バカと農家と召喚獣   作:暁魔

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偶然は時として残酷である

※の部分は専門書とWikipedia調べです、専門的に学んだ訳では無いので、誤りがあるかも知れませんがご了承下さい。

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遅れましたが5話目どうぞ。

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第五問

 問 以下の文章の( )に正しい言葉を入れなさい。

『光は波であって、( )である』

 

姫路瑞希の答え

『粒子』

 

教師のコメント

よくできました。

 

吉井明久の答え

『勇者の武器』

 

教師のコメント

先生もRPGは好きです。

 

木村秀頼の答え

『闇は静止』

 

教師のコメント

この解答は吉井君の影響ですか。

 

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『うぉぉーーっ!』

姫路がDクラス代表の平賀源二を打ち取った瞬間、Fクラスの雄叫びとDクラスの悲鳴が混ざり合った大音量の叫びが校舎全体に響いた。

 

「俺達勝ったんだな」

周りのクラスメイトが雄二を称えている中、物理干渉ができる代わりに痛みや疲れなどが返ってくるせいもあってヘトヘトである。

 

「(やっぱり、慣れてないとキツいな…)」

普段から園芸部で体は使っていて体力には自信があったが、召喚獣での疲れは直接的な肉体労働とは違う疲れだ。

 

「秀頼、雄二どこにいるか知らない?」

 

「あそこだ…」

笑顔のまま殺気を放つ明久の質問にとっさに答えてしまった俺は悪くない。

 

「ありがとう、これで僕の尊厳の仇がとれるよ」

 

「お、おう」

手元で普段よりも増して輝いている金属が見えたのは、きっと疲れているからだ。

 

「雄二!」

明久が雄二に駆け寄っていき、相手が振り向くのと同時にプロ顔負けの包丁による刺突を繰り出した。

 

「ぬぉぉっ!」

勝利に酔っていて反応が少しをくれたが、手首を掴んでそのまま捻り無力化してしまうあたり悪鬼羅刹の名は伊達ではない。

 

「(包丁回収するか…)」

あんな凶器を何時までも床に放置する訳にもいかず、いまだに睨み合いが続く2人の近くまで行き鋭く研がれた包丁を回収すると。

 

「秀頼今だ!今なら懐ががら空きだよ!」

 

「お前の差し金だったのか…覚えてろ…」

明久の発言で一連の出来事の首謀者が俺に仕立て上げられ、雄二から恨みを込めた目で睨まれた。

 

「違う、誤か…「まさか姫路さんがFクラスだなんて……信じられん」

雄二に誤解だと弁解しようとするが、後ろからヨタヨタと歩み寄る平賀によって遮られ。

 

「あ、その、さっきはすいません……」

更に、姫路まで来たことにより、言いだしにくくなり。

 

「いや、謝ることはない。全てはFクラスを甘く見ていた俺達が悪いんだ」

最後に、負けたことは自分の責任だと言い張る潔いDクラスの代表の言葉。

 

「(こんな状態で弁解なんて出来るかァァァ!)」

姫路と平賀のトリプルプレーによる会話の主導権の交代、場の雰囲気の転換により完全にタイミングを失った。

 

「ルールに則ってクラスを明け渡そう。ただ、今日はこんな時間だから、作業は明日で良いか?」

 

 

「もちろん明日で良いよね、雄二?」

平賀に気を取られていて気がつかなかったが、雄二はすでに明久の手首を放しておりいつの間にか決着がついていた。

 

「いや、その必要はない。俺達の目標はあくまでもAクラスだからな」

 

「でも雄二、折角なら貰っておこういたらいいのに」

 

「そうだ、貰うだけ貰っておこうぜ」

今のボロボロな設備より断然増しな設備を要らないなんてもったいなさすぎる。

 

「少しは自分で考えろ。そんなことだから、お前たちは近所の中学生に『馬鹿なお兄ちゃん』や『脳筋のアニキ』なんて愛称がつけられるんだ」

 

