バカと農家と召喚獣   作:暁魔

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Fの団結力は無駄な時ほど強固である

アンチ嫌いさん、道化師タクさん、走り高跳びさん、無津衣 佑さん、ドラグさん、

感想ありがとうございました!

少し遅くなりましたが3話目です。

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第三問

 

問 以下の英文を訳しなさい。

「This is the bookshelf that my grandmonther had used regularly.」

 

姫路瑞希の答え

[これは私の祖母が愛用していた本棚です。]

 

教師のコメント

正解です。きちんと勉強していますね。

 

土屋康太の答え

[これは                ]

 

教師のコメント

訳せたのは This だけですか。

 

木村秀頼の答え

[これは私の……本棚です……]

 

教師のコメント

[grandmonther] は[祖母]で、

[~ had used regularly ]で [~ を愛用していた]になります覚えておきましょう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さっきまで最高潮であった指揮は、

 

『勝てるわけがない』

 

『これ以上設備を落とされるのなんて嫌だ』

 

『姫路さんがいたら何もいらない』

 

見ての通りAクラスへの宣戦布告から一変してマイナスに転じた。

 

「そんなことはない。必ず勝てる。いや勝たせてみせる」

雄二はそう力強く宣言した。

 

『何を馬鹿なことを』

 

『できるわけないだろ』

 

『何の根拠があってそんなことを』

 

この言葉を待っていたと言わんばかりに壇上の上で、

「根拠ならあるさ。このクラスには召喚戦争で勝つことのできる要素が揃っている」

自信満々に言い放った。

 

Fクラスに何の根拠があるんだと、ざわめきだすが、

「それは今から説明してやる」

その一言で、クラスメイトが一斉につばを飲み込む音聞こえた気がした。

 

「おい、康太。畳に顔つけて姫路のスカートを覗いてないで前に来い」

 

「……………(ブンブン)」

 

「は、はわっ」

 

雄二に呼ばれた康太は頬についた畳の後を隠し(隠し切きれてない)覗きを否定しながら壇上へ歩き出した。

 

「(ブレないな、アイツも。あとで色聞くか)」

 

「土屋康太。こいつがあの有名な寡黙なる性識者(ムッツリーニ)だ」

 

「…………!!(ブンブン)」

 

『ムッツリーニだと……?』

 

『馬鹿なヤツがそうだというのか……?』

 

『だが見ろ。あそこまで明らかな覗きの証拠を未だに隠そうとしているぞ……』

 

『ああ。ムッツリーニの名に恥じない姿だ……』

 

康太は一向に否定し続けたが、ここまで言われればその否定すら肯定に見えてしまうのは何とも哀れである。

 

「姫路のことは説明する必要もないだろう。皆だってその力はよく知っているはずだ」

 

「えっ?わ、私ですかっ?」

 

「ああ。ウチの戦力だ。期待している」

 

確かに、点数の高い姫路はFクラスのジョーカーと言っても過言ではない。

 

『そうだ。俺たちには姫路さんがいるんだった』

 

『彼女ならAクラスにも引けをとらない』

 

『ああ。彼女さえいれば何もいらない』

 

「(ラブコールを送るのは自由だがどうなっても知らんぞ…)」

このあとに開かれるであろう会を想像すると、

背筋が伸びることは自然のことだろう。

 

「木下秀吉だっている」

 

「(秀吉の声まねで攪乱されたらたまったものじゃないしな)」

実際に悪戯で鉄け…ゴホゴホ 西村先生の声まねをされた時は本物と区別ができず、心臓が飛び出るかと思ったくらいである。

 

『おお……!』

 

『ああ。アイツ確か、木下優子の……』

 

「そして、園芸部の木村秀頼もいる」

雄二が俺に立てと言わんばかりに視線を送ってきた。

 

「(最後まで隠し通して文月七不思議のままでいたかったがな…)」

正体がばれたのは残念だったが、ばれてしまっては仕方がない。

ズボンについていたほこりを軽く払ってその場に立ち上がり、

「えー、園芸部 部長 兼 部員の木村秀頼だ。改めて1年間よろしく」

自己紹介をもう一度して、席に座り直した。

『園芸部は本当に存在したんだ……』

 

『噂では1人で切り盛りしてるらしいぞ……』

 

『卵とかも販売してるらしい……』

 

『もはや園芸の領域じゃない……』

 

「当然俺も全力を尽くす」

 

