イアソンに転生しちゃった   作:ぷるぷる

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◆注意

◆作者のギリシャ神話の知識は曖昧かつ適当。FGOにイアソンが出て来たのでノリで書いた。
◆FGOに出てきた金髪ワカ…イアソンと分ける為、この主人公の名前はイアーソーンになります。
◆舞台がギリシャ神話なので、同性愛や少年愛などの描写が微妙にあります。苦手な方は注意してください。プロローグのみにしかそう言った描写を書きませんが、念のためボーイズラブのタグを付けました。
◆主人公が強いです。FGOの金髪ワカm…イアソンとは違いロケットランチャーの様に戦闘します。




prologue とある英雄の生涯Ⅰ

彼が最初に認識したのは、自分は赤子になった、と言う事態だ。

そして、さらに正確に言えば、自分は此処にいる、と認識した瞬間である。それ以前の彼は日本に住む平均的な大学生だったが、良くある交通事故で死んだ後に〝神〟と呼ばれる存在に邂逅し〝オマケ〟を貰い再び違う世界に転生させられたのである。だがしかし、神にもらった〝オマケ〟が一体、どういう物かは彼自身知らされてはいない。

彼は徐々に意識を覚醒させ、目を開く。

白い光が瞼を刺激するが、眩しさあのあまり再び瞳を閉じる。だがそのお蔭で、周囲の音が徐々にだが聞こえるようになった。風のざわめきと枝葉が擦れる音共に、女性と男性の声が聞こえてくる。

 

「―――どうか、この子をお願いします。」

「分かりました。責任もってこの子を育てましょう。」

 

ぼんやりとその会話を聞きながら、再び目を開けると、たゆたう視線を懸命に焦点を合わせ、ようやく自分を抱いていた女性の顔と彼女が話している若草色の長い髪の毛の男を見ることが出来た。自分を抱いている女性は金色の髪の毛で堀の深いとても綺麗な女性だ、そして、若草色の髪の毛をした男もまた自分を抱いている女性に引けを取らない程、美丈夫だ。そんな彼女は泣きそうな顔で自分をその男に渡した。男は手慣れた手つきで自分を抱く。彼は思う―――自分を抱いている男の顔は何処かで見たことがあると。

けれど、名前だけは思い出せない…顔は知っているが、名前だけは思い出せない。確か、Fateのサーヴァントで彼にそっくりなキャラクターが居た気がする…。そんなこと呑気に考えながら、男にあやされ再び眠り着いた。

 

 

そうして、彼――――イアーソーンの運命は其処から流転する。

 

 

 

 

 

 

 

とある少年の日記 題名『古代ギリシャはショタコンしかいねぇ』 天気(晴れ)

 

 

やっと文字を書けるぐらい成長したのもあるが、古代ギリシャ語の勉強のため日記を書こうと思う。正直、日本語で書いた方が良いのかもしれないが、興味を持ったケイローン先生に解読される可能性があるので、普通の古代ギリシャ語で書く。

突然だが、私は転生者と言う奴だ。前世は普通の何処にでもいる先生志望の大学生。今世は金髪青眼美少年。その所為で変態どもに狙われる毎日を送っている。ちなみに、神と呼ばれる奴に美少年にしてくれとは頼んでいない。

 

何故、変態に狙われる事態になったかと言うと、俺が生きているのは何せ古代ギリシャである。古代ギリシャは少年愛とかがお盛んなのである。そう、同性愛だ。ケイローン先生曰く、年長の男性が年下の少年を愛する少年愛はギリシャでは普通らしい。といっても、それは肉欲では無く少年を徳のある立派な青年に育てるための教育として必要な事らしい。だが、悲しいかな、肉欲を満たすために少年を狙う人間も多い。

