Muv-Luv Alternative ~Eines Tages, glauben, dass die Reichweite 作:neunzehn
「……っう、まぶしい」
窓から射し込む朝日に顔をしかめながら彼、白銀 武はゆっくりと身体を起こす。
「……」
しかし、いつもとは違う朝に<ある種>の予感がしていた。
いつもと違う-それは彼の幼なじみである<アイツ>が居ないことからもわかる。
いったい何時からなのかも覚えていないが毎朝自分を起こしに来るアイツ…【鑑 純夏】は自分が起きていると「!なんでもう起きてるんだよ~」とよくわからんことで怒りだすアイツ
瞬間-
「!?ぐっ、うぁぁぁ……」
突然、激しい頭痛に襲われた。
武はこの頭痛には覚えがあった。一度や二度ではない、過去に何度も何度も繰り返してきたことだから
「…そうか、はは……」
それの意味を自覚した時に、自身の口からもれた声に歓喜した。
「ただいま。白銀 武-」
頭痛も少しずつ治まり、状況の確認をする為に周囲を見回す。
窓からは太陽の光が机を照らしているが外の景色は[見えない]。
まだ事象が定まっていないからかと武は予想した。
次に鏡の前に立ち、容姿を確認し-
「……………………………なんでだよ」
時間にして数秒だが思考が止まり、徐々に目の前の鏡に写る自分を認識するとそんな声が口を吐いてでた。
別に知らない顔が写っていた-という訳ではないが、鏡には6~8歳くらいの見覚えがある顔がそこにはあった。
「…ふぅ~。落ち着け俺。大丈夫ちゃんと俺の、白銀 武の顔だ………………って、落ち着けるかーーーーーっ!!!なんだよこれ!子供じゃねぇか!-」
それから暫く喚いていたが、「こんなことしてる場合じゃない」と意識を切り替えて現実的に思考しだす。
カレンダーを確認すると1991年の10月21日と表記してある。
(…ちょうど10年前か?今までと比べるとえらく時間に差があるなぁ)
いつもなら2001年10月21日にループしていた。だが今回は10年前である。
(…身体は小さいがこの際仕方ない。考えようによってはこれはチャンスだ。脳が覚えているから成長も早いはずだ-幸い知識面の心配はないから体力面の強化と情報収集、出来れば人脈の構築にも時間を割きたい)
人脈を構築するうえでどうしても逢っておかなければならない人物-
【香月 夕呼】
元の世界-BETAの居ない平和な世界では物理の教師をしている、最早2つの世界での恩師であり国連太平洋方面第11軍横浜基地の副指令でもあり、日本主導で行われているオルタネイティブ第4計画の最高責任者。
(…夕呼先生に会おうにも帝大までは遠いうえに子供の一人旅は補導され-……いや、確かこの時期は横浜訓練学校に居るまりもちゃんに逢いに来てるようなことを以前、夕呼先生に聞いた…ような気がする)
記憶に穴があるがループするうえでいくらか記憶を虚数空間に置いてきてしまうのは仕方がない
(…ここで考えていても時間の無駄、か……)
「さて、部屋を出るか……」
部屋を出る。
それは、確率事象を決定づけるということ。今いるこの部屋は武の因果に大きな変化をもたらした場所であり、戦いの始まりもここからだった……
「いってきます」