バカと農家と召喚獣   作:暁魔

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今までの友は今日も敵

くなーさん、レンジャーさん、感想ありがとうございました。

では四話目です!

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第四問

 問 以下の問に答えなさい

『(1)4sinX +3cos3X=2の方程式を満たし、かつ

 第一象限に存在するXの値を一つ答えなさい。

 (2)sin(A+B)と等しい式を示すのは次のどれか、

  ①~④の中から選びなさい。

 ①sinA+cosB  ②sinA-cosB

 ③sinA cosB   ④sinAcosB+cosA sinB』

 

 姫路瑞希の答え

『(1)X=π/6 (2)④』

 

 教師のコメント

そうですね。角度を[°]ではなく[π]で書いてありますし、完璧です。

 

 吉井明久の答え

『(2)およそ③』

 

 教師のコメント

先生は今まで沢山の生徒を見てきましたが、選択問題でおよそをつける生徒は君が初めてです。

 

 木村秀頼の答え

『(1)X = およそY』

 

 教師の答え

およそをつけて誤魔化す生徒はみてきましたが、ここまで雑な誤魔化し方は初めてです。

 

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現在最前線になっている渡り廊下は、2クラス分離れたDクラスの学力にFクラスは押されつつある。

 

「もう少しで援軍がくるはずだ。総員、猫の子一匹通すな!」

その前線で部隊長を任されている俺は、Dクラスの勢いに負けじと声を張り上げた。

 

『いたぞ!アイツが指揮官だ! 試獣召喚っ』

 

『そうだな、アイツさえ潰せばこっちが優勢になる。 試獣召喚っ』

 

さっきの声を聞きつけたDクラスの2人が召喚獣を召喚し、逃げる隙すら与えず襲いかかってきた。

 

「Fクラス木村秀頼が受けて立つ 試獣召喚」

出てきたの時代劇などで農民などが着ている木綿の甚平に平鍬と先端が鉄でできている木製の鋤と呼ばれる現代で言うスコップを背負った小さな俺だった。

 

『Fクラス   木村秀頼  科学  78点

      VS         VS

 Dクラス   前田優馬      96点

 

        栗本直樹      86点』

 

『………なんかごめんな…』

 

『一瞬で消してやるからじっとしてな……』

 

「やめろ!そんな哀れみの目で俺を見るな!」

 

「(確かに武器は江戸時代の一揆レベルだし、格好だって冴えない江戸の農民だ。しかし、敵に同情されるほど酷くは無い……はず…だ…)」

盛大凹んでいる俺の召喚獣の首筋を狙った容赦ない一撃を紙一重で回避するが32点のダメージを受け首筋に痛みが走った。

 

「(偶然だよな…)」

明久みたい《観察処分者》って訳でも無いのに痛みがあるはずがないと思い、反撃として召喚獣を独楽のように回転させ鍬を振り回しながら突撃しようとするも召喚獣が偶々落ちていた消しゴムにつまずき横転した。

 

「(なんで物理干渉しているんだ!?)」

急いで体勢を直そうとするがその時にはすでに避けることが出来ない所まで敵が迫っていた。

 

「(初戦から戦死だな最悪だ…)」

 

戦死を覚悟して抵抗を諦め目を瞑ったが戦死が告げられることはなく、

 

「秀頼、助けにきたのじゃ」

秀吉の召喚獣によりとどめは刺されることは無かった。

 

「おぉ、女神よ…」

 

「何を言っておるんじゃおぬしは!ワシは男じゃ!」

 

「怒っている姿も可愛…ゴホゴホ 違うこれは戦場での一時的な混乱だ、気にするなるな」

 

「ならいいのじゃが…」

まだ納得していない秀吉ではあったがここは戦場なのもあって深くは言及してこなかった。

 

『Fクラス   木村秀頼  科学  46点

        

        木下秀吉      78点

      VS         VS

 Dクラス   前田優馬      75点

 

        栗本直樹      86点』

 

秀吉が加わり人数は同じになったが未だに不利なのは変わらない。

 

「秀吉、前田は任せた!」

 

