3ヶ月くらい前に書いた文章に加筆しているので途中からちょっと文体が変わっているかもw
ちなみに、この話は、優しい物語ではありません
主人公を落としていく感じです←ここ重要!
それでもよろしければ、どうぞお付き合いください
今俺は、あのクソ店主に用を頼まれて34層にいる。
つまり、その店主のクエストを受けたということだ。
この世界は当然だが、俺が来る前にも死んだ人が沢山集まっている。
という訳で、俺が来る前にも攻略し続けられている訳である。
ただいまの最前線は、128層だ。
何年かかっているのかは知らないが、長い間ここは存在しているようだ。
しかし、紀元前からあった訳ではなさそうだ。
そんな前からここが存在していたら1万層はゆうに超えているだろう。
早くて4、5年、遅くて2、3年は立っているとみて間違いない。
なぜこんな突然出来たのかは分からないがここは死後の世界、誰かの望みでできたのかもな。
まあそんなことは置いておいて、俺は今34層にいる。
大事なことだから2回言った。
俺があの宿に泊まり始めて4日目、あの店主が俺に用事を頼んだ。
いきなり頭の上にビックリマークが出て、レベルが5に上がった俺に小さな箱と手紙が入った袋を無言で渡してきた。
何事かと思った俺は店主に、
「………くれるんですか」
と聞くと、凄い目で睨まれた。
当然びびった俺は断れないと即座に悟り、
「………どこに持っていったらいいんですか」
と再度聞いた。
おっかねえ……。
店主は、
「…………………………………………34層の湖のそばの家」
とだけ言って無言で去っていった。
…………………情報少なすぎるだろ。
どうやって突き止めればいいんだ。
というか、人にモノ頼む態度じゃねえだろ。
たとえNPCでも、頼む時はきちんとお願いしますを言うべきだ。
…………………………………………………はあ、仕方がない。
という訳でその袋を届けるために俺は34層にいるって訳だ。
ちなみに、その家は《圏内》にはないと言われた。
そこで《隠蔽》スキルと《聞き耳》スキルをとった俺は、全力で敵から逃げながらその家を探している。
ここ数日でわかったことだが、ここはニュービーでもやっていけるようにあまりレベルが関係ないようだ。
つまり、自分の実力と装備さえ整っていれば最前線の敵でも倒すことができるようだ。
まあ、相当の実力がなけりゃ無理だけどな。
レベルを上げるのは武器枠を増やしたり、スキル枠を増やしたり、持ち物の量の上限を増やしたりするためだな。
第1層ですべての装備と武器を新調した俺は、34層の敵と今のところ何とか戦っていけている。
あまりレベルが関係ないと言っても34階で戦えているということは、俺は生前にも戦う仕事についていたということか?
となると、俺は何歳だという疑問が生じてくるがこれもまた考えるのを先送りにしている。
これは記憶が戻ったら全部わかることだからな。
話が逸れたが、つまりはここの敵とは戦えるということだ。
大体は《隠蔽》か全力ダッシュで逃げているが、何回かは戦闘になる。
何時間もかけ、夕方になる頃にやっと湖のほとりに建つ1件の家を見つけた。
膨大な広さのフィールドの中から家を見つけるのはとても困難だった。
下手をすれば3日はかかると思うのだか、運良く見つけられた。
本当に良かった。
ほぼ一日中フィールドを駆けずり回った俺のレベルは8まで上がった。
代わりに、ポーションがほぼ底をついてしまった。
なので、この家があの店主の袋の送り主であっても無くても泊めてもらうしか方法がない。
割と本気で祈りながら家をノックする。
「………すみません、誰かいらっしゃいますか?」
奥からパタパタという足音が聞こえ、
「はーい、どなたですか?」
と髪の長い女性が扉を開けた。
「…………………あの、カーラさんですか?」
