魔法の森
風見幽香のご自宅訪問から数日
何気ない、いつも通りの日常を過ごしています
今日は紅茶を片手に読書。アリスが人里へ出掛けて行ったので私は留守を任されている以外は特に変わった事はありません
この幻想郷にはまだまだ見所のある場所はたくさんあります。しかし、アリスの案内が無ければ初めて行く場所へはどこへどう行けば良いのかも分からなくなってしまう
ただでさえ、居候の身である私がアリスの貴重な時間を奪って案内をしてもらうのは流石に気が引いてしまう。時は金より貴重なのです
「・・・ふぅ。少し休みますか」
本を閉じ、残りの紅茶を飲み干し片付ける
片付け終わった後、太陽の暖かい日がさす外に椅子を取り出し、ゆっくりと腰を下ろしながら何処までも続く青空を見上げた
人形の様に物である私には気温や湿度といった物も特に感じず、暑い日でも今のスーツ姿でも特に問題なく、寒い日に薄着だとしても大丈夫
しかし、人間という元の素体から作り出された私にはこの様なぽかぽかとした暖かい環境の中にいると誰もが思う安らぎや居心地の良さが感じられる
かつて人間だった頃の記憶がこの体でも覚えているかどうかは知りませんが私はこういったひなたぼっこという物は好きです
元の屋敷ではついつい寝すぎて夕方になるまでぐっすり眠っていた事もあります
まぁ、この状態で不審者がやって来た事を考えて手はいくつか用意していますから問題は無いでしょう
そう思いながら瞼をゆっくりと閉じ、眠りにつくアリッサ
数分後
「おーい、アリスー!遊びに来たんだぜ!」
箒に跨りやって来た白と黒が組み合わさった服装と帽子に鮮やかな金髪の女性
彼女はアリスの自宅前に降り、目の前で座って寝ているアリッサに気がつく
「あれ、誰だコイツ?見ない奴だな。まぁ、いいか。アリスーいるか?勝手に邪魔するぜ」
そう言ってドアノブに手を伸ばすが
シャキ!!
「な?!」
彼女の周りから3人の成人男性がそれぞれレイピアを持ってそれを彼女の額、首、左胸つまり心臓辺りに突きつける
どれも人間にとって致命的な部分だ
「な、何だ!結構前の冬の異変の時にも同じ様な事があった様な気がするぜ!?」
「どう言ったご要件かは知りませんがアリスのご自宅に不法侵入するのは如何なものかと?」
「お、お前、起きてたのか?!」
「いや、寝ていましたよ。貴方があれ?誰だコイツと言った辺りで目を覚ましました」
「ほぼ最初じゃねぇか!」
「さて、貴女は何者でしょうか?出来れば女性を傷付けるマネはしたくはないのですがアリスにご自宅の留守を任されている身、素直に言えば何もしません。しかし、もし抵抗するようであれば・・・分かってますね?」クイッ
指を少し動かすと3人のレイピアを持つ手が動き、さらに近づける
「(こ、こいつら人形か?!アリスが作ってるのより人間みたいだぜ!)わ、分かった!言う!言うからこいつらどかしてくれ!」
「・・・分かりました」クイッ
人形たちはレイピアを下ろし、そのまま力が入らなくなったように顔や腕が垂れる
そしてそのまま人形たちを本の中に戻した
「お前、アリスと同じ感じの魔法使いか?」
「いえ、私も人形ですよ彼らとは違い自我はありますが。細かい事は後にして貴女は何者でしょうか?」
「・・・私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだぜ。アリスとは知り合いだぜ」
「アリスのご友人でしたか。しかし、普通の魔法使いとは変わった紹介ですね、どういった意味があるのでしょう?」
「人間だけど魔法が使えるから普通の魔法使いだぜ」
「おや?魔法使いは人間ではないのですか?」
「いや、魔法使いは人間って種族じゃなくて魔法使いっていう種族として認識してるんだぜ。当然人間より長命だぜ」
「・・・そうでしたか」
だとすればアリスも
長命ですか、時は金より貴重と思っていましたがアリスには不要な言葉だったようですね
「でだ、お前は人形だって言ってたけどアリスは遂に自我を持った人形の制作に成功したのか?」
「自己紹介が遅れました、私はアリッサと申します。私は幻想郷の外の世界からやって来た外来人・・・いえ、外来人形ですね」
「外の世界から?すげぇな、外の世界の人形は自我を持ってんのか」
「いえ、多分私だけでしょう。私はとある魔法使いに作られた特別な人形です」
「外の世界に魔法使いがいるのか・・・なぁ、お前って幻想郷に来てから何日くらい経った?」
「そうですね、2週間か3週間くらいですかね。アリスからの話ではどうやら文々。新聞なるものに私の記事が書かれていたとか」
「え、そうなのか(どうせ捏造ばかりだし最近見てなかったからな)」
「まぁ、取材などは受けてないのですがね。霊夢か幽香辺りから聞いたのでしょう」
「ふーん(あの幽香を呼び捨て・・・コイツは使えるかも)」
何やらニヤニヤしながら私の顔を見ますが何か顔に付いているのでしょうか?
「なぁ、アリスが居ないならアンタが代わりに私用に付き合ってくれないか?」
「私用?どう言った事でしょうか?」
「紅魔館って所に行くんだけど、そこで用事があるんだが。まぁ、荷物持ちとして人手が欲しいんだぜ」
「うーむ、しかし今はアリスから自宅の留守を任されているのですが」
「大丈夫だって、帰ってきた時に何か言われたら私が庇ってやるぜ。アリスも人助けにまで文句は言わないだろ」
「・・・」
確かに少々怪しいですが彼女も女性
女性が困っている所を見て見ぬふりなど紳士として許されない行為だ
「・・・分かりました。置き手紙を書いてからお手伝いをさせていただきます」
「おぉ、助かるぜ!」
(うーむ、女性にしては品がありませんね。せめて言葉遣いだけでも直すことが出来れば魅力的になると思うのですが・・・いえ、それは霊夢も言えることですが)
とにかくアリス宛の置き手紙を残した後、魔理沙と共に紅魔館に向かう事にした
童話などに登場する吸血鬼が住まうとゆう紅魔館
是非とも本物の吸血鬼をこの目にしてみたいと思っていましたが、こんなにも早く機会が訪れるとは今日は素晴らしい1日になりそうです
「シャンハーイ・・・」スッ