ラブライブ! ~少年とμ'sが出会えた奇跡~ 作:ハイドレンジア
真姫ちゃんの登場です
それではどうぞ
現在俺は、学校内を見て回っている。その理由は、今朝のように教室が分からず、学校中を走り回る事態になることを防ぐためだ。
そして今はもう俺がやるべき事を全て全うし、もう家に帰ってしまうだけ!となっている。花陽達には先に帰ってもらい、俺一人で学校内を見て回ったのだ。おかげで教室の位置は記憶出来たし弓道場の位置も分かる、もう帰って飯食って寝るかな?と考え、間違えて買ってしまった二本のジュースの片方に手を伸ばし、蓋を開ける、するとすぐにぷしゅっという音がして仄かに匂いを漂わせる。もう片方はトマトジュースのため、俺が飲む事はない。
俺が缶に口をつけようとした途端、俺の耳にきれいなピアノの音が聞こえ、炭酸飲料を飲もうとした俺の手を止める。
「うまいな·····」
ボソッと呟き、音が聞こえて来た音楽室の方へ向かう。
近づいていくにつれ、ピアノの音は大きくなっていき、歌声まで聞こえてくる。
弾き歌いとは·····驚いたな、中学の時に先生がやってたのを見たのが最後だコレ。
完全にバレる位置で中を見てみる。さすがに幽霊が弾き歌いをしていることは無いと思うが(あるわけがない)、一応確認しておく。
ピアノを弾いていたのは赤いセミロングの巻き毛に紫の目が特徴的な女子だった、首元のリボンは青、俺と同じだ。と言うことは、俺と同じクラスなのか?と考え、今朝の自己紹介の時間を思い出して見る。ほぼ全てを聞き流していたため全く思い出せずに終わった。
それにしても·····俺に気付く気配が全くしないんだけどな·····
しかし、彼女が不意にこちらを見た。俺は突然の事にかなり驚き、向こうの方も驚いた表情のままフリーズしていたが、彼女の方から何か悲鳴のような物を上げる。
「ヴェエ!?だ、誰?」
「そこまで驚かれると何かキズつく·····」
うーん!本当にこの人誰だったっけなぁ~思い出せない!!仕方ない、もう一度名前聞くか?·····でもなぁ~·····おっと!話を続けなくては。
「あ、ピアノ、上手なんだな。そんなにうまいのを見たのは中学以来だ」
「そ、そんな事·····ないわよ·····」
前の人は顔を逸らし、自分の巻き毛をいじり始める。
·····ツンデレだ、こいつはツンデレだ·····絶対にそうだ。
おそらくこいつはピアノうまいね~と言われても素直になれないのだろう。
「それで、あなたが私に何のようなの?」
「いやぁピアノの音が聞こえたものでつい、よってしまったのです。別に悪気はありません、はい。」
「別にそんな丁寧語じゃなくていいのに」
「えっそうか?なら遠慮なく·····」
こいつはついさっきまでツンツンしていたはずなのだが、何か今はツンツンしてないような気がする。俺は向こうのすごいピアノスキルに驚いていると、今度は向こうの方から話しかけてくる。
「あなたは·····私と同じクラスの?」
「やっと気付いたか。その通り、俺は今日入ったばかりの新入生、園田海渡だ、よろしく」
俺は握手をするべく、手を差し出す。もちろん握手は帰って来ず、そっぽを向いて髪をいじるだろうと思っていた·····のだが、向こうの方は俺の手をジーッと見てから少し口元を微笑ませてから、俺にとってかなり予想外の事をした。
「西木野真姫よ、よろしく」
普通に俺に握手を返してきた。まさか本当に返して来るとは思わなかったなぁ·····と驚いているとなぜか向こうからジト目で見られ、短く悲鳴を上げる。それに西木野って·····俺の記憶が正しければ俺がオリンピック並み(4年に一度のペースと言う意味)にお世話になっている病院の院長の娘さんじゃないのか?
「西木野って俺が4年に一度お世話になる病院の娘さんか?または院長?」
「な!何で私が院長なの!?そんなワケないじゃない!」
なぜ怒ったのかは分からないが、うぉお怒るな怒るな、となだめてみたがまるで効果がない(下手な事の言い過ぎ)。どうしたものか····· と悩んでいると、あることを思い出し、あっ!と声を上げる。それは、さっき間違えて買ったトマトジュースだ、これを押し付けておけばちょっと静かになるだろう。
「これあげるから怒らないでくれ!」
「っ!」
うん?まさか西木野さんはトマトが嫌いなのかな?
