れいむとシロ   作:ねっぷう

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さぁこのお話では年も明け、普通ならばおめでたい事であるが…残念ながらこの巫女と妖怪には正月でも安らぎは無い。
新たに起こるちょっと変わった異変に付き合ってもらいます。


第33話 「東方御伽大戦~序章」

『なぁ昨日のあのアニメ見たか?』

 

『今日帰ったら通信で対戦しようぜ!』

 

『じゃあ今から10連引くから見てて』

 

 

「そろそろ我々も何か策を考えねばなるまい」

 

「そうだな、このままでは拙者らは充分に力を得られなくなり、存在することすら危うくなってしまう」

 

「だけど、どうするのですか?」

 

「…仕方ないわ、あの場所へ行ってみましょう」

 

「あの場所とは…?」

 

「…幻想の秘境」

 

その場に集まった人物は何かを話し合う。

和風な衣装に身を包み、腰に刀を携える者もいれば、洋風なドレスを着ている金髪の女性まで様々な容姿を持つ者たちは幻想の地へ旅立つ決意を固める。

 

 

──────

 

幻想郷。

年が明け、人間の里も、山に住む妖怪や妖精、幻想郷中がすっかり正月モードへと変わっている。

 

霊夢「うおおおおおお!!」

 

シロ「キエエエエエエエエエエ!!」

 

霊夢「正月だって言うのになんでアンタはそうなのよ!?」

 

シロ「莫迦め、人間は年が明けると気分を改めるらしいな…だから気を改めて我に殺される気になるべし!!」

 

いつものように神社の上空で争う2人だったが、ふとシロが視線をずらした時、はるか向こうに見慣れない建物が見えた。

向こう…魔法の森の堺をずっと南にいった方に、それは見えた。

 

シロ「…ん」

 

ゴキャ

 

霊夢の陰陽玉がシロの頭を強打した。

 

シロ「いてて…」

 

霊夢「何よ、何か見えたの?」

 

シロ「よく見ろ、あの森の南の方に見慣れぬ建物が見えるであろ…」

 

霊夢「んー…あぁ確かに…」

 

シロ「…何だこの煙は?」

 

周囲に立ちこみ始めた白い煙。

それの発生源は魔法の森付近に突如現れた巨大な城から発せられるものだった。

だが霊夢とシロ、その他に煙に気付いた者が煙の正体に気付く前にその煙は消えた。

 

 

魔法の森付近に現れた巨大な城、『御伽城』内部─

 

「そう、我らはこの地に訪れた…この地の人間から力をもらう為に」

 

「いま発生させたこの煙は、人間が吸えばたちまち『実在する非科学的なモノ』を認識できなくなる…。そしてこの地の人間以外の者が吸えば人間を認識することができなくなる…という訳なのじゃな」

 

「そして非科学的なモノを認識できなくなり退屈をする人間に、我らが印刷したおとぎ話の絵本を配る!これを読んでもらい面白がってくれれば、それが私たちの力になるのですね!」

 

「くくく…早速配ってきなさいな…貴方たちのお菓子の家と共にね…」

 

 

 

霊夢「あれ?シロ?」

 

シロ「…?何処に行った?」

 

霊夢とシロ、お互いの存在を認識できなくなった。

それは別の場所でも起こっていた。

 

魔理沙「あれ、とら?どこだ?」

 

とら「…あの女どこに行った?」

 

魔理沙は霊夢に会いに神社に行き、とらもシロに会うため神社にやって来た。

霊夢と魔理沙は周りを調べ、『突如幻想郷から人間以外が消えた異変』、シロととらは『人間が消えた異変』として、その異変を解決するために人間サイドと妖怪サイドが別々に…動き始めた。

 

シロ「やはりだな、里にも人間が一人もいない…」

 

とら「だな、他の妖怪共や妖精…人間以外しか居ねぇんだな」

 

シロ「…あの建物に乗り込むか」

 

霊夢「ふーむ、やっぱり人間以外が皆消えちゃったみたいね…」

 

魔理沙「だな、絶対にあの大きな城が関係してると思うから…乗り込むか!」

 

 

 

萃香「おっ」

 

シロ「…む、お前は確か…」

 

とら「なんだこのチビ、お前の知り合いかよ?」

 

萃香「誰がチビだって?あ?」

 

シロ達の前に現れたのは鬼の伊吹萃香だった。

彼女もやはり人間という人間が消えた事に疑問を持ち、博麗神社へ向かう最中だったという。

 

萃香「今回の異変はこれまた厄介だねぇ。人間に馴染みある妖怪は混乱しているが、山や地底といった人間とほとんど交流のない奴らは皆気づいていないね」

 

最近の人間の里には人間と友好的な関係を持つ妖怪、持とうとする妖怪が多く訪れる。

それが最早当たり前だし、幼い子供たちもそれらの妖怪と遊んだりするのを楽しみにしていた。

だが妖怪と人間、互いを認識できなくなれば、それぞれの交流を心待ちにしてた物はどうなる?

退屈で仕方が無くなるのさ。

生憎、幻想郷の人里には娯楽が少ない。そこを、この異変の首謀者たちは狙ったのだ。

 

萃香「やっぱり黒幕はあの目新しい城みたいね」

 

シロ「お前はどうするのだ?」

 

萃香「そうだねぇ、私はお前さんらとは別方向から…行くことにするよ」

 

シロ「…そうか、では行くぞ」

 

とら「おう」

 

 

人里─

 

霊夢「何よこれは?」

 

魔理沙「あぁ…何か皆、暇そうにグッタリしてやがるぜ…」

 

ワイワイ ガヤガヤ

 

里の向こうの方では、何やら人間たちが騒いでいるようだった。

霊夢と魔理沙はそこに向かうと、子供たちが何やら明るい表紙の本を読んでいるのが分かる。

その子らは皆読んだこともないお話を楽しんでいるようだった。

 

霊夢「ねぇ、ちょっとそれ見せてよ」

 

霊夢は近くに居た子供にその本を見せてもらった。

 

霊夢「…シンデレラ、ももたろう?」

 

本の表紙にはあの城にそっくりな建物の前でポーズを取るお姫様の絵が、もう一冊の本には3匹の動物を従えて歩く侍が描かれていた。

 

「やーやー!まだ絵本を貰っていない子は居るかなー?」

 

現れたのは大きな家。

4本の足でゆっくりと歩くお菓子でできた家に、2人の子供が乗っていた。

2人はどうやら兄妹であるようでお菓子の家から生えた腕が周囲の人に本を配っている。

そしてその家と兄妹は本を配り終えると、のっそりと歩きながら里を後にする。

 

グレーテル「ねぇヘンゼルお兄ちゃん…私たちの前に立ちふさがるあの人間は何なのかしら?」

 

ヘンゼル「待てよ、グレーテル…。あのお方から聞いただろう…確か博麗の巫女とかいう奴さ」

 

グレーテル「じゃああの隣の白黒は誰なの?」

 

ヘンゼル「知らねぇ…誰だろなぁ?」

 

魔理沙「ムカつくなぁあいつら…」

 

霊夢「今回の件のボスは…どこに居るの?」

 

ヘンゼル「けけけ、俺らに勝てたら、教えてやるよォ…」

 

ヘンゼルとグレーテル兄弟はお菓子の家の屋根の上に座りながらそう言った。

 

 

 




ミスを発見しました。この話で霊夢はももたろうなどおとぎ話をよく知らない態度をとってたんですが、鈴奈庵を見ると普通に知ってるっぽいですね。
どうか脳内訂正をお願いします…
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