水上の地平線   作:しちご

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取終話 天体の地平線

~これまでのあらすじ~

 

ダイヤモンドを引き裂いて、血達磨ライナー闇に翔ぶ、主に立体機動で、

酒が理性を吹き飛ばし、ポーラは裸がユニフォーム、ああ青春を葬らん。

 

特攻一番艦、戦艦レ級は大和のジャコビニ流星三式弾の前に散った。

 

備蓄資材完全燃焼を謳う、我らがアストロ艦隊とビクトリー棲艦の激闘は続き、

数々の犠牲者の血と涙と何かアレの上で、砲雷撃戦は激しさを増す。

 

運命の9回表、貞操の危機を感じて寝返った龍驤こと俎板棲姫が同点の殊勲打を放った。

だがしかし、同点のホームを踏む直前に俎板が突如七孔噴血し倒れ伏す。

 

俎板が、割れた。

 

8回裏の無理な補球時に頭を打っていたがための悲劇であった。

 

黒き俎板こと離島棲姫に抱き抱えられ、今、最後の時を迎える。

 

 

 

気が付けば死合の喧騒も遠く、龍驤の視界が闇に閉ざされた。

 

「あかんわ……目の前が、真っ暗になってもうた」

 

離島棲姫が龍驤に必死と呼びかけるも、もう聞こえてはいない。

 

「お迎えが、来やがったわ!」

 

だが、その表情には微塵の後悔も無い。

 

無駄に力強い笑顔で在った。

 

「古式をふんで、辞世の句でも詠んでやるわ……」

 

―― 梅でのむ茶屋もあるべし死出の山

 

「大部分……盗作……」

 

そして力尽きる。

 

「俎板、目ヲ開ケナサイヨ、マナイターッ」

 

離島棲姫の慟哭の声が球場に木霊した。

 

俎板棲姫龍驤、グラウンドに死す。

 

―― あの世じゃ一番の空母に成ったるわいッ アバヨ

 

激闘は続く!

 

 

 

『万愚節番外 天津一番!極 ~だからそのタレはドコよ~』

 

 

 

一方、そのころの5番泊地。

 

裏料理棲艦との死闘の果て、天津風は苦瓜棲姫と相対していた。

 

「でーちっちっちっち」

 

不可思議な笑い声がキッチンスタジアムに木霊する。

 

桃色の短髪に阿呆毛の付いた、スク水セーラーの潜水艦の高笑いだ。

その顔は仮面に隠されていてわからない、そう、苦瓜棲姫である。

 

突如のスポットライトに照らされた黒尽くめのゴスロリ、離島棲姫が

会場に山と積まれた食材の中からパプリカを取り上げ、ひと齧りする。

 

「ア・ラ・給仕犬ッ」

 

その背後、1mの位置にひっそりと存在するのはメイド服の夕立。

 

「ぽい」

 

50cmの位置に存在するのは、メード服の夕立。

 

「ぽい」

 

へばりつく様に存在するのは、冥途服の夕立。

 

「ぽい」

 

後ろ手に隠した両手に、魚雷が見えた。

 

「さて、いよいよ裏料理艦との激闘も終焉が見えてきましたッ」

 

解説席の青葉が、会場中央の爆発を気にも留めずにマイクに叫ぶ。

 

「今回の解説は泊地の枢軸、龍驤型三姉妹の皆さんです」

 

「姉妹言うなや」

「龍驤、そろそろ諦めるべきだろう」

「ですよー」

 

解説席で受け答えたのは日独伊、三国微妙性能空母同盟こと赤、白、パスタ。

 

「と言うか龍驤さん、貴女今、深海勢力の最奥で戦っていませんでしたか」

 

辞世の句を詠んで果てていた様な気もしない事も無い。

 

「ふむ、こう言う事例が在ったのを知っとるか」

 

そのような疑問に、粛々とした声色で龍驤が答える。

 

「かつて、7人の悪魔超人を粛正した悪魔六騎士がアイドル超人軍を襲撃した時の事や」

 

激闘の果て、完璧超人始祖壱式ゴールドマンことキングオブデビル悪魔将軍が、

雄叫びで色々破壊する人間かどうか疑わしいジェロニモな自称超人に相対した。

 

「そして、リングの上でスピンダブルアームを掛けた時の事や」

 

技を掛けられているはずの「オラ、人間だから(自称)」が、

何故かリングサイドにも存在していたのだ ―― ッ!

