れいむとシロ   作:ねっぷう

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第53話 「救出へ」

霊夢「聖が…?何でそんな事を?」

 

布都「それを伝えるために太子様の命でやってきたのだ。アレは昨日の夜の事じゃ…珍しく我と太子様が寺に呼ばれてな、行ったら何やら話し合いの場に参加させられた。最初は互いを探り合うような世間話をしておったのだが、急に聖が話を変えて言った」

 

 

白蓮『白面の者はご存知ですか?』

 

 

布都「さらに聖は続けた…」

 

 

白蓮『私は人間も妖怪も平等に救いの手を差し伸べます。しかし、逆に人間も妖怪も平等に滅ぼそうとするのが白面の者。どうでしょうか…そのような極悪な妖怪を共に討ち滅ぼしましょうではありませんか』

 

 

霊夢「でもおかしくない?確かにあのシロを倒したい気持ちは分かるわ、でもあの聖が殺しをしようとするなんて…」

 

強力な大妖怪も受け入れており、過去の罪を咎める事など決してないあの聖がそのようなシロを殺そうとしているなんて信じられない。

そう思ったのは神子も布都も霊夢も同じであり、やはり裏に何かあると思っていた。

 

布都「そうなのだ。太子様も聖に捕らえられてしまった…今や頼れるのは霊夢、お主しか居らぬ」

 

布都がそう言った時、背後から彼女の首筋を真っ白な手が掴んだ。

だが布都は先ほどの疲弊ぶりが嘘であるのかのように陽気に大声を上げた。

 

布都「そうだ、屠自古!お前を忘れておったぞ!」

 

薄い緑を基調としたワンピースにあまり装飾の無いすっきりした服装の女が布都の背後から現れた。

彼女は蘇我屠自古。布都や神子のような戸解仙になるのに失敗した亡霊であり、幽霊らしく脚が途中から煙に成っており浮かんでいる。

 

屠自古「あの時私は私用で居なかったからな。太子様が捕らえられたと聞いて青娥殿の助力を仰ごうと彼女のもとへ行ったのだけど機能しないキョンシーが残されているだけで居なかった…。ていうか、何で私を忘れてこんな巫女の所に来てる訳?」

 

霊夢「こんなって何よ…」

 

布都「何はともあれ、これで役者は揃ったな」

 

霊夢「まあ…。それじゃあ、行きましょうか!」

 

 

 

ここは…我は何をしていた?

そうだ、確かあの尼にやられて…

 

シロ「おのれええええ!!」

 

ガバッと勢いよく起き上がりながら怒りを乗せた火炎を吐く。

だが周囲に何人かの気配を感じ、そこに目を移す。

 

神子「目が覚めましたか」

 

そこには頭や口元から血が流れた跡のある豊聡耳神子がぐったりと座っていた。

 

シロ「…ここは何処だ?」

 

霍青娥「命蓮寺という寺の地下牢ですわ。私は太子様に余計な知恵を授けるかもしれないという理由で、太子様より先にここに幽閉されていました…。この部屋はどうやら特殊な結界に囲まれているようで、私のかんざしを使っても傷一つ付けられませぬ」

 

霍青娥。仙人になるべく修業を重ねた人間だったが、邪仙へと堕ちている。しかし仙人としての力をある程度は身につけており、複数の仙術を扱える。

その彼女も聖またはその近くの妖怪に捕らえられていたのだ。

 

シロ「命蓮寺?」

 

ナズーリン「聖白蓮が住職の寺さ。妖怪がいっぱい居る」

 

青娥「ナズーリン…でしたっけ?寺の住人である貴方も何故こんな場所に押し込められているのですか…」

 

ナズーリン「私は住人では無い。1週間くらい前に、聖が寺の皆に自分を計画を提案したんだ」

 

神子「自らの人間と妖怪を平等に救うという目的を壊そうとする白面の者を殺す計画か?」

 

ナズーリン「そうだよ。でも私は普段は寺に居ない。御主人に呼び出されたから寺に行ってみたら、それを持ちかけて来たんだ。当然私はこれはおかしいと思って皆を説得しようとしたら…この様さ」

 

神子「そうだったのか。やはり、聖とその妖怪たちは何らかによって気をおかしくしているのだろうか?」

 

シロ「なるほど…大体わかったぞ」

 

今はもう夜だろうか。

シロは外で月が浮かんでいるであろう方向をチラリとみる。

 

ナズーリン「そしてな、白面くん…」

 

シロ「まぁ良いか、お前達に教えよう。その白面の者という名は我が一度討ち倒された時の名だ、なので我はその名が嫌いだ…次からは『シロ』と呼ぶが良い」

 

青娥「まあ、随分可愛らしいお名前ですね。もしかしてあの巫女に付けてもらったの?」

 

ナズーリン「そうなのか?ではシロくん…聖たちは君を完全に封殺するつもりだ」

 

シロ「ふん、この我があの程度の尼共に滅ぼされる訳はないわ!」

 

ナズーリン「それがな、実質的に君は死ぬことになるんだ。聖たちは魔界から粘土を持ってきた。その粘土に強力な法力を混ぜ込み、そこに君をぶち込んで御主人の持っている宝塔の力で固める。そしてそれを、二度と復活できないレベルにまで粉砕するんだ。何か、君を倒すことができる妖怪も用意してあるとか何とか…」

 

シロ「…む~ん…」

 

シロは腕を組んでその場に座り込む。

 

神子「だが、布都は無事博麗の巫女にこのことを伝えたはずよ。だから必ず彼女らが私たちを助けてくれるはず」

 

 

 

「げええええ!」

 

霊夢「邪魔邪魔!」

 

命蓮寺の問を入ろうとした霊夢、布都、屠自古らに襲い掛かる妖怪を次々となぎ倒してゆく。

 

布都「凄いな…あの巫女は…」

 

霊夢(当たり前じゃない!シロは八頭龍と戦う為に絶対に必要なの!だから…ここで失っていい訳ない。それに…)

 

その時、どこからか弾幕が飛んでくる。

 

響子「おはよーございまーす!命蓮寺の戒律の一つ『挨拶は心のオアシス』!」

 

霊夢「ん?この光景前にも…?でも、今の私はアンタなんか目じゃないわ!」

 

その通り、山彦の妖怪も霊夢の放つ霊撃をもろに喰らい門をぶち破って参道を真っすぐに吹っ飛んでいく。

が、それを何者かがキャッチし、気を失った響子を地面に置く。

 

布都「何と…。最初の辺で出会う者は弱い奴だったらいいのにと思っておったが…これは…」

 

その強力な妖気を放つ何者かを見てそう慄く布都。

 

屠自古「私は全然思ってないわよ」

 

二ッ岩マミゾウ「3人か…。まぁ良い、あの白面の者を始末するというのは儂も賛成じゃから…お主らの前に立ちはだかろう」

 

霊夢「アンタは確か…」

 

恐らく最強の化け狸の一角になるのであろう、二ッ岩マミゾウが3人の前に現れた。

 




白面を固めて滅ぼしてしまおうという所はうしとら本編の斗和子が獣の槍を破壊しようとした所と意図的に一致させました。
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