「わかったのじゃ」

そう頷くと前田の召喚獣に向かっていった。

 

「(さて、物理干渉出来ると分かったんだ。なら存分に使わしてもらう)」

鍬をしっかりと握りらせ召喚獣に鍬本来の使わせ方をした。

 

 

 

 

 

 

 

つまり召喚獣に廊下を耕せさせた。

いきなりの出来事に相手が呆気にとられているうちに縦横20㎝×20㎝の400㎠(※召喚獣10体分ぐらい)を耕した。

 

『とうとう自暴自棄になったか……』

栗本は呆れながら召喚獣を走らせを俺の[畑]へと踏み込み2、3歩目辺りでバランスを崩しその場に倒れ込んだ。

 

「(予想通りだ)」

召喚獣は元々は物理干渉できないため校舎には特殊な加工がされている。その廊下を耕してフカフカにすれば普通の召喚獣なら物理干渉ができず特殊加工がムチャクチャになり歩きづらい廊下だが、物理干渉可能な召喚獣ならただの柔らかいだけの廊下になる。

 

「隙あり!」

鍬から鋤に武器を持ち替え何度も殴りつけ栗本を戦死させた。

 

『嘘だ…嘘だぁ!』

 

「さぁ来い!この負け犬が!」

 

『て、鉄人!?嫌だ!補習室は嫌なんだっ!』

 

「黙れ!捕虜は全員この戦闘が終わるまで補習室で特別講義だ!」

 

『た、頼む!見逃してくれ!あんな拷問耐えきれる気がしない!』

 

「拷問?そんなことはしない。これは立派な教育だ。補習が終わる頃には趣味が勉強、尊敬するのは二宮金次郎、といった理想的な生徒に仕立て上げてやろう」

 

『お、鬼だ!誰か、助けっ……イヤァァ…(バタン、ガチャ)』

 

『「……………」』

 

敵味方の全てが武器を下ろし辺りが静寂に包まれた。

ここでとれる俺の指示は、

 

「………総員退避!!」

誰も責める者はいなかった。

 

「(散々戦ったんだ、もう戻っても良いはずだ…)」

そんな暗示をかけながらFクラスに撤退を始め、撤退組の先頭で秀吉をみつけた。

 

「秀吉、さっきは本当に助かったぜ。ありがとな」

 

「困った時はお互い様なのじゃ、別に気にするほどのことでもないのじゃぞ」

 

「(こんな気遣いもできるんだ、きっと将来はいい嫁さんになるな)」

そんな妄想を膨らませていると前方から援軍が全力疾走で走ってきた。

 

「ようやく来たか!」

 

「明久、援軍に来てくれたんじゃな!」

 

「秀吉、秀頼、大丈夫?」

 

「うむ。戦死は免れておるが、これ以上の戦闘は無理じゃ」

 

「俺もギリギリだ、このまま戦えば戦死は確定だな」

 

「そっか。なら早く戻ってテストわ受けなをしてこないと」

 

「なら、後は任せたぜ明久」

 

「すぐ戻る。じゃから、それまで頼むのじゃ」

前線を明久に引き継ぎ、俺達は急いで教室まで走った。

 

教室に戻ってみると指で数えれる程の人しか残っておらず、秀吉達はテストを受け直し始め、教室の真ん中で胡座をかいている雄二に向かった。

「雄二、ちょっといいか?」

 

「ん、なんだ?」

向かい合う形で腰を下ろし本題に移る。

 

「俺の召喚獣が物理干渉するようになった」

 

「この学年2人目の《観察処分者》だな」

 

「断じて違う!」

失礼な俺はアイツほどバカではない。

 

「冗談だ。で、心当たりはないのか?」

 

「心当たりと言われてもだな、これといった問題行動は起こしてないはずだが……」

文月学園に来てから今まで、模範な生徒として過ごしてきた訳ではないが、《観察処分者》になるほどの問題児ではないと断言はできる学校生活はしてきた自信はある。

 

「………なら部活関係」

 

「ムッツリーニ、お前いつからそこに居たんだ」

コイツの祖先は忍者じゃないのかと思うのは俺だけじゃ無いはずだ。

 

