ラブライブ! ~少年とμ'sが出会えた奇跡~ 作:ハイドレンジア
それではどうぞ
アカン!遅れる!!
これの事しか考えず、廊下を焦りながら全力で走っている。正直俺はこんな事になるとは思ってもいなかった、ただ理事長に挨拶しにいくだけと考えていたはずが、予想外の生徒会のお偉いさん2人と知り合い、自己紹介などをしていたら遅刻5分前になってしまい、学校中を駆け回っている。
今日遅刻5分前で焦りながら学校駆け回ってる人なんかどこにもいないよな!?
あれほど目に焼き付けておいたはずの学校内の地図は俺の記憶領域のどこかに行ってしまい、探す事も無理なので学校中を探し回っている。これなら生徒会長殿に聞いておくべきだったなぁ!と心の中で嘆いていると、遠くに2人の女子生徒の姿が見えた。俺の目は両方視力0.3のためあまり見えないが、多分1年だろう。これなら好都合だ!と頭の中で呟き2人の後を追って行くと徐々にその姿はクリアになっていき、首元のリボンは青だと言う事が分かり1年かぁ~と安心し、深く息を吐く。前の2人は俺の息に気付いたのか、こちらに振り向く。そのままスルーしていくだろうと思っていたら不意に声をかけられる。
「·····とくん·····?」
「海渡くんにゃ·····」
この2つの声はとても懐かしく、俺の心に何か安らぎを与える、この声の主が誰なのかは咄嗟に出て来なかった。そして俺は2人の顔を見て、絶句する。
3年ほど前、行く中学校が別になり、また会えるかな?と最後に話して別れた、俺の大切な人であり、幼馴染みでもある彼女たち2人の事を俺は忘れた事はなかった。
「花陽·····?凛·····?何で、お前らがここに·····?」
「海渡くんも·····どうして·····?」
今度はちゃんと聞き取れた。
だが俺は花陽と凛にかける言葉が見つからなかった、遅刻2分前だと言う事を忘れ、俺達は見合ってから両方驚きの声を上げる。
「「「えぇぇぇ!!(ふえぇぇぇ!!)」」」
叫び声は昔からほとんど変わっていないが、俺の方は声変わりもして声が低くなっている。
そこで俺達は遅刻ギリギリだと言うことを思い出し、ちょうど近くにあった1年の教室にスライドインし、何とかギリギリセーフで間に合った。
ちなみになぜ花陽達が遅かったのかは、凛が寝坊し花陽がギリギリまで待っていたらこんなに遅くなってしまったらしい。
「何とか間に合ったな。入学初日に遅刻するのは俺ぐらいだぞ凛?」
「べ、勉強してたにゃ!夜更かしじゃないにゃ!」
「そんな事言ってぇ~ラーメンでも食ってたんでしょ~?」
普通に笑顔だった凛の顔が引きつった笑みに変わり、大当たりにゃと視線を送ってくる。凛にドヤァとしておき、今度は花陽の方を見てみると、ついこちらも笑顔になってしまうほど輝く笑顔をしている。花陽は昔から俺達の会話を今のような笑顔をして見ていて、急に話を振られると必ず驚くのだ。
急に話を振るか?と凛と小声で話していると、ここで俺達の担任なのだろう、先生が入って来たため、話しをいきなり振るのはまた今度となってしまい、にゃ·····と嘆く。
これからまた面倒な自己紹介があるのか·····面倒だなぁ·····と思いながら園田家きっての不良生徒である俺は自分の席につき頬杖をつく。やはり周りには女子しかおらず、話し相手は凛と花陽しかいないだろう。
先生の話を適当に聞き流しずっと外をみて、いい天気だなぁ·····と思っていたらいつの間にか自己紹介の時間になっており、もう俺の前の前の席の人が何かを言っている。俺も何を言うか考えとかなくては·····うーん、良いところねぇ·····特に無い気がするなぁ·····好きな食べ物は甘いものだな。
「次は?」
「あぁぁぁ俺や」
考え事中に急に話を振られ焦ってしまったが、すぐにイスから立ち上がり自己紹介を始める。
「初めまして、園田海渡という者です。良いところは特に無しで、好きな食べ物は甘いものです。これから3年、じゃないかも知れませんがよろしくお願いします」
もしかしたら俺は途中で逝ってしまうかもしれないので、じゃないかもを付け足しておいた。
こうして俺の番は終了し、また外をみる。並んで飛ぶ小鳥を見送り、机に突っ伏し、入学式の説明やら何やらを聞いておく。
「それでは、講堂前に集合です」
起立、といつの間に決まっていた学級委員長が真面目に言い、全員を起立させる。気を付け、礼、と言ってから礼をする、もちろん俺は真面目にやらず、ただ腰を曲げるだけの事をする。
俺は、入学式か、面倒臭いな·····と考えながらも席を立ち講堂へと歩き始めた。
1年生が登場しました、真姫は次にだす予定です