ゲート 魔導自衛官 彼の地にて斯く戦えり   作:庵パン

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ドーモ、庵パンです。
ちょいとサリメルが暴走する回です。
んで、そろそろ第一部完です。

最後の方で何故か二重に……直しました。


第十八話 サリメルの野望

子供達をリトに託し、ベルナーゴに赴いてから直ぐの話しだ。サリメルは一応、ミリッタの使徒であるのだから今回ハーディーが憑依(おり)るのはベルナーゴの神官の中で霊格の高い者で、今度こそ導士号をもつエルフの賢者の知恵を拝借するのだと考えた。

だがハーディーは何の躊躇いも無しにサリメルに憑依りる。

その後、どうやら近くの飯屋で鱈腹(たらふく)飯やら酒を飲み、「そのテ」の趣味があるらしい女性神官と絡み合ったらしいが詳しい事は判らない。

もしかしたらサリメルの思いも寄らない超絶技巧か倒錯的な事があったのかも知れないが、相手と思われる女性神官は顔を赤らめる一方で答えにならない。

何時かは必ず知らねばならない……という思いをサリメルは心に秘めた。

以前のように胸周りが二周り大きくなっている上、ハーディーが憑依りたことで伸びた金髪は切られ、一纏めにされて白金色に輝いている。

今回もそれを土産(?)に貰ったサリメルは、ロンデルには立ち寄らずに内海を抜ける。

その直前、サリメルの肢体に欲情した男が居たので道端で春を売る。それを隠れ見ていたハーディーの竜人女性の使徒を誘ったが、彼女は顔を赤らめながらも慌てて隠れてしまった。

サガルマタの竜人女性を思い出し、懐かしいさの余りに彼女をまぐわいに誘ったが、どうやら神殿や教会から出る事が少ないままの“おぼこ娘”だったらしい。

そしてサリエルは未踏である北西の森と山々を放浪した。

 

 

*  *                            *  *

 

 

エルベ藩国内にあるロマの森。

そこに建てられている三つの建造物の中の一室で、枕に顔を埋めて泣いているエルフの女が居た。

全裸だが、アルヌスに居るエレフの娘のテュカも夜に寝る時は裸なので、一概にエロフ認定する事は出来ない。

「ぐっ、ハンゾゥは妾の事は嫌なのか……」

誰に聞かせる訳でもなく、独り呟くのはサリメルだ。エロフで正解だった。

彼女は少し前にイフリと火威の嫁争奪戦(本人非公認)をして、当人にイフリもサリメルも嫁にはしねーよ的宣言されたのを今更思い起こし、涙で枕を濡らしていたのである。

数百年振りに認めた男だし、彼を眷属にもした。なのに男からは絶縁宣言されたような言葉を突き付けられて、少しばかり絶望の深淵に足を踏み入れそうだ。

だがサリメル、この程度で参っていたらアリメルにも嫌われてないし、主神にも選ばれてない。

寝返り、天井を見詰め彼女は策を思い巡らす。

ハンゾウが心を寄せているのは、一緒に来た女のジエイカンであるシノだ。

苗字の方は余り重要な情報ではないので忘れた。

ハンゾウをモノにすべく考えを巡らせていると、ついつい後ろ暗いらい考えが頭を過ぎってしまう。

彼女を亡き者にして障害は取り除けばサリメルが選ばれるという考えだ。

だが以前にハンゾウが言っていた「壁に耳有り正直メアリー」と言う慣用句を思い出した。

多分、正直なメイドのメアリーさんが、主人の悪事を見てしまい、弟辺り人質にとられて黙るよう強制されたのだろう。何時までも黙り続けていたメアリーさんだが、人間を人間とも思わない主人の行いに、良心の呵責に感じて主人を訴えるという故事だろう。