 

解説を補足するように、隣のグラーフが名称を告げる。

 

「―― 自己像幻視(ドッペルゲンガー)

 

同じ人物が同時に複数存在する現象の事である。

 

19世紀フランス、寄宿学校教師エミリー・サジェ女史の例などが有名な所であろう。

新任教師であった彼女は、時折その背後に「もう一人のエミリー先生」を付属していたと言う。

 

数多くの生徒に目撃されたもう一人のエミリー先生は、はじめは大人しかったが

そのうちに物真似芸をするわ勝手に授業するわと、フリーダムに動き回りはじめた。

 

エミリー女史(本体)はその怪現象のせいで失職し、以降に職を転々とする事に成る。

 

「ドッペルゲンガーは不幸を呼ぶ、そうも言われているな」

「不幸のベクトルに生活感溢れすぎているんですが」

 

青葉のツッコミを聞き流し、コラボ解説を三女が締めた。

 

「つまり、そういう事なんです」

 

とりあえずドイツに任せる、ついでに日本、いつのもイタリアである。

 

そんな解説席の会話を横に、会場の熱気は高まるばかりである。

 

キッチンコロシアムの中央に立つ天津風と苦瓜の前に、

 

「スタジアムじゃ無かったのッ」

「名前を略すなーッ」

 

勝負内容を書き記された看板が表示される。

 

―― 想い出の不味い飯

 

不味飯会だ。

 

不味飯会だ。

 

金地蔵が突撃しそうな囁きが会場に木霊した。

 

「ソシテ、審査員ハ航空戦隊ノバキューム共ヨッ」

 

黒焦げに成った司会の離島棲姫が示す先には、スポットライトに照らされた

一、ニ、五航戦の正規空母たちが、かなり嫌そうな表情で座っている。

 

「この勝負、貰ったでちッ」

 

早速にスク水を着た苦瓜が、常日頃の資材確保の恨みを籠めて調理を開始した。

 

まずは酢で下ごしらえをして、

しっかりと酢で和えて、

ここで酢をどばーっと、

隠し味に酢を入れて、

最後に酢を掛けるのを忘れてはいけない。

 

「そして最後に、追いビネガーでち」

 

つまり、酢だ。

 

「完成、お前それ五島列島でも同じ事言えんの(せんすいかんのにちじょう)ッ」

 

早速に配膳された審査席、濃厚な酢の香りが空母たちの鼻腔を直撃する。

 

五航戦姉妹に至っては、涙目で在った。

 

「これはどういう事なのでしょうか、解説の龍驤さん」

「潜水艦の日常やな」

 

困惑する青葉の声に、審査側に居なくて良かったと遠い目をしながら龍驤が答える。

 

「海中生活が続くと、だんだんと味覚が鈍化していくんや」

「そう言えば、最後に残るのは酸味だとユーが言っていたな」

 

赤俎板の言葉を白肉饅が補足して、イタリアがドヤ顔をした。

 

「せめて味を感じたい言うわけで、とにかく凄く酸っぱくなる」

 

呑気な声の解説の流れる中、審査空母が目と鼻を抑えながら酢を口に運ぶ。

 

「しかし、これでは勝負に成らないのではないでしょうか」

「いや、そうとも言えんで、見てみろや」

 

見れば審査艦が、心底嫌そうな顔であった審査艦たちが、悔しさを滲ませいた。

 

「……酢の物が、癒しすぎます」

 

そう、破壊的な酸味の嵐の横に置かれた、普通に食べる事の出来る酢が強めの酢の物。

 

犯罪的に酷い味の高低差が、犠牲者たちに確かな美味を感じさせていた。

 

