れいむとシロ   作:ねっぷう

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第41話 「界を喰らう龍」

八雲紫「…ん」

 

八雲藍「どうかされましたか?」

 

紫「…そろそろ本格的に不味いかもしれないわ」

 

藍「何がですか?」

 

紫「『八頭龍』」

 

藍「まさか…紫様が前に仰っていた『彼奴』の事…でしょうか?」

 

紫「ええ、そうよ。その彼奴が、白面が復活したことによって動きを見せ始めた…」

 

藍「待ってください、その『彼奴』というのは何処に居るのですか?」

 

紫「それは、すぐ近くにね…」

 

 

 

 

霊夢「うお…」

 

突如大きな地震が幻想郷で起こった。

建物を壊すまでの規模とは行かないが、柱や棚などが倒れるくらいの揺れが各地で起こっていた。

 

霊夢「ここ数日ずっとなのよねー…。シロ、何か分かる?」

 

シロ「我も婢妖を各地に飛ばし調べさせたが、分からない。どうやらこの幻想郷は外と地続きではあるようだが、特に地下の岩盤等によるものではない、何か外からの物理的圧力によるもの…。地底とやらでも同じ揺れは起こっているようだ」

 

霊夢「そうねぇ、困ったときは呼んでみればいいのよね~」

 

シロ「誰を?」

 

霊夢「紫~!!居るんでしょ~!?」

 

紫「はいはい、ここに居るわよ」

 

シロ「チッ、お前か…」

 

シロの横に開いたスキマから紫が顔を出す。

 

霊夢「このところの連続地震…アンタなら何か分かってるんじゃない?」

 

紫「それは分かっているわ。でも私は今とても忙しいの、地震で結界が綻んでないかとか見なくちゃいけないし…」

 

霊夢「何言ってるのよ、そんなのいつも自分の式にやらせてるじゃないの。何か隠してるわね?」

 

紫「…さぁ?またあの天人かもしれないわ」

 

紫は冗談を飛ばすように軽くそう言う。

 

霊夢「私は真面目なの!私の勘が言ってるわ、何か普通じゃない事が起こるかもしれない…今までにないとんでもないことが…」

 

霊夢はスキマから上半身だけ出している状態の紫の胸ぐらをつかむ。

霊夢の勘はそれが悪かろうか良かろうが的中することが多い。

それを紫も知っていたから、また今までにない真剣な霊夢を見てしまったから、ついに明かした。

 

紫「『八頭龍』」

 

霊夢「…はっとうりゅう?」

 

シロ「…」

 

霊夢「その八頭龍って何よ?まさかソイツが地震を起こしてるって言うの?」

 

紫「そうよ。シロも八頭龍と戦ったことがあるはずですわ」

 

シロ「ふん、その時我は目が見えなかった故姿は見ていない…が、感じるぞ、奴の気をな…」

 

紫「八頭龍はその名の通り八つの頭を持つ龍で、その首を伸ばして異界を丸ごと喰っていくの。そして500年前、八頭龍のうちの2つの頭がこの幻想郷に目を付けた!」

 

霊夢「それで、どうなったの?」

 

紫「私たち賢者を初めとした妖怪たちと何故か幻想郷に来ていた白面の者が撃退したの」

 

霊夢(龍…500年前…白面…まさか、時逆の時間のはざまでシロと突き飛ばしたあの龍の身体…アレが八頭龍の一部だったのかしら…?)

 

そう、半年ほど前に霊夢は時逆に連れられてシロが幻想郷に行きつくまでを見せてもらった。

外の世界で槍持つ少年ととらに倒されたシロが時間のはざままで霊夢を追い、霊夢がそのシロを抱え上げたところで目の前に巨大な龍の体の一部が出現。

その龍の一部から霊夢と時逆を守るためシロは傷だらけの状態で戦い、そしてその龍に突き飛ばされる形で時間のはざまを彷徨い、500年前の幻想郷にたどり着いたのだ。

 

紫「でも、八頭龍は諦めていなかった。その350年後…150年くらい前ね、今度は八頭龍は8つの頭と8本の尾全てを持って今度こそ幻想郷を喰らおうとした。その突然の強襲にどうするか迷った私は…元から有った『幻と実体の境界』の他に『博麗大結界』を作り、その2枚の結界の間に八頭龍を封印したの」

 

霊夢「…そう、地震と八頭龍に関しては分かったわ。だけど私は他にも聞きたいことがあったの」

 

シロ「…」

 

紫「何かしら?」

 

霊夢「ちょっと前にある人から聞いたわ。シロには色んな結界がかかってるでしょ?どうやらその結界は強い妖怪が変化した結界って言うじゃない。今気付いたわ、その強い妖怪って紫の知り合いでしょ?結界に強い妖怪って言ったら紫くらいしかいないし、そのある人も私とシロが知っている奴がその強い妖怪の仲間って言ってたもん」

 

紫はシロの表情をうかがうようにチラリと目線をずらすが、すぐに霊夢に視線を戻して話し始める。

 

紫「そうよ、シロの結界は元妖怪よ。皆、私の古い知り合い…その方たちが結界と成ってシロを封じているの。故に結界は内部からの力じゃ壊せないようになってるわ…」

 

霊夢「じゃあもしかしてシロを封じた理由ってのは『恐ろしいから』というのは建前で、本当は『八頭龍と戦うための戦力』だから?」

 

紫「そうよ」

 

その時、2人の間を火柱が通り抜け、その火柱は向こうにあった木を消し飛ばした。

シロは2人の間に割って入る。

 

シロ「ええい、さっきからゴチャゴチャとうるさいわ!!そんなに気になるなら見てくればいいであろう!時逆とかいう妖になぁ!?」

 

霊夢「そうよ、ここでゴチャゴチャ言ってても何もわからない。私たちが実際に見てくればいいんだわ、百聞は一見に如かずとも言うしね」

 

紫「そうね…私も説明するより見て来てもらった方が楽でいいわ。よし、じゃあ霊夢とシロはある場所へ行ってもらうわ。そこに時逆は居るはずだから」

 

霊夢「その場所は?」

 

紫「妖怪の山の反対側の古い家よ」

 

霊夢「分かったわ、じゃあ行くわよシロ…」

 

シロ「うむ」

 

霊夢(なんでシロは…時逆を知っていたのかしら?あの時シロが時間のはざまに来たときは目が見えなかったし、私は時逆の事を教えたはずないからシロは知らないハズ…まぁ、いいか)

 

霊夢とシロは紫の言う妖怪の山の裏側目指して空に飛び立っていった。

 

 

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