そこまで妄想出来たサリメルだが、幾つか問題がある。

シノはニァミニア相手に格闘を挑むくらいの猛女で、尚且つサリメルもハンゾウの次に好きな人間だ。

そうなるとシノ暗殺は失敗する可能性が高いし、万が一現場をハンゾウに見られたら確実に嫌われる。もし一つ間違えればエムロイの使徒に断罪されてしまう。何より少なからず愛する者をその手で亡き者にしては、我が身と我が魂が耐えきれない。

それにサリメルのライフスタイルは「来る者は拒まず。去る者は少し追跡」だ。まぁニャミニアは棒やら丘やら物理的な意味で食い散らすから、この世から退場願ったし(但し食われただけ)、確実に男と言う者でも唯一苦手なヤツは居たが……。

それはさて置き、シノと敵対せずハンゾウに嫌われないようにしなくてはならない。どうすれば良いか。

その回答は直ぐに見つかった。

「妾がシノを好きになれば良いんじゃないか!?」

簡単過ぎる答えに、思わず上体を起こして小さく叫ぶ。以前にも伝えたが、これで導師号を持つ魔導士である。色仕掛けで老師方を惑わせたとかじゃなくて、ちゃんと導師号の認定書に名前が記載された魔導師である。

大事な事なので二度言いました。

 

今日はもう深夜だ。

計画は明日実行に移すことを考え、サリメルは眠りの世界に身を写したのである。

 

 

*  *                            *  *

 

 

サリメルに続いて巨乳の精霊種エルフが現れたことは、テュカのような精霊種しか知らない火威達にとっては驚いて良いことなのかは反応に困った。

較べて見る人物が一人しか居ないのだから、こればかりは仕方ない話だ。だがその夫が生態に謎の多いエティのジョバンニだと言うことには素直に驚けた。

悪所やロンデルでも様々な種族の混血……広義の意味でのハリョは沢山見たが、エティの血が流れているような者は見たことが無い。

ジョバンニを見た限り、生殖器などは見当たらない。

パートナーという意味での夫なんだろうなぁ……と、皆が思うのも至極自然のことだった。

「もう好い加減驚き慣れたわ。これ以上はねェだろうな」

宿舎で口をついて言ってしまった火威に

「火威三尉、フラグ建たせないで下さいよ」

津金と共に来た清水 智也(しみず ともや)陸士長が苦情を言ったそうな。

「ハっ! もうフラゲ状態だよ!」

強気で返しつつも、結構巧いこと言ったと自画自賛の火威なのであった。

 

*  *                            *  *

 

 

津金ら後続の隊員が来てから七日。

任務として進めるべき作業が予想以上に進み、そろそろアルヌスへ帰還する日が近付いて来た。

最近では何かにつけて、津金ではなく火威がサリメルに呼ばれる。この日もサリメルに呼ばれた火威が、本来の仕事を返上して温泉施設玄関まで来ている。

実はこの建物は火威ら隊員が泊まっている宿なのだが、今までは正面玄関ではなく建物中央にある引き戸から直接内部に入っていた。

玄関には下足入れが有り、完全に日本の温泉旅館を模している。近くには記帳台らしき物まで存在し、この温泉施設が稼働し始めたら確実にこの場で受け付けでもするのだろうことが伺える。

