幻想入りした次の日
「♪~~♪♪~♪♪~」
陽気に鼻唄を歌いながら雲一つ無い青空を眺めている私
昨日は夜も遅いし、ましてや行く宛も無い私をアリスが泊まって構わないと言ってくれたので私はお言葉に甘え、彼女の家に厄介になった
「アリッサ、朝食が出来たわ・・・何処に行ったのかしら?」
「おや?出来ましたか」
ヒョイッと体を起こし、下に降りた
スタッ!
「上から降りて・・・屋根の上に居たの?」
「えぇ、横になりながら青空を眺めるのにはやはり屋根などが最適ですからね。それより、良かったのですか?お手伝いなど頼ってくれてもいいのですよ?」
「構わないわ。食事の量が一人分増えただけよ、上海たちもいるし」
「だからこそ、なんですが・・・ではせめて料理を運ぶくらいは、それに人形使いのアリスに見せたい物もありますし」
「見せたい物?」
「はい、私が元の世界で作った物でして」
アリッサは本を取り、二、三ページ目を開きそのページの上に手のひらを乗せ魔力を送る
すると彼の足下から魔方陣が現れる
「これは・・・召喚魔法?」
そして、魔法陣から二体の人影が現れた、それはメイド服と執事服をきた二体の人形である
「私の作った人形たちです。いかがですかアリスさん」
「すごい・・・大きさは成人の人間位の身長かしら?」
じっくりと眺めるアリスに構わず、指の先から糸をだし、人形にくっつける
カタッカタッ
『ハジメマシテ、アリスサマ。シツジノニンギョウト』
『メイドノニンギョウデス』
「え?!嘘、喋った!アリッサ!この人形!」
「残念ながら彼らは上海たちの様に自分の意思で喋べれる訳では無いんです」
「え、そうなの?」
「彼らの喉辺りに口が決まった動きをしたら音声が流れる術式を組み込んであるんだ。しかも言葉はカタコトだからはっきり言ってまだまだ未完成の作品なんだ」
「でも凄いわ。ここまで人に似せられるなんて」
「それを言ったら独自に動かせる人形を作れる君の方が凄いじゃないか」
「あら、好きに動けるのは上海と蓬莱だけよ。他の子達は私が動かしているわ」
「おやおや、そうだったのですか?・・・あ、レンズを変えてないから糸が見えなかったのか」
私の目は本物ではなく作り物。内部でレンズを変える事が出来、視覚の調整が出来る
まぁ、それはいいとして早速私は料理を
「あぁ、もう私の子達が運んだわ」
「あら」ズコッ
アリスの言葉にずっこけそうになった
やれやれ、人形に気が行っている隙にと思ったのですが敵いませんねぇアリスには
と、朝食を終えて早速出掛けの準備をする私とアリス
今日はアリスが人里で人形劇をやるそうで、私は見学とそのついでに博麗神社へ行く事になったのだ
ステッキよし、本よし、トップハットよし、最後に服装よし
「じゃあ行くわよアリッサ」
「はい。いざ、人里へ出発です♪」
早速出発し、私はアリスの案内の下人間たちの住まう人里へと向かう
森を抜けた後は道なりに進めばす人里へ行けるようだ
ちなみにあの森は通称魔法の森と呼ばれ、幻覚をみせる胞子等が年中蔓延しているため人間はおろか、一部の妖怪も近づいては来ないらしい
ある意味危険な場所であるのと同時に隠れる場所には最適らしい
現在、あの魔法の森で暮らしているのはアリスを含めて三人
魔法の森入り口辺りに店を構える・森近霖之助
アリスと同じ魔法使い・霧雨魔理沙
近々、挨拶に行かねばなりませんね
数十分後
人里へ到着したアリスとアリッサ
アリスが来たとたん、幾数人の子供たちがアリスの下に駆け寄り彼女の人形劇を座って見ていた
「ふむふむ、なるほど」
私は懐からメモ帳を取り出してアリスの人形劇から得られた事を書き始める
主にどう人形を操っているかという技術面だけであるが
「はい、今日はここまで」
「もうおしまい?」
「もっとみたい!」
「ごめんなさいね。続きはまた次回にね」
子供たちは少し残念そうであるが、アリスに手を振って元気に走っていった
アリスもそれに答えるように子供たちに手を振った
「見事な劇でしたよアリスさん」パチパチ
「別に拍手を貰う程ではないわ。さて、次は博霊神社、の前に人里で買いたい物があるから少し留まるけど貴方はどうする?」
「私は少し人里を回ってみます」
「分かったわ。終わったら此処で待ってるから」
「女性を待たせるのは紳士の恥、早めにお戻りします」
そう言って私は人里内を歩く事にした
人里のほとんどの建造物は木で出来た物ばかり、私が住んでいた屋敷はブロックで出来たいわゆる西洋式の建物
こういった建造物は書斎の本で日本式の建物だと独学で学んだが実物を見るとなかなか渋くて味わいと言う物が感じられる
「おや?」
そんな感じで探索をしていると前方の花屋らしき建物に日傘を差した緑髪の美女を発見
「花を笑顔で愛でる美女・・・いいですね~、是非あのような方を絵にしたい物ですね」
そんな事を考えながら花屋の前を通りすぎようとした
・・・が
「そこのお兄さん、ちょっと待ってくれるかしら?」
「・・・はい?」
自分に人差し指を向けながら答えましたが、なぜ呼び止められたのでしょうか?
「さっき、遠くから私を見ていたわよね?」
「ああ、気づきました?花を愛でる貴女の姿に少し動かない胸がときめいてしまいまして」
「あら、人を褒めるのが上手なのね・・・でも」
「?」
彼女は私の傍まで近づきゆっくりと口を開く
「そういうの困るからやめてくれる?」
ゾワッ!!
緑髪の女性は笑っていながらも放った言葉はとても威圧的で殺意に近い物も僅かに滲ませていた
それに周りの人たちはビクついて、恐る恐ると二人から離れていく
「そうでしたか、申し訳ございません」
「「「「ッ!」」」」
アリッサのケロッとした返事に周りの人たちは驚愕した
「いかに貴女の姿が麗しいものとはいえ、赤の他人に見られるのは快くはありませんよね。今後は気を付けるよう注意いたします」
微笑みながら頭を下げて謝罪するアリッサ
「・・・気を付けなさい」スッ
彼女も最後まで表情を変えずアリッサを避け、そのまま去ってしまった
いやはや、可憐な花にはトゲがあるとはこの事ですかね?あまり、悪い女性には見えないのですが・・・あ、名前も聞き忘れてしまいました
「アリッサ!」
「おや、アリスさん?集合場所はここじゃないですよ?」
「何を言ってるの!!怪我とかない?!何処か壊されたとかは?!」
「いえいえ、何もありませんでしたよ。強いて言うなら名を聞きそびれた女性に怒られてしまいまして」
「・・・はぁ。人形になると恐怖心も薄れるのかしら?」
そう言って呆れながら言われてしまった。少し落ち込みます
それと彼女は風見幽香と言って向日葵畑に住まう花の妖怪だそうだ、とても恐ろしいとアリスも言いますがやはり悪い人、いえ悪い妖怪には見えないのですがね
さて、アリスの用事も終わったので我々は遂に博麗神社へと向かうのでした