れいむとシロ   作:ねっぷう

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第95話 「これまでの成果」

─午後5時20分

 

『残念だったなぁ、ワシら三頭の前にはお前達も歯が立たぬか!』

 

今度こそ妖怪たちの猛攻を振り切り、形勢不利から脱したジエ達。纏わりつく妖怪たちを首を振り回して弾き飛ばしていく。

神子たちも一気に巻き返された、と焦り始める。

 

『そして黒竜共よ、今こそ現れて奴らの動きを止めてやるのだ』

 

ジエの背後にある奈落の穴から大量の大小さまざまな大きさの黒竜が湧いて出てきた。地底に現れた時のような巨大な個体から博麗神社に現れて霊夢らと戦ったような小型なものも居る。黒竜たちは翼をはためかせながらジエに群がろうとする妖怪たちに攻撃を加え、交戦を開始する。

 

にとり「ああ!船が!」

 

妖力で浮いている河童の飛行船を攻撃し、甲板上の河童たちに襲い掛かる。武器を持って迎え撃つがやはり相手は黒竜、その戦力差は歴然だ。一部の妖怪は黒竜の吐く火球に焼かれ、爪や尻尾で貫かれどんどん脱落していってしまう。

 

『くくく、これからワシらがお前達ごと幻想郷を喰らい尽くしていくのを見…!?なに!?』

 

神子「あ、アレは…!」

 

文「ふ…遅かったわね?」

 

八頭龍を含めた全ての者が、接近する強力な妖気の方へ目を向けた。そこには居たのは正しく白面金毛の巨大なシロ、そして霊夢のコンビだった。まさかここに来てのシロの復活に、皆が驚いている。

 

シロ「けっ、せいぜい足を引っ張るなよ、霊夢!」

 

霊夢「こっちのセリフよ、シロ!」

 

霊夢とシロは進行を妨げようとする黒竜共をまとめて消し飛ばしながらジエへと向かってくる。

 

『は、白面~~~~…!おのれ、どうやって蘇ったのかは知らぬが、しつこい奴め!「ガズィ」、「ディエブ」!行けい!』

 

ジエは先ほど駆け付けたガズィとディエブを霊夢とシロに向かわせた。ディエブは鼻先から伸びる巨大な剣のような角に鳥のような嘴、そして松ぼっくりのように前方へ向けて逆立った大きな刃鱗が特徴だ。そしてその逆立った刃鱗を霊夢に向けて射出する。

 

霊夢「なんの!」

 

咄嗟に防御壁を張ってそれを防ぐ。その隙を突くようにガズィが背後から霊夢に噛みつきかかる。だが霊夢の背後からすぐにシロが飛び出しガズィに飛びかかった。

 

『ぐえ…!』

 

爪や尻尾が鱗を突き破って肉に食い込む痛みにたまらずうめき声を発するガズィ。しかし流石は八頭龍、すぐに反撃の体勢を取りガズィの鶏冠から青い雷が迸り始め、首の後ろに居るシロに向けて放たれた。

だが氷となって体に纏わりついていた博麗の字伏が稲妻なら我らに任せろと言わんばかりに特大の雷を放ち、ガズィの雷にぶつけて相殺して見せた。

 

シロ「分かったぞ。お前たち…八つの頭の中でも強いのはあのジエとかいうヤツとその相棒のゲガルドだけ…他の頭はどれもジエに劣り実力はどっこいどっこい…我の相手ではなかったな」ボオオオオ

 

シロの吐きつける火柱がガズィを包み込み、一瞬で燃えカスとなって消えていった。

 

霊夢「やったわね、シロ!」

 

そうシロに声をかける霊夢だが、その背後にエイリアンのような二重の顎を剥き出したディエブが迫っていた。だが霊夢は焦らない。なぜならすぐにシロが来てくれると分かっていたから。

霊夢の思っていた通り、シロはディエブの顎を掴んで無理やり口を開いて固定する。霊夢はすかさず開かれた口内に長い大きな針を射出して突き刺した。

 

シロ「いっつも危なっかしいよなァ、霊夢!」

 

『クソ、巫女…白面がァ…!』

 

刺さった針は霊力による爆発を起こし、容易にディエブの下顎を吹き飛ばした。

 

『お前達、前と違うな!?』

 

神子「最強の人間と最強の妖怪。あのコンビはまさに…無敵!」

 

『無敵のコンビだと!?調子に乗るなよォ!!』ゴオ

 

霊夢「行くわよ!」

 

怒りに声を荒げるジエとシロを加えた霊夢たちが再びぶつかり合う。

 

 

─神子の仙界

 

霊廟の各窓からは仙界の外で行われている戦闘の様子が見える。それを阿求の解説を交えて観戦する里の人間たちは固唾を呑んで戦いを見守り続ける。

 

阿求「見てください!シロも復活したわ!妖怪たちもそれに感化されるように、もう一度龍へ立ち向かっている!あのシロという妖怪を恐れないでください、是非希望を!希望を託してあげて!」