他のケンタウロスや人間の男性に一生のお願い!素股させて!って言われた時は、死ぬかと思った。

断ったらケンタウロスに強姦未遂されたし、もう嫌じゃ。でもケイローン先生は好き。

勿論、ケイローン先生はそんな人間じゃないから大丈夫だ。いや、ケンタウロスで不死だから人間じゃないけど。でも、教育のために必要だって言ってた…うん?教育にそんなの必要なくね?いやあ、おれはノンケだし。確かにケイローン先生はかっこいいけどさ。先生はそんなんじゃないよね?って尋ねたら、ニコニコ笑ってるだけだし…。

物凄くこわい………何時か食われるんじゃないかってびくびくしてる。

 

あと、この世界はどうやらFateの世界の古代ギリシャの様だ。だから、アルテミスがFGOに出てきたおっぱいぼきゅんぼきゅんで滅茶苦茶美人やった。でも、中身がスイーツだと思うと頭痛い。てか、ギリシャの神々って碌なの居なかったよね?ヤバくね?難癖付けられない様に、オリュンポス十二神とかにはちゃんと祈っておこう。でも、中身がスイーツだと思うと…。まぁ、いいや。

それと、自分の名前であるイアーソーン…どこかで聞いたことがある気がする。奥様は魔女のメディアさんの元夫だったような…うーん…ギリシャ神話詳しくないから全然わからん。ヘラクレスとかケイローン先生、アレキウス程度しか知らんぞ。

まぁ、どうにでもなるし、いいか。

 

 

ちなみに、ケイローン先生に酔っ払ったヘラクレスを見かけたら全力で逃げろと伝えた。何故なら、酔っ払ってケンタウロスに怒ったヘラクレスが誤ってケイローン先生に誤射したビジョンが浮かんだから警告しておいた。

 

 

 

 

 

 

 

とある少年の日記② 題名『燃やせばだいたい何とかなる』 天気(曇りのち晴れ)

 

 

ケイローン先生の処で暮らして、色々な技術を吸収していった。にしても、流石、ケイローン先生だ!医術とか何でも知っている。あと、同期…というか、一緒にケイローン先生に育ててもらってるアスクレピオスも凄い。ケイローン先生に弓や槍術や剣術、パンクラチオンを教えてもらって怪我塗れなったとき、ヤツの手当てをする実験体になっていたのだが、処置が手早く的確で感心した。将来の夢は医者で、死者も蘇らせたいとか言っていて純粋に凄いと思った。でも、何かフラグな気がする。うん、ゼウスの雷で即死した未来が見えるゾ。一応、死者系だと恐らく黙ってないハデス神には気を付けろと警告しておいた。

 

あと、暫く過ごして分かったが、どうやら体から炎が出せる。魔力放出というやつだろうか。ふざけて、某鉄腕アトムの真似をして空を飛んだら、怒ったケイローン先生の矢に撃ち落とされた。大きなたんこぶや落ちた所為でかすり傷ができて、アスクレピオスに手当てして貰った。にしても、ケイローン先生の怒った顔は怖かった。以後、怒らせない様にしよう。

その後は、炎の扱い方をケイローン先生に教わった。どうやら、俺の持つ炎は特殊なようで、扱いには注意しろと警告された。

あと、炎について自分で調べたのだが、怪我人の傷や病を治せるようだ。カストールにおちょくられて、カッとなって服だけ燃やそうとしたら、ケイローン先生の処に来た病人の一人を誤って燃やし、病気を治してしまった。その人には感謝されたが、ケイローン先生には怒られた。アスクレピオスが実験させろと物凄く食いついてきて怖い。カストールに頑張れよって肩を叩かれた。まるで意味が解らんぞ。

 

 

その出来事以降、アスクレピオスが以前よりもまして纏わりついてきたのは言うまでもない。しつこ過ぎて、燃やしたが逆効果だった。奴はマゾか。

 

 

 

 

 

 

とある青年の日記③ 題名『俺はノンケだ。』 天気(晴天)

 

 

 

恐らく12歳を超えた頃だろうか、色々な男にお誘いされて困っている。全部、丁寧に断っているが、しつこく来る。日本人の俺からしてみれば、ギリシャ人の感覚に付いて行けない。奴らの方が日本より先を歩んでいる。

