Infinite Stratos ~白き龍騎士と海を掛ける少女達~ 作:夢の翼
「え~と。ここをこうして」
工房の中で白式のコアだったコアナンバー001を解析している明石が手を素早く動かして作業をしていた。提督こと一夏から調べを依頼されてから一年。この間の時空を飛び越えるシステムが存在しているという事がやっとわかってそれ以来、何も分かっていない。明石は一夏特性の『一夏スペシャル!』(艦娘たちがつけた名前)を食べながら今日もコアの解析をしていた。
「はぁ~。機能は殆ど停止してるのに、何でデータが出てこないんだろう」
白式の投影ディスプレイをベースに制作した艦娘用投影ディスプレイのパネルをタッチしながらエラーの文字を消していく。両腕を挙げて背伸びをして目の前の透明なケースに入れられている、輝きを失い大きな亀裂が入ったコアナンバー001を見る。
「やっぱり、製作者の篠ノ乃束博士にしか分からないのかしら」
一夏からISコアはブラックボックスになっていると聞かされた時は工作艦として未知なる技術に興味を燃やしていた明石だったが、今ではもうその輝きはないに等しいと言っても過言ではない。明石は隣に置いてあった『一夏スペシャル!』のカツの一切れを口へと運ぶ。
「空か~。いいな~私も提督と・・・みんなと一緒にあの空を飛んでみないな――――」
その瞬間。突如輝きを失ったコアナンバー001が突如として輝き始めた。それを見た明石は椅子から立ち上がりコアナンバー001が入ったケースから離れる。
「な、何!?」
眩しく虹の光が明石を飲み込みそして工房の中を包み込んでいった。
そしてその頃、一夏は長門と陸奥と共に警備府にあるグラウンドで駆逐艦達のドッジ・ボールを日陰から眺めていた。
「時雨!任せるぽい!」
「うん、任せて夕立!」
「雷、来るわよ!」
「雷に任せなさい!」
外野にはそれぞれ応援する駆逐艦や戦艦達が中でボールを投げあってる、時雨と夕立。そして雷と暁が向かってくるボールに視線を向けていた。
「何だか・・・落ち着くな」
帽子を被り上着を脱いだ白いカッターシャツ姿の一夏はドッジ・ボールをしている艦娘達の姿を見てそう呟いていた。
「あら、提督。何だかおじいちゃんくさいわよ?」
「そうか?でも、それもいいかもな」
ポケットから白い棒状の物を取り出し口にくわえる一夏を隣に座っている長門がそれを見て口を開く。
「む?提督、煙草はしないと言っていたではないか」
「ん?あーこれ?」
すると一夏は口に加えていた白い棒状の物を指で折った。それを見た長門はビクっと体を小さく震わせた。折ったそれを見せながらポケットから紺色の何かを取り出した。それは一夏のいた世界で売っていた駄菓子の『ココ○シガレット』だった。それを見せられた長門は顔を赤く陸奥はクスクスと手で口を抑えて笑いを堪えていた。
「そ、それは食べ物だったのか……?」
「あぁ。学園の制服のポケットから出てきた奴だ、駄菓子っていう子供が食べるものなんだ。何なら食べるてみるか?」
「う、うむ。い、頂こう」
「陸奥もどうだ?」
「それじゃ、お姉さんも頂こうかしら」
それぞれ一本ずつ一夏から渡された『ココ○シガレット』を受け取る二人、陸奥は普通に口へ運び。長門はまるで物珍しそうに『ココ○シガレット』を見つめながら口へ運んだ。
「美味しいわ、何の味かしら?」
「ココアっていう甘い飲み物を駄菓子にしたものなんだ。長門、どうだ?」
「あ、あぁ!う、美味いぞ提督…」
『ココ○シガレット』両手に大事そうに持って目をぐるぐるとさせる長門を見て一夏と陸奥は笑いを浮かべる。長門はそんな二人を見てその艶のついた黒髪を左右に動かして『ココ○シガレット』を持った手を強く握る。
「な、何だ!?な、何が可笑しい!?」
「いや、長門のその反応を見るとやっぱり面白いと思ってさ」
「やっぱり、長門は可愛いわね」
「なっ!?」