「はい、そーですねぇ。えっと、あなたは?」
そこで俺は初めて名前地まだ考えていないことに気がついた。
「……………………………………………えっとですね、俺、記憶をなくしているので……」
「あらー、それは大変ねぇ。じゃあ名前は置いておいて、私に何か用ですか?」
……………………この人大丈夫かな、詐欺師とかに引っかからないかな。
すごい心配になる。
まあそれはそれ、これはこれという訳でなぜ俺がここに来たか理由を話す。
「第1層のボロ……、いや、古い宿を経営している店主にこれをあなたに渡してくれと頼まれてここに来ました」
「そうなの、遠かったでしょうに。今日はここに泊まっていきなさいな」
そう言ってカーラさんは俺に微笑んだ。
ありがたく泊まらせていただくことにして、俺は少し緊張を解く。
装備も暗器を残して解除する。
最低限の警戒は残しておかないといざという時に危険だからな。
そうしていると、カーラさんが俺に食事を提供してくれた。
「運んできてくれたお礼にどうぞ。いっぱい食べてねぇ」
「すみません、泊まらせていただく上に食事まで」
「いいのよぉ、ここにはあまり人が来ないから退屈してたの。だから、あなたがここに来てくれてとても嬉しいわぁ」
「………ところで、袋の中身は何だったんですか?」
「………………知りたい?あのね、あれはあの人からのプロポーズの手紙と指輪が入っていたの」
………………………………は?
あの店主、ほぼ面識がない奴になんて大事なもん運ばせてんだ!
というか、自分で渡せよ!
あの店主を殴りたい衝動にかられながらも何とか冷静になった俺は、
「……………………それで、どうするんですか」
と聞く。
「もちろん受けるわぁ。だって、やっと言ってくれたんですもの」
「直接言わないのに、いいんですか」
「いいのよ、あの人とっても恥ずかしがり屋だから」
と嬉しそうにはにかみながら答えてくれた。
彼女がいいならそれでいいかと思ったので、これ以上聞くのは止めた。
「それで、返事はいつ言いに行くんですか?」
「もちろん明日行くわぁ。今日はもう遅いからねぇ」
「そうですか、なら、俺と一緒にあの店主のところへ行きましょう。俺が一緒でも、足手まといかもしれませんが」
「そんなことないわぁ、誰かと一緒にいるだけでとっても幸せになれるんだから」
そう言ってその日は眠りについた。
***
次の日。
俺とカーラさんは、あのクソ店主のところへ向かった。
何度かモンスターとエンカウントしてしまったが、カーラさんと俺で倒した。
カーラさんは意外と強かったというかむしろ俺がお荷物なんじゃないかってくらい強かった。
……このイベントおかしくない?
普通はもっとこう守られてますよ的な感じじゃないのか。
それとも、俺の価値観がおかしいのか。
その後、考えることを放棄した俺は、お荷物になるのも忍びなかったのでカーラさんを援護しながら無事クソ店主の店へたどり着いた。
開口一番に俺は、
「何てもん運ばせとんじゃいこのクソ店主があぁぁあ!」
と叫んだ。
この非リア充にラブレターを運ばせた罪は重い。
クソ店主は、
「黙れこのクソガキが」
と、一言。
見事に恐怖でだまりこむ俺。
しんと静まり込んだ店内。
一瞬が永遠にさえ感じられる空間に終止符を打ったのは、もちろんカーラさんだった。
「まあまあ、2人とも仲がいいのねぇ。」
……この現場を見てそんなことが言えるのはあんただけだよ。
………まあ、そんなこんなで一区切りついたので、俺は本題を切り出した。
「ところで返事はいつするんですか?カーラさん」
「あらまぁ、忘れるところだったわぁ」
…………マジで何しに来たんだあんた。
「……じゃあ、俺はこれで」
「まあそう遠慮しないで、ここにいなさんな」
と、カーラさんは言う。
遠慮なんてしてねえよ!
むしろ俺はこれから始まるリア充どもの会話を聞きたくないだけだ!
