咲-欠片-   作:憂臣

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すいません……受験勉強に疲れ、なんか勢いで書いてしまいました。
なんかその場のノリで思いつきから一時間もかけずに作ったため、酷い矛盾、いい加減な描写、誤字脱字が見受けられるかもしれません。
それでもよろしければどうか見てやってください。



咲-Saki- の三尋木咏が天_天和通りの快男児の天貴史に憧れて麻雀をやり始めたらってif

時期的には咏がプロ入りして、最初の優勝をかけたリーグ戦の時のお話

怒涛の勢いで快進撃を続けてきた横浜ロードスターズ
そして、その若きエース三尋木咏

リーグ戦決勝の直前咏はアルツハイマーの闘病中だった天が倒れたという連絡をうける。

敬愛する天が倒れたと聞き、動揺し調子を崩す咏

そして最終日を前に咏は耐え切れず天に会いに行く……




(注意)この物語は、咲-Saki- 天_天和通りの快男児の二つを既読されていることを前提にしています。
正直読んでないと、コイツ誰だ?とか場面場面の描写が理解不能になってしまうのでご注意ください


繋がれる石

咏は、そのときほとんど今回のリーグ優勝を諦めていた……

5人で10万点スタート、10万点返しを三回。

その総合得点で競うリーグ戦

その一戦目から大敗を喫したのだ。

 

 

 

天が倒れた。そのことに対する動揺が一因だったのは間違いない。そこをきっかけに咏は坂を転がるように調子を崩していった……

 

横浜ロードスターズの他のメンバーが懸命に追うも

二日目終わって-80点……トップとの差は実に130点以上

どうしようもないほどに絶望的な点数差だった。

これが高火力の選手の揃ったチームであればここまでの差にはならなかっただろう。しかし、咏以外のロードスターズのメンバーは基本的に大きく負けず、大きく勝たないといったスタイルの雀士たち。

だからこそ今まで決勝までは辿り着けず、咏が入ったことでその火力を十二分に活かし優勝を狙うまでにいたったのだ。

しかしそれはある意味でエースの咏に頼った闘いであり、そのエースであるはずの咏が一人で二日合わせて、10万近くの点数を失い、その差を他のメンバーは取り戻すことは出来なかった。

 

 

二日目の終盤には、咏だけでなくチーム全体に諦めムードが蔓延していた。

それでも、チームメイトが咏を責めるようなことをしなかったのは

優しさであり、今までチームを引っ張ってきてくれたことに対する感謝だったのだろう。

 

けれども咏にはその優しさが、思いやりが鋭く刺さる……

いっそ責めてくれれば楽なのに、そう思わずにはいられない。

 

 

二日目が終わると、咏は余りのいたたまれなさにから恩人の見舞いに行くことを口実に逃げるように会場を去っていた。

 

半泣きになりながら、病院へと向かう咏

 

無自覚ながら咏には、天ならこのどうしようもない感情をなんとかしてくれるという甘えがあった。

仕方のないことだ。咏にとって天は目標であり、ヒーロのような、そんな存在だったのだから。

 

 

倒れたといっても大したことはないのだろう。

アルツハイマーで徐々に自我が消えてしまっているといっても、ついこの間まで麻雀だって打っていたのだ。

きっといつものように苦笑しながら、アドバイスをしてくれる。

 

天が倒れた。そう聞いて、調子をここまで崩しておいて矛盾するかもしれないが、彼女はどこか天さんは大丈夫と楽観視していた。

 

 

けれども

病院につき、そこで咏が見たのは、威風堂々とした快男児ではなく、椅子に座ったままで、ぼんやりと宙を見上げ、手の平で小さな石を転がすだけの老いた老人の姿だった。

 

「ほら、咏ちゃんが来ましたよ」

妻の一人が天に声をかけるも天はただゆっくりと咏の方を向いただけで、ろくに反応を示さなかった……

 

「ごめんなさいね、咏ちゃん。倒れてからこの人ずっとこうなの……自分が誰なのかも分からなくなっちゃってて……」

 

「そんなっ……」

咏はそんな天の姿に呆然とする。

咏だって分かっていた。いつかはこんな日が来るということを

けれども、それは余りにも突然だった。

 

「ねぇ、天さん……嘘だよね……?ほらいつもみたいにさ、笑ってよ……」

咏はふらふらと天に近づきながら話かける

 

