俺達/私達の関係   作:クロウズ

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1話目

 乙女に職員室まで案内してもらった京は、そこで担任である教師と少し話をした後C組の教室に案内される。そして今、その教卓の前で自己紹介をしているところ。

 

 

「本日付けでこちらの2年C組に転校してきました、栢嶋京です。よろしくお願いします」

 

 

 何故か両足を揃え敬礼という仕方ではあるが。

 ここ、聖櫻学園には個性的な生徒が多いと言われるが、彼もなかなか個性的な生徒だった。

 

 

「あ、栢嶋の席はあそこね。ほいじゃ、席着いて」

「はい」

 

 

 指定された席は廊下側から2列目、後ろから2番目という位置。京はそこに向かい椅子に座ると、担任は教科書を開き授業を始める。

 

 

「んじゃ、授業始めるから質問とかしたかったら休み時間にねー」

(あ、そういや教科書まだだっけか)

 

 

 転校の時期が時期だった為、教科書一式はまだ手に入っていなかった。そして不幸なことに、左右どちらの席にも生徒はいなかったため、隣の席の生徒に見せてもらうということが出来なかった。このままでは授業をまともに受けれず、寝て過ごすという行動も気が引けてどうしようか考えていると。

 

 

「ねえ、転校生君」

「おうっ?」

 

 

 背中をつつかれ、振り返ると後ろの席の少女に教科書を突き出される。

 

 

「はい、今日は貸してあげる」

「お、おう。えーっと」

「ああ、私は霧生(きりゅう)典子(のりこ)よ」

「ありがとな、霧生。あと、転校生じゃなくて栢嶋な」

 

 

 教科書を受け取った京は頭を下げてそう訂正し、担任が説明している箇所のページを開き授業を受ける。

 

 

 

 

 

 そして、午前の授業を典子から教科書を借りることで何とか乗り切った京は昼休み現在、

 

 

「お昼の放送の時間です。本日は櫻井(さくらい)明音(あかね)がお送りします」

 

 

 クラスメイトであり放送委員である櫻井明音に捕まり放送室に連れて来られていた。なんでも昼休みの放送のゲストとして出てほしかったらしい。

 

 

「今回は私達のクラスに転校してきた新しい仲間、栢嶋京くんに来ていただきました。それでは栢嶋くん、自己紹介をお願いします」

「ご紹介に与りました、本日付でこちらに転校してきました栢嶋京です」

「栢嶋くんは以前はどちらに?」

「あー、佐賀生まれなんだけど、早い内に引っ越して去年までは山口に」

「では、今回が2回目ってことですね」

「そう、だな。まあ今回は、親父の再婚でこっちに来たんだけどな」

「へぇ~、そうだったんだ…………って、そういうのって放送していいのかな?」

「それくらいなら大丈夫だろうって連絡取ってるから気にすんな」

「いつの間に!?」

 

 

 そう驚く彼女にスマホを操作してその画面を見せ、余計な気を負わせない所を話していく。

 

 

 

 

   ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲

 

 

『じゃあ、乙女先輩の義理の弟になったってことなんだ』

『まあ、そうなるな』

 

 

 

「へ~、乙女ちゃんの弟くんか~」

「あんたが男子に興味持つなんて珍しいね」

 

 

 今もなお続いている放送を聴きながら、乙女は自分で作った弁当をつつき、対面に座って昼食を共にしているクラスメイトの望月(もちづき)エレナを意外そうな目で見る。この望月エレナは三度の飯より女子が好きを地で行っているので、当然と言えば当然の反応。だが彼女には去年から付き合っている男子がおり、付き合い始めた当初は周りが呆れ返るほどまでにべったりだった。当時はクラスも違い接点もそこまでなかった乙女には知る由もなかったが。

 

 

「私だって、男の子に興味持つことくらいあるわよぉ。実際霞黒くんと付き合ってるし」

「ああ、そういえばそうだっけ。で、その彼氏クンは?」

「風邪でお休み。で、乙女ちゃんの弟くんってどんな子なの?」

「この放送聞いてたら解るっしょ」

「乙女ちゃん的にどう思ってるのかなぁって」

「どうって、少し手のかかる義弟だよ」

 

 

 それ以外のなんでもない、と言いたげに手を振る。エレナはそれでも他の言葉を待つようにしてこちらを見続けてくるので、無視を決め込む。

 

 

(そういえば、京の趣味ってあまり知らないな。あの子、普段何やってんだろ)

 

 

 

『というわけで、もうお別れの時間。来週のお昼休みにまたお会いしましょう。SeeYou.bye-bye』

 

 

 

「…………あ、聞きそびれ―――何か言いたそうだな望月」

「ん~?そんなことないわよぉ~」

 

 

 残念そうな目をスピーカーに向けていたようで、対面にいるエレナがニヤニヤしながらこちらを見てきていた。

 

 

「で、さっきの目はなんだったのかしらね~」

「……別に。そろそろ授業始まるんだから、とっとと戻りなよ」

「もう、いけずね~」

 

 

 頬を膨らませて席に戻るエレナに溜め息を吐き、机に伏す。その表情が少しばかり硬いのは、エレナにからかわれたのが原因かは、本人にしか解らない。

 

 

 

 

   ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲

 

 午後の授業も終り、大半のことは昼休みの放送で話したお陰でクラスメイトから質問攻めをされることがなくなった京は、3年生のフロアに来ていた。その理由としては乙女に会いに来たのだが、彼女のクラスが解らずどうするか悩んでいた。

 

 

「うーん、事前に聞いておけば……おっ」

「……あれ、京?」

 

 

 階段のそばで立ち往生していると、女子トイレから出てきた乙女と会う。

 

 

「わざわざ3年のフロアに来て、何か用?」

「一緒に帰ろうかなって」

「ああ。いいよ、今日は部活もないし」

 

 

 鞄など荷物を取りに一度教室に戻ると言って離れる乙女を待ち、戻ってくると並んで帰宅を始める。

 

 

「放送、聞いたよ」

「あー、だよな。俺変なこと言ってなかった?」

「平気平気。…………途中聞き逃したけど」

「おいおい……」

 

 

 その際の話題はやはり昼休みの放送や授業中など、京の話がメインとなった。転校初日でも問題なく過ごせたようで、その事を楽しそうに話す京の横顔を見て、乙女は優しく微笑んだ。




 ドーモ、羅針盤の妖精=サンに翻弄されまくってるクロウズです。
 ガールフレンド(仮)でのプレイヤーってC組在籍らしいので、京もC組に入れました。B組に入れるよりはやりやすいと思いたい。



 今日はこの辺で。Tea Timeは大事にしないとネー!
 あ、ガールフレンド(仮)きみと過ごす夏休み買いました
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