れいむとシロ   作:ねっぷう

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第24話 「因縁の妖、再び」

魔理沙(…どういうことだ?藍はこの妖怪の事を字伏って呼んでたし、でもコイツは自分の事をとらと呼んだ)

 

魔理沙「お前さんは『字伏』とかいう妖怪じゃないのか?」

 

その虎の妖怪は丸めていた背中を伸ばし、後ろ足で立ち上がりながら言う。

 

とら「字伏…か。そう呼ばれていた時もあったなぁ、だけどよ、今のわしはとらだ…。本物の字伏はわしよりももっと凄い奴らだ、てめぇらが簡単にその名を使うんじゃねぇよ」

 

魔理沙「本物の…?待てよ、ますます混乱してきたぜ…お前はこの幻想郷の空を黒雲で埋めて、雷で森を焼いたやつなんだろ?」

 

とら「そうだなぁ、黒雲を呼び雷を落としたのはわしだ。それで…それをやったわしを、どうするんだってぇ?」

 

魔理沙「お前を退治するだけだ」

 

とら「けけけ、お前は確かに人間にしちゃすげぇもん持ってる…だけどよ、おめぇじゃわしを捉えることもできねぇよ!」

 

とらという妖怪は空中にふわりと浮かぶと、鋭い爪を使って魔理沙に飛びかかる。

 

魔理沙「うお!」ヒュ

 

とら「ちっ、かわすかよ!だけどこれならどうよ!?」バリ

 

ドン ドン

 

とらは空中から雷を放出して見せる。

それは自分の周囲に見境なく乱射し、魔理沙を巻き込む。

 

魔理沙「あづ…」

 

雷の一発が魔理沙の肩にかすり、服が破けそこに激痛が走る。

 

とら「がはは!」ヒュオ

 

魔理沙の周囲を回りながらさらに攻撃を仕掛けようとするとら。

だが魔理沙が取り出した八卦炉から星型の弾幕が飛び、とらに向かって行く。

 

魔理沙「どうだ!?」

 

とらは胸を大きく膨張させると、シロにもひけをとらぬほどの火焔を放出する。

その火炎は魔理沙の弾幕を消し飛ばしていく。

 

とら「どうよ、このわしの力を見ても、まだやるってのかよ?」

 

魔理沙(やべぇな…外から来たばっかの妖怪相手じゃスペルカード戦も意味が無いし…)

 

とら「そうだ、さっきの質問に応えな」

 

魔理沙「?」

 

とら「この結界の世界の中に、『蒼月潮』って人間はいるか?」

 

魔理沙「あおつきうしお…さぁ?私が知っている中にはそんな人間は居ない」

 

とら「そうかよ。なら、この結界の世界を作った奴かこの世界で一番偉い奴が居るはずだ、合わせな」

 

魔理沙(しめた、これで霊夢を呼んで、霊夢とシロにこいつを片付けさせれば…)

 

とら「と思ったが、わしはやっぱり自分で探すわい。確か、向こうにばっちい人間が住んでる里があったよな…里を焼いちまえば、アイツも出て来るって訳よ…」

 

魔理沙「な…おい待て!」

 

とら「ばっか!誰が待つかよ!」バリ

 

とらは魔理沙に向けて雷を放つと、そのまま人里に向けて飛んでゆく。

魔理沙はほうきに跨り、とらを追おうとしてもとらが操る黒雲に絡みつかれ、あっけなく地面に落とされた。

 

魔理沙「くそう…やっちまったなぁ。霊夢に何て言おうか…」

 

霊夢「やっちまったなじゃないわよ!」フワ

 

魔理沙「げっ、霊夢…!」

 

霊夢「あーあ、字伏に逃げられたのね…」

 

シロ「…」

 

魔理沙「おいシロ、顔色悪いぞ?大丈夫か?」

 

シロ「…」

 

霊夢「さっきからずっとこんな感じなのよ、そんなに字伏は強かったの?」

 

魔理沙「あいつは字伏ってんじゃないんだってさ」

 

霊夢「どういうこと?」

 

魔理沙「あの妖怪には呼び名が沢山あるんだ。字伏って名前も数ある呼び名の内の一つで、本当の名前は『とら』っていうらしい。もちろんあのとらは凄く強かった、幻想郷でもトップクラス、シロにも迫る妖気と気迫だった…」

 

シロ「…」

 

シロの表情が険しくなり、いつもはほとんど動かさない黒目を忙しく動かしている。

顔には冷や汗を浮かべ、若干呼吸も掠れている。

 

霊夢「シロ、本当に大丈夫?」

 

シロ「何故彼奴がここに…シャガクシャア…!」

 

霊夢(シャガクシャ…どこかで聞いた…何だっけ…?)

 

霊夢「とにかく、あのとら…だっけ?を追いましょ!」

 

 

椛「待て、長飛丸とやら!私たち白狼天狗が相手だ!!」

 

山を出ようとするとらの前に、白狼天狗や実力派の鴉天狗たちが現れる。

天狗たちは剣を構え、葉団扇を向け今にもとらを攻撃する態勢だ。

 

とら「おめぇら天狗かよ…500年前からめっきり見なくなったと思ったらこんな結界の中でコソコソ暮らしてたんかよ?」

 

文「長飛丸よ、何故貴方がこの幻想郷にやってきたのですか?この幻想郷は…外で幻想となったものが入り込んでくる…つまり貴方は…」

 

とら「黙れよ。それ以上言うとてめぇごとこの山焼いちまうぞ」バリ

 

とらは額から電気を見せながら威嚇する。

それに対して天狗たちは少し後退する。

 

椛「恐ろしい…だけど、あの妖怪が居れば…あの巫女が居れば…」

 

文「ええ、白面の者と…博麗の巫女が…!」

 

とら「…あん?てめぇら今何て言った?」

 

とらがそう問いかけた時、2つの影がとらの前に現れる。

天狗たちが足止めしてくれたおかげで霊夢とシロが追いついたのだ。

 

ビリィ 

 

その時、とらとシロの間で膨大な妖気がぶつかり合う。

 

霊夢「な…何!?」

 

シロ「何故お前がここに居る…シャガクシャアァアア…!!」

 

とら「テメェこそなんでこんなとこに居るんだよ…白面の者!!」

 

霊夢(まさかコイツ…思い出したわ!私が時逆と一緒に外の世界を見た時、シロと戦ってシロを倒した妖怪…!)

 

外の世界で少年と共に白面の者と戦い、白面を打ち破ったあの黄金の妖怪。

とらにとって白面は自分が認めた最強の妖怪であり、シロにとってシャガクシャは最も恐れ憎む妖怪。

とらと白面の者が、再び相まみえたのだ。

 

 

 

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