あと、天から変なデカい鷹がやってきて攫われそうになったが激怒した女性の声が聞こえて鷹は逃げていったり、キラキラした人間味の無いイケメンに口説かれたが丁寧に断った。でも、頭を撫でられた。

ついでに、アルテミスに遭遇したゾ!めちゃくちゃ美人やった。キャー!兄さんが言ってた通り、かわいいー!って言われて小動物を愛でる様に頭を撫でられついでに、加護を貰った。

うーん、スイーツだった。

 

 

そんなこんなで、先生にそろそろ誰かと付き合ったら?と言われたが無理である。俺は何度でもいうがノンケだ。冗談で、抱かれるなら先生が良いですって言ったら、良いですよと返事された。

 

 

 

えっ?

 

 

 

 

 

 

 

とある青年の日記③ 題名『俺はノンケだった。』 天気(晴天)

 

 

 

ケイローン先生に授業(意味深)をされて、貞操とか色々と大切なものを先生に食われた。やはり、先生はテクニシャンだった。

 

森の賢者は格が違うな(白目)

 

 

 

 

 

 

 

とある青年の日記④ 題名『卒業』 天気(曇りのち晴れ)

 

 

ケイローン塾のみんなが成長し無事、卒業していった。アスクレピオスが本格的に医者として独り立ちするため山を下りるそうだ。一緒に来ないかと誘われたが断った。あと、カストールにも一緒に燃えて暴れないかと誘われて行きそうになったが、ケイローン先生の処で暫く医術の勉強をするのもあるが、ヘラクレスの魔の矢から先生を守るため、傍に居る事にする予定である。

あと、ヒュドラが近所で暴れていたからケイローン先生と一緒に倒した。

倒した後、仲間が復讐に来たようだが、ドラゴンライダーが夢でもあったので、ボコボコにして生け捕りにしたあと、飼う事にした。先生の反対されたが、ヒュドラが命乞いし始めたのを憐れんだ先生は飼う事を許してくれた。

その後は、ヒュドラを御する手綱を先生と一緒に造ったり、ヒュドラからいつでも召喚できるよう竜の召喚を教わったりした。

 

ヒュドラを今よりも強くするため、畑を荒らすドラゴンとか猪を餌にした。すると、女神ヘラが突如として現れ、ヒュドラを今以上に強くする方法を教わった。

その方法で育てたら、ヘラクレスが倒した並みのヒュドラになった。散歩が大変。

困っていたら、女神ヘラが再びやってきて、ヒュドラを人型にする魔法を教わった。ついでに、他の魔法も教わった。

そのお蔭で人型になったヒュドラ…九人に分離したのは流石にビビッた。

でも、その代りに害獣のドラゴンや猪が近所の畑によって来なくなり農民たちから感謝された。にしても、ヒュドラの餌探しが大変だ。

あと、ヒュドラを従えるのを見てカストールが『お前は人間を辞めたのか…仲間だと思っていたのにぃ…!』とか変な事を良い始めた。

何時も通り、ふざけながら、カストールゥー!俺は人間を辞めてないぞぉー!と突撃したら、泣きながら命乞いし始めた。なんでや。って思ったらケイローン先生に説教食らった。

 

どうやら、突撃した時、ついでにヒュドラが後ろから、ついてきていたらしく脅かしてしまったようだ。そりゃ、ヒュドラがやってきたら怖いよな。うん。

 

 

 

 

 

とある青年の日記⑤ 題名『神霊まがいはこわい』 天気(嵐)

 

 

ギリシャの神代はヤバい。其処らへんにドラゴンやら神霊紛いがウヨウヨしてる。

でも、慣れてドラゴンが害獣にしか見えない。彼奴ら家畜を喰い殺すわで、ファンタジーでのカッコイイイメージが消し飛んだ。殴り殺して、皮とかを剥いで売って、ヒュドラの餌にするのは定番。

霊基再臨素材に事欠かないZE☆

でも、神霊でもない精霊が一番怖いかもしれん。性質の悪い神霊まがいに口説かれて丁寧に断ったら、他の誰かに渡したくないとか言って殺されかけた。ヤンデレかよ。

 