 

 

 

『おおおおお…!』

 

どんどん後退しながら、徐々にダメージを与えられていくジエ。

 

霊夢「アレは…?」

 

その時、どこからか真っ黒い煙の中に無数の顔を付けた妖怪が下顎を破壊されてもまだピンピンしているディエブに絡みついた。無数の顔がディエブの鱗を割って身体を潰していく。

 

霊夢「幾星霜!」

 

幾星霜。その名の通り幾星霜もの時のなかで死者の魂を無数に捕えていた悪霊だ。元となっている悪霊を霊夢とシロが退治して、解放された魂たちは無事にあの世へと昇っていった。

その幾星霜はディエブをぐしゃぐしゃに潰して消滅させると、分離した魂がガシャドクロの時のように弾丸の如くジエに襲い掛かった。

 

『く…な、何だァ~~~!?』

 

シロ「一気に畳みかけてやる…」

 

これでジエ以外の頭は全て倒されたことになる。あとはリーダーであるジエだけ!

そういえば、前に…あの戦いのときも呼んでくれなかったって言ってたよな?だったら、今…呼んでやろう。だから来い!

 

シロ「来い、純狐!」

 

シロはかつての仲間であり、自分をいつまでも待っていた純狐を呼んだ。すると待ってましたとでも言うように純狐がその場に現れ、ジエに向かって光弾を浴びせた。

 

純狐「ついに呼んでくれたのね、嬉しいわ」

 

純狐は月の客との一件では、自分の事をいつまでも忘れていたシロを憎み、月の民が持っていた憎しみを能力で利用しシロへの復讐として向かわせたのだ。その後はヘカーティアを経由して真意をシロへと伝え、それ以降はシロからの謝罪を受けてしばらくはおとなしくしていた。

 

シロ「我が化身と共に、他の者を襲う黒竜と戦うのだ」

 

尾の先端から伸びるくらぎを初めとした化身たちを分離させる。分離した化身たちはかつてのように意志を持ち、各々で戦う事が出来る。

 

純狐「分かりました」

 

字伏に酷似した黒炎という黒い妖怪も無数に放つ。能力が解放されたことで彼らをも生み出せるようになったのだ。くらぎ、斗和子、あやかし、シュムナ、黒炎、純狐は共にシロの命令を受けて黒竜の殲滅へ向かった。

 

『まだまだ!行けい黒竜ども!』

 

まだ奈落の穴から湧き出る黒竜の大群が霊夢とシロに襲い掛かる。だがその時、その黒竜たちに向かって極太の光線が発射され、巻き込まれた黒竜たちは跡形もなく消し去られてしまう。

 

「な、何モンだァ!?」

 

残りの黒竜がその方向を見ると、そこに居たのは煙が出ているミニ八卦炉を向けている黒い三角帽、黒い衣服の上の白いエプロンを着て箒に跨る…霧雨魔理沙だった。

 

魔理沙「霊夢!来てやったぜ!」

 

霊夢「魔理沙!」

 

魔理沙だ!

霊夢へ笑顔を向ける魔理沙の背後からは別の黒竜が迫っていた。あぶない、と叫んで伝えようとする霊夢だが、さらにその黒竜にまばゆいばかりの稲妻が命中した。

 

とら「おうおう!わしを無視してんじゃねえやおめぇら!」

 

4メートルはあろうかという体躯に雷を迸らせ、黄金の長いたてがみには一本一本にまで強力な妖気が染み渡っているようだ。シロとの壮絶な因縁を持つ炎と雷の化生、とらである。

 

シロ「…とら!」

 

そのまま黒竜たちを爪で引き裂き、噛み千切るとら。魔理沙ととらは霊夢たちにも負けず劣らずの連携を発揮し黒竜たちをどんどん撃ち落していく。

 

霊夢「シロ、行くわよ!」

 

シロ「うむ」

 

『何度来ても同じこと…たかがお前達が二体になったところでワシに勝てるかよ!?』

 

そびえる斧のような背びれを向け、シロに飛びかかるジエ。

 

シロ「莫迦め、もうそんな攻撃が我に通用するか!」

 

先ほどの八頭龍復活直後の我は確かに霊夢を庇ったためとはいえ負けてしまった。だがその時よりも何百倍も強くなった我に、それも通じる訳がないだろう。

シロの吐いた青くきらめく火炎がジエの頭に降りかかる。

 

霊夢「せえ…の!」

 

 

──『漸苦』

 

 

霊夢とシロの同時に放った攻撃がジエに命中した。

ピシリ、と音を立ててジエの身体に真っすぐ亀裂が走っていく。ジエはこんなはずはない、自分がこのように痛めつけられるなどあってはならない、と思った。白面が復活して、あの二匹の攻撃を貰ってしまったこと、ジエにとって愉快なはずがない。

 

『面白くない、本当につまらぬ。ワシがお前達に手も足も出ないだと?…消えよ…ザコ共!!』

 