「そんでさ、また麻雀打とうよ……私、まだ天さんに認めてもらってないよっ……これからなのにさっ……ようやく背中が見え始めたんだから……」

「麻雀打って……調子に乗った私をさ、追いついたって思い込んだ私をさ、綺麗に打ち取って……『まだまだ、甘ぇな』ってそう言ってよ……」

 

涙混じりのそんな言葉にも、天は何も答えない。

ただ虚ろ気に咏を見つめるだけ

「ねぇ、天さん……」

 

堪え切れなくなった彼女は嗚咽を漏らす。

これがあの天貴史なのかと

これがあの快男児の成れの果てなのかと

 

「咏ちゃん……」

妻の一人がそっと咏に声をかける。

 

咏は彼女に抱きつき、泣き続けた……

 

 

 

 

 

それから30分程たった頃だろうか

病院の面会終了時間が近づいてきた。

 

天と家族ではない咏はそろそろ退室しなければならず、悄然とした状態のまま、のろのろと帰り支度を始める。

 

「ごめんなさいね、大会の最中でこんなことになって……」

天の世話をしながら、妻は咏にそう謝る。

 

「いいんです……どうせもう勝ち目もないですし……それに天さんがこんなになって……麻雀なんて……」

殆ど諦めた口調で、咏はそう吐き捨て、帰ろうとする。

 

咏が病室から出掛かった、そんなときだった。

「う…た……」

 

「えっ!?」

 

途切れ途切れで、微かな声だったが、その声は確かに聞こえた。天の声だ。

「嘘っ!?天?天!!」

今まで喋ることのなかった天が言葉を発したのだ。

意識が戻ったのか、そう思い妻は天に問いかける。

けれど、天はそれ以上言葉を発すことはなく……ただ右手を力なく握り、震わせながら咏の方へと向ける。何かを渡すように、何かを託すように

 

咏がその手を取った瞬間、力尽きたかのようにその腕は脱力する。

そして天のゴツゴツした手が離れた時、咏の手の平には小さな石の欠片がのっていた。

 

「これ……ずっと前に話してくれてた……」

 

その欠片は赤木の墓石の欠片

「どうして……大切なものだって、くだらねえけど大切なものだって言ってたじゃん」

「昔、欲しいってねだったてくれなかったくせに……」

 

 

 

 

「多分ね、咏ちゃん。天もね……まだ打ちたいんだよ。咏ちゃんと一緒に」

「きっとこう言いたいんだよ『俺も一緒に打ってやる。だから諦めるんじゃねぇ』って」

「たぶんあの人のことだから自分も勝負に参加したいってそっちの理由の方が強そうだけど」

そういって二人の妻は笑いあう。

暗かった病室、その淀んだ空気が僅かながら晴れたようだった。

 

 

「だからさ、咏ちゃん。それは貴女がもらってあげて、きっと天は自分の欠片も赤木さんの欠片も咏ちゃんに繋いでもらえたら嬉しいだろうから、ね?」

 

 

「そっか……そうだよね……うん、よくわっかんね~……でも、なんか託されたっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

リーグ戦最終日

絶望的な点数差を突きつけられ、諦観の空気漂う横浜ロードスターズ

その控え室で、咏はメンバーに頭を下げていた。

 

「ごめんっ!!エースの座をもらっておきながら散々点数を失って、こんな状況にしてしまった。迷惑かけてしない私が言えることじゃないのは分かってる」

「それでも、皆にお願いしたいっ!もう一回だけ……もう一回だけでいいから……諦めないでっ!……都合のいいことだってことは分かってる……それでも、最後まで諦めたくないんだっ」

 

だから……おねがい……

 

そう言って咏は頭を下げ続ける。

 

 

誰も口を開かない……そんな重苦しい空気の中、先鋒戦の選手を招集するアナウンスが流れる。

 

ロードスターズの先鋒が、会場に向かおうと出口へと進む。

そして、ドアに手をかけたままぼそりと言う。

 

「あたしらは、咏のお陰でここまで来れた。けどさ、勝手に自分一人でやってる気になってんじゃねぇよ。勝手に結果も、責任も背負い込んでさ。これは個人じゃなくて、チームなんだぜ。咏の失った点?んなもんねーよ、あたしらロードスターズが失った点だ。そいつを取り戻そうって話だ。エースである咏が諦めてないんだ。なら、あたしも諦めねぇよ。どれだけ点差が離れようとな」

全員に聞かせるように、そう話す。

「あたしらは諦めない。けど、まぁ情けねぇけどさ。あたしらにゃ咏みたいな火力はないからさ。精々差を詰めるのが限界だ。だから」

 