ケイローン先生が居なかったらマジで死んでた。

 

 

 

 

 

 

 

「貴方は立派に成長しました。もう私から教える事は無い。そろそろ、真実を話しましょう。」

 

イアーソーンがケイローンの処に預けられ二十年の月日が経ち、彼が成人した頃。師であるケイローンは彼にある事を切り出した。何故、親元で育てられず預けられたのか。炎が出せるのか。その理由である。イアーソーンはケイローンの言葉を静かに聞いた。

自分の父親であるアイソンはイオルコスの国王だった。

しかし、神託で王位をペリアスに強奪されることを知り、再び自分の家族が王位に返り咲くため、女神ヘラに力を授けるよう頼んだ。女神ヘラは了承し、まだ母親の母胎にいる生まれていないアイソンの子供―――イアーソーンに龍の心臓を授けた。

子供が生まれた直後、現イオルコス国王ペリアスに王位を強奪され幽閉されかけた時に、息子の命だけでも救おうと、ケイローンの処に逃がした。今の処、幽閉だけで済んでいるが、いずれアイソーンとその家族は処刑されるだろう…と。家族を救うには、ペリアスから王権を返還させる他に方法は無いとケイローンは語った。

 

周りの面々が深い事情を持ってケイローン先生の処に来ていたので、薄々、それなりの理由があって自分も預けられているとは分かっていたが、まさか王子様だったなんて夢にも思っていなかった。それも、自分の心臓が人間の心臓では無く龍だとは思いもしなかった。そのため、かなり困惑していた。正直、〝王〟という職業に全く興味が無い(●●●●●)

ケイローン先生の処を去ったとしても、何処かの山の中に住み、彼と同じように子供に勉強や武術を教えたりして、ひっそりと生きていこうと考えていた。しかし、自分を救ってくれた家族を…逃がしてくれた人を見捨てる事はできない。

家族を救わなければいけいない…そう決心したイアーソーンの行動は早かった。

イオルコスに向かうためケイローン先生に見送られながら山を下り、川に差し掛かった時だ。嵐や雨が降っていないにも関わらず何時もよりも荒れており、不思議に思いながら魔力放出で飛んで川を渡ろうとしたところ、一人の老婆に声を掛けられた。

 

「そこの若い御仁。この先に用があるのかい?」

「えぇ、この先のイオルコスまで用事があるんです。」

「おぉ、そうなのかい。私もイオルコスまで用があるのじゃが、この川の荒れように困っておってなあ…急ぎの様なんじゃが…。」

 

老婆は困り果てた顔をして言った。それを聞き直感で彼女が本当に困っているのイアーソーンは感じ、困っている人間はほっとけないのもあるが、この川の荒れようでは老婆が渡れないと確信し、助ける事にした。

 

「そうなんですか…なら、俺がイオルコスまで連れて行きましょうか?」

「良いのかい?」

「勿論、困ってる人は見捨てておけないので!背中に乗ってください。」

 

そういって、イアーソーンは老婆を背負うと、足に魔力を集め、さながらロケットの様にイオルコスまで飛んで行った。背負われている老婆―――彼を試すため老婆に化けていた女神ヘラは内心、驚いたのは言うまでもない。

イオルコスの地に着くと、イアーソーンは老婆が女神ヘラとは知らず、優しく背から降ろす。

 

「用事に間に合えば良いですね。」

「う、うむ。お主の方もな。」

「では、さようなら。」

 

イアーソーンは老婆に背を向けると、ペリアス王のいる王宮へと向かう。そして、ついに謁見することが出来た。そうして、自分がアイソンの息子であることを打ち明け、強奪した王位を返還するよう申し出た。だがしかし、ペリアス王は老いても尚、地位に固執しており、イアーソーンを殺すため無理難題を吹っ掛けた。

 

『コルキスの国に、眠らない竜が守っている空飛ぶ黄金の羊の毛を持って来れば王位を譲ろう。』

 