『確かになんだかやってくれそうな奴だ』

 

『坂本って、小学生の頃は神童とか呼ばれていなかったか?』

 

『実力はAクラスレベルが二人もいるってことだよな!』

着実にクラスの指揮は上がりつつ、打倒Aクラスの希望すら見えてきた。

 

「それに、吉井明久だっている」

 

……シンーーー

 

教室から音が消え、沸いていた空気は冷えきった。

 

「ちょっと雄二!どうしてそこで僕の名前を呼ぶのさ!全くそんな必要はないよね!」

 

『誰だよ、吉井明久って』

 

『聞いたことないぞ』

 

「僕は雄二たちとは違って普通の人間なんだ……って、秀頼!今哀れみを込めた目でみたでしょ!」

 

「大丈夫だ。お前も普通ではない。だろ雄二」

明久を適当にいなして、そのまま雄二へと流した。

 

「ああ、何せこいつの肩書きは《観察処分者》だ」

 

『……それって、バカの代名詞じゃなかったけ?』

 

「ち、違うよっ!ちょっとお茶目な十六歳につけられる愛称で」

ごまかそうとするが、それを許すどウチの代表は甘くない。

 

「そうだ。バカの代名詞だ」

 

「肯定するな、バカ雄二!」

 

《観察処分者》は学年に1人いるかいないレベルの選ばれたバカに与えられない、珍しい称号(笑)である。

それを「肯定するな」は無理があると思う。

 

「あの、それはどういうものなんですか?」

ただ姫路には無縁で、程遠い場所にいたからこそ純粋に疑問に思ったことを口にした。

 

「基本的には教師の雑用だぞ。ただ、力仕事とかも任されることもあるから特例として、召喚獣で物に触れることができるくらいだな」

 

「そうなんですか?それって凄いですね。試験召喚獣って見た目と違って力持ちって聞きましたから、そんなことができるなら便利ですね」

 

姫路の羨望と尊敬がこもった視線が明久に送られて、

 

「あはは。そんなに大したもんじゃないんだよ」

手を振って否定してるが、その通りである。

忘れてはならない。これは罰であり、自分の為には使えず、さらに物に触れれる代わりに痛みも疲労も返ってくるために、一概に便利と呼ばれるものではない。

 

『おいおい。《観察処分者》ってことは、試召戦争で召喚獣がやられると本人も苦しいってことだろ?』

 

「気にするなアイツはMだ」

姫路は首を傾げ、他のクラスメイトは明久から一歩距離を置いた。

 

「ちょっと秀頼!何てこと言ってくれるのさ!」

 

「(責めて否定はしてくれよ…)」

 

話が脱線しそうになったため、雄二が咳払いをして、その場を持ち直すと。

「とにかくだ。俺たちの力の証明として、まずはDクラスを征服してみようと思う」

 

「ちょっと!まず僕の誤解から解いてよ!」

 

「皆、この境遇は大いに不満だろう?」

 

『当然だ!!』

 

「ならば全員筆を執れ!出陣の準備だ!」

 

『おおーーっ!!』

 

雄叫びとともに、様々な思いが込められた拳が掲げられ、クラス中が打倒Aクラスに燃えていた。

 

「明久にはDクラスへの宣戦布告の使者になってもらう。無事大役を果たせ!」

 

「……以下勢力の宣戦布告の使者ってたいてい酷い目にあうよね?」

やはり明久は妙に鋭い感覚を持っている。

 

「ここは日本だぞ。そんな野蛮人なんているはずがないだろ」

 

「騙されたと思って行ってみろ」

 

「本当に?」

 

「「大丈夫、俺達は友人を騙すような真似はしない」」

 

「わかったよ。それなら使者は僕がやるよ」

やはり明久はチョロかった。

 

「ああ、頼んだぞ」

 

クラスメイトが歓声と拍手で死者を送り出し、見えなくなった辺りで黙祷を捧げた

 

 

 

 

 

 

 

1秒ほど。

 

 

 

 

「騙されたぁ!」

特殊部隊顔負けの勢いで、教室に人影が転がり込んできた。

 

「やはりそうきたか」

 

「でも、五体満足で何よりだ」

確かに五体満足ではあったが、制服は所々破れ、おでこには《肉》の文字のペイント、相当酷い目にあったのは、見ただけでもわかった。

 

「やはりって!暴行は予定通りだったんじゃないか!しかも秀頼は、部位欠損前提で使者を勧めたの!?」

当たり前だ誰が好んで暴行を受けに行くものか。

 