「え?トマト嫌いでしたか?だとしたらごめんなさい、偶然買ってしまった物なので·····」
「い、いや?別に嫌いじゃないわ·····ありがと·····」
「お!お礼を言ったぞ!」
「物もらってお礼言わないのは失礼でしょ!」
気付いたら西木野さんと話していたらかなり時間が経っており、そろそろ家に帰った方がいい時間になっていた。
「あ、そろそろ時間がヤバいし、俺は帰るとするかね。西木野さんも早く帰るんだぞ?遅い時間じゃ変な男に絡まれちゃうからな」
俺は最後にさようならっぽい言葉を口にし、音楽室を去る·····つもりだった、いきなり背後から西木野さんに制服の袖を掴まれ、ギリギリ音楽室のラインでストップする。
「待って·····」
「な!どどどどうした!?」
まさか!もうひとつの人格が出てきたのか!それはそれで怖いッ!!まさか俺は殺られてしまうのか·····この世界は残酷だ·····もう、いいんだ·····良い人生だった·····。
変な言葉が頭の中をぐるぐる周りまくり、何かのアニメに出て来ていた気がする台詞が出来上がっていた。
「·····しも·····える·····」
「ふむ?なんと?」
「私も帰る!」
俺は一瞬、西木野さんの言った言葉の意味が分からなかったが、ようやく処理能力が回復して、意味を理解した瞬間、驚きのあまり息を少し詰まらせる。
「え、えぇ·····」
「何よ、帰りたくないの·····?」
「い、いえ、決してそういう意味ではないのです、驚いただけです、はい。」
「何か嘘くさい·····」
実際俺は今前にいる完全初対面の女子と話すのは初めてだ。女子と話した記憶と言えば、凛と花陽としか話した事がない。それに初対面の人と帰るなんて俺の人生15年間一度もない。
「うわ!西木野さんがそんな事言うなら帰っちゃお!」
今自分でもウザ!って思った·····
「待ちなさいよ!それと私の事は名字で呼ばないで、ちゃんと名前で呼んでよ!」
「ツンデレじゃねぇ·····コイツは一体何者なんだ·····?·····っ!!すまん·····」
ツンデレと言った途端、鋭い視線で俺の事を睨み、本日3回目の謝りをさせてから無理矢理っぽく俺を歩かせる。
「西木野さ······いや真姫、何でそんなピアノうまいんか?」
謎の関西弁を使って見たが、効果は全くと言っていいほどなく、俺の視界の下の方にしかし何も起こらなかった!と出てきたような気がした。
「昔からやってるからに決まってるでしょ、そんなこと猿でもわかるわ·····」
「俺を猿以下だとでも言いたいのか!こう見えて、成績は中学校時代トップを取られた事はナッシングなんだぞ!高校でもトップを取られる気は無し!」
俺は自分でも呆れるほど語り、息継ぎもしなかったので肺がかなり苦しくなる。
そんな俺を真姫は一瞥すると、俺に向かって手榴弾100個分の威力を秘めた爆弾を落としてくる。
「なら、私がそのトップの座をとってあげるわ」
「おぉ!フラグを立てたぞ!」
俺からトップの座を取るとは·····今度のテストで勝負だ真姫!
しばらく俺達はお互いの間で火花をちらしていたが、俺のタッチパネル式携帯の6代目(最近Sが出たやつ)がラ○ンだぞ!とでも言うようにヴゥー!と唸る。俺は反射的に6をポケットから出し、高速でパスワードを入力する。その時間、僅か2秒。かなり早い。そしてそのラ○ンの内容は·····
花陽:明日UTXでA-RISEのライブみたいなものがあるから絶対きて!
どうやら明日に花陽の言うA-なんとかのライブがあるらしく、俺にそこに来い!と言う内容のメールだった。行くか行かないかは当日判断するとして、今は目の前にいる西木野真姫なる人物の相手をしている(と言ってももう帰るだけ)、メールは適当に返しておこう。
海T:行けたら行きたいと思われます。
花陽:行けたらじゃなくて·····後その言葉の使い方間違ってるよ
海T:知っとる。りょーかい明日行く。
花陽:また明日ね
メールのやりとりを終了し再びポケットに6を突っ込む。真姫の方を見てみると、何やら気になっているような目でこちらを見ていた。
「ん?どうした、何か付いてるってか?」
「え?いや、誰とメールしてるのかな、って思っただけよ」
「そっか、じゃあ教えてやる、俺の幼馴染みだよ」
真姫は海渡に幼馴染みなんかいたんだーといった顔で俺を見てからすぐに、行くわよと言い、俺をおいてきぼりにしようと早歩きで歩いていってしまう。
「あ、おい!待ってくれよ!」
俺は真姫に置き去りにされそうになりながらも、俺の前を歩く人間の後を追う。一緒に帰るって言っといてそりゃねーよ!と、心の中で呟いておき、俺の気持ちを抑える。
そしてこの後、真姫と一緒に家に帰ったのだが、入学式初日に帰って来る時間としてはかなり遅くなってしまった。
俺の姉、海未にこっぴどく叱られた事は秘密にしておこう·····。
ー12月3日に追加ー
僕の友達にこの名前は・・・・・と言われたためユーザーネームを変更しました