父親に罰として課せられた1週間の接触禁止令。元々距離の近かった京と乙女の2人にとってそれは、苦痛を強いられるものだった。尤も、恋人関係になった事を両親に報告しなかったことが原因なのだが。触れ合いは出来ずとも顔を合わせ話したりは出来るため初日は問題なかったが、2日目からは触れ合えない故にもどかしさだけが募ってしまった。
そんな日が4日続いたある日の教室。
「うぅ……京と触れ合えない……」
「自業自得だろ、それ」
机に突っ伏して項垂れている乙女を見て、霞黒が呆れた様子でそう言う。一緒にいるあやめは同じく呆れて肩をすくめ、エレナは他人事と思えないのか、苦笑している。
「私も耐えられないわね〜……」
「まぁ、事後報告はダメね、内容が内容だし」
「そうだけどさー……」
「……どんだけショックなんだよ」
「じゃあアンタも想像しなよ。エレナと1週間触れ合えないこと」
恨みがましそうに睨む乙女に言われて、霞黒とエレナは顔を見合わせる。この2人は去年から、周りが引くほどのバカップルとして有名だ。そんな2人が同じ罰を課せられるとどうするのか、そう思って聞いてみると、
「2日も保たないな」
「もうちょっと耐えなよあんたは」
思ったより忍耐力がなさすぎて、今度は乙女が呆れる。実際に禁止令を出せばどうなるかと考えたが、所構わずイチャつくバカップルを引き離せばどんな砂糖テロが起きるか想像に難くないと思いとどまる。誰だって砂糖テロの戦犯にはなりたくはないだろう。
「あと3日、耐えれるかな……」
ぼそっと呟いたそんな言葉は、始業を知らせるチャイムにかき消される。
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乙女が教室で愚痴をこぼしている頃、2-Cでも同じ事が起きていた。
「うぅ…義姉さんと触れ合えない……」
「1週間だっけ?あと3日頑張ろ」
「先輩も、いつもに増して部活に顔出さんけぇの。まぁ、普段から来んのじゃが」
力なく机に突っ伏す京の周りにいるのは、恋とすずめ、そして隣の席故に巻き込まれている雅。
「自業自得だろそれは」
「そうだけどさ……普段のハグとか寝る前のキスとか何も出来ないんだよこっちは……」
「なるほど、これは重症だね」
栢嶋家の風紀がそこそこに乱れている事に、若干引き気味になる3人。これでまだ恋人になって1ヶ月も経っていないというのだから、今後が心配になる。
その後は京を慰めつつ、授業が始まるまで他愛もない話を続ける。時折唸るような声を上げる京だが、その度に雅からデコピンを喰らう羽目になった。
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接触禁止令を出されて1週間経った土曜日。ついに解除されたその日の午後、2人は布団に潜りベッドの上で抱き合っていた。閉められたカーテンの隙間から夕焼けが差し込み、部屋には2人の服が乱雑に脱ぎ捨てられていた。
「しちゃったね」
「まぁ、約束してたし」
今日を迎えれば一線を越えよう、と罰を課せられた日にそう話をし、幸か不幸か両親とも不在だったので2人は朝から互いを求め合っていた。その為部屋の中は汗や体液などの匂いが充満しているのだが、2人は特に気にしていないようだ。
「それにしても、買ったばかりのこれもう使い切るなんて…京のすけべ」
「長時間ヤり続けてくる性欲魔人に言われたくない……」
悪態を吐きつつも離れる気はないようで、さらに密着してはキスをし合う。朝から昼前まで続け、軽く昼食を摂ってからまた今まで盛りに盛っていた。
「もっとしたいけど、片付けとかしないとまずいか」
「うん。そろそろ、父さん達帰ってきそうだし」
名残惜しそうにベッドから出た2人は、服を着替えて換気をし、散らばったゴミを捨てていく。両親が帰ってくるまでに何とか片付け終えたものの、2人の妙な雰囲気から諸々を察した母にしばらくの間弄られることを、この時の2人には知る由もなかった。ついでに父には盛りすぎないようにと説教された。
お久です、クロウズです。スイカゲーム楽しい。
2人が課せられた罰である接触禁止令は、栢嶋父だから出せました。これが火野父みたいな人だと出なかったですね。そんな禁止令も、解除されたその日にあんな事にまでなるとは栢嶋父も思ってなかったようです。あの義姉弟、性欲強すぎる……。
次回こそこちらは最終回になるかも。
では、今日はこの辺で。艦隊が帰投しましたー。お疲れ~ぃ!