そこにはルフレが待っていて、彼女に案内された先にはサリメルが待っていた。

「やっ! ハンゾウ良く来た。今日はヌシに言われて作った室内遊戯を見て貰おうと思ったんじゃ」

言うサリメルの格好は明らかに浴衣めいた着物だが、やけに胸の谷間を強調している。

しかもラケットらしき物を振って、その前には卓球台らしき台まである。

「サ、サリメルさん……」

「なんじゃ?」

エロフはスマッシュらしき仕草を取りながら、呑気にも明るく答える。

「もう駄目だわ。俺も……サリさんも文化侵略で聖下に断罪されてしまいますがな」

その言葉を聞いた途端、サリメルの顔色が珍しく青くなった。

「せ、聖下!?ロゥリィ・マーキュリー聖下かっ?」

「あい」

力が抜ける余りにHの発音が消えた火威の前で、サリメルが腕を組む。

「そ、それは問題じゃな。しかし室内遊戯と言っても……」

エロフもロゥリィの事は知っているようで、火威が今まで見た中では一番真剣な表情をしている。

「あ、それじゃこの遊戯の名前とか色々変えちゃどうでしょ? どうせまた日本の漫画見てて考えついたんでしょ?」

「まーが? 絵草子のことかえ? その通りだが……」

案の定の答えを返したサリメルが、急に手を叩いて閃いた様を見せつけた。

「よし、この遊戯の名はふぁっ球としよう!」

「サリさん、それ色々ヤバいんで駄目です」

 

余り議論してないが、議論の結果フォル球と呼ぶことになった卓球プレ試合をしながら、火威とサリメルはフォル球独特のルールを考える。

「そうじゃハンゾウ。勝った者は負けた者に一つだけ言うこと聞かせられる決まり事はどうじゃ?」

「それは営業したら駄目になっちゃうでしょ。荒くれ者同士のルールなら良いけど実際に宿に泊まるのは家族連れとか貴族とか商人ですし 」

日頃からルフレにも無茶振りを窘められてるようで、エロフことサリメルも唸りつつも案を引っ込める。

つい先程まで断罪の恐怖に身を震わせてたというのに、非常に楽天的なヤツだと思う。それに付き合ってる火威も大概だが。

「ルールを卓球じゃなくてフォル球独特の物に出来れば良いんですけどね」

「うぅむ、何も無い状態から決まりを作るのか……」

このフォル球、一切の道具は全て特地で賄っているが、それでも極めて卓球に近い道具を再現していた。

ラケットに張るゴムに似た素材は特地の海にあるサルガッソーのような海域で取れる海藻を加工した物だし、ピンポン球そっくりの球はルガンと言う果実の皮に小さな穴を空け、そこから中味を魔法で吸い出した物に、何重も特殊な塗料を塗り重ねたものだ。

火威の世界のピンポン球より少し重みがあるし、速球をぶつけられると結構痛い。しかも頑丈だ。

そして、このフォル球セットを一つ作るだけでも結構、手間隙が掛かってる上に材料費だけで程々に掛かるものである。それだけに、二人ともこのフォル球セットをお蔵入りにする事だけは避けたかった。

火威はともかく、サリメルも過去に金で苦労したことが伺える。

「この勝負で負けたら一つ言いなりな」

突然ルール設定しだしたサリメルに驚きつつ、火威はフォル球を返す。

そして今更で実に申し訳無いが、火威が中学の頃は卓球部だった。ただその実力は器用貧乏を地で行き、得意技がある事を除いて実力は中の少し下くらいだ。

「ところでハンゾウ」

「おぉっと、なんスか?」

勝負の最中に話し掛けるとは、集中力を散乱させる策か!? この女ならそれくらいの事をやっても可笑しくないので、打ち返された球を確り見ながら打ち返して返事する。

「ニャミニア相手に大した傷も負わずに勝った事は見事だが、妾の眷属になったとは言え首が捥げたら死んでしまうから注意せえよ」

「えっ? アッハイ」

首が捥げたら死ぬのは当然でしょうが。確りしてくださいお婆ちゃん……なんて言葉を、市井の者の家庭なら言っていただろう。

今日は調子が良さそうなのに、やはり良くない事が火威は悲しい。

「そぉい!」

スパァンと打ち込まれたフォル球がサリメルの横を抜ける。それで勝負は決まった。

「くっ……やぱり“じゅうす”って要らなくないか? あとヌシの打つ“さあぶ”は曲がり過ぎじゃろっ? 魔導使ってないかっ?」

「そんなワケないでしょ。触媒は全部兜跋に填め込んでるんですよ」

点数だけを見ると接戦だが、サリメルの得点の殆どは火威の自殺点である。チキ―タサーブ改め、およそ60度の角度で曲がる胡瓜サーブを得意とする火威だったが、この胡瓜サーブはピンポン球に激烈な回転を付ける必要があるため、特殊な打ち方を必要として成功率は低いものだ。