「なっ!そんな半端リアルな嘘をつかないでよ!」

 

「そうだ、中学生にそんな呼ばれ方をされた覚えはないぞ」

 

「おっとすまない。近所の小学生だったか」

 

「「……人違いだ(です)」」

 

「まさか……本当に言われたことがあるのか……?」

周囲からの哀れむ視線がとてもつらい。

 

「と、とにかくだな。Dクラスの設備には一切手を出すつもりはない」

 

「それは俺達にはありがたいが……それでいいのか?」

 

「もちろん、条件がある。俺が指示を出したら、あれを動かなくしてもらいたい。」

雄二の指差す先にはBクラスの室外機があった。

 

「それはこちらとしては願ってもない提案だが、なぜそんなことを?」

 

「次のBクラス戦の作戦に必要なんでな」

 

「(エアコンを使えなくして指揮でも下げる気なのか…それとも…止めだ、作戦はアイツの仕事だ)」

どんな方法を使うか見当がつかず、考えるのを諦めた。

 

「……そうか。ではありがたくその提案を呑ませて貰おう」

 

「タイミングについては後日詳しく話す。今日はもう行ってもいいぞ」

 

じゃあ、と手を挙げてDクラス代表、平賀は去っていった。

 

「さて、皆!今日はご苦労だった!今日のところは帰ってゆっくりと休んでくれ!解散!」

雄二の号令でクラスメイトが帰りの支度をするため教室へ歩き出した。

 

「俺は部活があるから先帰るぞ」

 

「おう」

 

「秀頼また明日ね」

俺は駆け足で荷物を教室に取りに行った。

 

 

園芸部は俺しか部員がいないため、いつもは1人で活動しているが毎週月曜日だけはある人物と2人で活動する特別な日で今日が丁度その日である。

 

「やっぱり、試召戦争ってかなり時間がかかるな…」

いつもならもう活動している頃で相手を待たせているため待ち合わせの校門まで自然と駆け足になる。

 

「遅いぞ、脳筋のアニキ!」

校門に着くと待ち合わせの相手である、髪を両脇でシニヨンにその中央にある一本のアホ毛が特徴的な小学生が仁王立ちしていた。

 

「悪かったって陽菜、ただ脳筋のアニキだけは止めてくれないか」

陽菜とは出会ったのは1ヶ月前のことで、鶏舎の中で卵の使い道を考えていた時にひょっこりと現れ『プリンなら卵を使うぞ』と言われプリンの作り方を教えてもらい、その後も手伝いに来てくれているが一向にこの呼び方だけは変えてくれない。

 

「だったらよ、早く俺よりおいしいプリン作れるようになれよな」

 

「しかたないだろ、料理なんて切る、焼く、揚げるの単純なことしかやったこと無かったんだ、作れるようになっただけでも増しだろ」

 

「だから《脳筋のアニキ》なんだぞ」

そう言われるとぐうの音もでない。

 

「と、とにかく部活しに行くぞ」

そう告げ、園芸部が所有している学園内の畑に早歩きで向かった。

 

「あ、逃げんなアニキ!」

 

畑に着くと陽菜には部室であるプレハブ小屋で着替えさせ、俺は備品倉庫で着替えを済まし。

 

「じゃあ卵の収穫頼む、鶏に噛まれるなよ」

鶏舎ははなしがい方式になっており餌やりは自動でされるようになっているが、卵がそれぞれの巣にあり多少手間ではあるが陽菜曰く、『宝探しみたいで楽しい』だそうだ。

 

「わかってるって、じゃあ行ってくるぜ~」

元気いっぱいに返事すると鶏舎に走って行った。

 

「転けるなよってもういねぇ…さて、物理干渉は出来るように設定されてたんだ。なら 試獣召喚」

予想通り目の前に木綿の甚平を着た小さな俺が現れた。

 

「畝でも作るか」

そう呟き俺は、召喚獣と同時進行で畝を作りだす。

 