「これは、まるで平地を掘って山を作る様な」

「逆転の発想やな、流石は不味飯会会長や」

 

「だがこれで、後攻の天津風は厳しくなったな」

 

もはや席に居るのは、味覚を破壊された6隻の轟沈寸前空母である。

 

視認できるオーラが立ち昇っているあたり、深海堕ちしかかっている気がする。

 

「龍驤なら、どうする」

 

そんな惨状を何処吹く風と、白い空母が戯れと姉に問うた。

 

「とりあえず量を作っとったら、4票は取れるんやないかな」

 

身も蓋も無い解説であった。

 

そして会場では、窮地に天津風が天を見上げている。

 

―― 間宮先生、伊良湖さん、ライオン師匠

 

遥か青空に浮かぶ教師たちの幻影を目で追う。

 

「何でこんな事やってんのかしら」

 

弱音と言うには、極めて尤もな言葉が口から零れ落ちた。

 

「諦めるのが遅すぎるよッ」

 

そんな微妙な姿の在る会場に、突如として透き通った声が響く。

 

天津風(あまつん)に足りないモノ、それはッ」

 

今、花道をむやみやたらと高速で駆け抜けてくるのは誰か。

 

「スピード、速度、速力、敏捷、すばやさ、テンポ、俊敏さ、そしてなによりもッ」

 

余所見をしていた離島棲姫が容赦無く轢き逃げされて吹き飛んでいく。

 

「速さが足りないッ」

 

疾風怒濤の勢いで会場入りした露出兎こと島風が天津風に対して見得を切り、

そして遅れて入場した長波がドラム缶を置くのを待ってから、再度口を開いた。

 

「それは置いといて」

「罵倒されただけッ!?」

 

ツッコミを華麗にスルーしながら、食材を持ってきたと薄い胸を張る島風。

 

何か主人公が味の皇様と対決する最終回的な感じである。

 

どうでも良いが、香り米と言うのは米を炊く時に少量混ぜて香りを付ける物であって、

普通に米として炊くと香りが強すぎる、まあ食べられないわけでは無いが。

 

「まずはワ……鶏肉と」

「ワニよね」

 

黒く光沢の在る皮と爪の付いた、どう見ても鶏の足である。

 

「あとはカ……鶏肉だな」

「カエルよね」

 

東南アジアでは、そこそこポピュラーな食材であった、いや鶏肉だが。

 

「串焼きとかにするのがオススメ、サテとかッ」

「焼き鳥だと思って食っちまったんだよなー」

 

得意満面の島風の横で、遠い目をした長波が龍驤並みに平坦な声を響かせた。

 

「犠牲者を増やしたいって副音声が聞こえたんだけど」

 

行間を読んだ天津風が言う。

 

「フライドクロコダイルも歯応えのある鶏って感じで良いよッ」

「今、思い切りクロコダイルって言ったわよねッ」

 

余談だが、日本では食用蛙の飼育が基本的に禁じられているので、

持ち運ぶ時はそこらへんに叩きつけるなり何なり、しっかりと殺しておく必要が在る。

 

食用の蛙と鰐、東南アジアでは意外とポピュラーな食材ではあるのだが、

ハラームに抵触する食材なので、イスラム教国のブルネイでは食べられていない。

 

ハラームとは禁じられた事であり、許された事であるハラールとは対極にあたる。

 

アルラーの名を唱えながらハラール屠畜されていない肉はハラームである。

毒、害の在る物、泥酔性のあるもの、穢れ(アジズ)に触れたものもハラームである。

賭博、高利貸し、利子、婚前交渉、同性愛、女装、男装もハラームである。

 

水の中でしか生きられないもの、つまり魚はハラールであるが、

陸でも生きられるもの、蛙や鰐はハラームにあたる。

 

そろそろハラールとハラームがゲシュタルト崩壊しそうな気配であった。

 

「そう言えば、クロコダイルとアリゲーターって、どう違うんですか」

 