そしてサリメルは狡猾だった。

「まぁこれで俺の勝ちです。じゃあサリさんには何をお願いしましょうかね」

「くっ……妾を抱こうというのか。寧ろ抱いちゃって!」

「いや、それ以外で」

その言葉に、サリメルは内心ほくそ笑む。

「さて、何が良いですかねぇ……」

「残りの無肢竜討伐とか勘弁してくれ。妾に出来るもので頼む」

あっさりニャミニアに丸呑みにされてしまったサリメルに、そんなこと頼む訳がない。サリメルに頼めそうな事が過去に有ったか考えてみると、火威には一つの記憶が思い当たる。

「あ、じゃあサリメルさん。ご飯作って下さいよ。可能なら帰るまで」

料理と言う作業は、様々な工程を経るからそれなりに頭を使う。サリメルが普段からどの程度料理していたかは不明だが、家族が居たんだろうから日常生活での「役割」を再認識させて自信に繋がる。また、火威は小耳に挟む程度の知識しかなかったが、前頭前野の働きを活性化させることが明らかになっており、認知症やその周辺症状の緩和効果も期待されているのだ。

「いや、ちょっと待てっ。何時ヌシらが帰るのが知らんが、妾も忙しいから長期間は勘弁してくれっ」

一応、サリメルも最高責任者としてオンセンリョカンの不備が無いか調べる仕事をしていたし、それ以外の時間は魔女の大釜を使の魔導士として研究小屋に居ることが多い。

「あ、それじゃ俺とサリさんの都合が良い日にでもお願いします」

「よし判った!」

しめしめ、正にマ・ヌガが薪背負って来たとはこのこと……なんて慣用句を頭脳に浮かべるサリメルだが、特地独自の慣用句ではなく、アルヌスで商売をした経験のある商人、或は傭兵か薔薇騎士団の日本語研修生によって伝えられた「カモがネギ背負ってきた」を特地風に変えたものである。

ともかく、サリメルが火威に披露した腕前は少ない。弓の腕前も見せて無いし、戦闘に使う精霊魔法も同じだ。以前に魔法でゾルザル派帝国軍の兵を斃したことはあるが、無肢竜にサリメルの魔法は弱くて鱗を通さない。

そうすれば、自ずと料理の腕前に目を付けられるのである。そしてこれこそがサリメルの狙いだった。

 

 

*  *                            *  *

 

 

ジョバンニを誘惑し子作りする為にミリエムに譲った五粒のフェトラン。その内の一粒をミリエムはジョバンニに盛ったが、一粒で象も踊るような代物を取り込んでも何の反応も変化も見られなかったから、やはりエティは普通の生物とは違うらしい。

残りの四粒を娘の部屋から失敬したサリメルは、栗林と火威の課業終了後に食わせる飯に同媚薬を盛るべく夕飯の支度をしていた。

なんて親だ! と思うところであるが、最初にサリメルがミリエムに五粒譲って四粒返してもらったのである。むしろ一粒はミリエムにやったんじゃよ……と、サリメルなら多分言うはず。

外から来る客……今の段階ではエルベ藩国の将兵やジエイタイだけだが、彼らに出す料理を作る厨房には、サリメルの元に逃げてきて宿舎に泊まる避難民しかいない。

彼らの中から料理への熱意や素養のある者を見つけ出し、その腕を高めていったのはサリメル自身だ。従ってサリメルが厨房に居て、何か妙な物を盛るにしても怪しまれる事は無い。