その時、どこからか放たれた光線がジエに当たり爆発を起こした。ジエがそちらへ目を向けると、そこに有ったのは計六隻の不思議な形をした飛行物体だった。横から見るとひらがなの「つ」のような形の船体に、砲身のついた大きな扇形の翼がある。

 

とら「アレは…」

 

シロ「月の戦艦!」

 

とらとシロは見覚えがあるその戦艦は前に地上を襲撃したミツルギたちが乗っていた飛空戦艦だった。

 

グルカ「目標、八頭龍確認!撃てーッ!!」

 

そしてその月の艦隊の旗艦に乗っているのは月の三剣士、ミツルギであった。地上のシロを討伐しに来たが、シロ、とら、藍の三名に敗れ、月の狂気を浄化されたのだ。同じく浄化されたであろう綿月姉妹と共に新たな生活を月の都で始めているようだ。

その戦艦の砲撃がジエを包み込む。

 

ダイト「案内ご苦労、藍殿」

 

藍「はい、まさか月の民も参戦してくれるとは思っても居ませんでしたよ」

 

ムジカ「ちょっとした恩返しのようなものだ」

 

『…舐めるなァアアアアア!!』

 

ジエの放った妖気のブレスが戦艦に向かって放たれる。それを避けようと戦艦の舵をとるが予想外の攻撃に対処しきれずに大破を覚悟した。

だが、戦艦の背後から飛んできた三段の衝撃波がブレスに衝突し、打ち消してしまう。あの衝撃波、見たことが有る…まさか!?

 

勇儀「あたしら地底の妖怪もお忘れじゃないよ!」

 

霊夢「勇儀!」

 

勇儀ら鬼を含めた地底の妖怪たちであった。彼女らの攻撃がブレスを打ち消したのだ。本来、地底の妖怪は地上には出てはいけない契約なのだが、今はそんなことを気にしている事態ではないのだろう。

 

天子「私たち天界の者も居るわ!」

 

シロ「アイツは…」

 

霊夢とシロと面識のある比那名居天子率いる天界の住人も一緒になってやってきた。

 

神奈子「霊夢、シロや。私ら山の神も…黙ってはいられないのでね」

 

霊夢「早苗に神奈子に諏訪子…それにオヤウカムイまで!」

 

祟り神のミシャグジ様を従えてきた洩矢諏訪子、鍵山雛に秋姉妹など山に住む神格ある者と共に戦いにやって来た東風谷早苗、八坂神奈子、そして幻想郷の土地神まで引き連れてきたオヤウカムイ。

 

華扇「そうよ、あんなに山を荒らされて動物たちも困っているわ」

 

シロ「茨木…華扇!」

 

茨木華扇が龍や虎、大鷲などの動物を連れて現れた。

 

「動物連れて来たんは俺もだぜ…コイツらが言って来るんだよ、大事な住処を滅茶苦茶にしたあの竜を許せないってな」

 

動物や植物、物など喋れないものの声を聞くことができる耳を持つ妖怪、岩耳が熊や野犬の群れを地上へ従えてやってきた。

 

「せっかく新しい縄張りをつくったのに、そこも消されちゃ我慢できねぇや!」

 

霊夢「アンタら…旧鼠!」

 

里の家畜や、里に運ばれる荷車が襲われる被害が断たないという事件があった。その犯人はこの旧鼠と呼ばれる巨大な鼠の妖怪の群れで、霊夢に懲らしめられた。

 

「拙者らはお伽噺の世界より来たりし者である!この幻想郷を喰らおうとする龍め、拙者らが退治してやるぞ!」

 

霊夢「桃太郎にシンデレラ!」

 

前に幻想郷の人間と妖怪がお互いを認識できないように術をかけ、退屈していた両者に自分らのお伽噺を広めて読んでもらう事で魔力を得ようとした桃太郎とシンデレラたちだ。霊夢とシロに倒された後、幻想郷が危機に陥った時は残された本からまた出て来られると言っていた。

 

シロ「おいお前たち!我の獲物を横取りするでないぞ!」

 

霊夢「凄いわ!」

 

紅魔館のレミリアたちに、永遠亭の輝夜たち、他にも霊夢とシロに縁のある者たちの姿が見える。今まで私が一筋縄じゃ行かなかった強豪がそろっている。

みんな…みんなが来てくれた!

 

諏訪子「霊夢や、今ようやく分かったのよ。何故遠く時を経てお前が博麗の巫女に選ばれたのか…。シロ、何故お前が霊夢と共に戦わなければならなかったのか…」

 

博麗の巫女と白面の者だけでは500年前や150年前、そして先ほどのように八頭龍は倒せなかったでしょう。だけど霊夢は今までの異変解決で多くの者と深い絆で結ばれていき、シロが幻想郷に来てからしてきたことは多くの者からその存在を受け入れられることとなった。

つまり…つまり、霊夢が今までしてきた事、シロが幻想郷に来てからしてきた事は全て…無駄ではなかった!!

 




色んな奴らをいっぺんに出した結果、すごいゴチャゴチャした感じになってしまった…

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