喧騒を眺めていた青葉が、食事からかけ離れた疑問を解説陣に聞く。

 

「アフリカから東南アジア、あとフロリダあたりに居るんがクロコダイルやな」

 

性質は獰猛かつ凶暴、一般に人食いワニと言われているのがクロコダイルである。

 

「そして、アメリカと中国に居るのがアリゲーターだ」

 

比較的大人しい性質で、主にワニ革に加工されるのがアリゲーター。

 

「イタリアだとcoccodrillo(コッコドリッロ)alligatore(アッリガトーレ)と呼んでいますッ」

 

あとはインド近辺に生息するガビアル、ワニはこの3科に分類される。

 

そんなジェットストリーム解説が場を繋ぐ中、生肉テロを敢行した島波が撤収を開始していた。

 

「よし、逃げるよ長波ちゃんッ」

「言われなくてもスタコラッサだぜッ」

 

そんなドラム缶職人とすれ違いざまに、肉を引っ手繰る誰かは天津風。

 

「良い肉ね、コレを使うわ」

「使うんですかッ」

 

やや大振りの棒状の生肉を持った料理艦に、審査の赤城が驚愕の叫びを上げた。

 

恐怖の叫びを気にも留めず、俎板、龍驤の事では無い、の上で肉を細かく切り刻み

熱したフライパンに軽く油をひき。千切りの生姜と共に炒め始める。

 

「ふむ、アレは、そういう事やな」

 

切れ目を入れて醤油ベースのタレに漬け込んだワニ肉に衣を付けながら、龍驤が言った。

 

「だが、アレは不味い飯とは言わないのでは無いか」

 

ワニ肉を受け取ったグラーフが、綺麗な油の満ちたフライヤーで丁寧に揚げていく。

 

「爪、皮の緑と衣の黄色、プチトマトでも添えておきますか」

 

アクゥイラが、受け取ったフライドクロコダイルを無駄に綺麗に飾り立てる。

 

「ちょっと、誰か龍驤たちを止めてくださいッ」

 

赤城の魂の叫びはスルーされた。

 

天津風が酒、醤油、砂糖でコトコトと肉を煮込んでいる隙に、

フライドアリゲーターが審査艦たちの前に並ぶ。

 

ワニ、もとい鶏足の揚げ物、足、もとい手羽先がむき出しで肉部分に衣が付いている。

 

「思ったより歯応えが在って、意外とイケますね」

 

ノー躊躇の加賀が感想を述べた。

 

「いや加賀さん、爪ですよ、皮ですよ、思い切りワニだって主張してるんですよ」

「そこが無ければ、鶏肉だと言われたら騙されるレベルですよ」

 

その横、何か悟った様な目をした二航戦組は、素直に肉を食んでいる。

 

「まあ、食べでが在るのは良い事よね」

「何でセンパイは、こういう時は無駄に本気出すのかなあ」

 

ドン引きしている五航戦姉妹の姉の視界に、ふと目に入る姿が在る。

 

じっと見つめている。

 

龍驤だった。

 

じっと見つめている。

 

笑顔だった。

 

翔鶴が引き攣った笑みのまま、蒼白と化していく。

 

「……イタダキマスゥ」

「翔鶴姉ッ」

 

死んだ目をした翔鶴が、コレハ鶏、コレハ鶏と水鬼的な声で呟きながら肉を噛む。

 

「ブライン液で柔らかくするんも考えたんやけど、初めてやから素直に醤油漬けやな」

「まあ、ワニの歯ごたえを活かすには、それで正解ではないか」

 

赤と白の調理空母がどこかズレた所感を述べた。

 

「オキヅカイアリガトウゴザイマス」

 

そして、黙々と食べ続ける周囲の圧力についに瑞鶴も屈し、フライド鰐に口を付ける。

 

「……あ、鶏だコレ」

 

身も蓋も無い感想であった。

 

そうこうしている内に、煮込み切った天津風が料理を席に並べ始めた。

 

「大和煮、ですか」

 

何処か疲労の見える赤城が、目の前に出された皿を見て言葉を零す。

 