差は減らしてやる。

だからきちっとまくって優勝してくんのがお前の仕事だ。

 

そう言って、彼女は戦場へと進む。

 

 

先鋒戦、次鋒戦、中堅戦、副将戦と次々に進み、

その中で、先鋒戦前の言葉で奮起したロードスターズはそれまでの諦めモードから一転、全員が死力を尽くしその差を減らそうとする。

 

そして……副将戦終了時、トップとの差は92点差

130点以上差のあった点数は二桁まで数を減らしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、リーグ決勝、その大将もついにオーラス。ここまで三尋木プロをはじめ、ロードスターズの面々は怒涛の追撃。この一日でトップとの点差を80点近く詰めてきました。しかし、先ほど三尋木プロの最後の親が流され、トップとの差はいまだ50点ほど、これは流石に厳しいか?」

 

 

 

ふぅと咏は息をつく。

逆転のために東一局から全力で打ち続けて、ついにオーラス聴牌

逆転優勝に必要な親との差は五万二千点までに短まった。

最終日開始時を思えば驚異の追い上げだ。

しかし、五万二千点、役萬でも直撃しなければ優勝は不可能なこの状況。

 

常識的に考えれば、絶望的だ。

 

 

「普通なら諦めるなぁ」と彼女は聞こえないようにこっそりと溜息交じりに呟く。

「少なくとも倍満をあがれば二位にはなれるわけだし、きっと普通はそっちを目指すんだろうねぇ」

 

プロ三年目で準優勝

10人がいれば、おそらく9人は間違いなくそう選択する。

無理をして負けるよりは、妥協して勝とうと

けれども咏は違う。二日間で自分が迷惑を掛けてしまったチームメイトたちが二桁までに短めてくれた点数差を前にして、そのような妥協が出来るはずがない。

 

ここまでお膳立てされて、優勝しないで何がエースだと

 

 

「それに……私はさぁ、託されたんだ。天さんが本当はどう思ってこの欠片を渡してくれたのかなんて知らんよ。もしかしたただボケてそうしたのかもしんない。んなのはわっかんねぇよ。でもさ、勝手に背負うことにしたんだ。私は今、あの人と打ってる。あの人を前にして、そんな情けない打ち方をするわけにはいかないっ!」

そう思うからこそ彼女は諦めない。

どこまでも高みを目指す。

 

 

(この手は伸びる。倍満なんかじゃ終わらない。もっと、遥かに高くまで轟く伏龍だ。

優勝するためには役満をあがるしかないんだしさ。

だからいくぜぃ、どこまでも……真っ直ぐにさ)

 

そう心の中で呟き、扇で口元を隠しながら咏は不敵に笑う。

 

 

 

「大沼プロ、これはどうゆうことでしょう?この点差でこの配牌なら、清一のように染めて高い打点を狙ってもいいように思えますが、初手から染めを拒否とは」

「ふむ。おそらくは染め手ではなく、場を対子場と読んで対々や三暗刻にドラを絡めるか、あるいは四暗刻を目指しているのかもしれませんね、役満をトップに直撃させれば逆転は可能なわけですから。対子系のやくならドラも乗るときは乗りますし、数え役満か、四暗刻そういった役満が作れるかが勝負ですね。」

「なるほど、試合を捨てたわけではなく、まだまだ優勝を虎視眈々と狙っているということですね」

「はい。それにしても三尋木プロは随分と変わりましたね。」

「と言いますと?」

「酷く調子を崩していた前二日は置いておくとして、以前までの三尋木プロは高い打点を持ち味にしながらも、どこか軽かったというか……ツキの薄い局、配牌やツモの悪い局には早めに見切りをつけている傾向がありました。」

「ですが、今日の三尋木プロは腰をすえて、配牌が悪くてもそこからアガリを目指して粘り強く打っていように見えます。」

「それは打ち方を変えたということですか?」

「いえ、高い打点をメインに据えた持ち味はそのままなので、どちらかといえば一皮剥けたと言ったほうがいいかもしれませんね。」

「敗北から何かを学んだのですかね。」

「流石にそこまでは」

そう言葉を濁しながら、大沼こっそりと胸中で感嘆する。

(しかし、それにしても三尋木咏は化けやがったな。天に憧れてるみたいな話を前に聞いたが……あの重く諦めるってことを知らねぇ打ち筋……まるで天が打ってるみてえだ。昨日に一体なにがあったのやら)