もしも内戦の最後に拾ったルフレが居たりすれば、彼女は帝都を知っている可能性があるから怪しまれるだろうが、あの小うるさいヴォーリアバニーは今お使いに出ている。

そして少し陽が傾いた頃、ジエイタイの課業が終わった。

いよいよ後は夕飯時にハンゾウとシノを宿から誘い出し、近くの森の中でフェトランが二粒づつ盛った飯を食わせ、淫靡になった所で誘えば二人ともサリメルのエロ仲間である。

今か今かと待っていると、火威と栗林を除くジエイタイが帰って来た。

「あり? ハンゾウとシノは?」

出蔵に聞くと、両人で三頭づつ無肢竜の頭を粉砕駆除したらしいが、聞きたいのはそこじゃない。

「あー……避難民の宿で喧嘩が起きましてね。未だに元気な二人が仲裁に向かいました」

予想外の出来事だが、これは却って好都合。

一度外に出て、騒ぎの起きた場所を確認してから直ぐに厨房に戻る。

魔法を使ってバランス良く二人分の料理を持って外に出ると、魔法で野外テーブルを引き寄せて彼らが宿舎に戻る道に陣取った。

二人が来るまで少し時間が有りそうなので、帝都のジエイタイの店で買ったハエチョウを被せる。

狙うは久々の三人で青○。考えただけでもワクワクテカテカ、勢い余って鼻血が出そうだ。次は室内でやろうかな。シノも女子(おなご)だし。

その時、空から龍が舞い降りた。赤い飛龍……イフリだ。

サリメルは勝ち誇った笑みを見せ、ついつい余計な事を言ってしまった。

「残念じゃったなぁ、イフリ……。ハンゾウは妾が貰ったぞ」

突然言われたイフリは、ただサリメルを見てる以外に出来る事は無い。ただ、このエロフが番いにし出来たら良かったのになぁ……くらいに思ってた男の名を出し、自身を挑発していることしか理解できない。

そう、飛龍は人語を理解する程の知能を持っている。口の構造が違えば喋れる程に頭が良い。だから腹も立った。

腹が立ったので、このエロフが準備していた餌を被さってる物体ごと喰ってやった。

「バ、バカ! イフリー!?」

蠅帖ごとフェトランを盛った料理をイフリに喰われ、サリメルは後退る。

まさか、アレが飛龍に効く筈が……と、思いたいサリメルだが、一粒で象が踊るフェトランの媚薬が四粒である。

効かないワケが無かった。

非常に解り難いが、急にトロンとした目付きになったイフリが真っ先に目に付いたサリメルに巨体を寄せる。

「ヤメーイ! 相手を選べっ! 大きさが違うじゃろッ」

日頃のサリメルに言われても説得力が無いと思ったのか、イフリの進撃は止まらなかった。

「ちょっ、やめい! やめ!? 無理矢理とか良くな……!」

プチっと押し潰されたサリメルを咥え、心の底から甘噛みしまくったイフリは彼女を咥えたまま何処かに飛んで行ってしまった。

 

それから少し経って―――

 

「あれ? さっきサリさんの声が聞こえたと思ったんだけど?」

避難民同士の喧嘩は、サリメルに骨抜きにされたオヤジが村に帰りたくないと駄々を捏ね、それをブッ叩いた母ちゃんとの夫婦喧嘩だった。

「宿に戻ってるんじゃないですか?」

「かなぁ」

栗林の自然な推察に同意し宿に戻ると僚友とルフレが待っていた。

ルフレ曰く、サリメルは月に一度の感覚で近隣地域を医術者として廻っているので、無肢竜が倒された今、久しく廻っているのかも知れないらしい。

「へぇ、サリさんそんな事も出来てたのか」

「半分以上は御趣味も兼ねていますが……。さ、火威様と栗林様の御夕食はこちらで出来ております」

「やー、毎度有難う御座います」

レーションもあるのに、と付け足して言う火威も栗林も、まさかエロフが夕飯にトラップ敷いて待ってたことは永遠に知るまい。

その次の日の早朝、イフリの唾液塗れになったサリメルが疲労困憊で帰って来た。

彼女は思う。

「こ、これが………インガオホーと言うヤツか」

意味としては正しいが、正しくない日本語を。




え~、ホント、そろそろ第一部終わりです。
出来れば次の次くらいには……!

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