川崎野良猫さん、風邪引きピエロさん、感想ありがとうございました。確かに主人公の体型を具体的に書いてる描写はありませんでしたね。盲点でした。
では、15話目です。
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誠に勝手ではありますが、調理大会の準決勝を2日目から1日目に変更させていただきました。
急な変更をお詫び申し上げます。
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第五問
学園祭の出し物を決める為のアンケートにご協力下さい。
『喫茶店を経営する場合、一番注意するべきことは何ですか?』
木村秀頼の答え
『生物兵器の流出』
教師のコメント
喫茶店でなにを作るつもりなんですか。
土屋康太の答え
『多量出血』
教師のコメント
喫茶店で事件が起きないことを祈ります。
坂本雄二の答え
『朱肉』
教師のコメント
文字が乱れていますが、そこまで朱肉に脅えているのを疑問に思います。
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優子が召還大会に出場していることもあり、今日の分の陽菜との清涼祭巡りは終わり店に戻ることにした。
「おかえりなさいませ、お姉さん」
「お、おう。ただいま」
見知らぬ少女が自分たちの店でチャイナドレスを着て接客をすれば驚くのも当然のことだ。
「葉月、お前!」
「もしかして、一緒に来た友達か?」
陽菜が友達と来ていることを思い出し訪ねる。
「そうだぞ、俺と葉月は友達だもんな」
「そうなのです。葉月と陽菜ちゃんはとても仲のいい友達なのです!」
嘘偽りのない純粋な言葉に頬がゆるむ。
「それにしてもいいな、俺もチャイナドレス着たかったな~」
「でも、チャイナドレスなんてウチにあったか?」
机などのに予算をほとんど使ってしまったため、衣装までは作れなかった記憶がある。
「あのお兄ちゃんが用意してくれたんです!」
指差す方向には、ムッツリーニが神速の域で何かを縫っていた。
「……完成」
縫っていたのはチャイナドレスで解れや縫い忘れが無いのを確認し陽菜に手渡す。
「ありがとな、器用な兄ちゃん」
早く着たいらしく、そわそわして落ち着きが無い。
「じゃ、早速着替えてくるぜ」
更衣室に急いで陽菜は駆けていった。
「じゃ、俺はホールの仕事でも始めるか」
ゆっくり休憩こともありやる気は十分だ。
「そこのメイドさん」
白髪ベリーショートの姉御と愛称がつきそうな女性に呼び止められた。
「はい、何でしょうか?」
「アタイの専属のメイドにならないか?」
あまりの衝撃に言葉を失い呆然と立ち尽くす。
「冗談だよ、ゴマ団子と飲茶を持ち帰りで頼む」
「あ、はい!か、かしこまりました!」
厨房に注文の品を取りに帰る。
「お待たせしました、こちら注文の品です」
「おう、ありがとな」
そう言うと代金より多くお札で出してきた。
「お釣りですね、少々お待ち下「いや、釣りはいい。ただアタイのことを覚えておきな、木村秀頼」
嵐のような来客があったこともありこの後の仕事のことをあまり覚えてはいない。
☆
「さて、文月調理大会準決勝からはこの私、放送部の新野 すみれが解説をさせて頂きます」
会場は予選より審査員台がしっかりとした机にされており、その隣には実況用の席も用意されていた。
「それではまず、審査員長である高橋 洋子先生から準決勝のルールが説明されます」
「審査員長の高橋です。この準決勝では、味、見た目、調理の見せ方で点数を付けさせて貰います」
「高橋先生、説明ありがとうございました。それでは選手の紹介をさせて頂きます」
いよいよ本格的な調理大会になってきた。
「Aコーナ、 村木 陽和選手」
これは俺のこの姿の名前だ。
「Bコーナ、黒須 遊佐選手」
「よ、アタイのこと覚えててくれたかい」
あんなに印象的な客を忘れるはずが無い。
「その顔だと覚えてたようだね。改めて、3-A黒須遊佐だ」
「2-F木村秀頼。今は村木陽和と読んでくれ」
「わかったよ、陽和」
融通の効く先輩で本当に良かった。
「以上4人の選手で準決勝は行われます」
先輩と話しているうちに選手紹介は終わり銅鑼を鳴らせば準決勝が始まる。
「秀頼、アタイと勝負をしないかい。アンタが勝ったら何でも言うこと聞いたげるよ」
この言葉にときめかない男子はいないと思う。
「ただ、アタイが勝ったら専属のメイドな」
交換条件が男の俺には辛過ぎる。
「今すぐに返事はしなくて良い、どうせ最後には受けることになるからな」
それだけ言い残すと自分の持ち場に戻っていった。
「よーい、始め!」
「(いかんいかん、俺も始めないと)」
銅鑼の音で我に返り、準備にとりかかる。
「秀吉、聞こえてるか」
『ばっちり聞こえておるぞ』
ムッツリーニに仕込んでもらった小型のインカムを秀吉につなげる。
「難しいと思うが頼むぞ」
『大船に乗ったつもりで安心しているのじゃ』
これからやることは声に出す必要があり、秀吉の協力は必要不可欠である。
※キューピーの三分クッキングの音楽を流すとより雰囲気がでます。