 

「おおっと!!ここでついに三尋木プロが聴牌。東か九萬をツモれば四暗刻です!!」

「東も九萬もまだ一枚も見えてませんからね。十分に引ける可能性はあると思いますよ」

「しかしここで対面の藤田プロも二萬を引き入れ張りました。しかし、リーチはかけずダマですか」

「全体でトップである彼女はリーチする必要もありませんしね。まだ手変わりも期待できる手牌ですし」

 

藤田と咏、その二人ともがアガれずに数巡が過ぎる。

 

(ここでじれちゃあ駄目だ。牌ってのは、最後は執念が引き寄せるもの。ただただ真摯に牌に向かい合えばいい。そうだったよね、天さん)

 

そして、転機は訪れる

 

 

 

 

 

「な、なんと!!三尋木プロツモったーー!!!三尋木プロ東をツモり、四暗刻です。……えっ!?

あがない!?あがらずにノータイムで九萬切りです!これは一体どういうことでしょう大沼プロ?」

「ツモり四暗刻では総合の点数で、優勝ができないんです。おそらく次のツモで単騎待ちに変えて直撃を狙うんでしょう。」

「な、なるほど……それにしても役満をあがらずというのは中々勇気のいることですよね」

「そうですね、これをあがらずというのは勇気を通り越して無謀とも言われかねません。しかしもし優勝を目指すにはこの選択しかないですね」

 

そして、次巡咏がツモった牌は、二萬っ!!

その牌に咏は苦笑する。

それは奇しくも天が東西戦の最後の局で待った牌

(あぁやっぱり天さんも打ちたいんだね。このピリピリとした空気の中、博打って炎に焼かれながら、最高の勝負をしたい。うん、今なら分かるわ、その気持ち。今の私がその気持ちだもの……その想いを乗せて……私も打つよ……この牌が私のアガリ牌になるっ!!)

その牌を手牌に入れ、咏は九萬を切る。

「リーチ!!」

そのリーチは決意の証。

もう一切を迷わないという

この形こそが最高形なのだという

その証明

 

 

「な、なんと!?三尋木プロ、二萬を手牌にいれリーチ!!しかし二萬は既に河に二枚出ています。そして、最後の一枚も藤田プロの手牌のなかだ!!全枯れのリーチです。これは裏目に出てしまった!!」

 

咏、異端の二萬単騎っ……地獄待ち!!

 

(きっと実況でそんな感じに言われてんだろうなぁ、知らんけど。知ってるよ、最後の一枚藤田プロの手の中だ。全枯れ……だからこそ、そこに機が生まれるっ。この待ちが唯一の直撃を取る方法だよ)

 

「いや、これは巧手かもしれませんね。逆転を目指すのなら、ある意味この方法かもしれません」

「それはどういうことでしょう大沼プロ?」

「三尋木プロのレベルになれば、恐らく最後の二萬を持っているのが藤田プロである。というのを読んでのリーチでしょう。そして、全枯れのはずの牌で待つというのは常識の範疇の外、ましてや対子落としからの単騎待ちです。安全牌があるうちは出ないでしょうが安牌が尽きたとき、藤田プロから、零れる可能性があります。彼女に限らず、プロというのは凡そその読みの深さが基礎になっているわけですから。」

「しかし、その読みを逆手に取っているということに藤田プロが気が付く可能性もあるのでは?藤田プロはそういった勘も鋭いですし」

「いえ、厳しいでしょう。三尋木プロは大胆というか適当なイメージが先行していますが、実際にはこまめに牌譜を研究していたりと繊細であり、わりと一般的な論理に従って打っていました。それは打ち筋にも見え隠れしています。それは対戦相手であり、インハイでも争った藤田プロも知っています。そういった意味でも今回のこの待ちは異端。博打ではありますが、かなりの手だと思います。ただ、自分の読みを信じれること相手がそれを使い切れないことに賭ける勇気、この二つがそろってないと出来ない芸当ですね。」

 

 

そして、三巡後

ついに藤田プロの手牌から安全牌がなくなる。

 

 

そして……捨てられたのは……二萬っ!!

