れいむとシロ   作:ねっぷう

35 / 101
第35話 「千夜一夜のランプ」

霊夢と魔理沙、萃香より一足先に城へと向かうシロととら。

尻尾から婢妖を放ち、それを自分らの周囲に展開する。

 

とら「…前から何か来るぜ」

 

シロ「ああ…」

 

ヒュン

 

婢妖「げえええ!」

 

シロ「…!」

 

周囲を飛んでいた婢妖が突然破裂する。

それから次々に婢妖共が撃ち落されていく。

どうやら婢妖共を攻撃したのは小さな石で、その石は一か所へと戻っていく。

 

とら「アイツだ!」

 

アラジン「くっくっく…」

 

シロ「滅ぶ可し!!」ボオオオオ

 

シロはその人物に向けて火炎を放つ。

だが…

 

アラジン「出ておいで、ランプの精!」

 

その少年の持っていた金色に光るランプから、紫色の煙が出る。

その煙はシロの火炎を受け止める。

 

精「ご主人様、私はここに居ります」

 

アラジン「うむ」

 

とら「アイツ、白面の火炎を受けてピンピンしてやがる!?」

 

ランプから現れた巨大な精は大きな腕をとらに振り下ろす。

 

とら「シャアアアア!」ビリ

 

だがとらも負けじと雷を放ち、その腕をはじき返す。

その間にもシロはその精を操る少年に向かっていく。

 

シロ「お前、感じた事もない気を持つな…だが我には関係なし。即刻滅ぶがいい!」

 

尾を使い少年を攻撃するが、とらの雷撃を喰らった精は素早く少年のもとへ戻り、シロの尾を掴む。

 

シロ「ぬうう、こやつ…」

 

とら「そのバケモンが居ちゃ、あのガキを攻撃できねぇってわけか…」

 

アラジン「その通り。僕は『アラビアンナイト』のアラジン!あのお方の命令で邪魔する奴を懲らしめに来たんだ」

 

ランプの精は掴んだままのシロの尾を両手で持ち、そのまま振り回して見せる。

そしてシロをとらに向けて振り回す。

 

とら「おっおい、邪魔だよッ!」

 

精は慌てるとらを巨大な拳で殴る。

 

とら「ぎ…くそッ…!」

 

アラジン「馬鹿だねぇ…無敵のランプの精に勝てる訳ないのにさ!」

 

ランプの精は手にエネルギーを溜め始める。

シロはまだ掴まれたままの尾を切り離そうとするが、それに気づいた精は溜めていたエネルギーをシロに向けて放出する。

 

シロ「…」

 

その攻撃が炸裂する瞬間、シロの尾の内の1本がその攻撃に吸い寄せられるように勝手に動く。

それはまるで…

 

シロ(あの時、地底とやらで我の尾の能力が解放された時と同じ…だがこの尾はあの尾とは違うもの…)

 

バリィン

 

シロ「くくく…そうか、やはり…」

 

その攻撃を受けた尾から何かが割れるような音が響き、その時、その尾の毛がざわざわと逆立ち始める。

その毛はすぐに硬質化し、鋼鉄の鱗に変化する。

 

シロ「忌々しい、我の能力を封じ、尾にかかる結界が少し壊れたか…。これは正に我が昔に使っていた…『鉄の尾』!!」

 

シロはその鉄の尾を振り、その精の顔面に叩きつける。

後ろにのけ反るランプの精に痛みに悶える暇も与えることなく、その口に鉄の尾を突っ込む。

 

精「~~~~~~~!!」

 

とら「見ろよ、おめぇの大事なバケモンも、ああなっちゃお前を守っちゃくれねぇな?」

 

アラジン「ひいい~~…」

 

とら「それによ、お前の格好は何でか知らんがわしのカンに触る…」

 

シロ「お前も終わりだな…今度こそ滅ぶが良い…」

 

そのまま精の体内にまで突き刺した尾を回転させ、精を内側から粉々に破壊して見せる。

それと同時にアラジンの持っていたランプも壊れる。

そしてアラジンの顔面にとらの拳が深くめり込む。

 

アラジン「ぶ…」

 

壊れたランプと共に下に落下していくアラジンを2匹は見つめる。

 

とら「あんな奴に後れを取るたぁ、天下の白面も形無しだな」

 

シロ「ふん…」

 

 

 

さてまた場所は変わり、萃香とももたろうの鬼共を見てみよう。

 

鬼「ぬおおおお!」

 

萃香「ぬん…!」

 

鬼共の金棒の一撃を受け止め、鬼共も萃香の放つ衝撃波や打撃を受け切って見せる。

 

鬼「コイツ…!我ら4人が束になっても互角の戦いを続けるとは…、ただの鬼ではないな!?」

 

萃香「当然さ、私をそこらの鬼と一緒にするなよ…私は伊吹萃香さっ!!」

 

萃香は自らの能力を発動し、両腕を巨大化させる。

そして近くに居た鬼の頭を鷲掴みにすると、地面に叩きつける。

 

鬼「ぐぬ…!」

 

負けじと他の鬼の一匹が飛び跳ね、萃香の頭上から金棒を振り下ろす。

だが萃香の身体は霧のように分散し、金棒の一撃をかわす。

さらに元に戻った萃香は3匹の鬼を殴り飛ばす。

 

萃香「…ふう、こんなに力出さないと倒せなかったか…」

 

倒れている4匹の鬼の前に立ち、城の方角へ向かおうとする萃香。

 

萃香「次はアンタかい?侍さん」

 

桃太郎「拙者は日本一の桃太郎、この騒動の主犯の一人」

 

だがその前に現れたのは刀を腰に構えた背の高い侍。

 

桃太郎「…死ぬるが良い」

 

桃太郎は腰の刀を抜き、萃香に斬りかかる。

だが萃香は自分の分銅をかざし、刀の一撃を防ぐ。

 

萃香「桃太郎…知ってるよ。昔話だね、確か桃から生まれた男が動物を引き連れ鬼を退治する…だけど今のお前さんにゃ手下の動物もいない。そんなんで鬼の私を倒せるかね?」

 

桃太郎「くくく、確かに今の拙者に手下は居ない…だがな、これがあるのじゃよ」

 

桃太郎は腰に下げていた巾着袋から光を放つ丸いものを取り出す。

 

桃太郎「日本一のきびだんごじゃ!」

 

萃香「むぐ!?」

 

そのきびだんごを萃香の口に無理やり押し込む。

 

桃太郎「味わうのじゃ…」

 

萃香「く…う、美味い…ッ!」

 

それを口にした萃香はガクリと膝を落とし、気を失う。

 

桃太郎「鬼にきびだんごを与えるとは我ながら感慨深し。まぁ、これで一匹拙者らに刃向う者を止めたのでよしとしよう」

 

桃太郎は気を失った萃香を担ぐと城に戻っていった。

 

 

桃太郎「シンデレラ殿、拙者らに刃向う者を一人捕らえたぞ」

 

シンデレラ「うむ、ご苦労…。残るは人間2人と物の怪が2匹か、ヘンゼルとグレーテル、アラジンはそいつらに敗れてしまったみたいね」

 

桃太郎「では、2匹の物の怪は拙者が退治してくれよう…」

 

シンデレラ「そうか、では私は人間2人を相手にするのだな…」

 

桃太郎「くくく…」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。