『こんにちは皆さん、今日は2-Fでも出しているゴマ団子を作っていきましょう』
今回の品は宣伝の意味も込めてゴマ団子だ。
『まずはあんこから作っていきましょう』
声にあわせて動き鍋を取り出す。
『材料はこちら、北海道十勝産の小豆でございます』
材料のアピールも忘れずにしておく。
『小豆を適量用意し加工したものが、このあんことなります』
『『『その行程は!?』』』
そんなもの俺が出来るわけがない。
『次に、国産の白玉粉、上新粉、水、塩、砂糖を適量混ぜ合わせて出来た生地がこちらとなります』
ボールを取り出し中の物を見せる。
「実況の出番をなくした挙げ句、解説をしているのに分量すら教えない暴挙にでました」
「やはり、分量は企業秘密ということでしょうか」
「企業秘密なら大会に出すな。と思いますが気にせずいきましょう」
『そして、あんこと生地を合わせてゴマをつけたものを転がしながら油で揚げます』
仕上げの揚げだけは冷めてしまうため油を使うところだけは自分で行う。
「初めて村木さんがまともな調理法をする瞬間をみました」
「この言葉を聞くと、なぜ準決勝まで勝ち残れたのか不思議でなりません」
『団子が浮いてきたら油から上げ、盛り付ければゴマ団子のできあがり』
実質揚げるだけのゴマ団子はとても簡単に手早くできた。
「一番乗りは村木陽和選手。ただこれを調理と認めて良いのでしょうか」
「料理番組でもこの手法は使われているのでありです」
「審査をおねがいします」
審査員の前に、店と同じ盛り付けをしたゴマ団子を置く。
「Fクラスの出す料理は不味いという噂は嘘のようですね…20点」
「文化祭の出し物とは思えないほどの完成度ですね…20点」
この時点で俺の決勝進出が決定した。
☆
調理大会と召還大会の宣伝の効果もあって売り上げが戻りつつあった。
「流石に召還大会中は人がこないな~」
客がいないこともあり椅子に腰掛ける。
「ちょっとした休憩時間と思えばいいのよ」
「そうですね。休める時間は今しかありませんし」
俺の様子を見て島田と姫路が同じように開いた椅子を使う。
「葉月はまだまだ頑張れるのです」
「小学生に負けるなんて、だらしねぇぞアニキ達」
その小さい体のどこにそんなエネルギーがあるのか不思議でたまらない。
「陽菜、葉月ちゃん。テーブルの下に隠れてろ」
不意に森の中で熊に会った時に感じた悪寒がし、急いで2人に指示をだす。
「いいか、バカなお兄ちゃんが来るまで絶対にテーブルからでるなよ」
戸惑いながらも、有無も言わせぬ俺の表情をみて首を縦に振った。
「邪魔するぞ」
Fクラスに入ってきたのは明らかにまともな客では無かった。
「(このために俺はこの格好か…)」
どうやら雄二はこのことを危惧してみたいだ。
「そこのネーチャン達。俺たちと遊ばない」
「おとなしくしてたら痛い目みないぜ」
「まぁ、今はだけどな」
まさしく絵に描いたようなチンピラである。
「じゃ、遊びに行こうか」
「もちろん拒否権は無いぜ」
そう言って腕を掴んでくる。
「…後悔するわよ」
無駄とわかっていても出来るだけ穏便にすませるため脅しをかける。
「へー言ってくれるじゃん」
チンピラはニヤニヤするだけでやはり何の効果もなく、そのまま俺を含めた3人が誘拐された。
☆
チンピラは別行動していたグループがあったらしく合流場所のカラオケ店に着く頃には7人にまで膨れ上がっていた。
(秀吉、お前もか)
(その声は秀頼か、すまぬ縛られて身動きがとれぬから顔が見れんのじゃ)
別行動していたグループの中にいた秀吉が、縛られた状態で俺の隣の席に転がされた。
「コイツか、ヤスオに生意気なことを言ったのは」
「…えぇ、それがどうしたのよ」
出来るだけ自分に被害が集中するよう少し大きめの声で反抗する。
「本当に生意気だな。紐があっただろ持って来い」
秀吉が縛られているのと同じ紐で手首を背中で固定され動かないようにされる。
「さて、お仕置きの時…「……灰皿をお取り替え致します」チッ、さっさと変えて出ていけ」
どうやら明久たちが突入を待っているらしい。
「そっちの子よりも、俺はこの巨乳チャンからヤっちゃおうぜ」
「やっ!さ、触らないで!」
注意が姫路の方に向き焦るが打開策が見つからない。
「ちょっと、やめなさいよ!」
「あーもう。うっせぇ女だな!」
チンピラの1人に突き飛ばされ、島田がテーブルを巻き込み倒れる。
「おじゃましまーす!」
突入のタイミングとしてはあまり誉められたものではないが仕方ないと思う。
「(俺も準備するか)」
チンピラが明久に気を取られているうちに、急いで縄抜けを始める。
「(やっぱり結び方が素人だな)」
小さい頃、山の獣用の罠に引っかかったことが何回もあるせいか、腕の紐から簡単に抜け出せた。
「雄二、こういうことは先に言っておいてくれ」
「悪いな、だが盗聴の危険がある以上仕方がないことだ」
明久に続いて出てきた雄二に文句を言うが軽く流される。
「アイツまさか女装だったのか!?」
「変態だ!変態がいる!」
今の言葉で何かがはじけ視界がクリアになる。
「………………コロス」
この後のことはよく覚えていない、ただある噂が広まった『文月学園にはメイド服を着た三次元立体機動をする化け物』がいると。