ゲート 魔導自衛官 彼の地にて斯く戦えり   作:庵パン

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ドーモ、庵パンです。
日本シリーズに夢中で暫く低速でした。
来年こそ絶対に日本一に…………。

ちなみにサブタイは「新たしい怪異」的なことをググったら
何故か腐界的なものがヒットしたので腐らせておきました。特に意味は無いデス。
芸術怖ぇー……。

*前書きで誤字るミスをやらかしてました。


第十一話 腐怪魔

一晩吹雪が吹き続いた次の日、マリエスの各所での雪掻きを終えた火威はノヴォールの亜人達と昨日の内に敵性勢力を掃討しながらも、奪取出来なかったアルガナに潜む怪異等の敵性生物を再び掃討するために来ていた。

ノヴォールの亜人達が高い場所に腰を下ろし、重りを付けた釣竿を雪の上に垂らして時折雪を叩くように竿を振って地面を叩くのは遊んでいるのではない。

突如、雪を突き破って重りに食らい付くモノがあった。

硬い殻を身に纏った特地の氷雪山脈に棲む言われている雪竜という怪異だ。西方砂漠にも同種の生き物である「砂竜」が存在し、サリメルの元で見たその巨大さは、雪竜よりも更に大きいらしい。

竜とはいうが、これら雪竜や砂竜は蠕虫(せんちゅう)の一種で、太古にこの世界に来てそれぞれが独自に進化したと賢者達は推定し、その遺骸を発掘した年代から確信している。

そしてこの雪竜の肝は“雪肝”と呼ばれ、帝都でも珍味として知られている。

昨夜も火威もグランハム、そしてユエルやリーリエと共に晩餐の席で食べているが、まさかこんなキモい生物の内臓とは予想もしていなかった。だがムカデの揚げ物よりは心情的に軽いし、味も以前に食べた中華街土産のカラスミに似ているので、火威の精神衛生が減退する幅は皆無に等しい。

原材料の見た目を知れば帝都への輸入は激減するのだろうが、帝国全土へ運ばれるのは加工された雪肝だけだ。

平地の人間がわざわざ寒さと危険な思いをしてまで、雪肝を加工する前の場面に立ち会うことなど無いと言ってよい。

ノウ゛ォールの亜人達とアルガナに行くことをリーリエやグランハム、ユエルには知らせているが、百人隊長を始め帝都から来た兵士には知らせていない。

雪竜を釣り上げる人員に帝都から派兵された兵士が一人も居ないのは、帝都の百人隊長にアルガナの再掃討することを伝えなかったからである。

聞けば、派兵当初に部隊を率いていた貴族出身の将軍はマリエスより山脈の奥地に入った所にある“ケネジュ”という町の奪還の最中に、空飛ぶ怪異に襲撃されて戦死している。

龍か龍種かと思われるが、名高い武門出身で前評判の高かった士官の死に、帝都からの先発隊の士気は一気に低下した。

戦場に身を置く者としては解らないでもないが、兵士一人一人、それぞれが確りとモチベーションを持って貰いたい。

そんな士気の低い連中を連れ回しても犠牲者を増やすだけなので、出撃することを知らせず複数人のノヴォールの亜人を選定し、石床で作った動く台で早々にアルガナに到着したのである。

雪原の50cm上を浮いて走る石の床に乗ったノヴォールは最初のみ驚いていたが、意外と早く慣れて寝る者まで出る有様である。種族的に適応力の高いのか、細かい事は気にしないらしい。

そしてこの時、火威は思わぬ事に気付いた。火威本人を含めても八人しか乗せてないのに意外と重い。少し気を緩めても石床が雪面に付きそうである。ノヴォールの亜人は背丈こそ低いが、その身体は意外と筋肉の塊なのかも知れないこという事に気付いたのである。

