れいむとシロ   作:ねっぷう

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第36話 「ガラスの軌道、桃の斬刃」

霊夢「見えたわ、あの城!」

 

魔理沙「ああ、早速中に入るぜ」

 

ようやく城にたどり着いた霊夢と魔理沙は窓を破って城の中に入る。

入るなり2人を襲ったのは光る衝撃波。

 

魔理沙「うおあぁ!」

 

霊夢「…」

 

通路の奥から歩いてくるのは黒いドレスを着た女。

 

霊夢「アンタね、黒幕は」

 

シンデレラ「そうですわ。シンデレラ…ご存知ありません?」

 

霊夢「知らないわ、とにかく…アンタらにはすぐに幻想郷から出てって貰わなきゃ」

 

シンデレラ「悲しいですわ…尊き人間を痛めつける事になってしまうなんて!!」

 

シンデレラが空を蹴るとそこに鋭い衝撃波が発生する。

 

魔理沙「そんな物、砕いてやるさ。マスタースパーク!!」

 

魔理沙の放つマスタースパークは衝撃波をかき消しながらシンデレラへ向かって行く。

だがシンデレラは軽くジャンプし、自らの履いている光り輝く「ガラスの靴」でマスタースパークの軌道をややずらし、そのまま避けて見せる。

 

シンデレラ「魔法使いさん、貴方はさっきヘンゼルとグレーテル兄妹と戦った際に一度その技を使っていますわ。そしてその技を放つその道具…恐らく魔力が燃料になっていると思うわ、なので2撃目は威力、スピード共に大したことないのよ」

 

魔理沙「確かに、さっき思い切り撃ってから10分も経ってないもんな…」

 

シンデレラ「そして、魔法使いの出番は一度だけ。その巫女さんと一緒に退場なさいな」

 

ズオオ

 

霊夢と魔理沙の足元の床からオレンジ色の棘が飛び出す。

 

シンデレラ「カボチャの馬車ならぬ、カボチャの檻よ。そのまま死ぬまで閉じ込めてあげるわ…」

 

魔理沙「霊夢、お前は行け!」ドン

 

霊夢「ちょっと!」

 

棘が檻のように2人を囲おうとした瞬間、魔理沙はその檻の外に霊夢を突き飛ばす。

そのまま檻は大きなジャックランタンのような大きなカボチャに変わる。

 

シンデレラ「其のカボチャはさっき貴方たちが戦ったお菓子の家と同じで食べる以外で壊すことはできないわ。硬すぎて食べれたものじゃないけどね」

 

霊夢「魔理沙…。いいわ、アンタを倒せば…全て元通りだものね」

 

シンデレラ「まぁいいですわ、私が負ければおとなしく外の世界に戻りましょう…」

 

霊夢「さっきの兄妹は人間と妖怪を互いに認識できないようにしてるだけと言った…じゃあそれも元に戻してくれるんでしょうね?」

 

霊夢(シロ…)

 

シンデレラ「もちろん」

 

霊夢「じゃあ…本気で行くわ」

 

 

 

そのころ、城外では…

 

とら「ぐはァ…!」

 

シロ「武士、侍…何者だ?」

 

桃太郎「くくく、物の怪が…。拙者は日本一の桃太郎!!」

 

とら「桃太郎…だとぉ…?」

 

シロ「知っておるのか?」

 

とら「確か伝承…昔話に出て来るやつだ。強いぜ…変な術とかそういうんじゃねぇ、ガチで強いんだ…」

 

桃太郎との交戦で既にいくらかのダメージを負ったとら。

桃太郎の刀はとらの爪による一撃を跳ね返し、その身ごなしで雷や炎をも避けとらを確実に斬ってくるのだ。

 

桃太郎「その通り、拙者は剣術の達人。とどめを刺してくれるわ物の怪め!」ヒュン

 

とら「コラ、おめぇ白面!そんなフラフラしてねぇで戦えや!!」

 

シロ「ふん、何故我がお前などの為に戦ってやらねばならぬのだ…。せいぜい頑張れよ」

 

とら「くっそ~…」

 

桃太郎「チィエストォ~~!!」

 

とらに振り下ろされる刀を、髪を高質化させた刃で防ぐ。

しかし、桃太郎の刀は容易にとらの髪を断ち切り、とらの肩にその刀身を喰い込ませる。

 

とら「が…」

 

とらは抵抗し、その刀を素手で掴む。

桃太郎はすぐに刀をひこうとするが、とらの力によって刀は掴まれたまま動かない。

 

桃太郎「拙者の刀を封じたか。しかし物の怪よ、拙者は体術も強いぞ」

 

