俺達/私達の関係   作:クロウズ

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プロローグ 『義姉』と『義弟』

 ―――親父が再婚した。それに伴って引っ越しすることになって、相手側の家に住むことになった。急な仕事が入ったからと先に行かされて挨拶に行った俺の前に現れたのは、文字の入った変なTシャツを着た髪の長い人だった。義姉になる人がいることを伝え忘れた親父は後で殴った。Tシャツはいい趣味してると思った。

 ―――母さんが再婚した。それで義理の弟ができるって言われたけど、私としてはどうでもよかった。だから何時来るかも気にしてなかった私は、着の身着のままで文字の入った変わったTシャツを着た義弟となる奴の前を出迎えることになった。シャツはいい趣味してると思った。

 

 

 

 

 

 4月のある日の朝。始業式も終り、授業が開始されるようになったそんな日に、新しい生活を送るようになった少年と少女が、ここ栢嶋(かやしま)家にいた。

 

 

「ふぁ~あ……ねみぃ………」

「やっと起きたんだ」

 

 

 キッチンに立ち、エプロンを身につけて2人分の弁当を作っている少女は栢嶋乙女(おとめ)。腰まである水色の長い髪と左目の下にある泣き黒子が特徴的な少女だ。顔立ちが良く長身なこともあり、目を引くことは間違いないだろう。

 欠伸を噛み殺しながら居間に入ってきた少年は栢嶋(きょう)。寝起きのため焦げ茶色の髪には寝癖が多く目は半開きと、だらしない格好だ。さらに格好で目に付くのは、彼の着ている『義弟』と書かれたTシャツだ。彼の姓は元々は武蔵野(むさしの)だったが、彼の父が乙女の母と再婚したことにより栢嶋家に越してくることとなり、こうして義理の姉弟となった。彼のTシャツは自己紹介のようになっているが、おそらくは偶然だろう。

 

 

「う~……義姉さんおはよ………」

「おはよ。弁当用意してるから、顔洗ったら自分で包んどいて」

「…りょーかーい……」

 

 

 洗面所へ向かう京を見送った乙女はエプロンを外し、着替えのため部屋へ戻る。その際に見えた、エプロンに隠されていたTシャツには『義姉』と書かれていた。こちらもおそらくは偶然だと思われるが、この姉にしてあの弟あり、である。

 

 

 

 

「いただきます」

「ん、どうぞ」

 

 

 着替えなどを済ませて食卓に着く2人。どちらも同じ学校・聖櫻学園の制服で乙女は3年生を表す赤のネクタイ、京は2年生を表す青のネクタイをしている。

 

 

「あ、そういえば京。義父さん達から連絡あった?」

「新幹線でトラブルがあったからもう1泊するかもって、今来た」

「そうなんだ。しかも今……」

「ベストタイミング、なのかな。うまー……」

(……なんで動いてるんだろ)

 

 

 味噌汁を啜った京はほっと息を吐き、犬耳の様な癖毛がパタパタと動く。それを眺めていた乙女は手を伸ばし、ポンポンと頭を叩いた後撫で始める。

 

 

「義姉さん、どうかした?てか撫でないで」

「いや、なんでも。やっぱ京って犬っぽいなって」

「だからそれ止めてって……撫でるなってば!」

 

 

 ずっと撫で続ける乙女の手を払いのけた京はすぐに朝食を平らげて食器を洗い始める。乙女の方も食べ終えると、食器を京に渡す。両親がいない時の食事はどちらかが用意をし、もう一方が後片付けをするようになっている。

 京が食器を洗い終えると待っていた乙女が京の鞄を投げ渡し、2人そろって家を出る。

 

 

「京はまず職員室に行くんだっけ」

「うん、確かそうだったはず」

 

 

 引っ越しや転校の時期が時期だったため、先日に転校手続きがようやく終ったことで京はこの日から正式に聖櫻学園の生徒になる。

 

 

「んじゃあ一応職員室までは案内するから、そっからは先生に任せるか」

「悪いな義姉さん。貰った資料ん中に校舎見取り図入ってなかったからさ」

「別に案内するくらいならいいって。ま、ついでに見取り図貰えば?」

「そうする」

 

 

 2人、そんな話をしながら学校へ向かう。これからの生活がどうなっていくか、頭の片隅に思いながら。




 ども、何度襲撃に備えても奇襲してくるエラー娘に勝てないクロウズです。
 『カメラと棒付きアメと』の9話目を投稿した翌日に投稿するという、ちょっとした無茶をやってしまいました。お陰でニンニンジャ―見逃した……………。


 こちら、『俺達/私達の関係』はご覧の通り、苗字がなかなか読まれない栢嶋乙女さんとの義姉弟設定で書かせていただきます。きっかけは前回のイベントの乙女さんがおかんっぽかったからですね。ほぼほぼ衝動的に書いたものですので、『カメラと棒付きアメと』ほど長くはならない予定です。



 それではこの辺で。暁の水平線に、勝利を刻みましょう!
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