テストとさん感想ありがとうございました!
まさか1話目で感想がくるとは思いませんでした。
では2話目です!
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第二問
問 以下の意味を持つことわざを答えなさい
『(1)得意なことでも失敗してしまうこと』
『(2)悪いことがあった上に更に悪いことが起きる喩え』
姫路瑞希の答え
『(1)弘法も筆の誤り』
『(2)泣きっ面に蜂』
教師のコメント
正解です。他にも(1)なら『河童の川流れ』や『猿も木から落ちる』、(2)なら『踏んだり蹴ったり』や『弱り目に祟り目』などがありますね。
土屋康太の答え
『(1)弘法の川流れ』
教師のコメント
シュールな光景ですね。
木村秀頼の答え
『(1)弘法も鍬で過ち』
教師のコメント
事件の匂いがしますね。
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「明久…」
「………」
「なぁ明久!」
「…やめてくれ!僕はここから離れたくない」
「分かるだろここがお前の場所じゃないって!」
「分かってるよ!」
「なら!」
「だって…あれ…」
明久が震える指で指したのは…
Aクラスの設備のうちの一つの冷蔵庫である。
「ここ学校だよね」
「あぁ」
明久がロックオンしている冷蔵庫の他にも黒板代わりのプラズマディスプレイ、ノートパソコン、個人エアコン、リクライニングシート、絵画、観葉植物などの備品・装飾品の数々に、これだけのものが入っていてもまだ余裕すら感じれる室内。
まさに圧巻の一言である。
「秀頼、大丈夫?」
「な、なにがぁ?」
「裏声にまでなってるよ!?」
「まで、って…」
改めて自分の状態を確認すると膝が地面に着いていることに気がついた。
「………」
「………」
「もう帰っていいかな?」
「いきなり何言ってるの!?」
明久のツッコミのレベルが上がりました。
「冗談だよ、ほら俺達のクラスに行くぞ」
立ち上がろうとするがうまく力が入らなず、産まれたての小鹿みたいな状態なのは言うまでもない。
「ほら肩貸すから…」
「すまねぇ…」
明久の肩を借り足を引きずりながらも、まだ見ぬFクラスへと歩みを進めていった。
なお後日、【負傷兵の亡霊みたいなものをみたという生徒が続出し、僧侶によるお祓いがその夜に行われた。】という噂から文月七不思議が生まれたのは、また別のお話。
☆
「………」
「………」
「ヒデヨリ、オウチ、カエル」
「待て待て!!」
本日2回目の帰る宣言しを俺は来た道を戻ろうとするが、両肩を鷲掴みにした明久がそれを許すはずがない。
「俺達の教室が無いんだぜ。また明日出直すしか無いだろ」
「僕も信じたくないけど、あれが僕たちの教室だから!」
Fクラスが木造でも構わない、そう普通の木造なら構わない。
「ほとんど廃屋じゃねぇか!」
「中は大丈夫だから!」
明久が【まだ希望はある】みたいな台詞を言うが、もはやダメフラグでしかない。
そして扉を開けたその先には、卓袱台、座布団、割れた窓、腐りかけた畳、9割野郎の密室、教壇の上にいる悪友、この教室は絶望が溢れていた。
かの有名なパンドラの箱でもここまで酷くはないと思えるくらい絶望的だ。
「すいません、遅れちゃいましたっ♪」
頭の中で何かが弾けて視界が一気にクリアになり次の行動に移る。
「早く座れ、このウj…【ピシャン】
教卓の上の赤髪がしゃべり終わるよりも早く、ポンコツを廊下に引っ張り出し扉を勢いよく閉めた。
「…Aクラスとの差別を感じるよ」
「差別じゃない区別だ」
「ほら秀頼、悟り開いてないで教室入るよ」
「おう…」
渋々Fクラスにはいると、悪友こと坂本雄二がさっきと変わらない場所気まずそうに居た。
「悪いな、出鼻くじいて」
「悪いと思ってるなら流せよ」
小さくため息をしてやれやれと首を振ってあいつならしょうがない、みたいな表情をしていた。
「…雄二、なにやってんの?」
その質問はもっともだ、何故先生でもない雄二が教壇にいるのかが分からない。
「先生が遅れてあるらしいから、変わりに教壇にあがってみた」
「じゃあ、雄二がクラス代表なのか」
「理解が早くて助かるな」
雄二の顔が一瞬、悪巧みを考えてるよにニヤリとしたのを俺は見逃さない。
「今年も暇になることは無さそうだな、期待してるぜ隊長」
去年のあいつらとの出来事を思い出し、今年も賑やかになると期待しつつ適当な位置に腰を下ろす。
「僕はどの辺に座ろうかな」
明久がどこに座ろうか悩んでいると、背後に冴えない風体のおじさんが佇んでいた。
「えーと、HRを始めますので、席についてもらえますか?」
雄二と明久はそれぞれ返事をしてそこら辺の席に着いた。
「えー、おはようございます。二年F組の福原慎です。よろしくお願いします。」
福原先生は黒板に名前を……
「(チョークもないのか…)」
「皆さん全員に卓袱台と座布団は支給されてますか?」
「ありますけど、座布団に綿がほとんど入ってないです」
「我慢してください」
「先生、俺の卓袱台の脚が折れてます」
「後で支給される木工品ボンドで直してください」
「センセ、窓か割れてます」
「ビニール袋とテープの支給を申請しておきましょう」
「必要なものは極力自分で調達するようにしてください」
「(自分で調達しろか…あとで明久の座布団から綿もらうか)」
「では、自己紹介でもはじめましょうか。そうですね。廊下側の人からお願いします」
福原先生の指名で廊下側の生徒のひとりが立ち上がり、名前を告げる。
「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる」
「(って秀吉かよ)」
去年から同じクラスで名字も名前もにているから、何回か間違えて返事したのは記憶に新しい。
外見は小柄で女の子と言われても違和感がないくらいだ……正直タイp…ゴホゴホ…危ない惑わされるところだった…
「……と、あうわけじゃ。今年一年よろしくたのむぞい」
あの微笑みは反則だと思う。
「……土屋康太」
「(ってまた知り合い!?)」
でも、例の物の取引が楽なままなのは嬉しい。
次は何を頼もうか…
「島田美波です。海外育ちで日本語は会話はできるけど読み書きが苦手です」
「(もう驚かないぞ…こんなにも揃っているから正直お腹いっぱいだぞ)」
「あ、でも英語も苦手です。育ちはドイツだったので。趣味は…」
女子の声に時めいてる明久の反応が楽しみで仕方がない。
「趣味は吉井明久を殴ることです☆」
「(デスコール頂きました!