 

 

「ロン!!四暗刻っ 32000!!」

 

このとき、咏は僅かながら、神域……その淵に手をかけた。

異端の理によって、有り得ない結果を手繰り寄せる。

その様はまるで天や赤木のようであった。

 

「逆転んんん!!!!オーラスで三尋木プロが藤田プロから役萬の直撃をとり、最終戦は圧倒的点数で横浜ロードスターズがトップです!!そして、このトップの点数が入り、見事横浜ロードスターズが優勝!!」

「四暗刻をツモってからの単騎への変更、そして二萬の地獄待ち、今日のMVPを選ぶのならば彼女でしょう!!」

そんな声が響く中、優勝を果たした咏は一人、笑みを浮かべながら小さな欠片を手の平で転がしていた。

 

 

 

この大会で三尋木咏の失点は10万点弱

 

 

しかし、最終日に半荘二回であげた点数は驚異の15万点

オーラスでの役満アガリと合わせて

首位打点王、そしてゴールドハンドを受賞

 

またこの時の100点近い差を覆していく様から

迫りくる怒涛の火力 とそう呼ばれるようになっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

授賞式が終わり、一度メンバーと別れ咏は一人会場へと戻っていた。

 

 

そしてそこで会場の責任者に一つ頼みごとをし、メンバーの下に戻る途中

咏はとある人物と遭遇した。

 

 

「優勝おめでとさん。全くオーラスでまくられるとね、お株を奪われたよ」

そう悔しそうに咏に話かけたのは、藤田だった。

 

「藤田さん……」

 

「あー、そんな微妙な顔をするな。私も思うところがないわけじゃないんだが、まぁ勝負の結果だ。仕方ないさ。ただ、ちょっと聞きたいことがあってな」

 

「聞きたいことですか?」

 

「なんであの時、二萬待ちにしたのかってことだ。勿論読みの裏をかいたってのは分かる。ただ、今までのお前さんの打ち筋はそんな偶に頼るようなことはなかっただろう?どうしてだろうな、と思ってさ」

 

「あー確かに今までの私の打ち筋からだとそうですね……けど私がずっと憧れていたのは、目指していたのは今日みたいな闘牌なんですよ。今までだって考えたことはありました。でもその偶に身を託す勇気がなかった。その不合理に身を任せる覚悟がようやくできた。ただそれだけですよ」

 

そう言って笑う咏。

彼女が幼いころから憧れてきた麻雀は、所謂「理」を外れ不合理に身をおきながら、それをねじ伏せるようなそんな麻雀

 

今までの打ち筋はその域に至るための経過だったのだとそう告げられた藤田は、盛大に顔を引きつらせた。話していた場所が薄暗い道で、その顔がみられなかったのは幸いだっただろう。

 

「つまりはあれか……お前はまだまだ強くなると」

 

「えぇ。いつかきっとあの人の見ていた世界に達してみたいですから」

 

「そうか……まぁ、一応聞きたいことは聞けたからよしとするか。それじゃぁ、またな。お前がどれだけ強くなるかは知らんが、次は私が勝つ」

そう言って藤田は去っていく。

その後姿に咏は声をかける。

 

「次も私が勝ちますよ。私が辿り着きたいのは百戦して、百勝する麻雀なんですから」

 

 

藤田は振り向かず、ただ片手を軽く振り夜の闇へと消えていった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、天は少しだけ、ほんの少しだけ回復した。

とはいっても、一日の殆どは椅子に座っているか、寝たきりであり、数日に一度ふとしたひょうしに意識を取り戻す程度である。

 

けれども彼はかつてひろゆきに語ったようにそのことに絶望せずに、妻二人に迷惑をかけながらも友や家族に囲まれ残り僅かな日々を温かく過ごしている。

 

 

 

 

そして、そんな天の部屋には二つに増えた二萬のストラップがひっそりと飾られている。




ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい



まずはこの駄文というか妄想文を読んでくれた皆様に感謝を




すみません。咏の口調とかが崩れまくりです……
でも、一応咏ちゃんは年上には敬語使える子ってことでどうか一つ

というか大沼プロとか藤田プロの口調もこんなんでいいんでしたっけ?
今、手元に原作がなく、ついでに言えば読んだのも結構前……
随分とテキトウに作ってしまいました

あと作者は麻雀もそこまで詳しくありません。
いや、打てるには打てますし、点数もある程度なら計算できますが
なんかひっかけとか迷彩できるほどには打てません。
今回のも、なんか赤木とか天っぽい打ち方をイメージしてでっちあげただけです。
プロのリーグ戦も勿論捏造
というかふつーに考えたらこんなややこしいリーグ戦しませんね
正直三日間やったのは、途中で天に会いに行くというイベントをしたかっただけの理由ですし……

受験生活はあと一ヶ月
それが終わって生きていれば書き直したいと思います。
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