等々顔を真っ赤に染まり、恥ずかしさで涙を浮かべる長門。そして手に持った『ココ○シガレット』をガリガリと乱暴に食べ終わると一夏の体をポカポカと叩く。それに一夏は手で長門の攻撃を防ぐ、そんな中三人の所に近づく四人がいた。正規空母の一航戦、赤城と加賀。そして二航戦の飛龍と蒼龍だった。すると赤城が一夏の手に持った『ココ○シガレット』を見て目をキラキラと輝かせ始めた。
「提督!その白いのは何ですか!?」
「これは、駄菓子っていう――――――――」
「て、提督!!!」
すると横にいた陸奥が立ち上がり驚愕の表情を浮かべて工房がある先へ指を指していた。一夏は陸奥が指したほうを見るとその視線の先には工房を完全に覆い空から差し込んだ虹の柱を見た。同じドッジ・ボールをしていた艦娘たちも何が起こっているのか分からないといった表情を浮かべていた。そして光の柱は徐々に警備府の施設を飲み込んでいく。それを見た一夏はすぐさまグラウンドにいる艦娘たちのもとへ走った。
「みんな!!!」
一夏は駆逐艦たちの傍に来ると他の艦娘たちも集まり提督を守るように重巡洋艦と戦艦の艦娘達が自分たちより小さい駆逐艦達を包む形を取る。そして光の柱は徐々に迫り。
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
光の柱は一夏達を包み込み、最後は島ごと包み込んだ。
一夏が福音との戦いで消息不明となって一年が経った。あの後、救援に来た自衛隊のIS部隊と共闘し福音を倒すことに成功した。福音のパイロットは暴走した責任を問わ軍から追放されたとニュースで報道された。私達も2年生となり本格的なIS実習が行われる。
「それでは皆さん。今日からISにおける本格的に実習が始まります、優秀なIS操縦者になる為頑張って行きましょう!」
一年の頃の副担任である山田先生がみんなを元気づけようとそう言うが。今のこのクラスにそんな元気はない。特に専用機持ちの皆は。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
ラウラやセシリアはあの頃にあった覇気がない。二人も私と同じように一夏に想いを寄せていた、その一夏がいなくなってあれから言葉を交わしたことがない。でも特に酷かったのはシャルロットと鈴、そして姉である千冬さんだった。シャルロットはあれから一夏がいた部屋に引きこもったまま出てきず、鈴も同じく不登校となって部屋に籠っている。そして千冬さんは自室に籠って毎日酒を飲んで暴れていた。その後、姉さんが来て千冬さんを学園の地下に監禁した。これ以上暴れればきっと千冬は壊れるからだと姉さんが言っていた。横を見ると一夏の席には花が入った白い花瓶がポツンとおかれていた。
(今日も雨か・・・)
そんな罪悪感を今日から毎日味わうだろう。ISを貰って浮かれて、そして例え犯罪者であろうと守ろうとしたそんな人を守れず足手まといとなった私は一粒一粒窓の外の雨を見つめる。そしてそこで私は空の雲行きがおかしいと思い始めた。ある一か所の雲だけ様子がおかしかったのだ。徐々に渦を巻いて中心に黒い穴のようなものが開き始めたのだ。
「雲が・・・」
ついそんな声をだし周りにいる生徒や山田先生は私と同じく窓の外の雲を見る。そして。
黒い穴から虹に輝く光の柱が海に差し込んだ。
「っ!?」
余りにも眩しい光に私たちは顔を手で覆った。それぞれ何が起きたのかわからないといった声を上げる。そして徐々に光が晴れていき光が完全に消えると光が差し込んだ海を見たら。そこには
「し、島?」
そこには今までなかった一つの小さな島が海に浮かんでいた。更に。
「ん?なんだ?」
すると紅椿が何かを確認し私の目の前に投影ディスプレイを表示した。その表示された内容を見て私は驚愕した。その内容は。
――――第零世代型IS 白騎士・刹羅 操縦者『織斑一夏』――――
その内容と共に一夏の名前が表示されその反応があの島から出ていたという事だ。
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