「おやおや、このような森の中で貴女の様なお美しい女性にお会い出来るとは。失礼でなければお名前をお聞かせいただいてよろしいでしょうか?」
「ふふっ、嬉しい事を言ってくれるのね。でも、他人の名を聞くときはまずは自分からではなくて?」
「おっと!これは申し訳ございません、少々怪奇な事と見知らぬ土地に心が舞い上がっていまして。ンッんー、自己紹介が遅れました。私めはアリッサともうします、お見知りおきを」
トップハットを掴みとり、胸に当てながら深々と頭を下げながら自己紹介をした
「アリッサ、まるで女性みたいな名前ね」
「おや、そうですか?この名前で女性のようだと言われたのは初めてですね」
「ごめんなさいね。次は私の番ね、私はアリス・マーガトロイド、この魔法の森に住む魔法使いよ」
「シャンハーイ」
彼女、アリス・マーガトロイドが自己紹介をしたとたんに彼女の背後から突如小さな少女が私の眼前にまでやって来ました
「おやおや、ご息女ですかな?宙を浮いていますが母君に似て可愛い子ですね」
「その子は上海というの。ちなみに私の娘じゃないわ、この子は私の作った人形よ」
「なんと人形!しかも宙を浮いて独自に動くだけでなく喋れるとは素晴らしい!」
いつにもなくハイテンションで拍手をするアリッサ
「あら?変わった人ね。喋る人形を見て大抵は気持ち悪がるものだけど「何をおっしゃいますか!?」ひゃ!?」
突然、アリスの両手を握り至近距離まで顔を近づけるアリッサ
「独自に動き喋る人形を、貴女のようなまだまだお若い女性が作ったこの可愛いらしい人形を誰が気持ち悪がるなどしましょうか!?きっと汗を流しながら思考に思考を重ねて出来た思い出深い人形の筈です!!もし貴女とこの上海を気持ち悪がるような輩がいたら私はきっと見てみぬふりなど出来ません!ましてや、女性が傷つくような事を言うなど紳士としてーーー…………」
両手を握ったままアリスの人形に対する愛情を必死(勝手)に語るアリッサ
そしてそれは徐々に紳士としての立ち振舞いとは何かを語るようになっていった
「え、えっと///しゃ、上海?」
「シャ、シャンハーイ///」
アリスは近距離まで迫っているアリッサに対して顔を赤くしていた。彼女自身、男性とあまり話した経験もなく初めて会った男性に自分の事を熱弁するほどほめられた事も今日が初体験だ
上海も自分の事を可愛いらしい人形と言われたのが嬉しいのか恥ずかしいのか両頬に手を当てながら顔を左右に振っている。助けは見込めなかった
「ア、アリッサ?」
「はい!どうしましたか!」
目を輝かせながらアリッサはアリスの言葉を待つ
「わかったから、その・・・離れてくれないかしら?」
「へ?・・・はっ!」
状況を理解したのかアリッサは手を離し、後ろに下がった
「申し訳ありません、ついつい熱弁してしまいました。昔から何かとどんな些細なことでも自分の趣味や好きなことに関すると熱弁してしまいまして」
「え、えぇ。ちょっと驚いたけど大丈夫よ・・・ところで話し変わるけど怪奇な事とか見知らぬ土地とか言っていたけどどういうこと?」
「えぇ、実はですね…」
アリッサはアリスに今の自分の状況を詳しく説明した
書斎で寝ていたらいつの間にか森の中で寝ていたり、自分の屋敷の近くの森ではこんなに胞子は舞っていないなど事細かく話した
「・・・と、言うわけなのです」
「そう、貴方は外来人なのね」
「外来人?外の国からやって来た人、いわゆる外国人というやつですかな?」
「ここで話すのもなんだし、私の家で話しましょう。今は昼とは言え妖怪が出ないわけではないわ」
「?、分かりました。右も左も分からないので貴女に従いましょうMis.マーガトロイド」
「アリスでいいわ。私も貴方の事をアリッサと呼ぶから」
「分かりました」
にこやかに微笑みながら正気に戻った上海とアリスのあとをアリッサはついていき二人は森の中へと進んでいった