日本の電気街に対物ライフルのスコープが売っているのか、という疑問があるが、実際売ってる。サバイバルゲームで使うような物は大抵売ってるのである。言うまでも無く、銃の方はBB弾や実弾以外を出す物に限るが。

そのスコープがあれば、遠くの草むらから兵の動きを監視出来たのだが、持ってなかった火威は近くまで行って直接確かめるしかない。

世の中、何が幸いするか判らないもので、準備不足で直接確認する方法しか無かった火威は、今、正に捜索していたクロエの前に来られたのである。

地下は暗かったが、木製の檻の中に居る彼女は、予想通りに母親に似てクロヒョウのようなキャットピープルであることは判る。だが、その姿が成長した女性というのは予想していなかった。

母親のキャットピープルは実に熟れた色気を湛えていた。そのせいか、娘は幼子か、精々で少女くらいだろう、と考えていたのだ。

だが現実に目の前で檻の中で寝ているのは、成熟し、母親に似てムッチリとして滑らかな肢体と豊満な肉体を持った色気と魅力のある女性だ。それが服も着せられず、仰向けになって寝ているのである。本当なら暗闇でよく見えないのだが、今の火威は個人暗視装置のV-8を装備しているので、見えてしまっている。丸見えなのである。

犬猫の年齢というのは見た目では測り難いものであるし、実際に火威が日野の実家で飼っていた大型犬も死ぬ直前まで若々しい姿だった。

あの母親も、もしかしたら結構な歳なのかも知れない。或は、目の前のクロエが見た目より幼いかだ。

ともかく、子作り適齢期にも思える女性が一糸纏わぬ姿で檻の中で寝ているのである。

正直、一緒の檻の中で暮らしたい、とすら、火威は思った。だが、そうも行かない。

今、声を掛ければきっと色々隠してしまうだろう。まぁそれは良いのだが、驚いて叫ばれたりしたら大いに困る。だが特戦群が来るのを待って行動したら、事前準備が無いので手間取る事は目に見えている。そうすれば特戦群の作戦に便乗して脱出することも儘ならない。

ならば、選択するのは前者だ。大声を出されないように工夫すれば良いし、ずっと見ていたのかと恨まれるのも嫌だった。

火威は、檻の外に向けられ、隙間からも届くクロエの頭を、そっと声を出しながら指で突いた。

 

 

 *  *                           *  *

 

 

 

助けに来たよ……と、囁きながら優しく頭を指で突く、といった手段は間違いでは無かったようで、最初は驚いたクロエだったが直ぐに事態を呑み込んだようだ。

現在、クロエは襤褸切れで身体の隠すべき部分を隠している。ゾルザル軍兵が来た時に簡単に破棄出来る物を使ってもらっているが、逃げる時になったら帯嚢に入っているクロエの服を着てもらうつもりでいる。この服は、ワーウルフの集落を出発する時にクロエの母親から託されたものだ。この世界に於いて、獣人が何着かの服を持っているところを見ると、彼女らは中々に裕福なのか権力者だったのかも知れない。

ついでに年齢も聞いてみたが、彼女は14歳だと言う。欧米人も驚きの成熟具合である。もし彼女を日本に連れ帰ったならば、心ならずも犯罪予備軍を大量に出してしまうだろう。

 

今は地上と地下を分ける扉は開いている。地上の状況を逐一把握し、近付く者をいち早く知る為だ。

だが既に日は落ちて、暫く経つ。本来なら時計の無い世界ではあるが、火威個人が中天に合わせて時間調整した時計では午前三時半を過ぎている。

そろそろ特戦群と合流する事を考えるべき時だ。火威は帯嚢から出したクロエの着替えを渡すと、檻を破壊する為の道具を探して周囲を見渡した。

すると、倉庫の一角が武器庫のようになっており、投石器や攻城鎚といった攻城兵器など、大型の武器が並べられている。その中に見た事のあるような大剣が立て掛けてあった。明治初期を舞台にした作品で、その作品内では馬ごと武将を斬る、といった性能を持つ豪剣として描かれていた。

その類の武器は現実に存在した武器なのだが、火威は父から、実際には前漢時代に中国で使用された長柄武器であり、馬の足を斬って騎馬を潰す目的で使用されたという話を聞いている。

だが、目の前にある大剣は斬馬刀そのままだ。勿論、武将ごと騎馬を斬るのは無理が有りそうだし、戦争で使う場合でも数人掛かりで持つ必要があるだろう。しかし、火威は否応もなしに、その巨大剣の魅力というか、魔力に惹かれていった。

