いつの間にか幻想郷にいました   作:PPさん

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完結させたいです


能力を見る

あの後4時間程歩いたのだが一向に森を抜ける気配は無い、自分がどこにいるか分からずとにかくまっすぐ進んでいたのだがどうしたものか。

そんなことを考えながら森を抜けていくとまた目覚めたところのように開けた場所があったが、あそこよりも一回り大きい場所だった。とりあえずここで休もうと思う。

4時間も森を歩いているうちに能力の使い方も覚えてきた。この能力は自分の干渉したいことを念じれば出来るようだ、試しに前に襲ってきた狼よりも随分でかい狼に

 

『狼の存在に干渉、消滅しろ』

 

と念じたらパッと魔法のように消えて何も残っていなかった。

他にも自分の力に干渉して増幅させたり、再生力に干渉し傷を治したり、これは考え方次第ではなんでもできるのではないか。

 

そう思い私は地面を見つめ『地面に干渉、岩を生成しろ』と念じた。

私が思った通りの形と大きさの岩が地面から生えた。

この念じ方は細かく念じなくても通じる?ようだ。

 

『岩に干渉、消滅しろ』

 

消えた、地面には岩が埋まっていたであろう穴が残っていた。

次に私は空に顔を向けた。

『空中に干渉、木の箱を発生、空中に固定」

空中に突如現れた木の箱は引力に従わず空中に浮かび固定されていた、この光景を見るとなかなか不思議なものである。

あと他には……そうだ、ここの地図を作れるかな。

 

『空中に干渉、周辺の地図を発生』

 

目の前にパッと真四角の厚紙に描かれたような地図が現れた、便利すぎる。

私はその地図を手に取りそれを見ると現在地が真ん中になっているようだ、そう赤い字と点が打ってあった、気配りができるいい地図だ。

この地図を見る限りじゃここは魔法の森っていうところか……ん?なんか聞いたことあるな。私はそれを聞いた覚えがあった、それは昨日の夜、夜更かしの原因となった動画の中で出てきた架空の地名、そう魔法の森だ。私の夜更かしの原因となった動画はある動画投稿サイトに投稿されている"東方プロジェクト"という作品の二次創作漫画である。それにはまり一話から全話見終わって寝たのだった。

つまり、私は魔法の森がある世界、すなわち、幻想郷に来てしまったようだ。

 

幻想入り、そんなもの二次創作物でしか聞いたことがない。私も少しは行ってみたいと思ったことはあった、脇を丸出しにしている巫女とか、弾幕は火力とか言ってる魔法使いとか会いたいと思ったことはある。しかし、それは夢にすぎないと思っていたが、まさか幻想入りしていたのか。

私はそれに気がついた時嬉しい感情も多少はあったのだが不安や悲しみの方が大きかった、なんせ元の世界にも私は未練があるからだ。私はたとえインドア派でもそこまでオタクじゃなかったし、本気で幻想郷に行きたいなんて思ったことはない。

私の母さんも父さんも弟も大好きだった、だから望んでいたわけではないのだ。

また、そんなことを考えると涙が出てきそうだ、今、母さんも父さんも弟も何をしているのだろうか、心配でたまらない。元の世界に戻ることは可能だろうか。

私は可能性にかけ念じてみる。

 

『空中に干渉、元の世界の帰り方を発生しろ』

 

そう念じたがさっきのように何か出現することもなかった。言い方も変えてみたりした。帰り方の紙を発生させろとか、世界に干渉させたりとか色々したけどこれだけはできなかったみたいだ。

ああ、もうここから帰ることはできないのだろうか、そう思うと涙が目から溢れ出してしまう、辛い感情が一気に襲いかかり私を追い込んでいく、それを堪えようと必死にもがくが耐えられずに大泣きしてしまった。

もう嫌だ、家に帰ってみんなとご飯がたべたいよ、みんなと話したいよ、早く帰りたいよ……。

 

 

それから夜になるまでずっと泣き続けていた。

 

 

涙が涸れるまで泣いた、擦った目の辺りがとてもヒリヒリするし鼻水が気持ち悪いほど出た。

 

でも前に進んでいかなくちゃと思った、いつか帰ることができると思った。

それが私に希望を与えてくれた。

私は泣き疲れその場に倒れ眠りについた、いつも以上に気持ち良く感じた。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

眼が覚めるとそこは昨日寝た森の開けた場所だった。なんだか今日は随分とスッキリと起きられた、実は夢だったと期待したいがここは現実のようだ、ここの景色は昨日のまま変わらず草は風とともに揺れてざわざわと森が鳴っていた。私は欠伸をしながら背伸びをし立ち上がった。

今日も能力を使いこなすために練習をしようと思い早速念じ始める、今日は身体的なことを試していこうと考えた。

 

『私に干渉、筋力を増幅しろ』

 

体が発熱してきて服がきつくピチピチになっていた。試しに腕を見てみたらテレビで見たような美しい上腕二頭筋があった。すごい、今ならなんでもできるような気がする、力が身体の奥底から溢れ出ている気がする、うおおおおおおっし!!

私はそこから全力で走り出し大木に向けキックを繰り出した、しかし、木は少し揺れた程度で折れそうな気配は全くなかった、揺れたせいで木の葉がパラパラと落ちてきて私の上に降り注いだ。

「痛い!」

木を蹴ったすぐ後に骨にダイレクトに伝わった衝撃が襲う。滅茶苦茶痛い、こりゃ痕が残るな……。

私は痛みのある場所に優しく触りながら顔をしかめた。

 

『痛みに干渉、消滅しろ』

 

ん?待てよ、痛みを消滅させたら痛覚がなくなってしまうのではないかと心配したのだが、この能力は念じる言葉というよりも想像が主なのか?でも言葉も想像したことだし……もしかして思い描いたことか?

そう仮説を立て実験をしてみる。

 

『石を発生させろ』と念じながら石が出てくる光景を想像する。

石が出てきた。

 

『石を発生させろ』と念じながら木材が出てくる光景を想像する。

……何も発生しなかった。

 

『石を発生させろ』と念じながら赤い石が出てくる光景を想像する。

透き通った赤い石が現れた、これはルビーだろうか。

 

『赤い石を発生させろ』と念じならが石が出てくる光景を想像する。

石が出てくる。

 

結果を見るからに私の想像したものと念じたものが合っている、もしくは似ていれば想像されてものの方が優先されて出るようだ。

つまりは念じた言葉がトリガーとなって干渉するのだろう。私は納得したように腕を組み首をウンウンと縦に振った。

 

「とりあえず、地図を見て近くにある家にでも行ってみようかな」

 

私は森の方を見つめ独り呟いた。

 




読んでくれてありがとうございました。
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