「当然だ。そんなことも予想できないで代表が務まるか」

 

「明久なら大丈夫だと信じてた」

 

「少しは悪びれろよ!」

そんな明久にも天使はいた。

 

「明久君、大丈夫ですか?」

そう姫路だ。

 

「あ、うん。大丈夫。ほとんどかすり傷」

やはり明久は前向きである。

 

「吉井、本当に大丈夫?」

島田まで心配するを珍しい。

今日は槍でも降ってくるのではないだろうか。

 

「平気だよ。心配してくれてありがとう」

 

「そう、良かった……。ウチが殴る余地はまだあるんだ……」

今日も文月学園は快晴である。

 

「ああっ!もうダメ!死にそう!」

慌てたように腕を押さえて転げ回っているが今更のことである。

 

「そんなことはどうでもいい。それよりミーティングを行うぞ」

 

雄二はここではない場所で話し合うつもりのようで、扉を開けて外に出て行った。

 

「俺も先に行くから後でな」

俺は雄二を追いかけ、屋上にたどり着いた。

 

「明久。宣戦布告はしてきたな?」

雄二が手頃な場所に腰を下ろし、それにならい各自腰を下ろした。

 

「一応今日の午後に開戦予定と告げてきたけど」

 

「それじゃ、先にお昼ご飯ってことね?」

 

「そうだな、今日ぐらいはまともな物を食べろよ?」

 

「その台詞、そっくりそのまま秀頼に返すよ」

 

「俺の昼食はまともな物だぞ。そうだよな?」

周りに同意を求めるが、姫路以外の全員が苦笑いした。

 

「えっ?吉井君と木村君ってお昼食べない人なんですか?」

 

「「いや。食べてるぞ(よ)」」

 

「……あれは食べてると言えるのか?」

雄二の横槍が入る。

 

「何が言いたいのさ」

 

「そうだ。俺は明久と違ってしっかりと食べてるぞ」

 

「秀頼よ、確かに物は食うておるがあれはのう……」

 

「………まともな食べ物じゃない………」

 

「蛇の唐揚げに蜂の子の炒め物、どこがまともなものじゃないと言うんだ?」

暖かい春の陽気なはずなのに、何故か木枯らしが吹いた気がした。

 

『……………』

 

「いや、お前の主食って……水と塩だろ?」

無かったことにされたのは、気のせいだと思いたい。

 

「きちんと砂糖だって食べてるさ!」

 

「あの、吉井君。水と塩と砂糖って、食べるとは言いませんよ……」

 

「舐める、が表現としては正解じゃろうな」

さっきと違い木枯らしは吹くことはなく、優しい視線が明久を包み、俺の目はほんのりと温かくなった。

 

「ま、飯代まで使い込むお前が悪いよな」

 

「し、仕送りが少ないんだよ」

実際に海外に親がいて一人暮らはしているが、充分に仕送りはされてると思う。

 

「……あの、良かったら私がお弁当作ってきましょうか?」

 

「(おや、これはもしかして…)」

姫路をよく見てみると少し顔が赤くなっていた。

 

「ゑ?」

余りの驚きに明久は言語が変わっていた。

 

「本当にいいの?僕、塩と砂糖以外のものを食べるなんて久しぶりだ」

コイツの生命力はG以上なのではないだろうか。

 

「はい。明日のお昼で良ければ」

 

「良かったじゃないか明久。手作り弁当だぞ」

 

「うん!」

 

雄二がからかうが、幸せいっぱいの明久はそれすらも心地良さそうだ。

 

「……ふーん。瑞希ってずいぶん優しいんだね。吉井 だけ に作ってくるなんて」

 

ツンデレの嬢王がそれを許さなかった。

 

「あ、いえ!その、皆さんにも……」

 

「俺達にも?いいのか?」

 

「(なる程、そうきたか)」

確かに、全員分作ると言う名目でなら島田も口出しは出来ないな。

 

「はい。嫌じゃなかったら」

 

「それは楽しみじゃの」

 

「そうだな」

 

「…………(コクコク)」

 

「……お手並み拝見ね」

 

「わかりました。それじゃ、皆に作ってきますね」

 

「(自分の分を含めると七人分か。がんばれ)」

俺はそっと心の中でエールを送った。

 

「さて、話がかなり逸れたな。それじゃ、作戦を説明しよう」

 

 

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