れいむとシロ   作:ねっぷう

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第39話 「騒霊危うし、そして事は迫る」

どうも、皆さん。

私たちはプリズムリバーっていう三姉妹なんです。

普段はルナサ、メルラン、リリカで湖近くの廃洋館に住んでいるのですが…その日はいつものように冥界という場所で演奏を披露する予定だったんです。

 

楽器を持って冥界へ向かう途中、奴は出ました。

冥界の幽霊の中でも少し名の知れた『幾星霜』という悪霊です。

 

幾星霜「見つけたァ~、俺に見つかったら最後だぜ…どんな幽霊だって魂だって取り込んでやる~」

 

私たちは逃げようとしました。

だけどもいつものように動けなかったのです。

既に幾星霜から伸びる紐が足を掴んでいたから。

 

幾星霜は強いのです。

幾星霜は人間の死んだ魂が集まってできた悪霊で、その魂たちの無念さから他の魂を捕まえて取り込み、どんどん強大になっていくんです。

 

私たちももうダメかと思った時、あの2人がやって来たのです。

 

幾星霜「何だァおめぇらはァ~~!?」

 

霊夢「いい?たまたまあの悪霊に襲われてるアンタらが目に入ったから来てあげただけだからね」

 

シロ「ふん、なら放っておけばいいモノを…」

 

この紅白は博麗霊夢。

幻想郷の結界の管理と妖怪退治を生業とする博麗の巫女です。

 

そしてもう一人、博麗と共に現れたのは白い妖怪でした。

今は人間の姿をしているようだったけど、その9本の長い尾と牙、爪、毛の一本一本にまで染み渡っている隠し切れないほどの邪悪な妖気を見てすぐに只者ではないと分かりました。

でも博麗霊夢にはあまり頭が上がらないようだし、少しマヌケな顔をしてるのでやっぱり大したことはなさそうです。

 

幾星霜「おめぇ博麗の巫女っちゅうやつかァ~、だったら丁度いいや。俺がお前をトリ殺して魂取り込んで…俺が最強だって証明してやるわい!」

 

でも博麗の攻撃で幾星霜は大きく態勢を崩しました。

さらにその白い妖怪の尾で叩かれ、煙のようになりながら縮こまっていきました。

 

幾星霜「ひえええ…ダメだァ、やっぱ勝てねぇ~!」

 

シロ「消えよ…」ボオオオオオ

 

白い妖怪の吐く特大の青い炎に包まれた幾星霜は捕まえて取り込んでいた魂を逃がし、それらが無数の光となって散っていきました。

解放された魂たちは博麗と白い妖怪に礼を言うと、そのままどこかに消えてしまいました。

 

きっと、彼らもちゃんと成仏したのでしょう。

もう幾星霜に取り込まれて永遠に残り続ける魂はありません。

 

私たち三姉妹はあの強かった白い妖怪を忘れることは無いでしょう。

だって、あの妖怪をモチーフにした曲を、演奏してきたんだから。

 

 

────────────

 

しばらくは何事もなく平和な日々が続いたが、さて、そうもいかなくなってくる。

この幻想郷の裏から、今までにない強大な危機が、迫っているのだから。

 

ゴゴゴゴ…

 

『キエエエエ…感じるわ、恐ろしき大妖怪の白面の者を!』

 

『白面がこの地で力を振るうたび、叫ぶたび、他者を殺すたび、吾輩の身体がうずくわい…!』

 

『分かる、分かるのだ…あの時白面より味わった恐怖…痛み…苦痛。それらが蘇ってきよる』

 

『今まで幾つもの異界を喰い滅ぼしてきた我らが唯一喰らう事が出来なかったこの幻想郷とかいう土地…』

 

『喰えなかったのも、あの憎き白面の者が居たからだ!』

 

『白面だけじゃあねぇ…女だ、博麗の巫女とかいう女も居たからだァ…』

 

『ワシは見てたのだ…白面がどのように人間を絶望の淵に叩きこんだかを…』

 

『そして忘れもせぬ…500年前のあの事をなァァァァアアアアアア!!』

 

そこは誰も行くことのできない真っ暗な空間。

この暗黒の空間に長大な身体を持つ何かが絡みつくように這いまわっていた。

眼球から発せられるわずかな光に照らされた肌の鱗が煌めき、岩石の如く硬そうな甲殻同士がぶつかり合い火花と爆音を響かす。

その何者かが…牙を剥けようとしているのだった。

 

 

霊夢「…」

 

シロ「…」

 

それをまだ、霊夢とシロは知らない。

 




大体一話ごとの文字数が少ないんですが今回はいつもよりも短いですね。
久しぶりの敵説明を。

【幾星霜】─いくせいそう
初めに一体の悪霊がおり、そいつが文字通り幾星霜もの人間の魂を取り込んでできた。
普段は冥界の入り口付近と幻想郷上空を彷徨っている。
霊たちの間では有名な奴。
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