そうしてアルガナに着いた火威と亜人は雪竜釣りという氷雪山脈限定の遊戯に見える漁の真っ最中なのである。

たった今、雪竜を釣り上げたノヴぉ―ルの連中の中で、火威には時に目立っているジオとかいう者だ。

もう一人のショタ亜人とロクデ梨の半分を食った仕方ない奴である。

「ハ、ハゲさんっ。出たなぁ~ん!」

酷い呼び方だが、ジオらノウ゛ォールの連中は仲間の皆で相談して火威をこう呼ぶことにしたらしい。

色々と明け透けなのは種族的特徴のようだ。

ハゲ呼ばわりされてムカっ腹も立てた火威だが、他の種族から反感を買いまくる種族に少しだけ同情もする。

寒い地域でしか生きれない種族と聞いたが、この難儀な種族的性格も関係しているのでは無いかと思ってしまう。

ジオの叫ぶような知らせを聞き、64式小銃のスリングを引き寄せて声のした場所に向かう。

「ア、アレなん!ミティ来た!」

別のショタ亜人が指さす方向を見ると、初めて見る巨躯の怪異が複数体見えた。

「あ~ぁ、こりゃ酷ぇな」

精霊と人間の合いの子と言うから、もっと雪女っぽい見た目を想像していたが、ミティと呼ばれる怪異は正に怪異と呼ぶに相応しい外見である。

この世界に存在する呪いを疑いたくなるが、見た目から危険性を主張しているので親切設計とも言える。

「…………顔がケツの生き物って初めて見たよ」

「アレは顔なぁ~ん」

肛門に見えるのは口らしい。確かに生物の肛門にしては大き過ぎる。あの肛門みたいな口を開いて物を食べる様は、きっとグロテスクだろう。

東京のオークが普通の人間に見えるレベルなのは、異世界広しと言えど、ここだけだろう。

まぁ、下手に美女のような外見だと撃ち難くなるから助かるのだが。

「よし、攻撃を開始するから他のケツ顔が出ないか周囲を警戒しつつ雪竜釣り続行」

「ふぇ?ここから50レンは離れてるなぁ~ん」

「いや届く」

小銃の安全装置を『レ』に合わせ、短連射。雌の怪異は血飛沫を撒き散らすが、倒すには至らない。

「硬ぇなあ。あの化け物」

一筋縄では行かぬと呻く火威を見てジオは驚いた。

魔杖らしき物の先をミティに向けたかと思うと、その先端から炎と破裂音を発して敵を攻撃したのだ。

続けざまに魔杖の炎を放って一体を倒し、すぐさま二体目のミティを攻撃している。

「す、すっご!あんな離れたミティを倒せる魔法があったなぁ~ん!?」

「いや、自衛隊の装備だから」

ジオらノウ゛ォールの衆は、火威ら自衛隊が異世界の日本から来た事を知らないらしい。

隊の車両やヘリコプターを見た時の反応が少しだけ楽しみではある。

と言っても、彼等に車両を見る事が有ってもヘリを見る機会は無いのだが。

「げぇ!別口の奴がこっち来た!しかも近いなぁん!」

左方真横、目測8メートル先の角から、銃声を聞き付けたと思われるミティが姿を現した。

顔前に両腕で盾を作り、そこに銃弾を受けつつも走って火威まで接近して来る。

「っ!女ならもっと可愛らしく振る舞えよ」

舌打ちする火威が弾が尽きる前に小銃をスリングで吊し、右腕をミティに向けた。

展開される円錐光輪。放つと同時に火威は背に装着した大剣の柄を掴み、走り出していた。

爆轟の魔法は着弾して炎と煙を上げる。三重までしか作れなかった円錐光輪に攻撃力を持たせる事は出来ないが目暗ましにはなる。

煙が晴れた時、姿を現したのは両断されたミティの遺骸。火威は既に元居た位置に戻っていた。

「よし、雪竜釣り続行。見張り要員はミティを見たら真っ先に言えよ」

言ってから火威は、確実に正確に小銃の弾を補給する。

 

 

*  *                             *  *

 

 