大剣の柄に手を伸ばして取ってみると、やはり重い。だがロゥリィ聖下の鉾槍(ハルバード)ほどでもないので、火威にも持ち運ぶ事が出来る。軽く素振りをしてみると、やはり重いが使える。使えてしまうのである。

「にゃっ? そ、それは対騎剣にゃっ」

「タイキケン?」

夜目が利くのか、火威が興味を示す大剣に向けてクロエが呟く。

これはもう突入せざるを得ない名前の武器だ。そう思わせる言葉だった。勿論クロエは特地語で喋ってるのだが、単語を小分けにして日本語に訳すと、どうしてもこうなるのである。単語の意味からすると、用途は斬馬刀とほぼ変わりないようだ。

「クロエ、脇に寄って。これで檻を切るから」

クロエは非常に嫌そうな顔をしたが、檻の片側に寄って衝撃に備えた。

火威が檻に向かい、対騎剣を掲げる。

 

 

 *  *                          *  *

 

木の格子を掴み、檻そのものは動かないように足で突っ張り力任せに格子を引っ張る。すると、脆くなって既に変形していた格子は意外なほど簡単に取れてしまった。

もう一つ、同じように格子を取ってクロエが出れるようにする。

結論から言うと、対騎剣で檻を破壊するのは取り止めにした。

鹵獲した大剣を早速活用させたい衝動に駆られた火威だが、落ち着いて考えると頭の少し上には多くの敵兵がいる。盛大に音が出るような事はしたくない。

火威は一度、河まで行って長く赤いマフラーを濡らし、繊維を締まらせて強度を増したのを二本の格子に何重にも巻き付け、その間に倉庫の中にあった木の棒を通し、それをハンドルのように回して格子を根から破壊しようとしたのである。

だが太くはなかった木の棒が先に壊れてしまった。なので、ゾルザル軍の棒に不甲斐無さを感じた火威が内心憤慨しつつ、その腕力で格子を破壊したのである。

今は空が白み、クロエは既に服を着ている。敵兵がこの地下に降りてくる事もない。何故ならこの場の最高指揮官、ゴダセンが特戦群の人質となって、キャットピープルどころでは無いからである。

こうなるまでに、諸々事情があった。

 

冷静になって考え、大きな音が出ることを予想した火威は、檻を大剣で破壊する事を止めて思案する。

そして、かつて見た西部劇か脱獄劇か何かで、登場人物が布を使って鉄格子を歪めて脱出したシーンを思い出した。鉄と木の違いはあるが、火威はこの方法をそのまま踏襲した。

しばし倉庫の中で布を探したりしたが、自分が巻いてるマフラーに気付いてこれを濡らそうと河まで行ったのである。

すると、数人の三人兵とゴダセンが河原に居た。恐らく潜入してきた特戦群を待ち伏せしていたと思われるが、一向に現れない自衛隊に痺れを切らして河原を出歩いていたのだろう。

この時、火威は特戦群と接触して特戦群の隊長、出雲から作戦を聞いていた。思わず笑ってしまうような内容だったが、他の隊員が嫌そうな顔をする程の奇策の下準備に取り掛かるところだった。そして、絶好のチャンスに早速支度に取り掛かる。

他の兵を呼ばれる前に、二人の兵を大剣で薙ぎ払い、返す剣で一人の首を刎ね飛ばした。

目の前で起きた惨劇にも動じず……いや、動揺してはいる。だがその動揺を隠しながらもゴダセンは言った。

「み、見事だな。若造……! だがその鎧と対騎馬の性能のお陰だという事を忘れるな!」

特地に来てから、兜とマフラーで顔が見えないにもかかわらず火威を若者扱いしたのはゴダセンが初めてだ。宇宙世紀の何処ぞの軍人かという台詞を吐いたのも点数が高い。そして栗林には到底及ばない不細工な戦いぶりを指摘した点にも高評価を付けたい。

だから言うしかなかった。

「ハゲ(しく)ドウ(意)である!!」

言いながら、火威はゴダセンに空気の壁をぶつけた。吹き飛びながら卒倒するゴダセンは水辺の近くにドサリと倒れ込む。

「こちら『カラミティ』。B地点で『閣下』を確保した。縄で縛っておくが早く来てくれ」




ここに書いて見ると短いですねェ。
次は戦闘もあるので多めに書きたいところですが、ちょいちょい手間取ってます。

そしてっ
お気に入り指定が遂に85個も!
皆さま、本当に有難う御座います!

今回も感想や疑問やその他の誤字脱字への指摘やご意見等御座いましたら、
お気軽にどうぞ! 数行でもOKです!。


というか、一気にお気に入り指定が百越えてる……だと!?
二十三話も直ぐに投稿できるよう努力します!
或は二十四話も同時投稿するか……。
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