ダンジョンに夜天の書があるのは間違ってるだろうか 作:暇人M.MAX
俺は本当の両親の記憶を持っていなかった。
物心つく頃には両親を亡くし、子供のいない親戚の家に引き取られた。
その親戚は夢に挫折をした人たちだった。幸せな家庭を築くのが夢だったらしい。しかし、妻の不妊病のために子はできず。さらには社会人としての辛さに揉まれ夢を挫折した。最初は俺を歓迎してくれたが子育ての辛さを知り物心つく頃には虐待を受けていた。
様々な理由で殴られた。上司に怒られたから、夫が浮気をしたから、仕事が辛いから、家事が辛いから、様々などうでもいいような理由で殴られた。
親戚はそうやって怠惰に生きていた。生きるために働くのではなくただそうやって決められた動作をするロボットのように生きていた。
日本は平和な国だ。だから人は平和に腐る。
紛争地帯の人は生きるために何かをする。誰もが死にたくない。だが、日本はどうだろう。恵まれてるなど知らず平和な中生きて、勝手に絶望して腐っていく。何ら変わらない、平和な国も平和じゃない国も何ら変わらない。
そんな親戚を見て育った俺も腐って行った。
虐待を受け入れ。誰も信用せず、誰の暖かさを知らずに生きてきた。中卒で就職して親戚の家を出た。
でも、何ら生活は変わらなかった。学校に行くように仕事場に来て、勉強をするように仕事をして、帰ってきたら必要最低限のことをして寝る、その繰り返し。
人生とは平凡だ。日常とは退屈だ。それでも何かを求めて生きていたのかもしれない。今ならそう思う。
一度死んで。転生して。母さんに出会った。
最初は前世も現世も何ら変わりがないと思っていた。
父が死んだと知った日、母は泣きながら俺を抱きしめた。俺はなぜか母を抱きしめ返し泣く母の背中をさすっていた。なぜそんな行動をしたのかはその時の俺にはわからなかった。でも、きっとその時には母さんをちゃんと母親として認めてたんだと思う。
それから前世の癖で男ぽい行動をしているがあまり前世のことを考えることはなかった。
いっつもは拒絶していたけど母に抱きしめられるのは嬉しかった。
初めて人の温もりを知った。
母に頭を洗われるととても心地よかった。
初めて人の優しさを知った。
母と一緒に寝るとなぜかいつも自分から母に抱きついてた。
初めて人の暖かさを求めた。
母に額に口づけをされるとこしょばゆい気持ちになった。
初めて愛情を受け取った。
そんな母が死んだ。俺のせいで、俺を庇ったから、俺が弱いから、俺が・・・
どんなに考えても悔やみ続けてしまう。全部が自分のせいだと考えてしまう。
母ともっと一緒に過ごしたかった。母が大好きだった。母と過ごす時間がとても幸せだった。
強くなろうと、もう2度と失わないと、初めて本当に自分の意思でそう思った。
スキルを見たとき、母さんはずっと見守っていてくれてると実感できた。母さんは俺の中に生き続けてる。
見ていてください。俺は、リインフォース・ヴァールはきっと誰にも負けない強くて誰かを守り、母さん見たいな立派な人になります。