帝都から派遣された百人隊長、ハトイ・エム・パースはアルヌスから来た唯一のジエイタイ、ヒオドシという男の顔を見てから、時間が経つに連れて震えが止まらなくなった。

アルヌスから来た男は、大きく見た目こそ変わっているものの、明らかにギンザ戦役で戦場を跳梁し、帝国に多量の出血を強いたニホン人。

その戦い方、そして見せつけられた暴力の渦はトラウマとしてハトイの心に突き刺さり、炎の中に斃れていった仲間の断末魔は彼の耳から中々離れてくれなかった。

ギンザ戦役の際、奴はゴブリンの剣やオーガの戦斧を奪い、近付く者は皆、力任せに叩き殺すという使徒か怪異の様な所業をしている。

のみならず、燃える水を満載した容器を鹵獲された馬に括り付け、火を放たれた暴れ馬が帝国の陣営に突っ込んで大きな被害を出していた。

夜間、門に戻れずギンザの街中に潜んでいた多くの僚友は、その化け物の如き身体能力で数の優位性を生かせず、奸智を用いられて同士討ちしてしまったとも聞いている。

だが物は考えようだ。

内戦では正統政府にとってもニホンにとっても敵となったゾルザル殿下派の帝国軍は、最終決戦の場となったイタリカで強大な力を持った魔導士の力で大いに力を削られた。

その正統政府の勝利に大いに貢献したのは間違い無く帝都からの要請で来たジエイタイだ。

そう考えれば、今自分たちが相対している敵に対して大きな対抗手段が出来たと考えられるのだ。帝都から自分達を率いてきたトラペン将軍が戦死して、士気が低くなって戦力として使い物にならない自分達を置いてアルガナ掃討に向かった異世界の奴は、指揮官としての素養はあるらしい。

ハトイの震えは、何時の間にか止まっていた。

 

 

*  *                             *  *

 

 

火威からアルガナ掃討と雪肝の大量入手の報告を受けたリーリエは、山脈の異常事態が始まってから点けてきた日誌にメモした。

書いてしまわないのは、今日が始まって未だ時間が経ってないからだし、あのアルヌスからの助っ人はこれからも何かやってくれそうな気がするからだ。

「それで、ミュー。ヒオドシ殿は?」

「ヒオドシ様はアルガナ掃討後、マリエスとアルガナ周辺に潜む敵性生物を掃討する為に、御一人で向かわれました」

先代が罪深い事をして、今回の動乱でタトーウ゛ィレから避難してきた亜人のメイドは、このところ柔和な表情を見せるようになった。

親を亡くしたノーマエルフの身柄を引き受けているのが精神的安定を齎すのだ。そしてヒオドシが現れた事で敵を倒せるという希望が生まれたのだろう。

ミューというヒトと龍人のハリョの娘は、夫をこの戦いで亡くし、幼い一人息子を病で失っている。

息子を失う遠因を作ったのも、今戦っている敵だ。

可憐な娘ではあるが、誰かの手で敵討ちが達せられなければ収まりがつかないのだろう。

彼女の姉のハリマなら龍騎兵の戦斗メイドとして部隊を率いることも出来ようが、ミューには翼が無い。

自身の力で敵に一矢報いるのは難しいのだ。

「……そうか。ニホンという国……というより彼には頭が下がるな。これならロゼナ・クランツの連中もきっと……」

これで倒せなければ終わってしまう。

シュテルン家も帝国も。ファルマート大陸の未来もどうなるか解らない。何せ反魂呪文を試みる連中で、実際に死体を使役しているのだ。

この事が大陸中に知られれば、世界の何処かに座す神々は動く。

実際にグランハムという神が来ているのだ。持ち堪え続ければ有利になる。

少しずつ兵力が少なくなって行くのが最大の問題だったが、異世界の戦士という最強の盾が来たのだ。

「陽が中天に差し掛かる頃には戻るとヒオドシ様が」

「うむ、解った」

心の憂いの過半が晴れたリーリエは、漸く自身の事を考える事が出来る。

その中で真っ先に考えたのが、弟・アロンの行方だった。

 

*  *                             *  *

 

 

