やはり趣味を極めるのは間違っていないはずだ   作:hideo99777

8 / 24
ゲーマーの一番長い日

戻ると、ちょうど広場で昼食の準備をしていた。

いやまぁ、その時間にあわしたんですけどね。

まぁペギーがいるし、そうそうトラブルは起こらないだろう。

 

ふと、例の少女が気になるも、さっさと忘れて、木陰でさぼろうと、気づかれないように木陰に行き座り込む。

 

座り込んだ後、あの少女のほうに視線を向ける。

ただ無表情で、黙々と作業をこなし続ける。

 

その状況に気づいたのかペギーが話しかける。

彼のやり方は望ましいものではない。

声をかけるにもあくまで内密にすべきだろう。

 

いつの間にかゴミ捨て場に寄りかかる。

 

比企谷の言葉に呼応するように、彼女は口を開く。

名前を聞いてきたので一応といった感じで自己紹介をする

 

「私は雪ノ下 雪乃」

「比企谷 八幡だ」

「三上 隆人だ」

 

自己紹介をするや否や由比ヶ浜が破壊力抜群のメロンをバインバインさせながらやってくる。

 

「鶴見 留美ちゃん…だよね。よろしく」

 

順番に顔を見つめた後、何か悟ったように口を開く。

 

「そっちの三人はあの辺と違う気がする…私も違うの…あの辺と」

 

あの辺とはさっきの連中、もしくはクラスメイトらしい。

 

あの行動は前からもあり、特に理由もなく、ランダムで誰かが選ばれ、犠牲になる。

そして自分の番になったというわけだ。

昨日の友が今日の敵ということだ。

そこで馬鹿みたいなことをしていた。そう気づいて、見限った。

あの連中に、クラス、下手するとこの社会だろうか。

そして一人でも戦うと決めたのか。

 

 

 

仕事がひと段落ついた頃に夕食をとることとなる。

騒々しい夕食の中で適当に夕食をひたすら無心で口の中に詰め込む。

 

ふと由比ヶ浜が一言漏らし、それに反応したアラサーの問いにペギーが答える。

「ちょっと孤立しちゃってる子がいたので…」

「かわいそうだよねー」

 

駄目だな。彼らでは解決できない。

問題の本質を理解できていない。

別に一人でいることは悪くない、悪意によっての孤立が彼らの倫理観に触れたのだ。

 

それに、もう一つ、根本的な誤解がある。

それは、小学校内の問題だということだ。

つまり、ここで首を突っ込めば、色々面倒なことになる。

余計なことはしないほうが良い。

 

「それで君たちはどうしたい」

「できれば可能な範囲で、何とかしたいと思います」

「それなら、その方法を話し合うことだ。私は寝る…」

 

平塚先生があくびをしながらロッジへと向かう。

困ったことになった。もう嫌だ。

可能な範囲でなど解決できる問題ではない。

そんな考えで、期待させられても無駄なだけだ。

状況は変わらなくて良い方、どうせ悪化するのみだ。

 

それに、今平塚先生が聞いているのは"僕達"の意見だ。

お前の意見だけで判断しないでもらいたい。

俺の意見はこのまま目をつむる事だ。

 

議論がヒートアップしている所で、僕は全く意に介さず虚空を見つめていた。

だが、精神的に参っていたせいか思ったことが口から出てしまう。

 

「とにかくみんなで仲良くできる方法を探さないとだめだね」

「お前、そんなんで恥ずかしくないのか?」

 

あっやばい口が滑った。

みんなこっち見てるよ。わかったよ。やってやる、俺やってやんよ

焦った僕は腹をくくり、言いたいことを洗いざらいぶちまけてやろうと思い、口を開く。

 

「第一、可能な範囲じゃ何もできやしない。ただの無駄な自己満足であり、時間の無駄だ。そんなんじゃ、解決どころか状況は悪化する。それにさっき先生が聞いたのは"僕たち"の意見だ、お前の意見じゃない。他人巻き込んでさぞ楽しいでしょうなぁ、こちらとしては迷惑だけどな。お前どういう神経してんの?」

