やはり趣味を極めるのは間違っていないはずだ   作:hideo99777

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沈黙の会議室

後日、糞共産主義者共の会議へと出席させられる。

決して香港97だとかそういうものではない。

いや、あれはマジでこんなもんじゃない。

地獄の底から出て来たと思うと醜悪至極な糞をひねり出して戻ってった・

 

疲労が大変なことになる中、会議室へ向かう。

入ると、もうすでにほとんどが集まっている状況下だった。

ただ、一色の姿が見当たらない。

 

「一色は?」

 

副会長に尋ねる。

 

「まだ来てないけど…一緒じゃないのか?」

「いや、さすがに無理あるだろ、比企谷ならともかく」

「おい」

 

「誰か、何か聞いてたりする?」

 

その問いに、少し気弱そうな眼鏡をかけた女子が答える。

 

「一応メールはしといたけど…たぶん部活かな」

「だとよ。あ、ちなみに俺はパスな。葉山がいる」

「分かったよ…」

 

彼はそう言い、会議室を後にした。

 

一方俺はまだ始まらない会議にほくそ笑んでいた。

マインしたりクラフトするゲームくらいやったっていいじゃない。

こうやって時間が潰れていけばいいのさ。

 

pcのW,A,S,Dとスペースキーを酷使していると、スマホが俺のポケットの中で暴れる。

俺は、周囲の人間の視界を掻い潜り外へと向かう。

大方高田だろう。そいつ以外誰も思い当たらない。

 

「もしもし」

「俺だよ」

「うん、知ってた」

 

電話口の向こうの笑い声が聞こえる。

それに釣られて俺も喉を、くっくっと鳴らして笑う。

 

「なんか用か?」

「お前さ、何か最近手伝いに駆り出されてんだって?」

「なんだよ、それ弄りに掛けて来たのかよ」

「そんなこと言ったってしょうがないじゃないか」

「似てないわ!えなり君も大激怒だぞ!」

「へへへ…」

 

「お前手伝うか?」

「冗談じゃない」

「ちくしょー」

「残念だったな。へっへっへ…すまねぇ!」

 

こいつは電話口の向こうで物凄いゲスい顔をしているんだろう。

 

「それで…?どうすんだよ」

「知るか、もう奴等にゃ何も出来ん」

「いいのかよ」

「仕方ないんだ。何も知らず絵空事ばかり見ている。比企谷があの二人に土下座でもすれば何か変わるかもな」

「望めねぇだろ。あいつだし」

「確かに」

 

「それにさ、もう辞めるしどうでも良くねぇか?」

「それで簡単に終われば良かったけどな」

「どゆことよ」

「このまま失敗しましたって事で辞めればどうなると思う?あの部活の顧問は現国の平塚だ。俺たちの学年のな。

つまり、辞めるときには心象を出来るだけ良くしなきゃ俺の内申が大変な事になる」

 

「お前も清々しい程の下衆だよ」

「あ、ばれた?すまねぇ!」

 

「とにかく…本当にやばかったらお前を頼る。いいか?」

「一人っきりの馬鹿にゃ、ダチが必要だな」

「ありがとよ」

「今更気持ち悪いぞ」

「ほっとけ」

 

「…じゃあ、またな」

 

そう言い、電話を切った。

 

 

 

 

 

 

俺が戻ると、比企谷は一色と合流したようだった。

そして、俺は彼らの視線の先に目を移す。

 

玉縄は、小学生共の相手とやらをしているらしい。

だが、すぐにその場を離れる。

 

「何すればいいか聞いてくる?」

「誰が?私無理…」

「先生に聞いてもらう?」

「そうだね…」

 

「私、行くよ」

 

俺は思わず眉をひそめた。

あの長髪の、どこか寂しそうな目をした少女。

あの夏休み中の嫌な記憶が蘇る。

 

なぜ鶴見がこんなところに居るのか。

そんな事、考えるまでも無く分かる。

俺は玉縄を一発本気でぶん殴ってやりたいと思った。

 

そして、彼女はどこか浮かない顔をした副会長のもとへ向かう。

 

「先輩?どうかしましたか?」

「いや…」

 

「どうしようか?」

 

困った顔で副会長が訪ねて来る。

 

「俺に聞かれても無理だ。あんなスカした野郎だし」

 

そういい、俺は玉縄のほうを顎で示す。

 

「あぁ、ごめん…」

「いいってこと」

 

「で、小学生への指示出し、どうする?」

「何も決まってないんですよね…あっちに聞いてみるしか…」

「対応についてはこっちが受けちまった…こっちで考えるしかないだろ」

「飾り程度なら作れんじゃねぇの?邪魔にはならなそうだし」

 

「そうですね。じゃあそうします」

 

ひとまずはいいだろう。ひとまずはな。

だが、中身が決まっていない以上、どうする事も出来ない。

彼は、何を思ってか玉縄の元へ向かう。

 

