いけにえの復讐   作:追星 翔

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第3話

 ――っはっ!?

 

 眠りから覚めたかのように、勢いよく上体を起こし、目を開ける。

 目の前には、森のように木々が360度立ち並んでいる。

 そして、日の光が刺しているから、昼とか朝とか、それくらいの時間帯のようだ。

 ……ここが何処か気になるが、今はそれより気になる事がある!

 

 慌てて俺は、腹を見た。

 

「……うわああああああああっ!?」

 

 穴が、塞がっている。

 しかし、もっと驚くようなことがあった。

 それは――

 

 ――体が、青く半透明になっているのだ。

 

 服装は、学生服のままだ。

 ただ、学生服も自分の体も青く光っている。

 

 これは、どういうことなのだろうか……?

 

「まさか……これ、幽霊ってやつか……?」

 

 腹をぶち抜かれて死にかけ、そして気がついたら知らない場所に。

 これって、どう考えても死んで幽霊になった、しかラノベ読んでた俺は思い付かない!

 いやいや、待て待て決めつけはまだ早い。

 

 俺は地に足をつけて立ち上がった。

 ……足は地につく、と。

 

 そして、俺は近くの木に手を伸ばす。

 すると、俺の腕は、見事に木を貫通した……何の手応えもなく。

 

「うわぁ……」

 

 顔の筋肉が勝手に歪む。

 そして、腕を横に振ると、すっと木から抜けた。

 

 ……うわぁ、俺、まじで幽霊?

 幽霊ってのは確か姿が見えない奴等かモンスターとか、大体そんな感じだよな……俺が読んできたものではそうだった。

 他の人なら喜んだだろう。女の子覗き放題だから。それは野郎だけだがな。

 

 だが、俺は喜べない。

 女の子に興味がないからとか、そんな理由じゃない。

 ただ、殺された結果だ、というのが腹立たしいのだ。

 何のために殺されたのか? 何か理由があったようだが、相手の都合で殺されるのは非常に苛立たしい。

 今すぐにでもあそこに向かって、アルバとかって奴とかに、理由を問いただしたい。

 

 そうするためには、まずあそこに戻らねば。

 俺は、適当に木々が並ぶ中を歩き始めた。

 

 ……町とかが遠かったら笑うぞ、まじで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……もう10分くらい歩いている気がするんだが。

 

「いい加減外出れてもいいんじゃないですかあああああああっ!?」

 

 俺は、未だに木々の中……森の中にいた。

 歩いても歩いても、全然景色が変わっている気がしない。

 というか、同じところをぐるぐるしてるだけとか……まさか、んなわけあるまい。

 ……とは言い切れないのが異世界の怖いところ。

 

「あぁ……疲れた。休もう……」

 

 足が棒のように突っ張ってきた。

 中学も高校も部活入ってないからなぁ……運動はしていないお陰で、非力な男子なのだ。

 

 俺は、近くの木に腰かけた……あれ? 何で腰かけられるの?

 

 手では触れないのに、背中は触れるってのは、どういうわけだ?

 ……そういえば、さっきは恐る恐る木を触ったけど、もしかしたら触れるって思えば触れるんじゃないか?

 今度は「触れるんだ」と思いながら触ってみよう。

 

 俺は立ち上がり、背もたれに使っていた木に手を伸ばす。

 

 触れる、触れる、触れる、触れる……。

 

 やがて手は木に届き……確かな木の固さを感じた。

 

「よ、よっしゃあああああああああああっ!」

「ひわぁああっ!?」

 

 やった! 触れた! 触れたぞ!!

 なるほど! 触れられると考えながら触ればいいのか!

 で、すり抜けたいときは考えるな、と!

 

「ど、どうかした、の?」

「木を触れたんだ! 触れたんだよ! ……って待て、誰っ!?」

「え、えっと……」

 

 別の人の声は聞こえてこない。

 つまり、誰かが俺に声をかけているってことだ!

 

 俺は、後ろを振り向いた。

 そこには、薄い黄色のワンピースを着ている女の子が居た。

 青い瞳が印象的な顔で、幼く見えるがかわいい部類に入ると思う。

 ……子供か? 身長的に見て。

 

 ただ、気になる部分がある。

 主に頭の上と腰の部分についてる物体。

 

「えっと、それ……獣耳と尻尾、ってやつ? しかも二本の角付きぃ!?」

 

そう、女の子には、俺の知っている人間が持っていない物を持っていたのだった。




わりと偏った知識なのかなぁ、とか、主人公の思考がおかしくね? と思う今日この頃。
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