時系列はこの日の朝まで遡る。

重要な任務でアルヌスから遠く離れた氷雪山脈に来ているというのに、緊張感が無さ過ぎた。

或はノウ゛ォールの衆の緊張感の無さが伝染した……と、言ってしまえば、責任転嫁になるだろう。

火威は今アルヌスに居る栗林を想うが余り、その姿を夢現の区別が付かない状況で朝方の布団の中に見たり見なかったり……。

結婚を前提に交際を申し込み、お突き合いで奇跡的な勝利を収めた彼女は今頃、駐屯地の女性自衛官の曹官用官舎にいる。

白兵やお突き合いの時の彼女はゴリラの如き威圧感と膂力だが、普段の彼女はとても可愛い。

瞬間的にゴリラな時もあるが、その物理的な強さも含めて彼女の魅力である。

しかも、あの背丈にして驚くべき巨乳。否、爆乳である。

お突き合いの決まり手のバックドロップが酷い事になったが、ボディーアーマーを取っていた栗林の胸の感触は、一週間以上経つというのに忘れられない。

あれはFとかGとか、そんな生ちょろいもんじゃァ無い。

Hだ。正にThe・爆乳。俺の女神様。

実際にアルヌスには三柱の女神が住んでいるが、火威にとっては将来を共に生きてくれる栗林こそが女神だ。

お突き合いに勝つ為に稽古を付けてくれたロィリィや、栗林と共に生きるように言ってくれたジゼルも美麗で素敵な女神だ。故に多くの者に心の安寧を齎している。

その分野ではロゥリィの方が遥か上を行っているが、まぁこれは神様歴の長さでもあるから仕方ない。

本当の神では無いが亜神クリバヤシも火威には心の安寧を齎してくれる。いずれ産まれて来るであろう火威の子の心の安寧を齎してくれる女神だ。

そしてその子供を産んでくれるであろう女は、ほぼ間違い無く栗林志乃という女なのだ。

早く彼女の身に触れたい。抱き締めたい。

要するに夫婦になってエロいことしたいのである。今は付き合い初めて間もない慎重にいるべき時期であるが、日本に帰還して第一空挺団、そして特選群の選定試験をパスしたら絶対に栗林と夫婦になるのだと、記憶の向うに見える愛しい女性(ひと)に誓う。

そんな事を考えているから、どんなに想いあぐねても実現出来ないままに獣欲が積み重なっていったのだ。

そして脳だけは結構覚醒しているので、再び寝ることも出来ない。おまけに身体の一部分が生理現象によって中学生のように元気になるから油断も出来ない。

「………………ヒャア!もう寝れねェ! 起床!」

寝起きからテンションが高くてご苦労な事だが、撥ね起きて外の様子を見に行く。

マリエスの各所には、睡眠の質を高めることを狙い温風を滞留させたが、食料が限られるので何処からか入手しなければいけない。

精霊魔法様様と心の内で合掌し、兜跋を装着していく火威は雪掻きから帰ってきたジオとナサギという名のショタ亜人と会った。

「さ、寒過ぎるなぁ~ん。今年は異常なぁ~ん」

今年に限って言えばアルヌスの門をずっと開けていたせいなのだが、門を開けたのはハーディという神様か、この神様に「穿門法」という魔法を授けられた帝国の魔導士なので、苦情はそっちにお願いしたい。

休憩に向かう最中にも(かじか)む手を擦り合わせるジオに聞くと、雪掻きの道具は玄関に置いてあるという。紅い長マフラーと兜跋の兜を着込んでから、火威は外に出た。

エルベ藩国でニャミニアを倒して以来、兜跋は大幅に性能が向上している。

蛇を退治してリミッターが解除されたとか、そんな訳の解らない理由では無くニャミニアの皮膜で兜跋の内革を強化したのである。

多少、重量は増えたが問題では無い。その手を加えた事で、今まで鞣したマ・ヌガ革と翼甲程度の断熱性しかなかった兜跋が、ニャミニア口内の皮膜を使う事で、日本にある最新鋭の木の家の如き断熱性を持ったのである。