イアーソーンは、その無理難題を快く了承した。だがしかし、その代わり書面での契約を持ちかけ、民衆や神々の前でペリアス王に著名させ、約束させた。

そうして、アルゴンコインを求めて、彼の冒険が始まった。

 

 

 

 

 

「良し…ペリアス王に民衆と神々の前で書面での契約と約束をさせた。これであの王が約束を破る事は無いだろう。さっさと、地図をかって、ヒュドラに乗ってコルキスまでいこう。」

 

早速、イアーソーンはコルキスに向かうため、地図をかおうとイオルコスの街中を歩いていた。そんな中、見慣れた人間―――カストールを見つけるも、驚きのあまり固まってしまった。何故ならば、カストールが二人も居るのだ。目を疑ったイアーソーンは茫然と突っ立っていたが、カストールが気が付き手を振りながら近寄ってきた。

 

「アレ…カストール…。カストールが二人も居るぞ。お前は分身の術が出来たのか…古代ギリシャのNINJAとはたまげたなぁ…。」

「意味わからんこと言ってんじゃねぇぞ!イアーソーン!てか、分身じゃねぇ!!こっちは、俺の弟のポルックスだ!!」

「兄貴…この人が炎で空を飛んだり、ドラゴンを素手で倒したり、ヒュドラ従えた人?」

「弟にどんな話をしたんだ貴様は…。」

「ありのままの事実を言ったまでだが?」

 

そうジト目でカストールはイアーソーンを睨み付ける。カストールにとって、イアーソーンが従えているヒュドラに追っかけまわされたのは、トラウマであり、心に深い傷を刻んだ。一体、誰が倒すべき怪物…それもラスボスが自分からやってくるとは思わないだろう。

 

「実際、素手で倒したじゃん。ドラゴン。」

「まぁな。でも、あの害獣は結構、弱い方だろ。ヒュドラとか神霊まがいの方がヤバいって。神霊まがいはトラウマもんだわ。先生が不死じゃなかったら死んでた。」

「てめぇ、先生を盾にしたのか!」

「するかよ!庇われたに決まってんだろ!育ての親をそんな風に使うか!」

「はぁ…ならいいんだが…これから何をするつもりなんだ?冒険にでも行くのか?」

「あぁ、アルゴンコインを求めてコルキスまでヒュドラに乗って海を渡ったり、空を飛んで行こうと思う。」

「ファッ!?」

 

それを聞き、カストールとポルックスは耳を疑った。船では無くヒュドラに乗っていく…?この男は一体、何を言っているんだろうか…?カストールはわなわな体を震わせた後、静かに呟く。

 

「もう突っ込みが追い付かん……弟よ…この馬鹿を押さえてアルゴスさんの処に行くぞ…。」

「分かったよ…兄貴…。」

「なッ!何をする!」

 

ポルックスは呆れながらイアーソーンを羽交い絞めにすると、ギリシア一の大工と言われているアルゴスの元へと向かう事になった。

 

「普通の人間はなぁ!ヒュドラに乗って海を渡ったり、空飛んで冒険なんてしないんだよ!船に乗ってくんだよ!」

「別に乗る必要ない!ヒュドラに乗りながら空を飛んでいけば、コルキスまで4~5時間で着くって!飛行機ならそれぐらいで……」

「着かんわァ!!」

 

そう双子に突っ込まれながら、アルゴスの元までイアーソーンが引き摺られていったのは言うまでもない。

不服ながらもイアーソーンは双子を介してアルゴスに船の建造を頼む。すると、彼は快く引受け船の建造を始めた。その間、イアーソーンと双子は船員たちを募る事になった。

 

「こうなったら、他の乗組員を探さないとな。さっそく、ケイローン先生にでも、血の気の熱い人たち紹介してもらおう。」

「ソレも良いと思うが、普通に募集したらどうだ。」

「危険な冒険に行きたがる奴がいるとは思えんのじゃが…。」

「いや、お前に興味を持ってる奴が多いから普通に来るぞ。多分、決闘とか申し込まれるだろうが。」

「えー…戦うの面倒だから嫌だ。乱闘が始まったらヒュドラをぶつけよう。」

「お、おまえ…。」

 

