ラブライブ! ~少年とμ'sが出会えた奇跡~ 作:ハイドレンジア
今回はちょっと短めですね。
それではどうぞ
さすがに入学二日目で他学年の教室に入るのはとても緊張するものだ。高坂さんには「先に行っててー、私用事あるからさ」と校内に入ってから言われてしまい、二年の教室何処だよ!と校内をウロチョロしていたら学校の見取り図を見つけ、寄り道と言ったことを一切せずに向かったら結構簡単に着いてしまった。
なぜ昨日はあんなに苦労したのか・・・・・。俺はどうでも良いことを考え、他学年の教室に入る決心を固めようとした。しかし決心は固まらずにそのまま三十秒が経過してしまい、ただ二年生の教室の前に立ち尽くす変な奴となってしまった。
もう何度もよし!入ろう!を繰り返しているのだが、なかなか体が動かない。これは俺の弱点の一つだ。俺は最初は大体、余裕余裕!とかまして周りをおぉー!と言わせている。だが、いざそれをやろうとするとガチガチに緊張してしまって、まともに出来なくなる。
ーよし!次こそは・・・・・!
俺が教室のドアに手を掛けようとした途端、突如勢いよくドアが開いた。まさか、自動ドアなのか!と思ったのも束の間、一気に三メートルほど後ろに飛んだ俺を見ていた人を見て、なんだい、海未じゃないか、と毒づく。
「まったく、そこで何をしているのですか・・・・・」
「なんだ、自動ドアじゃなくて海未か。ちょっと残念だなぁ」
俺の言葉に耳も傾けず、海未は中へどうぞ、と言ってくる。
別に自分の家でもないのに、いつでも礼儀が正しい俺の姉の大和撫子様ー園田海未は、ある意味俺よりも園田家では重要視されている。俺の方が特技が多いのに何なのだと言う話だが、残念な事に俺の特技は日本舞踊において非常に実用性が皆無に等しいのだ。何処かに行った財布を探すのに便利なエコーロケーションも弓道では全く役に立たない。バック転など、ただ有るだけで実際に体育の授業以外で使ったことなど、一回も無い。
俺は海未に連れられ、高坂さん、海未の幼馴染みである南ことりさんに何ヶ月かぶりに会った。アッシュ色の長い髪の上に何やらトサカの様なモノがついている。俺の様な賢者で無ければ完全に消し飛んでしまう、男女問わず絶対効果のある必殺技を持っており、小さい頃によく着せかえ人形の様に遊ばれた思い出がある。
ことりさんは俺と目が合うや、にっこりと笑顔を返してくれた。
「ったくよー俺あれでも驚いてたんだぞ、もう少しゆっくり開けてくれないか?」
「海渡が教室前にいたので、穂乃果にでも呼ばれたのですね、と思ったから見に行っただけですよ」
「見に来た、と言う割には中にも入れてくれたけどな」
「海未ちゃんにすごくソックリな男の子がいるってみんなが騒いでたからね、多分自分の弟を自慢したかったんだよ」
ーんがっ!マジで!?
見かけによらずすんごい事を言うことりさんにすごい険相で海未が食いつく。
「こぉとぉりぃー?」
「ご、ごめんね!冗談だよ、えへへ・・・・・」
ーうおぉ、マジでスゲェ殺気を感じたんだけど・・・・・
下手に海未に冗談を言うとああなる。すごい険相で相手を睨み、かなり長い間行動不能にする技。これも必殺技の一つだ。海未が怒るときは大体この顔をし、相手の反撃といった行動、あるいは反論をしようとする精神を完膚なきまでにたたき潰される。怒った海未に盾突くのは死を覚悟したも同然だ。俺はこの人生で海未に盾突いた人間は見たことがない。
「海未ってさ、怒るとものすごぉくこわいよね」
海渡ー?と俺の発言を黒い笑顔で返され、俺はすいません、と速攻返す。
まだかなぁ?とブツブツ言いながら、俺は高坂さんの帰還を待っていた。それにしても時間が掛かりすぎだ。何か重いものを持ってきているのならまだ話が分かる。まさか、またどこかでパンを食べているのでは・・・・・?。
「おっ待たせー!ごめんごめん、これが重くてさー」
まさかと思い、教室の入り口の方を見た瞬間いきなりドアがガタン!と開き、教室内を一瞬静かにする。
入ってきたのは何かの雑誌を沢山抱えた高坂さんだった。
「穂乃果ちゃん?何それ?」
「おおーっ、アイドルだ!」
「アイドル?何のためにこれらを・・・・・?」
「教えないよ~っ、後でのお楽しみだからね!」
高坂さんの話を聞いて、海未は感心したような顔をしていたが、すぐに何かヤバそうな表情に変わった。
これはあくまで予測だが、海未はもう高坂さんの言おうとしている事を察しているだろう。よって、いつ逃げ出してもおかしくはない。
ことりさんは疑問の表情も何も浮かばせずに普通に高坂さんの話を聞いていた。時折「ほぇ~」と言っていることから、彼女も以外とアイドルに興味があるのかもしれない。
「それで何だけど、あれ?海未ちゃんは?」
そう言えばそうだった。海未が逃げ出すかもしれない可能性を考えていたはずなのだが、俺が全く気が付かないほど気配を消して逃亡するなんて、何処でそんな特技を覚えたのだろうか?。
「気付かないうちに消えてるし」
まったくと言いながら、俺は気配を消していつの間にか消え去った大和撫子様を捜すために廊下へと出てみる。
「おーい!何処に行こうというのかね?」
教室から逃げて間もないと思われる海未に後ろからいきなり声を掛けると、「ヒッ!」と言う高い悲鳴と共に飛び上がる。
「わ、私はちょっと予定が・・・・・」
「海未ちゃーん!良い方法思いついたんだから聞いてよ~!」
後ろから俺に続いてきた二人が教室からヒョコッと顔を出し海未に言葉を浴びせる。
しかし海未はその言葉に関心の意も持たずに、高坂さんの言おうとしている答えを完全に悟ったかのような顔をし、呆れた表情をしてからキッパリと言う。
「はぁ・・・・・どうせ、私たちでアイドルをやろう、なんて言うんでしょう?」
「正解、さすが園田家の逸材だな。俺とは全く考えることが違うぜ」
「なーら話は早い、早速生徒会長のところに行って申請を・・・・・!」
高坂さんは海未の肩を揉みだし、ふざけが入っているような入っていないような声で決意を表明する。
「お断りします」
あっ、今アイツの顔が頭に浮かんだ!
「えーっ!どうして!こんなに可愛いんだよ?こんなに輝いてるんだよ?」
「その本に載っているスクールアイドルは全員が本当のプロのようにがんばったからこそそんなに輝いているのですよ!穂乃果のように好奇心で始めても成功するはずがありません!」
俺は海未に色々と言われている高坂さんとの間に入り、ちょっと待てよと言い、俺が話す時間を設ける。
「おい海未!いくら何でも言い過ぎだ!・・・・・アイドル以外にも廃校を阻止出来る事が在るかもしれない・・・・・でもやっと方法が見つかったんだぞ!失敗しても良い、だから一回だけやってみないか?勿論、無理にやれとは言わない、やるかやらないかはお前の勝手だ」
俺は思った事を素直に言った。これで海未がやらないと言えば、高坂さんは大きなショックを受けるだろう。
だが、海未の表情は変わらなかった。
「なら私は、海渡の言う別の方法で廃校を阻止します・・・・・!」
そう言い、海未はどこかへと歩いて行ってしまった。
前半と後半が全く違うような気がするな……。
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