ダンジョンに夜天の書があるのは間違ってるだろうか   作:暇人M.MAX

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心配性の将と聞き分けの良い守護獣

リインフォースが冒険者となってから数日が経った。

リインフォースの朝は早い。

リインフォースは朝早く起きると隣で寝るヴィータを起こさないようにベットから出る。そのまま忍び足で部屋を出て台所へと向かう。

リインフォースは冒険者になってもロキファミリアのホームではなくナハトとの思い出が詰まっている家に住んでいた。ロキファミリアのホームにも部屋は準備されてるのだが理由がある。理由の1つはシグナム達と住むためだ。リインフォースの部屋は割り当てられたがファミリアメンバーでも無いシグナム達に用意はできないと言われたからだ。そして、もう1つの理由が

 

「リインちゃんごめんなさい、寝坊しました」

 

リインフォースがあらかたの調理を終える頃にさっきまで寝ていたと思えるシャマルが台所にきた。頭は寝起きに急いで来たのか所々寝癖が見える。

 

「別に良いから顔を洗ってこい」

 

そんなシャマルに苦笑いを浮かべながらリインフォースは最後の仕上げに取り掛かる。シャマルも調理は終わりだとわかり渋々洗面台がある所へと向かおうとする。そこにまだ寝ぼけてるヴィータが入ってきてリインフォースはシャマルにヴィータをお願いして洗面所へと連れて行ってもらう。

リインフォースが盛り付けを終える頃にはシグナムやザフィーラも食卓についていた。

これが今現在の家の住人だ。

 

 

「主、今日はどういったご予定で」

 

食事をしているとリインフォースの向かいに座るシグナムが尋ねてくる。

 

「今日はまずはホームによってザフィーラと訓練してリヴェリアの講習を受けて、その後にダンジョンに潜るけど」

 

「なら私も同行を」

 

「ダメ」

 

リインフォースは最後まで聞くことなく断りの言葉を言う。

元々、ロキとフィンがシグナム達の力を借りてダンジョンに挑むとリインフォースの成長にならないと言い、シグナム達を独断でダンジョンに潜るのを禁止した。それをリインフォースは承諾した。シグナム達も主であるリインフォースが承諾したことに口を挟むことはできないために渋々承諾したのだ。

だが、それでも心配性なシグナムは何度かリインフォースに直談判している。

 

「大丈夫だって、それに1人で潜るわけじゃ無いし」

 

ロキファミリアの掟では新米はレベルが上の冒険者とサポーターとしてしかダンジョンに潜らないといけないことになってる。

そのためにリインフォースも他の冒険者と潜っている。相手は様々でたまに複数のレベル1と一緒になることもある。

 

「ごちそうさま」

 

まだ納得のいってない顔をするシグナムを横目にリインフォースは残りのご飯を平らげ食器を片付ける。

 

「じゃ、ザフィーラ行こうか。シグナム達は店のことよろしく」

 

食器を片付け終えると先に食べ終えてたザフィーラに声をかけ家を出る。食事以外の家事ならシャマルでもできるのでリインフォースは安心して家を空けれる。

 

「ちょっ、主。まだ話は」

 

「行ってきます〜」

 

あまりの手際の良さにシグナムは一言も発することができなかった。

 

「心配しすぎなのよ、シグナムは。」

 

そんなシグナムにシャマルは一言言う。

 

「そうだぞ。そんなんだとリインに嫌われんぞ」

 

さらに一言ヴィータは追撃をかける。

シグナムの頭の中に嫌われると言う言葉が連呼し1人項垂れる。

一方でシャマルとヴィータは食事を終えて片付けに入る。

 

「シグナムも早く食べてね。片付けるの遅れるから」

 

己らの将であるシグナムに気遣いなど一切しない仲間達であった。

 

 

 

 

「おはようございます」

 

「・・・」

 

リインフォースとザフィーラはロキファミリアのホームに到着して門番に挨拶をする。

 

「チッ」

 

門番は返事をするどころか舌打ちを返してくる。

リインフォースはそんな門番に内心苦笑いをするしかできなかった。

 

リインフォースは今現在、ファミリア内で嫌われてる。

理由は夜天の書という規格外な魔導書と副団長のリヴェリアに贔屓されてると思われてること。

そのためかリインフォースは孤立しているのだ。

 