ズム

 

とらの腹に桃太郎は強烈な蹴りを食らわす。

続けざまにとらの口の先ほど萃香を気絶させるほどの旨さのきびだんごを放り込む。

 

桃太郎「味わうがいい!」

 

とら「う…うめぇ!!」

 

桃太郎「くくく、人の肉よりも美味じゃろう…」

 

とらはそのまま膝を落とし、床に突っ伏して気を失う。

 

桃太郎「次は貴様だな、白き物の怪よ」

 

シロ「くっくっく…」ニヤァ

 

桃太郎「何がおかしい?」

 

シロ「我をそのような妖怪と一緒と見るなよ。お前を叩きのめすのに2分もかからぬわ!」ボオオオ

 

シロは桃太郎に火炎を吐きつける。

だが桃太郎は刀を回転させ、それで火炎を防ぐ。

 

桃太郎「ははは、やっておることは先刻の物の怪と変わらんではないか!」

 

シロ「そうだ、その妖と我は同じニオイを持つ。なので一度だけ同じ攻撃をかけてやった。次からは…『おりじなる』とでも言うのか、我だけの攻撃を見せてやろう」

 

シロはそう言うと、尾の一本を鉄の尾に変える。

そして身体を丸め、その尾の真ん中の部分を噛んで見せる。

その時、空気が変わった。

 

桃太郎(何だ、この重くのしかかる…妖気は!?拙者が見合ってきた如何な鬼共よりも強く、重圧な気…!)

 

シロ「…」ギリギリ

 

その間にもシロは鉄の尾に自分の牙を当て、ゆっくりと引きながら鉄の部分を研いでいる。

それでも他の8本の尾は今にも桃太郎を攻撃しそうな動きをしている。

 

桃太郎(隙が無い!あの咥えた尻尾で何かしようとしてるのは分かる…だがそれを阻止しようにも他の尾がそれをさせる訳が無く、この場を離れようにもその瞬間にあの咥えた尾で拙者を…)

 

シロ「…」ギリ

 

桃太郎(お、恐ろしい…!)

 

その瞬間、シロは牙で研いだ鉄の尾を一気に引き、デコピンの溜めの要領で桃太郎に振り下ろす。

先端が槍のように削られた鉄の尾は凶悪なまでの威力を発揮する。

 

桃太郎「チエストォ!!」

 

流石の桃太郎もこれは刀で防ごうとするが、シロの鉄の尾の一撃の前にその刀はあたかも棒切れの如く粉砕された。

 

 

 

シンデレラ「どうしたの?攻撃のペースが落ちてるんじゃない?」

 

霊夢「くっ…」

 

霊夢が何をしようとするにもシンデレラの圧倒的なスピードの前に全てを封殺される。

彼女の最大の武器である『ガラスの靴』はどんなスピードでどこに叩きつけられようとも傷一つつかず、その際の足への衝撃をほぼ0%にまで軽減する。

よって蹴りに関しては一切の手加減なく全力で打ち出す事が出来るのだ。

 

霊夢「む、夢想封い…」

 

シンデレラ「遅い!!」

 

そう霊夢が言いかけたところでシンデレラのガラスの靴による蹴りがヒットする。

 

シンデレラ「如何に強力な能力を持っていても、それを発動させるまでの速さと私の蹴り、どちらが速いでしょうねぇ?」

 

霊夢(くそ…こんな時、アイツが…シロが居れば…)

 

その時、霊夢がぶつかった城の壁の奥からゴンゴン、という音が響く。

それはだんだん大きくなり、城全体に響き始める。

 

シンデレラ「…何だ?」

 

霊夢たちが戦っていた部屋の床が崩れ、そこから折れた刀を握ったままの桃太郎が姿を現す。

 

桃太郎「か…!」

 

だがどうやら様子が変で、桃太郎が見えない誰かに首を掴まれ、そのまま城内の壁にぶつけられまくっているようである。

 

霊夢「シロ…!」

 

シンデレラ「おのれ、白い物の怪が…!」

 

霊夢(白い物の怪…やっぱり、シロがそこに居るのね!)

 

 

シロ「…」

 

シロ(女…あのドレスの女は交戦しておる構えを取り、衣服に血が付いている…誰の血だ?誰と戦っておる?まさか…)

 

シロ「霊夢か!あの娘もここに居るのだな!?」

 

シロは既に気絶した桃太郎を床に捨て置くと、恐らく霊夢と対峙しているであろうシンデレラを睨む。

 

 




あけましておめでとうございます。
この小説もいつまで続くかは分かりませんが最後まで書ききるつもりでいますので、今年も何卒よろしくお願いします。
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