「ちょっといいか?」

「何?」

「さすがに中身決めないと人手があってもどうにもならないんだが…」

「じゃあみんなで考えよう」

 

出たよ。皆で考えよう。はっきり言ってクソだな。

 

「こっちでやる事は絞る。それを検討したほうが良いんじゃないか?」

「でもそれって、視野を狭める事になると思うよ?みんなで解決する方法を模索するべきだと思うよ」

「時間がないんだ。とにかく決めなきゃ意味がない」

 

「そうだね…それもみんなで考えて行こう」

 

俺はため息をついて頭を掻く。なんで一緒にやる必要があるのか。人類皆兄弟のつもりか。

正直クソひねり出すだけの豚の方が立派に思えて来る。

 

「焦る気持ちはわかるよ…でも、みんなで頑張ってカバーして行こうよ。な?」

 

彼は俺の肩に手を置きながら告げる。正直このままぶん殴って机に死ぬまで叩き付けてやりたい。

 

「決めるんなら今からにしてくれ」

「分かった。早速会議に入ろう」

 

それからというもの中身の何もない会議が続く。

このままだと終らなくなる。これでは俺が辞めるにはやりにくくなる。

ああ、クソ。嫌だ、嫌だ。まだ終わらないのか。この悪夢は。

 

 

 

血反吐をぶちまけちまいそうだ。

 

 

 

 

 

 

雨だ。

俺は傘から滴り落ちる雨粒を見つめながら歩く。

地獄へと滑り落ちていく俺の様にも見えて、それは相当滑稽なさまだった。

 

はっきり言おう。俺は雨の夜が好きだ。自分の本能なのであろう。

こんな夜に濡れたままの髪で眠ってしまいたい。

 

そんな事を思い、俺は椅子にもたれ掛かる。

 

「なあ…どう計算してもも予算が合わないんだけども…どうしようか?」

「やる内容削るかカンパか…ま、内容を削るしかないだろ」

「せんぱい、もうすぐ飾り作りが終わっちゃうんですが…」

「俺に聞くな比企谷に聞いてくれ」

 

俺は厄介な面倒事をさらっと比企谷に回す。

彼女も納得してくれたようで良かった。

 

というかもうこれはサポートやフォローの問題ではないような気がしてきた。

これは完全に俺達に仕事が押し付けられてるだけだ。

今更感が凄いがそう感じてきた。

 

その後俺はまたある仕事を押し付けられる。俺は仕事を押し付けた奴には聞こえないように舌打ちをする。

 

「こっちでやる事は絞った。大半は予算的に無理だが精査しといた」

 

俺は玉縄にそう告げながら紙を渡す。

 

「うん。これで問題点ははっきりしたね。じゃあみんなでどうすればいいか話し合おう」

「時間的に無理がある。あと一週間だぞ?分かって言ってるのか?」

「バンドなら外注で頼める所もあるし組み合わせ次第で僕らなりのイベントができると思うんだ。だからみんなで検討しよう」

 

ああ出た。もうこのセリフを何度聞いたことか。

頭に響く。まるでハンマーの様に。

 

 

「とにかく次の会議で決めろでなけりゃこのイベントは失敗だぞ」

 

俺は声のトーンを低めにして言い残すと適当にふらふら歩きだす。

俺の目は隅で飾り作りを黙々とこなし続ける少女に向かった。

 

 

 

最悪な林間学校の記憶がフラッシュバックし、胃の中身を全部ぶちまけちまいそうになる。

 

「一人で作ってんのか?」

 

片足体重のまま気怠そうに尋ねる。

彼女からの返答は無い。当然だ。というかそのまま無くていいもんだが。

そう思いつつまたふらふら歩く。

 

「見て分かんない?」

 

ラグいな。BF4の鯖かよ。

アメリカンNoob達が顔真っ赤だぞ。

 

俺は隣に黙って座り込み、飾りの入った缶ケースを取る。

 

「何して…?」

「見りゃ分かるだろ。作ってんだよ。飾り」

 

彼女は少しムッとした視線でこちらを見つめつつ尋ねる。

 

「ほかにやる事無いの?」

「俺のノートPCの電池が切れたんよ」

 

少し自嘲気味な笑みを浮かべながら応える。

 

「暇人」

「残念。俺はゲス野郎だ」

 

「ふふっ…何それ」

「言ったとおりだよ」

 

得意げな笑みを浮かべ飾りを作る。

最終的には早めに終わったのでこの後何やるかを決めなければならない。

 

「これで終わりか?」

「うん」

 

彼女は小さく頷いた。

 

「じゃ、俺ちょっとコーヒー買いに行くわ」

 

そう言い、財布を取り出そうとポケットの中身をあさりつつ立ち上がる。

 

「あ、あの…」

「ツリー作りならあっちだ」

「あ…うん…」

 

彼女は何か言いたげだったが、気にはしない。

俺は最寄りのコンビニへと向かうべく、歩みを進めた。

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