「…」

「それにこれは小学校の問題だ、こちらとしてはさして問題じゃない。別に目を瞑っていればいい問題だ。そんな事にわざわざ首を突っ込むならお前だけにしろ。それに彼女はこちらに明確な助けを求めてない、それなら知らないふりをすりゃいい、どうせこちらを当てにしていない。みんな仲良くなんて妄言タラタラ吐くのは止めろ。反吐が出る」

 

全員が押し黙る。ざまぁ。こっちを巻き込むからだ。やるなら僕抜きだ。

あくまでも、淡々と洗いざらいぶちまけてやる。

 

「じゃあな、この件については僕のことは何も言わないでくれよ。"赤の他人"に迷惑をかけるほどお前らは落ちぶれちゃいないだろ」

「…」

「そうそう、こっちに迷惑かけんなら、お前ら全員クズだ」

 

ため息をついてこっそり持ってきたカルパスを口にくわえる。

 

「ありゃ…折れた」

 

仕方なく口に放り込み、咀嚼しながら、フラフラと歩きながらその場を後にする。

もう精神的に参ってしまっている。そのせいか足取りがおぼつかなくなっているのだ。

 

 

 

夜、皆が寝静まってしまったのだろうか、あたりには虫の声と川のせせらぎしか聞こえない。

そこで、黙々と釣り具を持って歩く。夜はシーバスが釣れる。

 

川に向かうと先客がいた。例の少女だ

 

「こんな時間に抜け出してたらやばいんじゃないか?」

「……別に、そっちこそ危ないんじゃないの?」

「大丈夫だよ。みんな寝てる」

 

昼間とは打って変わって少し穏やかで、そして寂しそうだった。

 

「…来るか?」

「…うん」

 

空いっぱいの星の下、目の前の流れる川にキャスティングする。

月明かりの反射した光がゆらゆら揺らめいて、まるで別世界のようだった。

 

「…隆人は楽しいの?」

「え?」

「一人でいて楽しいの?」

「…ああ、それも凄くね」

「…凄いね…隆人は」

「いや、すごいのは君だよ…あんなつまらない奴らとつるめてたんだ、僕だったらもう…」

「さみしくなったりしないの?」

「ああ、ゲームと僕の仲間以外が全部どうでもよくなって来た」

「なんで…?」

「簡単だよ、つまらないんだ」

「え?」

「君の周りにいる人が銃で嫌いなやつを片っ端から蜂の巣できるか?」

「できないよ、当たり前じゃん」

「そうだ、だからつまらないんだ、皆が」

「ふふ、おかしいね」

「ああ、自覚してる、頭のネジがどこかに吹っ飛んだみたいだ」

「君はどうだい?楽しいか?」

「…」

「まぁいいさ、でも、つまらなさに耐えられないなら縁を切るしかない。選ぶんだ。それしかないのさ」

「…」

「それに、悪意を持ってるやつと一緒にいてもただの時間の無駄だ、僕もそんな奴らに絡まれたこともあったが、最悪だった…君の友達を悪く言うつもりはないがあんな奴ら生きてる価値もない、そう思ってる」

「とにかく戻った方が良い」

「うん…分かった」

「ああ、じゃあな」

 

その後、目当てのシーバスが釣れたので、ロッジに戻り寝るため、歩いた

 

「比企谷…」

「三上か?」

「ああ、ここで何を?」

「寝れる気がしなくてな…」

「そうか…フォールアウトでもやるか?」

「いや、いい…それより、よかったのか?」

「何が」

「あんなこと言っちまって良かったのか?」

「いいのさ、思ってたことを言っただけだ」

「本当の事を…」

「いや、本当だ。それにこの問題はお前が解決すべきだ。お前なら解決にはさして手間取らないだろ」

「後、ロッジに戻るとき…」

「ああ…あれは…精神的に参ってた」

「なんでだ?」

「どうしても外にいるとストレスが溜まってな…その上ペギーの野郎がな…」

「ペギーって誰だよ」

「葉山だ、ペギー葉山っていうタレントいたろ、だからだ」

「はぁ…」

「とりあえずもう今日は寝よう」

「ああ…そういや、お前俺と同じ部屋だぞ」

「そうか、一緒に行こう」

「ああ」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。