「準備は終わったのか」

 

「……問題ない」

雄二の顔が悪代官みたいなのは気のせいだと信じよう。

 

「部活関係か……あ、そういえば春休み前に召喚獣で畑を耕したいって頼んでたな」

 

「……それで《観察処分者》に」

 

「なってないからな!」

そんな不毛なやり取りをしているとバンと教室の扉が勢いよく開けられ須川に羽交い締めにされた殺気だっている島田が現れた。

 

「木村、俺は限界だ。後は任せた!」

次の瞬間、須川が島田を突き飛ばし戦場に戻っていった。

 

「島田取りあえず深呼吸しろ」

 

「シャーフシャァー」

理性を失った島田に深呼吸させたが、人類が出してはいけない音が聞こえた。

 

「落ち着いたか?どうせ明久のせいなんだろ」

 

「そうよ、アイツが消火器のいたずらと窓を割った犯人に仕立て上げたのよ!」

 

「(何があったんだ!?)」

試召戦争はあくまで召喚獣同士の戦争であり、普通は窓が割れたりましてや消火器を使用する事はまずない。

 

「大丈夫だ、あのバカには死よりも酷いものが待ってるからな」

 

「………(コクリ)」

ムッツリーニが頷くのと同時に校内放送用のスピーカーからピンポンパンポーンとお馴染みのコール音がなり、

《連絡を致します》

須川の声が流れ出した。

 

《船越先生、船越先生》

 

《吉井明久君が体育館裏で待っています》

 

《生徒と教師の垣根を越えた、男と女の大事な話があるそうです》

船越先生(四十五歳♀独身)の餌にされたんだな。

これは確かに死より恐ろしい。

 

「ムッツリーニ、退却の指示を出してきてくれ」

 

「……心得た」

ムッツリーニは小さく頷くと一瞬のうちに消えた。

 

「雄二よ、相変わらずおぬしは惨いことを平気でするのう」

回復テストが終わった秀吉が、やれやれという表情を浮かべながらこちらに歩いてきた。

 

「作戦の一部だ、仕方ない犠牲だ」

 

「そうよ、ウチを陥れた天罰よ」

犠牲や天罰にしては失うものが多すぎるような気がするが、勝つためだ仕方ないことなのであろう。

 

「……今戻った」

ムッツリーニに続き前線にいたメンバーが教室に入ってきた。

 

「明久、よくやった」

 

「それより雄二、須川君がどこにいるか知らない?」

相当恨みがこもっているらしく目をくすんでいた。

 

「もう戻ってくる頃だな」

 

「やれる、僕なら殺れる……!」

島田といい、今日のクラスは魔境なのだろうか。

 

「ちなみに、だが。あの放送は俺の指示だ」

 

「シヤァァアッ!」

獲物を見つけた魔物の動きは速かった。隠し持っていた包丁を取り出すとコンパクトに踏み込み、ターゲットの肝臓を突き刺…

 

「あ、船越先生」

 

すことはなく、反転し急いで掃除用具入れに隠れた。

 

 

「さて、馬鹿は放っておいて、そろそろ決着をつけるか」

 

「そうじゃな。ちらほらと下校しておる生徒の姿も見え始めたし、頃合じゃろう」

 

「………(コクコク)」

 

「そうだ、さっさと終わらせようぜ」

 

「おっしゃ!Dクラス代表の首級を獲りにいくぞ!」

 

『おうっ!』

 

雄二の号令を合図に馬鹿を除くFクラスの生徒が一斉に動き出し、下校する生徒に紛れながらDクラスの連中を囲み1人1人確実に討ち取っていった。

 

「本隊の半分はFクラス代表の坂本雄二を獲りに行け!その他のメンバーは囲まれている奴を助けるんだ!」

 

『おおー!』

 

Fクラスが総力戦を仕掛けたことによりDクラスの本隊が動き出した。

 

そして、がら空きになったDクラス代表の平賀源二にFクラスのジョーカーである姫路が勝負を挑み、一瞬で平賀の召喚獣を葬り去り、Fクラスの勝利で決着がついた。

 

 

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