これは、火を吐く龍種共通して言える身体の構造をサリメルから聞いた火威が、日本に帰ってからも極力、冷暖房を節約しようと考えてニャミニアから素材を()()()った()成果である。

これまでにも何度か説明したが、モ○ハンよろしく怪物(モンスター)の素材を剥ぎ取るネタなぞを知っている火威が果たして貧乏だったのかと疑問に思うところだろうが、火威の赤貧生活は中学三年までである。

それはそうと、こうして性能を格段に向上させた兜跋は氷雪山脈で大いに力を発揮した。

外を見ると、昨夜程ではないがチラチラと雪が降り続けている。

昨夜は吹雪だったにも関わらず、街にはそれほど雪が積もっていない所を見ると、ショタ系亜人の二人がロクデ梨を喰った罰として先程まで雪掻きしていたのだろう。

勿論、二人だけで街中を雪掻きするのは不可能だから、住民やマリエスに逗留する帝国兵が、時折雪を掻き出して水路に捨てているのだろうことが想像された。

屋敷の玄関を見ると、円匙に似た道具がある。

火威も早速これを使ってマリエスに降り積もる雪を掃除し始めたのだ。

 

その後の事は先に記載した通りである。

アルガナ周辺から敵性生物の捜索と撃滅を済ませた火威は、今度はマリエス周辺の捜索に入っていた。

氷雪山脈に来た当初は気付かなかったが、山脈の至る所にはクレバスや洞窟が存在している。

クレバスという氷の山脈にある危険な割れ目には十分に注意しなくてはならないし、洞窟は街の外で吹雪に見舞われた時に逃げ込む安全地帯になる。

クレバスや洞窟の発見は意図してのことでは無かったが、直ちに注意すべき地点を地図にでも描き印す事が出来たのも早く起きて活動を始めた結果と言える。

クレバスの中には雪に隠れて落とし穴のようになっている物もあるから、そればかりは火威が実際に雪原に降りて確かめる必要がある。

「と…………うげっ!?」

実際に降りてみたら半身が雪に埋まった。

否、雪の下に地面が無いのだ。魔導で雪を吹き飛ばしてみると、火威が降りた地点が丁度クレバスになっていた。

周辺の雪も吹き飛ばしたり火の精霊(サラマンダー)を使役して溶かしてみたが、隠れたクレバスは火威が掛かった部分だけらしい。

ピンポイントでクレバスが早々見つかるとは、運が良いのか悪いのか……木目細かい山脈の雪の粒子が鎧の隙間から少しだけ入り、若干程度だが身体を冷やす。

この後、現在は氷雪山脈から離れられないことをアルヌスに知らせる為、鸚鵡鳩通信を帝都から送らなければならない。

その前に、太陽が中天に差し掛かる辺りにマリエスに帰還してリーリエに諸々の事情を報告する必要がある。

火威は急ぎ、マリエスへと帰還する。極寒の地で下着だの靴下だのが濡れていたら不味いので、落ち着ける場所で取り換えなくてはいけない……という事情もある。

 

少し高度を高く取っていると、雪原の向うから接近してくる集団があることに気付いた。

敵かも知れない……と考えながらも、光の精霊を使役して簡易レンズを作る。そして見えたのは、防寒着を纏った集団だった。

防寒着を使用しているとなると、敵である可能性は低くなる。少なくとも死人や怪異の類では無い。

「ん……あれェ?」

見えて来た集団の中に、火威の知る顔があるような気がした。それが更に近付いて来ると、次第に明らかとなってくる。

「アルドンじゃねェーか!?」

火威が集団の中に見つけたその人物は、帝国の薔薇騎士団の侍従武官・騎士補。元主席筆頭百人隊長で火威に異世界で最初に出来た親友(マブダチ)のグレイ・コ・アルド騎士補だったのだ。




今回は原作でもあったような、倒置する手法を取ってみました。
うん、慣れないことはするもんじゃァないですね。普通に進めても変わらない。

そんなワケで質問・疑問・感想等御座いましたら、忌憚なく申し付け下さいませ。

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