真顔で吐いたイアーソーンの言葉を聞き双子は震えた。それに対して、イアーソーンはフォローするように言葉を続ける。

 

「大丈夫、大丈夫。人型に化けてるから平気。まぁ、体液とかが皮膚に付いたり噛まれたらお察しだけど。」

「全然、大丈夫じゃない!ていうか、ヒュドラって人間に化けれたのか!?」

「いや、化けれないよ。女神ヘラに魔法を教わって、人型に化けれるようにした。そのお蔭でかなり食費が浮いた。」

 

そんな事を言いながら3人でギャンギャン騒いだあと、双子は近くに見かけた英雄たちに声を掛けてくると言って、その場を去りイアーソーンのみが残った。其処にある一人の老婆に声を掛けられる。イアーソーンがイオルコスまで背負って飛んで行った老婆だ。

 

「そこのお若いの。聞いたよ、大変な事になってるようだね…冒険に行くんだろ?船はどうすんだい?」

「あっ!おばあさん、こんにちは。まぁ、何だか大事になってしまって…船はアルゴスさんに造ってもらう事になってます。」

「なるほどね……乗組員は揃ってるのかい?」

「カストールとポルックスは行くみたいです。ノリノリで他の人たちを呼びに行きましたし…あと、彼らが呼んでくる者たちとは別に九人ほど確定してます。他は確定していませんが。」

「そうか、ならば私が手頃なのを呼び寄せましょう!」

 

そう老婆が言った瞬間、姿がかわり美しい母性を纏った女性―――オリュンポス十二神の一柱 女神ヘラに変わったのだ。イアーソーンは呆気カランとした表情をした後、驚愕の声を上げる。

 

「ヘラ様だったんですか!?」

「全くイアーソーン…貴方と言う子は…ヒュドラに乗ってコルキスまで行こうとするなんて…行ける訳ないでしょう?コルキスまで行く道中、数々の試練が待ち受けています。空を飛んだとしても直ぐには着きません。少なくとも1~2年は掛かります。」

「なん…だとっ…。」

「貴方の見た未来の世界とは違って、この時代は色々な場所と繋がっていますから…ちゃんと見なさい。しかし、ご安心なさい。貴方は必ず冒険を成し遂げられるでしょ。私が全面的に補佐しますので…。」

「は…はぁ…。」

 

それを聞き、ほんの少し嫌な予感を感じながらイアーソーンは苦笑いし、女神ヘラに礼を言った。

 

 

 

 

 

女神ヘラの導きにより、ギリシアでも並々ならぬ実力者達がイオルコスのイアーソーンの元に集結した。

12偉業を成し遂げた英雄ヘラクレス。北風ボレアスの息子達で足のくるぶしのところに翼を持つカライスとゼテス。有名な音楽の名手として一般にもよく知られた伝説を持つオルフェイス。後のカリュドーンの猪狩りなどで名を馳せるアタランテ。トロイア戦争で有名な大英雄アキレウスの父親であるペレウス。そして――――

 

「久しぶりだね。イアーソーン。」

「げ、げぇ…アスクレピオス…やっぱり、お前も来たのか…。」

「当たり前だろ。冒険には怪我が付き物だ。さっそくだけど、血をくれないかな。君の血は非常に興味深い。あのヒュドラの毒に耐性がある人間なんて君ぐらいだ。ヒュドラの毒や他の毒の解毒剤になるかもしれない。この先の冒険で君の血で救われる命がある!」

「…………冒険の報酬は俺の血か。」

「それもあるけど、か――――。」

「言っておくが、血しかやらんからな!」

 

そうきっぱりいうと、アスクレピオスは至極残念そうな顔をし、カストールからは可哀想な物を見る様に見られた。そうして、50人ほどの英雄たちが集まった。

彼らがイアーソーンに質問してきたことで、一番多かったのはヒュドラを本当に従えたのか?ヒュドラの毒に耐性があるのか?だ。

言葉では実感がわいていない彼らに対して、イアーソーンはため息を吐くと、彼の背後にいた九人の男達を呼び寄せる。どれもこれも、人並み外れた美男子たちだ。

 

