あの衝撃的な出来事から三日後。俺は平穏な生活を取り戻した…訳がなかった。まずは旅行から買えってきた親に小遣いのお釣を返せと言われたので「フィギュア買ったから無くなった。むしろ足りなかった」と正直に話したら鉄拳制裁が飛んできた。隠すと怒る癖に正直に話しても怒るのか。
学校は土日+創立記念日だったから連休だったからよかったものの…。平日だったら弁当どないせっちゅうんや。え?買え?そんな金ないさ。
あの後、あの艦娘は自分で帰れるとのことだったのであの場で別れた。名前くらい聴いとけばよかったかな。
そして休み明け、いつも通り学校に行きいつも通り授業を聞き流そうかと思ったらいきなり変な人達来て
「長志 峻君はいるかね?」
と来たもんだ。あぁ、神様、僕に平穏な日常を返してください。
「何だ、お前何かやらかしたのかよ?」
今話しかけてきたのは小さい頃からの腐れ縁の大嶋 由だ。こいつは何かと一緒につるむことが多かったやつだ。性格は割りと腐ってるけど。
「なんもした記憶がねぇよ」
「お前何もしてねぇのに呼ばれるとか流石だな(笑)」
「煽ってんのかてめぇ」
そんな話しをしていると
「…君が峻君かね?」
声かけられた。
「…まぁ、そうっすけど」
「我々と一緒に来ていただきたい。」
俺の答えは
「やだ。」
「…どうしてかね?」
「知らないおっさんに着いていくなって学んだんでね。」
「何、私は怪しい者ではない。ちょっと着いてきてほしいだけだ。」
「その時点で十分怪しいわ。おっさんの中での怪しいのボーダーラインどうなってんだ。」
「コ○ンにでてくる容疑者みたいなやつかな。ほら、あの全身真っ黒なやつ。」
「低すぎんだろ!怪しいってレベル越えてんじゃねーか!」
「ええい!面倒くさい!憲兵達よ!目隠して担ぎ上げて車に押し込めろ!」
「イエッサー!」
「お前気は確かか!?てか憲兵!憲兵!お前はそれでいいのか!?」
逃げようとするが捕まり、縛られ担ぎ上げられる。せめて由に助けを求めたが
「あいつ拉致されてやんのwww 」
あいつ無事に帰ってきたらぶん殴ってやる!!
そして俺は車に詰め込まれ、どこかへ拉致された。
キキィ!
しばらくして車が止まったかのような音がした。目的地についたのだろうか。そして目隠しが外された。
「やぁ、気分はどうだい?」
「あぁ…おかげさまで最悪ですわ。」
「そいつは結構だ。」
車のドアが開いたので外にでる。辺りを見渡すとまず目の前に飛び込んできたのは大きな建物だった。そしてその後ろには海がある。
「中へ入ってくれ。」
そう言われて建物の中に入る。案内された部屋に入るとそこには両親と…提督服?を着た白髭生やした老人が座っていた。
「って何で親父と母さんいるんだよ!?」
「母さん達も何も聴かされずに連れてこられたのよ。」
「うむ。そうだぞ峻。」
どうやら誰も状況を理解できてないようだな…。
「おほん、とりあえず峻君。そこの椅子に座ってくおくれ。」
とりあえず白髭老人に言われた通りにする。
「急にこのような呼び立てをしてしまい申し訳ない。」
「ホントだよ。何でいきなり縛られて目隠しされて拉致されなきゃいけないんだよ。」
「…あんた、そんな趣味あったのかい?」
「無いから。間違ってもそんな趣味無いから、母さん。」
「さて、峻君。君はつい三日前、深海棲艦を声だけで圧倒したらしいね?」
三日前って…あれか…。
「あれは圧倒っていうか唖然としてただけじゃ…というかどこでそんな情報を。」
「入りたまえ」
すると扉が開き、一人の女の子が入ってきた。緑色の髪をしていて帽子をかぶっており、眼帯を…って!?
「あの時の!?」
「よう!三日ぶりかな?」
「彼女はここの艦娘で名を木曾という。」
「木曾だ!よろしくな!」
「あ、あぁ…。俺は長志 峻だ。よろしく…。」
未だに流れがよく掴めないがとりあえず握手する。
「木曾よ、この男がお前を助けてくれた男で間違いないな?」
「あぁ、こいつだ。」
「助けたって、大袈裟な…。第一、そんなこと調べて何する気ですか?」
そう聴くと老人はニヤっと笑いとんでもない爆弾発言をした。
「君、提督をやってみる気はないか?」