大和煮、かつて缶詰として糧食の中で人気を誇った料理である。

 

艦娘たちの記憶にも新しい、これを不味いと言ったら海軍精神を注入されかねない、

そんな、明らかに勝負を投げた様な品目に観客席が騒然と成る。

 

一食即解(くえばわかるわ)よ」

 

騒がしく奏でられた雑音は、どこか緊張感のある静寂へと移り

6隻の正規空母が、ただ静かに食事を続けるだけの光景が会場に生まれた。

 

やがて、食事を終えた審査艦たちが、評決の札を掲げる。

 

―― 天津風・小娘・天津風・天津風・ゴーヤさん・でち

 

4対2、天津風の勝利であった。

 

「何で、大和煮ですよ、缶詰のお肉ですよッ」

 

評決に疑問しか生まれない様相で、青葉が叫ぶ。

 

「兎や」

 

すかさず、解説の龍驤が一言で全てを表した。

 

「兎 ……まさかッ」

「そう、兎肉の大和煮や」

 

もう少しだけ、言葉を繋げる。

 

兎肉の大和煮、別に島風の肉では無い。

 

「そやな、翔鶴や瑞鶴には贅沢品としか思えんやろう」

 

解説の言葉に、審査席で首を縦に振る五航戦姉妹。

 

「けど、一、二航戦が沈んだんは42年、まだ食い物が在った時期や」

 

その言葉に、幾隻かの艦娘もはたと気が付いた表情をする。

 

かつての軍用糧食、食肉の大和煮缶詰は、牛、鯨、兎など複数の種類が在った。

中でも牛肉の大和煮は別格で、特別に牛缶と呼ばれ愛されたほどである。

 

そう、つまり。

 

「まさか私たちに、ハズレの大和煮を食べさせるとは」

 

赤城の贅沢極まりない発言が全てを物語っていた。

 

余りの我が儘発言に、会場の空気が凍り付く。

 

その背後に、いつの間にか笑顔の鳳翔が立っていた。

 

立っている。

 

笑顔。

 

笑顔だった。

 

曇り無き、笑顔だった。

 

背後から来るプレッシャーに、赤城から滝の様な汗が流れ落ちる。

 

「赤城さん、ちょっとお話が在ります」

「はい ――ッ!」

 

後の事は言うまでも無く、川内の木は今日も鈴生りであったと言う。

 

 

 

(TIPS)

 

 

 

深海との死闘を制した5番泊地に、大本営からの通達を受け取った提督が帰ってきた。

 

その表情は、暗い。

 

何事かと提督の周囲に集まる艦娘たちに、意を決した様相で口を開く。

 

「我々、5番泊地は……たった今、日本海軍から追放された!」

 

突然の悲報に騒然とする間も無く、慟哭に似た声で提督が叫んだ

 

「今後、泊地からは出撃が……出来ない!」

 

―― 出撃が出来ない!

 

「ど、どうすれば良いのよ、これからッ」

 

狼狽する叢雲の横で、応えるように黒い俎板が意気を吐いた。

 

「旅に出ル! ソウ、新天地ヲ求メテネ!」

 

泊地に響いた離島棲姫の力強い言葉に、龍驤が困惑気味に問い掛けた。

 

「離島よ、旅に出るって……いったい何処に行くんや」

「フフフ……世界ハ広イ!」

 

以前、住処を求めて世界を旅した時、艦娘ではないかと見間違うような艦隊を見たと言う。

 

「アフリカ、マサイ族ノ勇士デツクラレタ艦隊ダ」

 

―― アフリカ!

 

泊地所属の艦娘と棲艦たちの間に、アフリカの広大な大地での砲雷撃戦の光景が浮かぶ。

 

さあーッ 行こう

 

日本国海軍が泊地と同じレベルの力量を蓄えるまで!

 

さらば5番泊地ーッ!

 

あらゆる風に負ける事無く、堂々と翻れ ―― アストロ艦隊!

 

(アビィッ)

 


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