ただ明久よ殴られるのは半分以上お前の責任だ)」
島田の自己紹介が終わってからは、自分の名前だけを告げるだけの作業になり俺の番が来た。
「木村秀頼だ。部活は文化部。一年間よろしく」
自分の自己紹介は無難に済ませ、クラスを沸かせる爆弾発言は後ろのバカに任せる。
「……コホン。えーっと、吉井明久です。気軽に『ダーリン』って呼んで下さいね♪」
『ダァァーーリィーーン!!』
野太い声の大合唱。もちろん参加したが、このことは心の奥底に封じておこう。
「……失礼。忘れて下さい。とにかくよろしくお願いします」
「(凹むなら言うなよ、人のこと言えた義理ではないが)」
その後も名前を告げるだけの自己紹介がしばらく続き、畳の目でも数えようかと思った矢先、不意に扉の開く音がきこえ、息を切らせた女子生徒が現れた。
「あの、遅れて、すいま、せん……」
『えっ?』
前言撤回、去年のフルキャストが揃ったことよりもこの事の方が驚いた。
「丁度よかったです。自己紹介をしているところなので姫路さんもお願いします」
「は、はい!あの、姫路瑞希といいます。よろしくお願いします……」
知らないはずがないなぜなら彼女は学年でも成績上位常連なのだから名前や顔はとても有名である。
「はいっ!質問です!」
「あ、は、はいっ。なんですか?」
「なんでここにいるんですか?」
先も言った通り彼女は成績上位者でありFクラスには縁もゆかりもないはずなのだから。
「振り分け試験の最中、高熱を出してしまいまして……」
『そう言えば、熱の問題がでたせいでFクラスに』
『ああ。科学だろ?難しかったな』
『俺は弟が事故に遭ったと聞いて実力出し切れなくて』
『黙れ一人っ子』
『前の晩、彼女が寝かせてくれなくて』
『今年一番の大嘘をありがとう』
「(流石Fクラス、バカが多い)」
「で、ではっ、一年間よろしくお願いしますっ!」
そんな中を、逃げるようにして俺の後ろにいる明久と雄二の間の席に着いた。
そして、9割が野郎の教室に女子が増えたことによりFクラスはお祭り騒ぎである。
「はいはい。みなさん、静かにして下さいね」
先生が警告のため教卓を、パンパン、と2回叩いた。
バキッ バラバラバラ
教卓がゴミ屑になった瞬間であった。
「(雄二よくあれに乗ってたな)」
「え~…替えを用意してきます。少し待っていてください」
気まずそうにそう告げると、先生は足早に教室から出て行った。
「雄二、廊下で話したいことがあるんだけどいい?」
「ん?別に構わんが」
明久は何かを決意した目で雄二に話しかけ、雄二と廊下に出て行った。
「(さて、何を企んでるか楽しみだ)」
しばらくすると、明久が雄二に促されるように教室に入ってきて、そのあとから教卓を抱えた先生が戻ってきた。
「さて、それでは自己紹介の続きをお願いします」
「えー、須川亮です。趣味は…」
何も起こらないまま、淡々とした自己紹介で時間は流れていき、最高に雄二が残った。
「Fクラス代表の坂本雄二だ。俺のことは好きなように呼んでくれ」
眠気が漂っていたクラスの空気が変わり、一斉に雄二に視線が集まった。
「さて、皆に一つ聞きたい」
そう告げると雄二はFクラスの備品を確認するように目線を動かしそこにあるのは。
かび臭い教室。
古く汚れた座布団。
薄汚れた卓袱台。
「Aクラスは冷暖房完備の上、座席はリクライニングシートらしいが……」
少し溜めたあと、静かに告げる。
「……不満はないか?」
『大ありじゃぁっ!!』
二年F組生徒の魂の叫び。
「だろう?俺だってこの状況は大いに不満だ。代表として問題意識を抱いている」
『そうだそうだ!』
『いくら学費が安いからと言って、この設備はあんまりだ!改善を要求する!』
『そもそもAクラスだって同じ学費だろ?あまりに差が大きすぎる!』
「そこで!代表としての提案だが……」
満足な反応だったのか、不適な笑みを浮かべて、
その姿はさながら、契約を成功させる寸前の悪魔だ。
「……FクラスはAクラスに『試験召喚戦争』を仕掛けようと思う」
こうして俺の普通じゃない学園生活が始まった。