「……………プロトス、ゼフテロス、トゥリトス、テタルトス、ペンプトス、エクトス、エヴゾモス、オグドォス、エナトス。元の姿に戻れ。」

 

イアーソーンの後ろに居た男たちはそれを聞いた瞬間、美丈夫だった姿が徐々に変わり悍ましい九つの首を持つ竜――――ヒュドラへと変化した。それを目にした英雄たちは信じられない様な顔をして、ヒュドラを見つめた。

 

「……ほ、本当にヒュドラを従えていたのだな…。」

「私が倒したヒュドラよりも大きいような……。」

 

アタランテとヘラクレスは感心しながら、ヒュドラの姿を眺めた。カストールは震えながら、双子の弟であるポルックスにしがみ付いている。

 

「当たり前だ。オレが魔改造…育てたのだからな。あと、毒に関しては垂れ流さない様、封じているから安心してほしい。」

「そうなのですか、ならば良かった。ヒュドラの撒き散らす毒は凄まじいのでな…。」

 

そうヘラクレスは安堵した声で言う。しかし、背後にいたヒュドラ達は何時もより迫力が無い。寧ろ、ヘラクレスを見て怯えている。そんなにヘラクレスはヤバいのか…。一通り、ヒュドラを見せ終え、人の姿に戻すと、ある英雄が声を上げた。

 

「ふっ……うわさで聞いた実力は本当の様だな。戦いを挑むのは筋…決闘を申し込むぞ!大英雄ヘラクレス―――そして、イアーソーン!」

 

声を高らかに上げたのはペレウスだ。アキレウスに似た爽やかな顔して爆弾発言をしてきたのだ。

 

「いや、ちょっと待て…。ヘラクレスに決闘を挑むのは分かる。でも、なぜソレに俺も含まれている?!まるで意味わからんぞ!」

「何を言っている!強き武人に勝負を挑むのは当然の事だ。あのヒュドラを素手で倒し、従えたならば猶更だ!」

 

ペレウスの言葉を皮切りに、次々と英雄たちに決闘を申し込まれ、最終的に乱闘になった。とは言っても、事実上、43対1である。それも、唯の43人では無い。人外クラスの力を持つ英雄たちだ。

 

「うわぁああああ、袋叩きにされるのか!?だったら、コッチもそれ相応の手段…ヒュドラどもを解き放つ…!」

「私がついでに倒しておくか…。」

「やめろォ!ヘラクレスゥ!俺のペットを殺すんじゃあない!おのれぇ…てめぇら、アタランテや非戦闘員以外ぶん殴ってやるぞ!俺に決闘を売ったことを後悔しろ!」

 

 

そうして、後の世に語られるアルゴナウタイの英雄たちとイアーソーンの戦いが始まった。

 

 

 




◆いあーそーん………古代ギリシャの感覚についてけず、付いて行こうと無理して頭のネジが外れた。でも、現代人の感覚が抜けず、飛行機並みの速度で飛べばコルキスに直ぐにつくと思っていた。重度のFGO廃人。武器が欲しいが、自分の炎で溶かしてしまうため、ケイローン先生に作ってくれた武器も使えじまい。基本的に拳と其処らへんにある石で戦う。ヒュドラを育ててたら、ヒュドラの毒の耐性が出来ていた。

後、千里眼を使って未来が見れる癖に、目先の事を視なかったりする。趣味は千里眼でアニメや漫画を見る事。うひょー月姫2ヤバい。


◆かすとーる………双子座になった事で有名な英雄。実は双子じゃなくて、4人ぐらい兄弟がいる。常識人&被害者。イアーソーンのヒュドラに追っかけられたのは深いトラウマになっている。馬に乗るのが上手い。

◆ぽるっくす………兄と同じく双子座になった英雄。童貞喪失も何もかも兄貴と一緒にが良いブラコン。自分が不死だと気が付いていない。ボクシングが強い。

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