プロローグはどうやっても説明会になるようです。すまない…。
書きたいことを書きたいだけ書いていく所存ですので、ごちゃごちゃ文章でもどうかよろしく。
がんばれハガネヤ~僕がマギウスになった理由~ 前
忘れられない出会いというものがある。
人物との出会いに限らず、どんな小さなことでも当人にとっては何歳になっても忘れられない思い出となる物や出来事に遭遇することは、誰にでもあるはず。
例えそれがその後の人生にどう影響するのかは置いておくとしても、そういう出会いは誰にだってあるはずなのだ。
………何故、こんなことを
―――
眩しいほど神々しい金髪美女がたおやかな笑みを浮かべ、唐突にサイコメトリー宣言され、どこからか取り出したゲームのパッケージを両手で可愛く持ちながら、俺の
シュールだ。シュールで、カオスだ。
"眩しいほど神々しい"って表現ちょっとクドいだろうと思うだろうがそんなことはない。
この女、ほんとに神であるらしく、そのうえ発光しているのである。具体的には車のスモールランプ程度に。
スモールランプとはいえ人間大が間近で光ってるのは少々ツラい。
ちなみに、この展開が起こるまでに『死んだと思ったら花畑にいて』→『あの世かな?と冗談で呟いたら美女が登場し』→『ここは天界で、貴方は死にました!(迫真)』という
キョドりすぎて声が出ない20代男性とそれをニコニコ見守る発光の美女(誤字にあらず)が居ただけである。カット!
そんな眩しいほど神々しい(物理)の手元を、目を細めながら見る。
プレ○テ2のゲームソフトパッケージ。そのタイトルは確かに自分の中で強く記憶に残っている。色んな意味で。
『機神咆哮 デモンベイン』
ジャンルは「荒唐無稽スーパーロボットADV」と銘打っており、クトゥルフ神話を題材にしたモンスターや怪人達を相手にヒーローの如く変身し、時には巨大ロボットを駆り、遂には神々にまで立ち向かってゆくヒロイックサーガである。
元はPCのゲームであるが、当時田舎暮らしの中学生であった自分にとってPCゲームなぞ夢のまた夢であり、それ以前に対象年齢的に無理だったので自分の中では
友人に勧められてプレイしたゲームであり、アクションやRPGにしか興味を示さなかった自分が初めてプレイしたノベルゲーであり、同時に初ギャルゲーであった。
ハマった。それはもうどっぷりと。泥沼必至であった。
それまで見てきた王道物語と比べるまでもないダークな世界観、可愛くも芯の強いヒロイン、非道&外道を躊躇いなく行う仇敵。
そしてなによりも決して諦めず、絶望を乗り越えて立ち向かっていった主人公。
厨二のトリガーを引くには十分だったことだろう。それほど憧れたということだ。
昔書いた
「ち、ちがっ、違うんすよ!?別にデモンベインが悪いわけじゃなくてッ、悪かったのは空気読むってことを知らなかった自分で……違うんすよぉッ!」
思わず口からもはや誰に言ってるのか分からない自己弁護を垂れ流し、半狂乱。
分かってるから大丈夫、と優しく宥めてくれる女神に思わず感動してしまう。
(ちょっと眩しいけど、このひといい女神…!)
信仰しよ。
恥ずかしい自分やら女神さまの優しさに赤くなった顔が冷めたころ、話が進まないの俺のせいだわ、と気づいたので色々誤魔化しながら会話再開。
「それで、俺の思い出のゲームを出会って数分で晒された理由って一体なんなんですか。そもそも、俺が
普通に死んでも天界って来れるの?という問いをやんわり否定しつつ女神さまは説明してくれる。が、予想以上に話が壮大な上に長かったので要点だけまとめたい。
要点その1、『地球人類の情報が欲しかった』とのこと。
曰く、彼女は最近平行世界で創造神になった神様で、自分の世界を作るための見本となる情報が欲しかったらしい。
そんで、その情報とやらを上手く読み取れるのが「死んで間もない知的生命体の魂」で、情報を読み取る際になるべく抵抗しない個体が好ましかったのだとか。
混乱したら思考停止して黙り込むタイプの俺にはうってつけですね!(白目)
肝心の読み取り作業は冒頭で「貴方のターニングポイント~」とか言ってる時には既に終了してたらしい。
「………俺もういらないんじゃないかな?(震え声)」
と言ったら、それがこの後のことに繋がるらしい。
要点その2、『報酬に記憶を持ったまま来世に行ける』
魂を抜き取った元の世界は神様事情的にダメらしく、平行世界に転生することになるようだ。
なるべく現代に近い文明にしてくれるとのこと。
続いて要点その3、『平和な世界とは限らないので特典もくれる』
平和な文明とは言ってない(フラグ)
咄嗟の感想がそれだった俺をどうか責めないでほしい。だらしないオタクですまない…。
だが、特典はありがたい。平和じゃない可能性があるみたいなこと言われた身にとっては特に!