※(読まなくても大丈夫です)

植物系の農業では土は最も大切なものの一つで植物の種類・品種によって最も適切な土がある。例にトマトを挙げてみる、日本ではトマト丸くて瑞々しいものだというイメージがありますが、外国のトマトのイメージは細長く果肉が分厚いイメージの地域もあります。その違いは日本のトマトはフルーツトマトという品種一般的で、外国その地域のトマトは加工用のトマト主流だということです。つまりトマト一つ取ってみても品種は様々あり、もちろんのこと育て方も適した土の質も変わってくるのである。だから、土を盛って作るか畝は初歩的なものではあるがとても重要なことなのだ。

 ※

 

「アニキ卵収穫終わったぜ!」

作業開始から30分位たち10mの畝が合計で2つできあがった頃、陽菜が鶏舎から出て来た。

 

「沢山採れたか?」

 

「おう!35個採れたぞ」

そう言って籠に入った卵を誇らしげに見せる。

 

鶏は毎日大量に卵を産むと思われがちですが、鶏も流石に毎日は産むことは出来ず、個数も24時~25時に一個のペースで数日間産み続けて、そして1日休むことをしています。

 

「じゃあ、今日の分はこれで終わりだ門まで送って行ってやるから着替えてこい」

 

「は~い」

返事すると卵の入った籠を俺に渡しプレハブ小屋に着替えに向かった。

 

「片付けでもしておくか」

籠を近くの台の上に置き、自分が使った鍬などを備品倉庫にしまい終わった頃には陽菜は着替えを済まし小屋の前にいた。

 

「ちょっと中まで来てくれ」

 

「ん、どうしたんだアニキ?」

いきなりのことに首をかしげ頭に?を浮かべている。

 

「秘密だ。そこの座布団に座っててくれ」

俺は籠を持ってプレハブ小屋に入り陽菜を座布団に座らせると、持っていた卵を冷蔵庫にしまい黄色い個体の入った瓶を取り出し卓袱台の上に置く。

 

「食えるまでにはなったと思う」

スプーンを渡し、さっき置いた瓶を勧める。

 

「俺の判定は厳しいぞ」

ニヤリと笑うとスプーンで瓶の中の個体をすくい一口ほうばり考え込む。

 

「どうだ?」

 

「ん~俺に比べたらまだだが……合格!」

 

「よっしゃぁ!」

瓶の中身の正体はプリンで合格が貰えるまでは園芸部の商品として出すのは禁じられていたが、今をもって解禁となった。

 

「ごちそうさまでした」

食べ終わった容器とスプーンを回収し水の入ったタライに浸す。

 

「じゃあ、門まで送るぞ」

それから校門までの道のりでプリンの改良点や今日の部活のことを話しているとあっという間に校門に着いた。

 

「じゃあ気をつけて帰れよ」

 

「おう!アニキこそ新学期から無理するなよ」

 

「さてと、俺も着替えて帰るか」

陽菜を見送り部室に戻ろうと振り返ると知ってる顔が下駄箱から歩いてくるのが見えた。

 

「秀吉か、丁度よかった」

 

「アタシは「でも珍しいな、下校中に女装するなンペェ」

喋りきるよりも先に鳩尾に拳がめり込んだ。

 

「アタシは木下優子!秀吉の姉よ!」

 

「確かに秀吉よりも胸ガハァ」

ダメージのせいで混乱して余分なことを言ったため、本日2度目の衝撃が鳩尾に響いた。

 

「秀吉に何の用事があったのかしら?」

 

「(阿修羅が見えるぞ…選択間違えたらまず死ぬだろうな…)」

一歩間違えれば死ぬと思うと冷や汗が止まらない。

 

「手作りのプリンの味見をして貰おうかなと…」

 

「なら、そのプリンで今回のことは忘れてあげる」

 

「はい!よろこんで!」

そこからは生き残るのに必死で何も覚えていない。

 

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