リインフォースは仕方ないと思いそのまま門を素通りする。

 

「やっと来たか」

 

門を潜るとリヴェリアが待ち構えていた。

別にリインフォースが遅れたわけでわ無い。リヴェリアが早すぎるのだ。几帳面すぎるリヴェリアは毎度約束の時間よりずっと前に待っている。そのためにリインフォースも早くこようとするのだがリヴェリアより先に来れた試しが無い。

 

「さて、今日は用事も無いからな。お前に一日中つけるぞ」

 

リヴェリアはリインフォースの教育係だが、副団長としての責務があるためにいつも付きっきりというわけでは無い。しかし、何故か今日は責務が無いということにリインフォースは疑問に思う。

 

「リヴェリア、仕事放棄か?」

 

リインフォースは尋ねるが帰ってきたのは無言とリヴェリアが持つ杖での一撃だった。

リインフォースは結構痛いのか頭を押さえる。

 

「色々と言いたいが、まずは言葉使いを直せ」

 

リインフォースがファミリアに入団してからリヴェリアは言葉使いを直せと口酸っぱく言ってくる。ナハトの代わりにしっかりと教育するも意気込んでいるのだ。

リインフォースはそれにリヴェリアだって変わらないと思っているが声に出せばまた一撃が来るのは目に見えてるので心の中にしまっておく。

 

「あと、私がやるべき仕事は昨日のうちに済ませた。残りはロキとガレスでもできる」

 

リインフォースはその言葉を聞き、今頃書類作業に没頭してるロキとガレスのことを思い浮かべる。可哀想だと思うがいつも書類作業をリヴェリアとフィンに押し付けるのが悪いと思い忘れることにする。

今現在、ファミリアでまともに書類作業ができるのはリヴェリアと団長であるフィンだけだ。ロキは女好きの変態で書類のしの字でも見れば逃げ出す。そして、ガレスは飲んだくれの筋肉馬鹿なためデスクワークなどやろうとしない。

1度、2人がまともに仕事しないとフィンに言われて拘束してやらせればとリインフォースは助言したことがある。

そして、フィンは見事にやりのけたのだ。ロキを逃げれないように椅子に固定して無理やりやらせ。拘束など無意味なガレスにはフィンはガレスが隠してた秘蔵の1瓶を見つけ出し仕事をしなかったらガレス抜きで秘蔵の酒を使い宴会すると脅し、仕事をさせた。いつも温厚なフィンがあそこまで黒い笑みをするのかとリインフォースは若干ひいていた。

 

「御愁傷様です」

 

やっぱり忘れることもできず、自分がフィンにアドバイスした引け目を感じで明後日の方向へと謝っとく。

 

「?」

 

そんなリインフォースの奇行を不思議に思うリヴェリアだが、リインフォースが何故か達観した顔をしてるので聞かないことにした。

 

「さて、まずは早朝の訓練だったな。今日は私自らつけてやろう」

 

リヴェリアはそう言うと訓練場の方へと歩き出す。

それにリインフォースとザフィーラはついていこうとする。

 

「あっ、ザフィーラはロキ達のところに行って手伝ってやって」

 

リインフォースはリヴェリアに聞こえないようにザフィーラに言う。リヴェリアは必要最低限の分しかやってないと思いザフィーラを助け船として出す。

ザフィーラは見た目によらず何でもこなす。実際、簡単な料理ならできるし家事もヴォルケンリッターのなかで得意だ。事務作業も難なくこなすため、助け船としては最適な人材だ。

 

「了解した」

 

ザフィーラはそう言うとロキ達の居る部屋へと向かう。

シグナムだったらここでリインフォースから離れようとはしないのだがザフィーラはロキファミリアで1番信頼の置けるリヴェリアがいるなら安心なためすんなりとリインフォースから離れる。

 

「おい、どうした。置いてくぞ」

 

リヴェリアは後をついてこないリインフォースの方へと振り返り言う。

 

「今行く」

 

リインフォースはザフィーラが行った方向の方を一度見てリヴェリアの後を追う。

 

どっちがリーダーなのか

 

リインフォースは今朝のシグナムとの話し合いを思い出し、心配性で剣馬鹿のシグナムと何でも難なくこなし聞き分けも良く頼り甲斐のあるザフィーラのこと比べながらそう思ってた。

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