候補はとっくに決めてある。ここは…。
「
―――無理です。
………………。
「
―――ダメです。
「何故ッ!?」
その理由は要点その4、『特典は自分の人生で1番心に刻まれている作品がモデルであることが望ましい』
ここにきてようやく冒頭とつながるらしい。
そこまで引き延ばすような理由じゃないでしょう?早く言おう?
キメ顔で宝具名叫んじゃうより早く言っておくれッ!!
しかし、これはこれでなかなか良いのではだろうか?
デモンベインである。作中で出てくる魔導書が精霊として実体化したヒロイン、アル・アジフくらい格の高い魔導書があれば、少なくとも戦力に困ることはないだろう。
魔導書の魔力を借りて魔人に変身するマギウス・スタイル、魔導書のページに書かれているアイテム・術・モンスターの招換・使役。挙句の果てに巨大ロボット…
それに実体化できるのなら困った際には相談なんかもできるだろう。
事情が分かる話し相手は欲しい。切実に。ひとりこわいです。
ナイスだ。実にナイス。黒歴史扱いしてごめんなさい。
そうと決まれば話は早い。レッツ、来世!グッバイ、女神!
「精霊に実体化できる…最強の魔導師になれる魔導書ください!」
―――はい、ではこれを。
ぽん、と手渡されたのは――――――紙とインクとペン。
………………。
………………………………。
………………………………………………。
「えっ?」
―――大丈夫、天界に時間の概念はありません。1からお教えします。
「えっ」
目の前には、いつの間にかホワイトボードと、机と、インテリなメガネを装着した女神が。
その手には【ミスカトニック大学 神秘学概論】の題名された、たぶん教科書。
まさかと思う。
まさかと思うが、意を決して、確認する。
「あの………俺が、書くの?魔導書を?」
―――
「何故にWhy?」
―――…?自分でちゃんと学んだほうが身につくでしょう?
ぐうの音も出ない正論だけど!そうだけどそうじゃなくて!特典ってさぁ!もっとこうさぁ!
「加護を授ける~みたいな感じで渡すんじゃないの!?」
―――天界において、ヒトは寿命がなく、才能も限界もあやふやになります。そんな滅多にない環境で、才能の方向性を固定し、教導し、修練を施す。それこそが…、
『特典』となります。との宣告を聞きながらまっさらな紙の束に頭を突っ伏す。
どうやらここの方針は完全セルフ制らしい。世の中のオリ主が羨ましい。
後で聞いた話だが、例えば『無限の剣製』が自分のターニングポイントだった場合。魔術回路作るところから始めるらしい。マジで初歩の初歩からである。
―――さぁ、頭を上げて。学ぶことはたくさんありますよ、ヒトの学問のみならず、神々の知恵、イス人の技術、魔術の実践や正気を保つ訓練も必要ですから。
もう特典要らないです、って言おうかなと顔を上げると、ゲンナリな俺とノリノリ女神さまの周りにはこれまたヤル気十分な様子の老若男女がずらり。どっから湧いて出た。
しかも皆様、女神さまのように輝かしい(物理)である。この方々もしや。
恐怖で顔が引き攣る俺に向かって、女神さまがにっこり。
―――心配しないで。
拝啓、生前の家族様
どうやら自分は、死んだ後でも死ぬほど勉強を強いられるようです。
鋼谷ヒロの来世は、まだ遠い。