生き返って早々なんてもん見せつけようとするんだ神よ!
おふざけも大概にしとけってんだ!
そう心の中が荒れまくっているが表情には全く出さない俺に気づかずにカーラさんはクソ店主に話しかける。
「もう何年待ったと思ってるの?7年も待ったのよぉ」
「……………悪かった」
「まあいいわ、これでようやく私達はいっしょに暮らせるんだからぁ。全くもう、意気地なしなんだからぁ」
「……………悪かった」
「あなたさっきからそればっかりね。それよりももっと別の言葉が聞きたいのだけれど?」
カーラさんは微笑んでいた。
その微笑みに押されるように店主は言った。
「……………俺と結婚してくれ」
瞬間、カーラさんは満開の花が咲いたように笑った。
心の底から。
誰が見てもそれはそれは嬉しそうに。
「はい、喜んで」
2人は抱き合う。
俺はそれを見て、まあいいかと思う。
何やかんや付き合わされたが、2人が円満になったというのなら俺と不満は……………まあ、ちょっとはあるけど、この非リア充に見せつけんなとか思うけど、それも些細なことだ。
……と、いつまでも俺の存在を忘れさられるのは勘弁して欲しいので俺は、
「…………………………2人の世界に入っているところ申し訳ありませんが、そろそろ俺の存在を思い出していただけないでしょうか?」
と、2人に声をかける。
2人はそこでやっと俺の存在を思い出したかのように抱擁を解いて俺を見る。
「あらぁ、ごめんなさいねぇ。すっかり忘れていたわぁ」
……………じゃあ何で俺を呼び止めたんだカーラさん。
クソ店主は俺を忌々しそうに……………というわけでもなく、むしろバツが悪そうにこちらを見ていた。
……………なぜだろう。
ひとまずそれは置いておいて、そろそろ俺もおいとましよう。
「え、と。じゃあ俺はこの辺で。カーラさん昨日はありがとうございました。2人でお幸せに」
「あ、ちょっと待って、あなたには色々とお礼をしなくちゃ。本当にありがとうねぇ、あなたのおかげで私達はこうしてまた会えたの。何度お礼を言っても足りないくらいだわぁ。あ、そうだわ。あなた、何かお礼になるもの持ってない?」
カーラさんは店主に尋ねた。
店主はしばらく考え込んで、ふと思いついたように店の奥に入っていった。
……数分後、奥から戻ってきた店主の手の中には金色の繊細な装飾がされた小さなピアスだった。
いわゆるストレートバーベルという耳に直接穴を開けて付けるもののようで、俺は一目見て気に入った。
「……………こんなもんくらいしかないが良かったら受け取ってくれ」
と店主が言うので俺はありがたく受け取った。
そのピアスには敏捷値を上昇させる効果と、スタン耐性を上昇させる効果があり、俺を大いに興奮させた。
それとあと一つ、
《どんな時でもあなたのそばに》
という不可解な文章が一行。
なぜこの文章が書かれているのかは分からないが、何となく暖かい気持ちになる。
そんな俺を見た2人が微笑ましそうにしていたのを俺は知らない。
そうしてお礼にピアスを受け取った俺は、2人にお礼を言った。
「ありがたく使わせてもらいます。2人でこれからもお幸せに暮らしていってください」
「いえいえ、私たちもあなたにはお世話になったのだから、これくらいしなきゃねぇ。またここにいらしてくださいな。2人で待ってますからねぇ」
そう言ってくれるカーラさんに俺は苦笑して、
「……………はい、また来ます」
そう言って店を出た。
俺はさっきもらったばかりのピアスを装備し、次の街を目指す。
…………………どこか冷めたような自分の心を見ないふりして。
な、長かったー
小説投稿機能があまりよくわかっていなかったので、間違えて投稿して、内容まるごとコピーして貼り付けてということを5、6回しましたw
マジで右腕が痛いです
ここまでお付き合いくださりありがとうございました!